茂木健一郎
2022年03月20日
字数制限のため2回分け。
【チコちゃんに叱られろ:前編】
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/12835660.html
の続き。
(承前)
あと『ウイルスこそが進化を加速してくれる』ってトンデモ理論「ウィルス進化論」めいてるよね…
「ウィルス進化論」にはフレッド・ホイルによるバージョンと、中原英臣&佐川峻によるバージョンがある様ですが、結局はどちらもトンデモ物件です。
詳しくは↓こちらのエントリを参照。
【パンスペルミア説に群がる人々】
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/9352753.html
上記日記でついでに茂木健一もちょっぴり批判していますが…
「学術的にはさしたる業績もないのに、自分が考えた訳でもない概念をキーワードにして一般向けの本を書き、メディアに露出して有名になった学者」
という意味で茂木健一と福岡伸一は似てるよね…
茂木健一は「クオリア」、福岡伸一は「動的平衡」がキーワードです。
「動的平衡」は「動的状態」を自己流にアレンジしてはいますが、発想としてそれほど目新しいものではありません。
そしてコレ↓。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いや、ときにウイルスが病気や死をもたらすことですら利他的な行為といえるかもしれない。病気は免疫システムの動的平衡を揺らし、新しい平衡状態を求めることに役立つ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…コレ、病気にならなかったり死ななかったら
「何かあっても柔軟に対応し生命を維持する…これぞ動的平衡!」
ってなるし、病気になったり死ねば
「免疫システムや生態系を揺らす…これぞ動的平衡!」
ってならね…?
つまりどっちに転んでも「動的平衡」で説明できてしまう訳で、これはちょっと気まずいのでは…
何でも説明できるというのは何も説明しないのと同じです。
例えばあらゆることを「全ては神の思し召し」で説明しちゃうと、何も考えずにこの言葉さえ持ち出せば全ては説明できることになっちゃいます。
しかしこれが何かの説明になってると本気で考える人はいないでしょう…少なくともまともな思考力を持つ人の中には。
どっちに転んでも「動的平衡は正しい」ということになるなら、「動的平衡は間違っている」ということを示すことは不可能です。
こういう反証可能性のない議論は科学ではありません。
例えば代替医療のホメオパシー等では、症状が良くなると
「この療法のおかげ」
とされますが、悪化しても
「これは良くなる前に一時的に悪化する『好転反応』だから、効き始めてる証拠だよ」
などと、やはり効果があることにされます。
そもそも「動的平衡」という概念は「動く」と「動かない」という対立した概念を両立させたもの…
弁証法で言うところの「止揚」(アウフヘーベン)っぽくないですか?
弁証法というのはむっちゃ簡単に言うと矛盾や対立を超えていくことを目指すものです。
例えば「トンカツ食べたい」という命題(テーゼ:正)に対して「いや、俺はカレーが食べたい」という否定命題(アンチテーゼ:反)があるとします。
これを弁証法的に解決するなら「カツカレー食べれば良くね?」という帰結(ジンテーゼ:合)に至ります。
物事は矛盾を生むがそれを乗り越えた解決策がある、ということですね。
動的平衡の場合、
「生物は動的、つまり変化していくのが特徴やで」
という命題(テーゼ:正)に対して
「いや、平衡状態を保つ、むしろ変化しないことが特徴やろ」
という否定命題(アンチテーゼ:反)があり、「どっちも正しいやろ…生命の本質は変化しつつ安定する『動的平衡』なんや!」
という帰結(ジンテーゼ:合)に至る訳です。
…つい納得してしまいそうになりますが、弁証法は矛盾を否定しないので、行き過ぎると矛盾があっても平気で常に言い逃れができちゃうんですよね…
反証可能性を重視する『反証主義』を唱えた哲学者、カール・ポパーは「弁証法は反証可能性ないからダメ―!」と否定しています。
というか反証主義というやつは、共産主義が大嫌いなポパーが共産主義者がよく持ち出す弁証法を批判するために考え出したもの、的なフシも…。
ちなみにこの弁証法の用語である「アウフヘーベン」は一時、横文字大好きな小池百合子東京都知事がよく使ってました。
アンタ右派でしょ…。
…という訳で、「動的平衡」自体が結構なトンデモ案件疑惑。
あと
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そして個体の死は、その個体が専有していた生態学的な地位、つまりニッチを、新しい生命に手渡すという、生態系全体の動的平衡を促進する行為である。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
だそうですが…
これは
「生息地が過密になるのを避けるため、子孫に縄張り等を譲るために死や老化が存在する」
という昔からある議論の変奏曲でしょう。
しかしわざわざ死んでも、縄張り等が自分の子孫に受け継がれず、他者に明け渡されることになってしまえば元も子もありません。
また、有性生殖する生物では子孫より自分の方が大事です。
子供はそのゲノムの半分をセックスパートナーに汚染され、遺伝子の共有率が半分しかありません。
その点、「自分」は自分との遺伝子共有率は100%です。
したがって自分で自分の縄張りを防衛した方が良い筈です。
つまり自分ファーストですね(またしても小池百合子イズム)。
死や老化の原因はいろいろありますが、大事なのは
「死を積極的な適応と考える必要はない」
ということです。
つまり死ぬこと自体に有利性はなくても良いのです。
仮に不老不死の生物がいたとします。
「何をしても決して死なない」
という絶対的不死は火の鳥の血でも飲まないと無理なので、ここは当然
「老化せず寿命はないけど事故等で死んじゃうことはある」
という相対的不死ですね。
そういう生物は実は長生きしません。
一定の確率で事故等で死ぬので、長生き個体も長い目で見るとどんどん減って、遠からずほぼゼロになります。
これは「創業当初から継ぎ足しされてきた秘伝のタレ」が、計算すると「数年で創業時からの分子は1個も残ってない」ことになるのと同じです。
奇跡的に何万年も生き残る者が1匹か2匹いたとしても無視できるレアケースでしょう。
つまり不老不死は
「獲得してもしなくても、結局はほどほどのトコで死ぬ」
のです。
したがってわざわざ不老不死が進化することはまずありません。
しかし逆はどうでしょう?
仮に不老不死の生物がいたとします。
もしその生物に「元気を前倒しする突然変異」が起きたとしましょう。
その生物は生まれて数年はものすごく活動的になりますが、その後はひよわになります。
生まれて数年ならまだ事故等で死亡している率は低く、多くの個体がその恩恵に浴しますね。
そしてその活動性の高さを利用してより死亡率は低く、繁殖率は高くなる…つまりその突然変異を持つ個体は増えます。
同様の変異が何度も起きれば、それはもはや「不老不死」ではありません。
普通に老化し、寿命が限界づけられた生物です。
え、そんな突然変異が起きるのは都合が良すぎる?
では公平のために逆の突然変異も同じくらい起きるとしましょう。
「元気を後倒しする突然変異」です。
コレが起きると生まれて数年はひよわになりますが、その後は活動的になります。
生まれてすぐにひよわになるのでは生き残りにくいので、この生物は数を減らします。
ようやくその後、元気になっても、その頃にはあまり生き残っていないでしょう。
こうして自然選択の結果、老化&限られた寿命が進化します。
と言っても老化そのものに積極的な有利性がある訳ではありません。
若い時の活動性との交換取引(トレード・オフ)による、消極的な理由です。
それでも必然的に老化は進化しえます。
つまり死は単に不可避な副産物かもしれず、無理に「何かの役に立つから進化した」と考える必要はないのです。
勿論、「動的平衡の役に立つから進化した」と考える必要もありません。
…みたいな話はドーキンスの本にバッチリ書いてあるんですが。
しかし福岡伸一は
「進化には複合的な要因が考えられるのでは」
とか言い出し、ダーウィニズムを不完全と評しています。
で、替わりにラマルキズムを持ち出してみたり…なんともアナクロ~!
