河合ゆうすけ
2025年04月27日
4月5日に放送されたNHKの『ETV特集』「フェイクとリアル〜川口 クルド人 真相〜」が神回だった訳ですが…
何故か再放送が直前になって差し替えに。
NHK+での配信からも削られ、
その後NHKからは一旦コメントが出たものの、以降は沈黙。
再放送予定は立たないままです。
当ブログはこの番組について以下の2本の記事を作成しました。
石井孝明と河合ゆうすけ、ETV特集クルド人回の再放送延期を「自分のおかげ」と功名争い
https://wsogmm.livedoor.blog/archives/27402145.html
『産経がジョーカー議員と同じトンデモ主張「NHKがクルド人番組で勝手にウチの記事使ってるぞ!」』
https://wsogmm.livedoor.blog/archives/27445056.html
…が、これらはいわば盤外戦の話。
番組自体には殆ど触れてきませんでした。
という訳で今回は番組の内容について。
つっても非常に多岐に渡る内容だったので、私の心に刺さった部分を備忘録的にメモ。
青字の部分は要約なしでそのまま引用してます。
◉X上でクルド人を含むポストが急増。
いまや2500万もあり、番組では複数の専門家とタイムラインに沿って解析
◉番組では多くのデマやフェイク画像を紹介。
•「日本人は川口市から出ていけ‼︎」
と書かれたプラカードを掲げるAI生成によるフェイク画像は138万閲覧
•「川口市の人口が月に1000人ずつ減ってる」というデマは1432万閲覧
•クルド人女児の万引きシーンとされる動画は2000万閲覧。
番組では女児の家族に直接取材を行っている
•クルド人が
「病院へ行け!」
と言ったのが聞き間違いにより
「『日本人死ね!』と言った」
とされ、バズった動画は4000万閲覧。
言ったのは日本クルド文化協会の事務局長、ワッカス・チョーラク。
「病院へ行け」と言ったことについては後に謝罪している
◉↑そのワッカス・チョーラクの身元引受人は一般社団法人日本クルド友好協会の代表、木下顕伸。
保守派の活動家で、国会の日本クルド友好議員連盟で事務局長を勤めている。
大アジア主義に基づき、民間交流から政治交流につながれば、と活動。
それが石油や天然ガスといった日本の国益につながる、と主張
◉番組は複数の投稿者に取材。
•クルド人関係のニュースの切り抜き動画を投稿していた、ちかという人物は、クルド人運転手と揉めたことで「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」となり、投稿を始めた。
しかしその後、差別に思えてきてクルド人に関する投稿はやめた
•川口自警団の代表、オオタシュンは
「外国人はやたら犯罪を起こしてやたら不起訴になってる」
と主張する。
しかし不起訴率は日本人とあまり変わらない、とNHKスタッフに指摘されると
『上がってくる情報が…とにかくよく聞く』
『僕は別にニュースとか新聞とかそういうソースは全然見ない人なんです』
と返答。
この人物は病院のベッドから酸素マスク姿で『クルド人は絶対に許さない』と投稿し、750万閲覧。
しかし全く無関係の入院だった。
インタビューでは
『真面目にやりすぎても良くないなっていうのがあるんですね。
多少インプレ(閲覧数稼ぎ)をやらなければって、そういう時はあります』
と答えている。
「インプレを稼ぐと何が得られるんですか」
というスタッフの質問に対しては
『なぜか絶賛されたりする。
そのへん、僕も納得してないんですけどね。
真面目にやって目立たない方と、インプレをやって…
ふざけてはいないけど、インプレ稼ぎを多少やっている方と、どっちが人々の良かったって言う声を得られるかというと、結局インプレの方が多くてですね』
と回答
•kakikoSHOP(番組ではアカウント名は消されていた)のXでのプロフィールは↓こんな。
『元自衛官 男性 日本の伝統文化を大切にする保守の政治家を支持します。保守のふりをして、人権や福祉の利権を貪るニセモノを見極めましょう。今の自民党は左翼・リベラルに支配されています。メディアは日本の敵です。テレビを信用してはいけません。事実はXでないと分かりません。だから、友達にはXを見るように勧めてください。』
この人物に番組ディレクターがDMで取材依頼したが、3日後にブロック。
半日後に取材依頼の文面を公開し、
『DMで返信ができないので、Xで返事を差し上げます。ご依頼の件はお断りします。理由は「私はNHKをまともな報道機関とは思っておりません。」従ってどのような編集をされるか分かりませんので、取材は拒否します。』
とポスト。
それに対して信者からの賞賛リプが並んだ。
◉↑コレも含め、取材に対するネット上の反応も記録。
取材班を撮影した画像も投稿されていた
◉河合ゆうすけ議員(番組では名前は伏せられていた)は街宣で↓こう主張。
『だからここで保守が立ち上がらなければならない、と。ねぇ?
歴代最多得票数を取りましたよ私。ねぇ?
なんで私がそんなに取れるんですか?