さらにBSEのプリオン原因説に懐疑的だったりと、結構なトンデモさんです。
で、その割にドーキンスの『虹の解体』を翻訳したり、『神は妄想である』の帯に
「ドーキンスファンなら読まずにはいられない。」
というコメントを寄せてたり。
そういや先述の中原英臣&佐川峻コンビもウィルス進化論というトンデモ説を唱えてドーキンスには反対の立場を取ってるのに、ブルーバックスから『利己的遺伝子とは何か―DNAはエゴイスト!』という解説本を出してましたな…
そこで
「立場は違うけど、ドーキンスに成り代わって書く!」
みたいなコト書いて、どっかで
「『利己的な遺伝子』自体が啓蒙書なのに、啓蒙書の啓蒙書を書いてどないすんねん」
的な批判されてみたり…。
ほんっとこの人ら、ドーキンスを支持してない癖に乗っかるよね…。
ちなみに福岡伸一は『チコちゃんに叱られる』に複数回出演し、通常はスタッフ側が用意するチコちゃんへの質問コメントまで自分で考えちゃうというはしゃぎっぷりを披露してました。
中原英臣は『ビートたけしのTVタックル』のコロナ回に出演(2020年2月23日)。
…医学博士でウィルス進化論の人だからってウィルスに詳しい専門家だと見做されたんでしょーか?
それ全然違うから。
なお、ウィルス進化論は
「キリンの首はウィルス感染によって一気に伸びた」
というものですが…
何故ウィルスがそんなことをするのか、ウィルス自身に一体何の得があるのか、どの様な仕組みでそうするのか…その辺の説明はやはりありません。
そしてこのあたりの「説明になってない感じ」は…
『生物は変わるべくして変わる』
とか、同語反復としか思えないコト言ってた今西錦司を彷彿とさせますね。
で、その今西錦司に憧れて学者になった人がいます。
福岡伸一という人です。
…なんか今回、「ひとつの日記で何人を批判できるか」が裏テーマなのか…? というくらい書きまくっちゃいましたね…。
上記日記でついでに茂木健一もちょっぴり批判していますが…
「学術的にはさしたる業績もないのに、自分が考えた訳でもない概念をキーワードにして一般向けの本を書き、メディアに露出して有名になった学者」
という意味で茂木健一と福岡伸一は似てるよね…
茂木健一は「クオリア」、福岡伸一は「動的平衡」がキーワードです。
「動的平衡」は「動的状態」を自己流にアレンジしてはいますが、発想としてそれほど目新しいものではありません。
そしてコレ↓。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いや、ときにウイルスが病気や死をもたらすことですら利他的な行為といえるかもしれない。病気は免疫システムの動的平衡を揺らし、新しい平衡状態を求めることに役立つ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…コレ、病気にならなかったり死ななかったら
「何かあっても柔軟に対応し生命を維持する…これぞ動的平衡!」
ってなるし、病気になったり死ねば
「免疫システムや生態系を揺らす…これぞ動的平衡!」
ってならね…?
つまりどっちに転んでも「動的平衡」で説明できてしまう訳で、これはちょっと気まずいのでは…
何でも説明できるというのは何も説明しないのと同じです。
例えばあらゆることを「全ては神の思し召し」で説明しちゃうと、何も考えずにこの言葉さえ持ち出せば全ては説明できることになっちゃいます。
しかしこれが何かの説明になってると本気で考える人はいないでしょう…少なくともまともな思考力を持つ人の中には。
どっちに転んでも「動的平衡は正しい」ということになるなら、「動的平衡は間違っている」ということを示すことは不可能です。
こういう反証可能性のない議論は科学ではありません。
例えば代替医療のホメオパシー等では、症状が良くなると
「この療法のおかげ」
とされますが、悪化しても
「これは良くなる前に一時的に悪化する『好転反応』だから、効き始めてる証拠だよ」
などと、やはり効果があることにされます。
そもそも「動的平衡」という概念は「動く」と「動かない」という対立した概念を両立させたもの…
弁証法で言うところの「止揚」(アウフヘーベン)っぽくないですか?
弁証法というのはむっちゃ簡単に言うと矛盾や対立を超えていくことを目指すものです。
例えば「トンカツ食べたい」という命題(テーゼ:正)に対して「いや、俺はカレーが食べたい」という否定命題(アンチテーゼ:反)があるとします。
これを弁証法的に解決するなら「カツカレー食べれば良くね?」という帰結(ジンテーゼ:合)に至ります。
物事は矛盾を生むがそれを乗り越えた解決策がある、ということですね。
動的平衡の場合、
「生物は動的、つまり変化していくのが特徴やで」
という命題(テーゼ:正)に対して
「いや、平衡状態を保つ、むしろ変化しないことが特徴やろ」
という否定命題(アンチテーゼ:反)があり、「どっちも正しいやろ…生命の本質は変化しつつ安定する『動的平衡』なんや!」
という帰結(ジンテーゼ:合)に至る訳です。
…つい納得してしまいそうになりますが、弁証法は矛盾を否定しないので、行き過ぎると矛盾があっても平気で常に言い逃れができちゃうんですよね…
反証可能性を重視する『反証主義』を唱えた哲学者、カール・ポパーは「弁証法は反証可能性ないからダメ―!」と否定しています。
というか反証主義というやつは、共産主義が大嫌いなポパーが共産主義者がよく持ち出す弁証法を批判するために考え出したもの、的なフシも…。
ちなみにこの弁証法の用語である「アウフヘーベン」は一時、横文字大好きな小池百合子東京都知事がよく使ってました。
アンタ右派でしょ…。
…という訳で、「動的平衡」自体が結構なトンデモ案件疑惑。
あと
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そして個体の死は、その個体が専有していた生態学的な地位、つまりニッチを、新しい生命に手渡すという、生態系全体の動的平衡を促進する行為である。
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だそうですが…
これは
「生息地が過密になるのを避けるため、子孫に縄張り等を譲るために死や老化が存在する」
という昔からある議論の変奏曲でしょう。
しかしわざわざ死んでも、縄張り等が自分の子孫に受け継がれず、他者に明け渡されることになってしまえば元も子もありません。
また、有性生殖する生物では子孫より自分の方が大事です。
子供はそのゲノムの半分をセックスパートナーに汚染され、遺伝子の共有率が半分しかありません。
その点、「自分」は自分との遺伝子共有率は100%です。
したがって自分で自分の縄張りを防衛した方が良い筈です。
つまり自分ファーストですね(またしても小池百合子イズム)。
死や老化の原因はいろいろありますが、大事なのは
「死を積極的な適応と考える必要はない」
ということです。
つまり死ぬこと自体に有利性はなくても良いのです。
仮に不老不死の生物がいたとします。
「何をしても決して死なない」
という絶対的不死は火の鳥の血でも飲まないと無理なので、ここは当然
「老化せず寿命はないけど事故等で死んじゃうことはある」
という相対的不死ですね。
そういう生物は実は長生きしません。
一定の確率で事故等で死ぬので、長生き個体も長い目で見るとどんどん減って、遠からずほぼゼロになります。
これは「創業当初から継ぎ足しされてきた秘伝のタレ」が、計算すると「数年で創業時からの分子は1個も残ってない」ことになるのと同じです。
奇跡的に何万年も生き残る者が1匹か2匹いたとしても無視できるレアケースでしょう。
つまり不老不死は
「獲得してもしなくても、結局はほどほどのトコで死ぬ」
のです。
したがってわざわざ不老不死が進化することはまずありません。
しかし逆はどうでしょう?
仮に不老不死の生物がいたとします。
もしその生物に「元気を前倒しする突然変異」が起きたとしましょう。
その生物は生まれて数年はものすごく活動的になりますが、その後はひよわになります。
生まれて数年ならまだ事故等で死亡している率は低く、多くの個体がその恩恵に浴しますね。
そしてその活動性の高さを利用してより死亡率は低く、繁殖率は高くなる…つまりその突然変異を持つ個体は増えます。
同様の変異が何度も起きれば、それはもはや「不老不死」ではありません。
普通に老化し、寿命が限界づけられた生物です。
え、そんな突然変異が起きるのは都合が良すぎる?
では公平のために逆の突然変異も同じくらい起きるとしましょう。
「元気を後倒しする突然変異」です。
コレが起きると生まれて数年はひよわになりますが、その後は活動的になります。
生まれてすぐにひよわになるのでは生き残りにくいので、この生物は数を減らします。
ようやくその後、元気になっても、その頃にはあまり生き残っていないでしょう。
こうして自然選択の結果、老化&限られた寿命が進化します。
と言っても老化そのものに積極的な有利性がある訳ではありません。
若い時の活動性との交換取引(トレード・オフ)による、消極的な理由です。
それでも必然的に老化は進化しえます。
つまり死は単に不可避な副産物かもしれず、無理に「何かの役に立つから進化した」と考える必要はないのです。
勿論、「動的平衡の役に立つから進化した」と考える必要もありません。
…みたいな話はドーキンスの本にバッチリ書いてあるんですが。
しかし福岡伸一は
「進化には複合的な要因が考えられるのでは」
とか言い出し、ダーウィニズムを不完全と評しています。
で、替わりにラマルキズムを持ち出してみたり…なんともアナクロ~!
さらにBSEのプリオン原因説に懐疑的だったりと、結構なトンデモさんです。
で、その割にドーキンスの『虹の解体』を翻訳したり、『神は妄想である』の帯に
「ドーキンスファンなら読まずにはいられない。」
というコメントを寄せてたり。
そういや先述の中原英臣&佐川峻コンビもウィルス進化論というトンデモ説を唱えてドーキンスには反対の立場を取ってるのに、ブルーバックスから『利己的遺伝子とは何か―DNAはエゴイスト!』という解説本を出してましたな…
そこで
「立場は違うけど、ドーキンスに成り代わって書く!」
みたいなコト書いて、どっかで
「『利己的な遺伝子』自体が啓蒙書なのに、啓蒙書の啓蒙書を書いてどないすんねん」
的な批判されてみたり…。
ほんっとこの人ら、ドーキンスを支持してない癖に乗っかるよね…。
ちなみに福岡伸一は『チコちゃんに叱られる』に複数回出演し、通常はスタッフ側が用意するチコちゃんへの質問コメントまで自分で考えちゃうというはしゃぎっぷりを披露してました。
中原英臣は『ビートたけしのTVタックル』のコロナ回に出演(2020年2月23日)。
…医学博士でウィルス進化論の人だからってウィルスに詳しい専門家だと見做されたんでしょーか?
それ全然違うから。
なお、ウィルス進化論は
「キリンの首はウィルス感染によって一気に伸びた」
というものですが…
何故ウィルスがそんなことをするのか、ウィルス自身に一体何の得があるのか、どの様な仕組みでそうするのか…その辺の説明はやはりありません。
そしてこのあたりの「説明になってない感じ」は…
『生物は変わるべくして変わる』
とか、同語反復としか思えないコト言ってた今西錦司を彷彿とさせますね。
で、その今西錦司に憧れて学者になった人がいます。
福岡伸一という人です。
…なんか今回、「ひとつの日記で何人を批判できるか」が裏テーマなのか…? というくらい書きまくっちゃいましたね…。
(00:02)
2021年03月06日
なんか近年、チャンドラ・ウィクラマシンゲの邦訳がパンパン出てます。
ウィクラマシンゲといえばフレッド・ホイルと組んで60年代くらいから「生命は宇宙からやってきた」というパンスペルミア説とか唱えてた人…まだやってんのか!?
遂にはその辺の話を日本人がドスゲェわかりやすく解説した『YouもMeも宇宙人』という本が出ててですね…

これが異常に読みやすい。
読みやすすぎてヤバい。
ドスゲェ読みやすい文体でスピリチュアルを説く「さとう みつろう」という人がいますが、それと同じくらい読みやすい&デンジャラスな香り。
という訳で一気読みしたので要約してみます。
『YouもMeも宇宙人』
本書が推すのはフレッド・ホイルによる次の二つの説です。
●「生命は彗星で発生し、宇宙内には生命が満ち、彗星によって地球上にもたらされた」という彗星パンスペルミア説
●「地球上での生命の進化は彗星によってウィルスが絶えず地球に流入し、生物の遺伝子を変異させることによって起こるのだ」というウィルス進化論
以下、本書の内容をざっくり要約。
●「地球で生命が誕生」は怪しい
●自然発生説は否定された
・化学進化は蘇った自然発生説
・「ミラーの実験」は間違った材料・間違った状況下で間違った結論を出している。
・無機物から有機物はできるけど生命が生じるのはほぼ不可能
・生命がゼロから発生するのは「廃材置き場の上を竜巻が通過した後で、ボーイング747ジェット機が出来上がってるのと同じような確率」
・確率で言うと10の40,000乗分の1、ほとんどゼロの奇跡レベル
●彗星パンスペルミア説はトンデモではなくれっきとした学説
・JAXAもパンスペルミア仮説をキワモノ扱いはしてない
・「オッカムの剃刀」と「フェルミのパラドックス」による反論もあるよ
●宇宙に生命がいそうな証拠
・惑星や衛星には水などの環境が整っている
・成層圏に生物がいる。しかも高度が上がるほど多い→宇宙から入ってきてる
・宇宙に有機化合物が豊富に存在
●なぜ彗星なのか
・バクテリアやウィルスは彗星の環境でも平気。大気圏突入の熱や衝突にも耐えられる
●ダーウィン進化論はあちこち変
・一定速度で進化するならカンブリア爆発は説明できない
・コピーミスの繰り返しで優れたものに進化するのはおかしい
・必ずしも有利な形質が選択されている訳ではない
・中間化石が見つからない
・ほとんど進化しない生物がいる
・突然変異がなぜ起きるのか謎
●ホイルのウィルス進化論
・その辺の単細胞生物にウィルスが感染、突然変異を起こし…を繰り返して進化
●インフルエンザウィルスも宇宙由来と考えられる
…ということです。
では早速ツッコんでいきましょう。
> ●「地球で生命が誕生」は怪しい
> ●自然発生説は否定された
> ・化学進化は蘇った自然発生説
> ・「ミラーの実験」は間違った材料・間違った状況下で間違った結論を出している。
ミラーの実験は「今もって完全無欠だから」と教科書に載っているのではなく、「単純な物質から自然に生命の素材が生じることは可能」という考え方に最初に実験的に取り組んだ点が評価されてるんでしょ。
そんなん言えば最初に自然発生説を否定したパスツールの白鳥の首フラスコ実験だって問題ありです。
アレは
「煮沸した肉汁を『空気は入るけど雑菌は入らない、特殊なフラスコ』に入れておくと腐敗しない」
というものでしたが、実際には耐熱性の芽胞を作る細菌が入れば煮沸しても腐敗します。
また、メンデルの豆の遺伝に関する有名な実験は確率的にありえないほど理想的な数値が出てしまっており、データとしてはちょっと変…
おそらくメンデルは都合の良い数字が出た時点で豆を数えるのをやめたのでは、と言われています。
この様に現代的な目でみるとやや問題のある研究も、その歴史的意義から教科書に載り続けるのは普通です。
で、パスツールやメンデルの古典的研究に欠点があるからといって「だから自然発生説は正しい」とか「メンデルの遺伝の法則は間違っている」ということになりますか?