私が正しいことを言っているからなんじゃないですか?
私が間違ったこと言ったらこんなに支持されないでしょう。
ダントツのトップ当選でしたよ。
多くの人がそう思ってる訳でしょう?』
◉番組では何人かの識者が意見を述べた。
•橋本直子(国際基督教大大学教養学部准教授)は外国人特権の存在を完全否定
•藤代裕之(法政大学社会学部教授)の発言
『偽情報やご情報と言うものは世の中からなくなる事はないですね』
『アテンション・エコノミーと言われているインターネットを駆動するビジネスモデル、これが1つの大きな軸になっていると思います。
これは特にXが…イーロン・マスクがTwitterを買ってXってものになった時に、事実とか正しさみたいなものよりもアテンション・エコノミーの方を重視して、派手だったり面白かったりするものをどんどん拡散していきましょうっていう風に舵を切った訳ですね。
批判は集めても、それでアクセスが集まる訳ですから、お金を儲けようと思って、例えばインフルエンサーの活動している人にとっては、批判はむしろエネルギーっていうか、燃料に過ぎない訳ですね』
『アテンション・エコノミーの中では、事実っていうのは非常に広がりにくい訳ですね。
事実っていうのは基本的には複雑だったり、地味だったりするわけですよね。
でも例えば、断定的に話したり、人の憎悪を煽ったりする方が人に着目されやすいですよね。
目立ったものが勝つ。
目立ったものが儲かる。
そういう様なものだと理解すればいいと思います。』
•伊藤昌亮 成蹊大学文学部教授の発言
『この問題の背景に「普通の日本人」という意識が結構強いと思うんですね。
「普通の日本人は苦しんでるんだよ、生活が大変だし、みんな外国にどんどんどんどん置いていかれて、自信も失ってる」。
我々が持っている今の日本人全体の息苦しさというか、生きづらさというか、そういう日本人としてバーンという、「マジョリティーとしての自信がある」というよりも、「マジョリティーこそが苦しんでいるんだ」みたいな、様なところを感じてしまって。
かつ、やっかみ根性みたいな、やっかみの気持ちみたいなのがある中でこういうことが刺さっちゃったんじゃないですかね』
『なんかね、みんなジャーナリストになりたいんですよ。変な言い方なんですけども。
マスメディアがジャーナリストとしての権威を独占して、それで自分たちにとっての建前を報じていくということが気に入らないんですね。
その中で、「自分たちにだって今の時代はいくらでも調べられるんだ」と。
マスメディアは権力監視、って言うじゃないですか。
国家とか何かの強大な権力があって、それを自分たちは監視しているんだと。
それがジャーナリズムの存在理由になっているんですけれども…
「でもなんでお前らだけが監視するの?
監視する権利はどこにあるの?」
むしろマスメディアが権力になっちゃってて、権力を監視する権力になっちゃってるわけですね。
だから、それを俺たちが監視するんだってこと。
そういう意味で言うと、自分たちこそが真のジャーナリストであって。
で、「あなた達は偽の権力を監視している、偽のジャーナリストなんですよ」、みたいな。』
『この問題の背後にあるのは「信じるってことの意味は何か」ということだと思うんですね。
つまり「それが事実だからそれを信じる」というよりも、「それを信じることによって自分が救われるから信じるんだ」、っていう。
事実かどうかってことはあまり問題じゃない。
しかも「事実らしさ」というものがどこかにあれば、そこを掘り下げなくても済むんで、そうであれば「これは誰かが言っているし、こういう様な事例もあるから、まぁ信じても、もしかしたらいいかもしれない」。
…それの上で、「これを信じてしまえば、自分がそれで救われた気持ちになって、ちょっとは気分が良くなる」…そうしたら信じますよね』
識者の意見はクルド人をめぐる話だけでなく、在日外国人差別や陰謀論、ポピュリズム全般にあてはまる話で素晴らしかったです。
一方、河合ゆうすけの分かってなさは異常。
選挙や民主主義は単に「どうしていくか」を決めるシステムであって、別に「何が正しいか」を決めるシステムではありません。
人気のある意見は必ずしも「正しいから人気がある」とは限らず、単に「扇情的だから人気がある」のかもしれない訳です。
特にネットの爛熟以降それは顕著で、河合ゆうすけこそそのブームに上手く乗っかっただけの人物やろ。
あるいは分かった上で敢えてそうアピールしてるだけ、なのかもしれませんが。
【追記】
この記事にコメント下さった方があり、再放送が決定したとのこと。
情報ありがとうございまーす!
5月1日(木)午前0:00~午前1:00だそうです。
内容の改変がありそうですが、とりあえず事態の推移を見守っていく所存。
(00:15)
2025年04月19日
前回、↓こんなんを紹介しました。
NHKが『ETV特集』「フェイクとリアル〜川口 クルド人 真相〜」において、ジョーカー議員・河合ゆうすけを取り上げたのですが…
それに対し、↓ご本人が
「画像や動画の無断使用は著作権法違反やぞ」
とババギレ。