なりませんよね?
古典的な説はその後の追試やその説を前提にしないと成り立たない最新研究によって繰り返し立証されてます。
それなのに最新研究ではなく古典的な研究にだけ噛みついて「間違いだー!」と主張する人は大抵トンデモさんなんだよなぁ…
マイケルソン・モーリーの実験を否定して「相対性理論は間違ってる!」と主張する「相ま」系トンデモさんが有名ですね。
あと「自然発生説は否定された」と「地球で生命が誕生」は特に矛盾しません。
そもそも自然発生説が否定しているのは現在見られる様な、進化に進化を重ねた複雑な生物がその辺から勝手に湧いてくることです。
古典的なとこだと「泥からウナギができる」とか「汗まみれのシャツと小麦からネズミができる」というやつですね。
その後、微生物の自然発生をめぐって論争が展開していくことになりますが、微生物だって「物質から生命になりかけ」に比べれば怖ろしいほど複雑です。
より単純なものなら自然に発生してもおかしくはないよね。
しかもそれは数億年の間にただの1回でも起きれば良かった訳だし。
あるいは生命の誕生はそれほど珍しくないことなのかもしれませんが、地球が複雑な生命に満たされた現在では、新たに有機体が複雑化し始めても既存の生物によって分解されちゃうよね~…。
> ・無機物から有機物はできるけど生命が生じるのはほぼ不可能
> ・生命がゼロから発生するのは「廃材置き場の上を竜巻が通過した後で、ボーイング747ジェット機が出来上がってるのと同じような確率」
> ・確率で言うと10の40,000乗分の1、ほとんどゼロの奇跡レベル
それは完全に偶然にのみ頼った場合の話ですよね。
自然選択は偶然の理論ではありません。
「偶然起きた突然変異により、有利な形質が必然的に保存される」という、必然も織り込んだ理論です。
また、全てが一度に起きる必要はありません。
山の上まで一足飛びにジャンプすることは不可能ですが、一歩一歩登ればいずれ辿り着きますよね。
こういう人たちって何故か自然選択を1ステップの出来事だと勝手に思い込んでるよね…それは「一段階淘汰」。
累積淘汰の力舐めんなよ!
ちなみに竜巻のアナロジーに対する私のお気に入りの答は、『竜巻自体が、自然に起きる秩序の例である』というもの。
> ・JAXAもパンスペルミア仮説をキワモノ扱いはしてない
本書に引用されてるJAXA公式サイトの文章を読むと、そこではパンスペルミア説とは「アミノ酸は宇宙由来、という説」のことで、広義の意味で使われてるんですけど。
もっともJAXAはガチのパンスペルミア説研究も行っています。
まぁパンスペルミア自体はトンデモじゃないんよ。
例えば「地球外知性体を探す」ことはトンデモではありませんが、「アメリカ政府はグレイと密約を結んでる」はトンデモですよね。
それみたいなもん。
トンデモなのはホイル&ウィクラマシンゲ流のパンスペルミア説なんよ。
> ・「オッカムの剃刀」と「フェルミのパラドックス」による反論もあるよ
この辺、大事な話なのにものごっつあっさりしてます。
都合の悪い話はスルー気味…そしてパンスペルミア最大の欠点には触れてない。
それは…パンスペルミアは生命の起源を説明していないということ。
「生命ってどうやって誕生したんやろ?」
「う~ん、わからん…そのへんから勝手に生えてきたんとちゃうか?」
「そんなことないやろ。あんな複雑なもんが勝手にできるかいな」
「ほなどうやってできたんや?」
「そや! 宇宙の果てから飛んで来たんちゃうか?」
「なるほど、そうか…」
…なんとなく起源が説明された気になっちゃいますが、よく考えたら「ではその飛んで来た生命はどうやって出来たのか」は何一つわからず…
これでは謎をひとつ先送りしただけですね。
ちなみにコレに似た説明としては「神による創造」があります。
こちらも
「生命ってどうやって誕生したんやろ?」
「う~ん、わからん…そのへんから勝手に生えてきたんとちゃうか?」
「そんなことないやろ。あんな複雑なもんが勝手にできるかいな」
「ほなどうやってできたんや?」
「そや! 神様が作ったんちゃうか?」
「なるほど、そうか…」
…と納得してしまいそうですが、では「その神は誰が作ったのか」という問題が残ります。
そもそも「複雑なものはそのへんから勝手に生えてはこない」という話から起源の説明が必要となったのですから、生物よりはるかに高度で複雑な存在である神にも説明が必要です。
「いいの! とにかく神は最初からいたの!」
で済ますなら、
「いいの! とにかく生物は最初からいたの!」
※ちなみにブログ主はがっちょりホイル支持の方です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ダーウィンの「種の起源」が1959年に発行されて、擁護者のハックスリーは中間進化生物の化石をほしがっていたし、ゾルンホーフェンの石工たちは化石を高値で売りたがっていたというーーだが、始祖鳥化石発見の報を知って、それがどんな状態かも確かめずに博物館予算の二年分を使い、それでもたりなくて自腹まできって購入したのは、大英博物館の反進化論者・自然史部長のリチャード・オーウェンだった。
進化論擁護者が購入したのではなかったのだ。
その理由をホイルは、リチャード・オーウェンが、化石が偽造されたものであることを半ば知っていて、進化論推進派を陥れるために購入したのだ、と分析する。
つまり、化石は玄人が調べればすぐに偽物だとわかるしろものだったというのだ。
(中略)
で、フレッド・ホイルはこう結論する。
「あらゆる事実や時代の心理的変化と矛盾しない唯一の仮説としては、始祖鳥は偽造を承知の上で入手されたものと考える以外にない。その意図するところは、ダーウィンやハクスリーをわなにはめ、この化石こそ進化論を裏付ける証拠と主張させることにあり、偽造工作は、イギリスの反進化論陣営とパッペンハイムの専門の偽造者との共謀によって実行された」
また、メンデルの豆の遺伝に関する有名な実験は確率的にありえないほど理想的な数値が出てしまっており、データとしてはちょっと変…
おそらくメンデルは都合の良い数字が出た時点で豆を数えるのをやめたのでは、と言われています。
この様に現代的な目でみるとやや問題のある研究も、その歴史的意義から教科書に載り続けるのは普通です。
で、パスツールやメンデルの古典的研究に欠点があるからといって「だから自然発生説は正しい」とか「メンデルの遺伝の法則は間違っている」ということになりますか?
なりませんよね?
古典的な説はその後の追試やその説を前提にしないと成り立たない最新研究によって繰り返し立証されてます。
それなのに最新研究ではなく古典的な研究にだけ噛みついて「間違いだー!」と主張する人は大抵トンデモさんなんだよなぁ…
マイケルソン・モーリーの実験を否定して「相対性理論は間違ってる!」と主張する「相ま」系トンデモさんが有名ですね。
あと「自然発生説は否定された」と「地球で生命が誕生」は特に矛盾しません。
そもそも自然発生説が否定しているのは現在見られる様な、進化に進化を重ねた複雑な生物がその辺から勝手に湧いてくることです。
古典的なとこだと「泥からウナギができる」とか「汗まみれのシャツと小麦からネズミができる」というやつですね。
その後、微生物の自然発生をめぐって論争が展開していくことになりますが、微生物だって「物質から生命になりかけ」に比べれば怖ろしいほど複雑です。
より単純なものなら自然に発生してもおかしくはないよね。
しかもそれは数億年の間にただの1回でも起きれば良かった訳だし。
あるいは生命の誕生はそれほど珍しくないことなのかもしれませんが、地球が複雑な生命に満たされた現在では、新たに有機体が複雑化し始めても既存の生物によって分解されちゃうよね~…。
> ・無機物から有機物はできるけど生命が生じるのはほぼ不可能
> ・生命がゼロから発生するのは「廃材置き場の上を竜巻が通過した後で、ボーイング747ジェット機が出来上がってるのと同じような確率」
> ・確率で言うと10の40,000乗分の1、ほとんどゼロの奇跡レベル
それは完全に偶然にのみ頼った場合の話ですよね。
自然選択は偶然の理論ではありません。
「偶然起きた突然変異により、有利な形質が必然的に保存される」という、必然も織り込んだ理論です。
また、全てが一度に起きる必要はありません。
山の上まで一足飛びにジャンプすることは不可能ですが、一歩一歩登ればいずれ辿り着きますよね。
こういう人たちって何故か自然選択を1ステップの出来事だと勝手に思い込んでるよね…それは「一段階淘汰」。
累積淘汰の力舐めんなよ!
ちなみに竜巻のアナロジーに対する私のお気に入りの答は、『竜巻自体が、自然に起きる秩序の例である』というもの。
> ・JAXAもパンスペルミア仮説をキワモノ扱いはしてない
本書に引用されてるJAXA公式サイトの文章を読むと、そこではパンスペルミア説とは「アミノ酸は宇宙由来、という説」のことで、広義の意味で使われてるんですけど。
もっともJAXAはガチのパンスペルミア説研究も行っています。
まぁパンスペルミア自体はトンデモじゃないんよ。
例えば「地球外知性体を探す」ことはトンデモではありませんが、「アメリカ政府はグレイと密約を結んでる」はトンデモですよね。
それみたいなもん。
トンデモなのはホイル&ウィクラマシンゲ流のパンスペルミア説なんよ。
> ・「オッカムの剃刀」と「フェルミのパラドックス」による反論もあるよ
この辺、大事な話なのにものごっつあっさりしてます。
都合の悪い話はスルー気味…そしてパンスペルミア最大の欠点には触れてない。
それは…パンスペルミアは生命の起源を説明していないということ。
「生命ってどうやって誕生したんやろ?」
「う~ん、わからん…そのへんから勝手に生えてきたんとちゃうか?」
「そんなことないやろ。あんな複雑なもんが勝手にできるかいな」
「ほなどうやってできたんや?」
「そや! 宇宙の果てから飛んで来たんちゃうか?」
「なるほど、そうか…」
…なんとなく起源が説明された気になっちゃいますが、よく考えたら「ではその飛んで来た生命はどうやって出来たのか」は何一つわからず…
これでは謎をひとつ先送りしただけですね。
ちなみにコレに似た説明としては「神による創造」があります。
こちらも
「生命ってどうやって誕生したんやろ?」
「う~ん、わからん…そのへんから勝手に生えてきたんとちゃうか?」
「そんなことないやろ。あんな複雑なもんが勝手にできるかいな」
「ほなどうやってできたんや?」
「そや! 神様が作ったんちゃうか?」
「なるほど、そうか…」
…と納得してしまいそうですが、では「その神は誰が作ったのか」という問題が残ります。
そもそも「複雑なものはそのへんから勝手に生えてはこない」という話から起源の説明が必要となったのですから、生物よりはるかに高度で複雑な存在である神にも説明が必要です。
「いいの! とにかく神は最初からいたの!」
で済ますなら、
「いいの! とにかく生物は最初からいたの!」
で済ませても同じですよね?
…という訳で、パンスペルミアは別にあってもいいけど、仮に正しくても別に起源の説明にはなってません。
生命が宇宙由来というならそれはそれで構いませんが、「では宇宙のどこでどのようにして生命が誕生したのか」については別途説明が必要です。
で、パンスペルミアが生命の起源を説明しないなら、わざわざそんな複雑な理論を採用する意味ないよね。
仮にホイルらの言う通り「地球での生命発生が説明不能」だとしましょう。
それが「パンスペルミアでなら説明できる」なら別にいいのですが、実際には「どっちに転んでも生命の起源は説明されない」訳です。
それなら「シンプルな説明ほど正しい」「説明には余計なものを付け加えるべきではない」という経験則『オッカムの剃刀』を適用して、「わざわざ宇宙から来た」という余計な説明は切り捨てるべきです。
それが「オッカムの剃刀による反論」の意味なのに、本書はそこを全く説明せずにこんな風に書いてます…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
地球の生命の起源についてオッカムの剃刀を当てはめると、
①地球上で自然発生した。
②地球外から来た。
③神が作った。
④始まりも終わりもない。
以上の中で一番「それっぽい」のは①だから、ほかの3つの考えは削ぎ(削ぐから剃刀)、①について考えようぜー、みたいな感じです。上司から振られた仕事を広げたくない…そんな時の言い訳に応用できそうですね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
謝れ!
オッカムのウィリアムに謝れ!
> ・惑星や衛星には水などの環境が整っている
地球が一番整ってますが…?
…ていうかですね…
アンタ「生命が生じるのはほぼ不可能」とか言ってたやん!?
地球ですら生じない生命が宇宙の過酷な環境でどうやって生じるんよ…?
パンスペルミアは別にあってもいいんだけど、化学進化を否定しちゃうとそれも起きなくなっちゃわね…?
自分で自分の首を絞めてるやん…
> ・成層圏に生物がいる。しかも高度が上がるほど多い→宇宙から入ってきてる
地表由来の生物が舞い上がってるだけやろ…
「高度が上がるほど多い→宇宙から入ってきてる」も意味不明。
深海底より海面近くの方が魚が多いですが、じゃあ魚は空中から海に入ってきてるんですかね…?
ちなみにJAXAは…
『現在進行中の詳細分析では、有機化合物を含んだ宇宙塵や、微生物を含む地球起源エアロゾル粒子を探索中です。地球生命のパンスペルミア仮説に挑んだ先行研究の最高記録としては、観測ロケットによる地上高度48-77kmでの微生物採集があります。「たんぽぽ」はその検証範囲を、約10倍の高度まで拡げました。』
https://www.isas.jaxa.jp/feature/forefront/171213.html
…微生物を含むエアロゾル粒子は地球起源としてますが?