しかし…


…ところがその後、Xで↓こんなん発見。

うわぁ、産経新聞が河合ゆうすけと全く同じトンデモ主張を展開しちゃってる〜!
仮にも報道機関がポピュリズム政治家と同じ轍を踏んでてええんか?
そしてWikipedia「引用」の項には↓こうありますけど?
『引用は権利者に無断で行われるもので、法(日本では著作権法第32条)で認められた合法な行為であり、権利者は引用を拒否することはできない[注 3]。権利者が拒否できるのは、著作権法の引用の要件を満たさない違法な無断転載等に限られる。』
もちろんこのふしぎムーブはあちこちから批判されます。


↓

↓

中でも一番かいしんのいちげきだったのは↓コレ。

「じゃあ産経はこの記事を書くにあたってNHKにいちいち了承を得てんのかよ」
という訳ですね。
たしかに〜。
(※画像はXの各当該アカウントより引用)
(00:06)
2025年04月17日
NHKの『ETV特集』「フェイクとリアル〜川口 クルド人 真相〜」再放送が直前に延期に。
神回だっただけに残念がる声、そして理由を知りたがる声が。
NHKからのお知らせとリプライ(表示順)は↓こんな。











石井孝明がちょこちょこ出てきますね。
まぁクルド人デマと言えば石井孝明、石井孝明と言えばクルド人デマなので当然ですが。
で、石井孝明はコレに絡めて↓こんなコトも言ってたり。






へ〜…
右翼は火の玉ストレートの差別、左翼は一応合法のキャンセルカルチャー… そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
キャンセルカルチャーって右翼もやるんだ〜?
もう「左翼によるキャンセルガー」とか言わないで下さいね。
そして自分がやってるコトを『見せしめ』『破壊や妨害』『こらしめるため』『手を汚さない知恵もコネも』『制裁』などと表現し、自らやらかしを認めちゃう斬新なスタイル。
まぁ自身の器の小ささと反比例して強い言葉を使うのはこの手の人物の常套手段ではありますが。
あと石井孝明はこの放送延期を『いろんな政治ルートでお願い』した結果だと自分の手柄にしていますが…
一方、ジョーカー議員・河合ゆうすけは↓こう主張。