> ・宇宙に有機化合物が豊富に存在
地球の方が豊富にありますが…?
> ・バクテリアやウィルスは彗星の環境でも平気。大気圏突入の熱や衝突にも耐えられる
地球原産なら最初からその必要すらないよ?
> ・一定速度で進化するならカンブリア爆発は説明できない
誰も進化が一定速度なんて言ってない。
「進化は長い停滞期と停滞期の間に急速に起こる」という断続平衡説をご存じないので?
> ・コピーミスの繰り返しで優れたものに進化するのはおかしい
実験でも証明されてますけど?
コピーミスの繰り返しで優れたものに進化しないのなら、遺伝的アルゴリズムによる計算も不可能な筈でしょ。
新幹線N700系のデザインはどうやって作られたと思ってるのか…。
> ・必ずしも有利な形質が選択されている訳ではない
有利に思える形質も実はコストに見合わなかったり、他の形質とのトレードオフがあったり、その環境下では不要だったり、歴史的・発生学的な制約で生じにくかったり、進化に必要な時間や変異が不足していたりする場合がありますからねぇ…。
生物に不完全に見える形質がある理由を知りたければ、ドーキンス『延長された表現型』の「完全化に対する拘束」という章に答が全て書いてあるよ。
> ・中間化石が見つからない
豊富に見つかっとるがな。
ちなみに創造論者は中間化石が見つかると「一つだった隙間がいまや二つに増えた!」とか言い出すので手に負えません。
> ・ほとんど進化しない生物がいる
自然選択は変化よりもむしろ保守性に特徴付けられます。
優れたデザインを変化させないことこそが自然選択の主な仕事です。
また「生きた化石」は変化が少ない環境や過酷な環境に見つかることが多いよね…。
そういった場所では変化する必要がなく、新たに進出してくるライバルも少ないのです。
ちなみにそういった「ほとんど進化しない」様に見える生物も、形質に影響しない中立的な変異はどんどん溜まるので、遺伝的には他の種からどんどん離れていきますよ?
> ・突然変異がなぜ起きるのか謎
別に謎じゃない。
むしろ何を謎と思っているのかが謎。
コピーミスが全く起きなければそのことの方が謎。
つーか、進化論へのよくある誤解の塊やなこの人…!
> ●ホイルのウィルス進化論
ちょっと脱線ですが…
日本でウィルス進化論といえば普通は「中原英臣と佐川峻という非専門家が唱えてるトンデモ理論」のこと。
Wikipedia「ウィルス進化論」の項にはこうあります。
『ウイルス進化説(ウイルスしんかせつ)は、自然淘汰による進化を否定し、進化はウイルスの感染によって起こるという主張。中原英臣(新渡戸文化短期大学)と佐川峻(科学評論家)が主張した進化論説である。』
そしてこうも書かれてます。
『この項目では、俗説について説明しています。学説については「遺伝子の水平伝播」をご覧ください。』
…全く相手にされてへんやん…
なお、ホイルのウィルス進化も『自然淘汰による進化を否定し、進化はウイルスの感染によって起こるという主張』という点は同じで大差ない模様。
> ・その辺の単細胞生物にウィルスが感染、突然変異を起こし…を繰り返して進化
その単細胞生物ってのはどこから来たの?
お説によれば宇宙だよね?
「生命の起源としての単細胞生物」と「進化の源としてのウィルス」、全く別のものがそれぞれ宇宙から来たっていうのは無駄に複雑で余計な説明じゃない?
> ●インフルエンザウィルスも宇宙由来と考えられる
え、宇宙から来たウィルスがどうして地球上の生命体に感染可能なの?
寄生者には宿主との共進化が必要。
それ抜きで説明すると「偶然」に頼るしかないけど、「偶然で進化は起こらない」んでしょ?
…という訳で本書へのツッコミはこれくらいで。
でも終わりじゃないぞよ、もうちっとだけ続くんじゃ(つまりまだまだ続く)。
さて、ホイルは進化を否定してるので勿論、創造論者に大人気。
しょっちゅうトンデモ本に引用されてます。
ホイル自身が創造論をどう考えていたのかは調べてもよく判りませんでしたが、ともかく妙に親和性が高く、本人が創造論者じゃなかったとしても、あまりにも利用されやすそうな位置にいたことは確かな様です。
例えばウィクラマシンゲとの共著で『始祖鳥化石の謎』という著書があるのですが…
これが「始祖鳥化石は偽物」というトンデモ本。
「化石を調査しようとしたら博物館に妨害された!」という陰謀論も入っています。
ちなみに始祖鳥がらみということで恐竜少年であった私は中学生くらいでこの本と出合ったのですが、これがホイルの出会いであり、さらにトンデモ本とのファーストコンタクトでござました。
始祖鳥は発見当時こそ進化を証明するとされた古典的な例ですが…他の証拠が積み上がった現在、今さら始祖鳥だけ否定しても進化論は微塵も揺るがないっすよ…。
というか、現代的な説明では始祖鳥は爬虫類から鳥へ移行中の中間化石というよりは、そこからやや外れた袋小路にいるらしいし。
ちなみにホイルの難癖に対する大英博物館側の反論はこの辺を参照。
サイト『始祖鳥生息地』
【始祖鳥化石と鴈作騒動】
【フレッド・ホイルと大英博物館の論争、およびその顛末】
http://archaeopteryx.rgr.jp/zoology/apx_gansaku.html
…なお、この本にはこんな話も載ってまして…
下記のブログから引用してみます。
ブログ『SF(空想科学ロマンス)』
始祖鳥化石の謎
http://greenswan.blog.fc2.com/blog-date-201408-1.html
…という訳で、パンスペルミアは別にあってもいいけど、仮に正しくても別に起源の説明にはなってません。
生命が宇宙由来というならそれはそれで構いませんが、「では宇宙のどこでどのようにして生命が誕生したのか」については別途説明が必要です。
で、パンスペルミアが生命の起源を説明しないなら、わざわざそんな複雑な理論を採用する意味ないよね。
仮にホイルらの言う通り「地球での生命発生が説明不能」だとしましょう。
それが「パンスペルミアでなら説明できる」なら別にいいのですが、実際には「どっちに転んでも生命の起源は説明されない」訳です。
それなら「シンプルな説明ほど正しい」「説明には余計なものを付け加えるべきではない」という経験則『オッカムの剃刀』を適用して、「わざわざ宇宙から来た」という余計な説明は切り捨てるべきです。
それが「オッカムの剃刀による反論」の意味なのに、本書はそこを全く説明せずにこんな風に書いてます…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
地球の生命の起源についてオッカムの剃刀を当てはめると、
①地球上で自然発生した。
②地球外から来た。
③神が作った。
④始まりも終わりもない。
以上の中で一番「それっぽい」のは①だから、ほかの3つの考えは削ぎ(削ぐから剃刀)、①について考えようぜー、みたいな感じです。上司から振られた仕事を広げたくない…そんな時の言い訳に応用できそうですね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
謝れ!
オッカムのウィリアムに謝れ!
> ・惑星や衛星には水などの環境が整っている
地球が一番整ってますが…?
…ていうかですね…
アンタ「生命が生じるのはほぼ不可能」とか言ってたやん!?
地球ですら生じない生命が宇宙の過酷な環境でどうやって生じるんよ…?
パンスペルミアは別にあってもいいんだけど、化学進化を否定しちゃうとそれも起きなくなっちゃわね…?
自分で自分の首を絞めてるやん…
> ・成層圏に生物がいる。しかも高度が上がるほど多い→宇宙から入ってきてる
地表由来の生物が舞い上がってるだけやろ…
「高度が上がるほど多い→宇宙から入ってきてる」も意味不明。
深海底より海面近くの方が魚が多いですが、じゃあ魚は空中から海に入ってきてるんですかね…?
ちなみにJAXAは…
『現在進行中の詳細分析では、有機化合物を含んだ宇宙塵や、微生物を含む地球起源エアロゾル粒子を探索中です。地球生命のパンスペルミア仮説に挑んだ先行研究の最高記録としては、観測ロケットによる地上高度48-77kmでの微生物採集があります。「たんぽぽ」はその検証範囲を、約10倍の高度まで拡げました。』
https://www.isas.jaxa.jp/feature/forefront/171213.html
> ・宇宙に有機化合物が豊富に存在
地球の方が豊富にありますが…?
> ・バクテリアやウィルスは彗星の環境でも平気。大気圏突入の熱や衝突にも耐えられる
地球原産なら最初からその必要すらないよ?
> ・一定速度で進化するならカンブリア爆発は説明できない
誰も進化が一定速度なんて言ってない。
「進化は長い停滞期と停滞期の間に急速に起こる」という断続平衡説をご存じないので?
> ・コピーミスの繰り返しで優れたものに進化するのはおかしい
実験でも証明されてますけど?
コピーミスの繰り返しで優れたものに進化しないのなら、遺伝的アルゴリズムによる計算も不可能な筈でしょ。
新幹線N700系のデザインはどうやって作られたと思ってるのか…。
> ・必ずしも有利な形質が選択されている訳ではない
有利に思える形質も実はコストに見合わなかったり、他の形質とのトレードオフがあったり、その環境下では不要だったり、歴史的・発生学的な制約で生じにくかったり、進化に必要な時間や変異が不足していたりする場合がありますからねぇ…。
生物に不完全に見える形質がある理由を知りたければ、ドーキンス『延長された表現型』の「完全化に対する拘束」という章に答が全て書いてあるよ。
> ・中間化石が見つからない
豊富に見つかっとるがな。
ちなみに創造論者は中間化石が見つかると「一つだった隙間がいまや二つに増えた!」とか言い出すので手に負えません。
> ・ほとんど進化しない生物がいる
自然選択は変化よりもむしろ保守性に特徴付けられます。
優れたデザインを変化させないことこそが自然選択の主な仕事です。
また「生きた化石」は変化が少ない環境や過酷な環境に見つかることが多いよね…。
そういった場所では変化する必要がなく、新たに進出してくるライバルも少ないのです。
ちなみにそういった「ほとんど進化しない」様に見える生物も、形質に影響しない中立的な変異はどんどん溜まるので、遺伝的には他の種からどんどん離れていきますよ?
> ・突然変異がなぜ起きるのか謎
別に謎じゃない。
むしろ何を謎と思っているのかが謎。
コピーミスが全く起きなければそのことの方が謎。
つーか、進化論へのよくある誤解の塊やなこの人…!
> ●ホイルのウィルス進化論
ちょっと脱線ですが…
日本でウィルス進化論といえば普通は「中原英臣と佐川峻という非専門家が唱えてるトンデモ理論」のこと。
Wikipedia「ウィルス進化論」の項にはこうあります。
『ウイルス進化説(ウイルスしんかせつ)は、自然淘汰による進化を否定し、進化はウイルスの感染によって起こるという主張。中原英臣(新渡戸文化短期大学)と佐川峻(科学評論家)が主張した進化論説である。』
そしてこうも書かれてます。
『この項目では、俗説について説明しています。学説については「遺伝子の水平伝播」をご覧ください。』
…全く相手にされてへんやん…
なお、ホイルのウィルス進化も『自然淘汰による進化を否定し、進化はウイルスの感染によって起こるという主張』という点は同じで大差ない模様。
> ・その辺の単細胞生物にウィルスが感染、突然変異を起こし…を繰り返して進化
その単細胞生物ってのはどこから来たの?
お説によれば宇宙だよね?
「生命の起源としての単細胞生物」と「進化の源としてのウィルス」、全く別のものがそれぞれ宇宙から来たっていうのは無駄に複雑で余計な説明じゃない?
> ●インフルエンザウィルスも宇宙由来と考えられる
え、宇宙から来たウィルスがどうして地球上の生命体に感染可能なの?
寄生者には宿主との共進化が必要。
それ抜きで説明すると「偶然」に頼るしかないけど、「偶然で進化は起こらない」んでしょ?
…という訳で本書へのツッコミはこれくらいで。
でも終わりじゃないぞよ、もうちっとだけ続くんじゃ(つまりまだまだ続く)。
さて、ホイルは進化を否定してるので勿論、創造論者に大人気。
しょっちゅうトンデモ本に引用されてます。
ホイル自身が創造論をどう考えていたのかは調べてもよく判りませんでしたが、ともかく妙に親和性が高く、本人が創造論者じゃなかったとしても、あまりにも利用されやすそうな位置にいたことは確かな様です。
例えばウィクラマシンゲとの共著で『始祖鳥化石の謎』という著書があるのですが…
これが「始祖鳥化石は偽物」というトンデモ本。
「化石を調査しようとしたら博物館に妨害された!」という陰謀論も入っています。
ちなみに始祖鳥がらみということで恐竜少年であった私は中学生くらいでこの本と出合ったのですが、これがホイルの出会いであり、さらにトンデモ本とのファーストコンタクトでござました。
始祖鳥は発見当時こそ進化を証明するとされた古典的な例ですが…他の証拠が積み上がった現在、今さら始祖鳥だけ否定しても進化論は微塵も揺るがないっすよ…。
というか、現代的な説明では始祖鳥は爬虫類から鳥へ移行中の中間化石というよりは、そこからやや外れた袋小路にいるらしいし。
ちなみにホイルの難癖に対する大英博物館側の反論はこの辺を参照。
サイト『始祖鳥生息地』
【始祖鳥化石と鴈作騒動】
【フレッド・ホイルと大英博物館の論争、およびその顛末】
http://archaeopteryx.rgr.jp/zoology/apx_gansaku.html
…なお、この本にはこんな話も載ってまして…
下記のブログから引用してみます。
ブログ『SF(空想科学ロマンス)』
始祖鳥化石の謎
http://greenswan.blog.fc2.com/blog-date-201408-1.html
※ちなみにブログ主はがっちょりホイル支持の方です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ダーウィンの「種の起源」が1959年に発行されて、擁護者のハックスリーは中間進化生物の化石をほしがっていたし、ゾルンホーフェンの石工たちは化石を高値で売りたがっていたというーーだが、始祖鳥化石発見の報を知って、それがどんな状態かも確かめずに博物館予算の二年分を使い、それでもたりなくて自腹まできって購入したのは、大英博物館の反進化論者・自然史部長のリチャード・オーウェンだった。
進化論擁護者が購入したのではなかったのだ。
その理由をホイルは、リチャード・オーウェンが、化石が偽造されたものであることを半ば知っていて、進化論推進派を陥れるために購入したのだ、と分析する。
つまり、化石は玄人が調べればすぐに偽物だとわかるしろものだったというのだ。
(中略)
で、フレッド・ホイルはこう結論する。
「あらゆる事実や時代の心理的変化と矛盾しない唯一の仮説としては、始祖鳥は偽造を承知の上で入手されたものと考える以外にない。その意図するところは、ダーウィンやハクスリーをわなにはめ、この化石こそ進化論を裏付ける証拠と主張させることにあり、偽造工作は、イギリスの反進化論陣営とパッペンハイムの専門の偽造者との共謀によって実行された」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…え~と、だったら何故オーウェンはその罠とやらを発動させて進化論者の鼻を明かさなかったんですかね…?