↓

再放送延期は自分の抗議のおかげだと主張。
なお…


さらに…

「引用はご自由に(キリッ」
からの、後出しで
「あっNHKは無断使用ダメ! 著作権違反!」
… うわぁ、コレはカッコ悪い。
あと↓こんなん言われてたり。



なお、NHKは直前の変更や再放送時の改変がちょこちょこあり…
【東京新聞】
『「バリバラ『桜を見る会』」再放送差し替え NHKは圧力に屈したか』
https://www.tokyo-np.co.jp/article/14217
(有料会員限定記事)
↓こんな話も。

↑コレは↓こういうコトの様。

あと番組内でも石井孝明と同様にちょこちょことそのポストを取り上げられていたヘイター、kakikoSHOP は↓こうポスト。

↑その諸見真英のポストは↓コレ。

要するに埼玉県警はこの事件が外国人によるトラブルである旨を伏せている、と主張してるのですが…。
諸井真英は『正確な情報を出すことは差別ではありません』と言ってますが…
その通りなんだけど超絶おまゆう。
つまりそれは『不正確な情報を意図的に流すことは差別』というコトであり、それこそがヘイター達がやってきたことやんけ!
そしてソレは番組が伝えようとしている最大のメッセージやろ。
ヘイター達がどんな情報でも捻じ曲げてクルド人のせいにした結果、行政も「こらぁヘイターに餌をやる訳にはいかんな…」となって、過激で違法な反応につながりそうな情報を出せなくなったのでは…
だって事実じゃないのにヘイトスピーチ法をフル無視して不法行為に勤しむ連中がいるんやで?
それこそ警察が治安を守るために対応した結果やろ。
「治安のために正確な情報を出せ」言うなら、正確な情報を出しても治安が守られる様に、ヘイター達が普段から法を守れば済むだけの話じゃないですかね。
自業自得。
あ、ついでに言っとくとこの人たち、「治安のため」と「自業自得」が大好物でしたよね。
その言葉が自分に向いた時だけスルーしたりしないよね?
そして↑このkakikoSHOPのポストに対する諸井真英の反応が↓コレ。

あとkakikoSHOPは↓こうも言ってるのですが…

番組では数々のバズった画像や動画のフェイクを暴いていますが、それらに対して
「フェイクじゃない、アレは事実だ。
何故ならこの様な証拠がある!」
とするポストは私が探した範囲では見当たらず。
結局、遠巻きに
「クルド人がしてる悪さをマスゴミは伝えない」
とかのぼんやりした話をするだけで、
「番組のココが嘘だ!」
と大上段から切り込むネタはお持ちでない模様。
番組の内容自体に間違いがある、とするのは↓コレくたいですかね。
しかしそれも…


















grokによる「ファクトチェック」では確たるものは出てこず、もつれにもつれて大後退。
大山鳴動して鼠一匹すら出ず、でした〜。
【追記】
コレほぼ書き終わった4月16日に↓こんな情報が。
【日刊スポーツ】
『NHK 「ETV特集」再放送延期&配信停止は「取材を深めた上で、改めてお伝えしたい」フェイクとリアル~川口 クルド人 真相~』
https://www.nikkansports.com/m/entertainment/news/202504160000657_m.html
【追記2】
コレもギリギリに入ってきた情報。
河合ゆうすけ↓こんなん言うてた。

『私はヘイトスピーチなどしたことはありません』
『私はヘイトスピーチなどしたことはありません』
『私はヘイトスピーチなどしたことはありません』
…まぁジョーカーってもともと「その発言の全てが信用できない」というキャラだから…。
ちなみに↓こういう流れでの発言。




↓


↓


(※画像は特記がなければXの当該アカウントより引用)
(00:09)