あと購入前に偽造と見抜けるレベルの贋作なら、わざわざ巨額で購入なんてせずに自分で「アレは偽物だ」と言えば良かったのでは…。
有名人なんだし影響力は充分でしょ。
何故そうしない…?
それに未だに偽物扱いしてるのがホイル周辺と創造論者くらいしかいないのは何故…?
何故の嵐です。
もうね、この嵐でボーイング747ジェット機が出来上がりそう。
ところでこの本の巻末には『パンスペルミア推進プロジェクトメンバー紹介』というページがあるのですが…
メンバーはこんな。
ゼネラルプロデューサー 所源亮
永久顧問 サー・フレッド・ホイル
最高顧問 チャンドラ・ウィクラマシンゲ
最高顧問 松井孝典
顧問 茂木健一郎
マネージングディレクター いけのり
ちなみに「パンスペルミア推進プロジェクト」でぐぐってもそれらしきものは何も引っかかりません。
それじゃあプロジェクトのいかれたメンバーを順番に紹介するぜ!(バンドマン風)
【ゼネラルプロデューサー 所源亮】
元ネタ本の訳者。
基本的には実業家らしい。
【永久顧問 サー・フレッド・ホイル】
2001年死去だが何故かプロジェクト(おそらく最近結成されたものですよね?)に参加。
【最高顧問 チャンドラ・ウィクラマシンゲ】
説明不要。
【最高顧問 松井孝典】
障子ちんこ元都知事のババア発言の元ネタになった人。
元ネタにされただけでご本人の発言は問題ない…と思いきや、そうでもなかった。
詳しくは当ブログの前回のエントリ
『最後のフロンティア ー「ババア発言」をめぐってー』
を参照。
【顧問 茂木健一郎】
クオリアがどうこう言ってるだけで業績のない脱税おじさん。
【マネージングディレクター いけのり】
本書著者。
本業は占い師らしい…えっ、そうなん!?
こういう人に科学を云々されましても…。
という訳で、内輪と怪しい人物だけで固めた集団っぽいですね…
なお、ホイルの奇想は人を惹きつけるのか、『ジョジョの奇妙な冒険』にもその名が…!
第6部『ストーンオーシャン』に登場するフー・ファイターズ(プランクトン)はこう言います。
『フレッド・ホイルという天文物理学者は言った「この自然界で確率的にも生命が偶然誕生したと考えるのは間違っている」この宇宙には「知性」という「力」がすでに存在していて「生命のもと」を形づくった」つまり「知性」という力はビッグバンより先に存在していて全ての物質や生物は「知性」に導かれその「知性」をすでに保有しているのだ。と。』
まぁ荒木飛呂彦ほどの天才ともなると科学的妥当性よりも奇抜さに惹かれるのかも…。
思えば『ジョジョ』二部のラスト、カーズが火山の爆発で地球外に出る、というシナリオはパンスペルミア説の影響を受けてるっぽくね?
【追記】
JAXAのサイトにはこうあります。
『生命の起源に関しては、宇宙空間を生命が移動するという「パンスペルミア仮説」が1世紀以上前から提唱されています。地球の南極や砂漠で月隕石や火星隕石が採取されるのと同様に、火山爆発や小天体衝突等によって地球表層の土壌と共に重力圏を脱した地球生命が、「たんぽぽの綿毛」のように月や火星に到達する可能性はあります。』
https://www.isas.jaxa.jp/feature/forefront/171213.html
…え~と、だったら何故オーウェンはその罠とやらを発動させて進化論者の鼻を明かさなかったんですかね…?
あと購入前に偽造と見抜けるレベルの贋作なら、わざわざ巨額で購入なんてせずに自分で「アレは偽物だ」と言えば良かったのでは…。
有名人なんだし影響力は充分でしょ。
何故そうしない…?
それに未だに偽物扱いしてるのがホイル周辺と創造論者くらいしかいないのは何故…?
何故の嵐です。
もうね、この嵐でボーイング747ジェット機が出来上がりそう。
ところでこの本の巻末には『パンスペルミア推進プロジェクトメンバー紹介』というページがあるのですが…
メンバーはこんな。
ゼネラルプロデューサー 所源亮
永久顧問 サー・フレッド・ホイル
最高顧問 チャンドラ・ウィクラマシンゲ
最高顧問 松井孝典
顧問 茂木健一郎
マネージングディレクター いけのり
ちなみに「パンスペルミア推進プロジェクト」でぐぐってもそれらしきものは何も引っかかりません。
それじゃあプロジェクトのいかれたメンバーを順番に紹介するぜ!(バンドマン風)
【ゼネラルプロデューサー 所源亮】
元ネタ本の訳者。
基本的には実業家らしい。
【永久顧問 サー・フレッド・ホイル】
2001年死去だが何故かプロジェクト(おそらく最近結成されたものですよね?)に参加。
【最高顧問 チャンドラ・ウィクラマシンゲ】
説明不要。
【最高顧問 松井孝典】
障子ちんこ元都知事のババア発言の元ネタになった人。
元ネタにされただけでご本人の発言は問題ない…と思いきや、そうでもなかった。
詳しくは当ブログの前回のエントリ
『最後のフロンティア ー「ババア発言」をめぐってー』
を参照。
【顧問 茂木健一郎】
クオリアがどうこう言ってるだけで業績のない脱税おじさん。
【マネージングディレクター いけのり】
本書著者。
本業は占い師らしい…えっ、そうなん!?
こういう人に科学を云々されましても…。
という訳で、内輪と怪しい人物だけで固めた集団っぽいですね…
なお、ホイルの奇想は人を惹きつけるのか、『ジョジョの奇妙な冒険』にもその名が…!
第6部『ストーンオーシャン』に登場するフー・ファイターズ(プランクトン)はこう言います。
『フレッド・ホイルという天文物理学者は言った「この自然界で確率的にも生命が偶然誕生したと考えるのは間違っている」この宇宙には「知性」という「力」がすでに存在していて「生命のもと」を形づくった」つまり「知性」という力はビッグバンより先に存在していて全ての物質や生物は「知性」に導かれその「知性」をすでに保有しているのだ。と。』
まぁ荒木飛呂彦ほどの天才ともなると科学的妥当性よりも奇抜さに惹かれるのかも…。
思えば『ジョジョ』二部のラスト、カーズが火山の爆発で地球外に出る、というシナリオはパンスペルミア説の影響を受けてるっぽくね?
【追記】
JAXAのサイトにはこうあります。
『生命の起源に関しては、宇宙空間を生命が移動するという「パンスペルミア仮説」が1世紀以上前から提唱されています。地球の南極や砂漠で月隕石や火星隕石が採取されるのと同様に、火山爆発や小天体衝突等によって地球表層の土壌と共に重力圏を脱した地球生命が、「たんぽぽの綿毛」のように月や火星に到達する可能性はあります。』
https://www.isas.jaxa.jp/feature/forefront/171213.html
(23:54)