有馬哲夫
2025年04月14日
Xで↓こんなん発見。
リプライも表示順に載っけときまーす。





この平野雨龍なる人物のプロフィールと最近の投稿を、ツッコミ入れながら紹介していきまーす。

議員ワナビーの極右女性かぁ…
心のフォルダの橋本琴絵と同じトコにしまっとこ。


↑え、勝率1%て。
ジャンプ漫画でデータ駆使するタイプの敵と戦う主人公か?
「フフフ…私の計算によれば、あなたの勝率はわずか1%…99%の確率で私の勝ちです」(メガネクイッ)的な。
そして勝率1%しかないのに、ソレにBETしろと?(具体的には個人献金)
しかも『今年の夏が最後のチャンス』て。
いくらなんでも分が悪すぎ。
危機や恐怖を煽るのは保守のいつものやり口だけど、コレはさすがに逆効果なんじゃ。

↑コレ、貼られてる動画もちゃんと観ましたが…
モンゴルではモンゴル語を教えなくなってる、という話があるだけで、皆様の孫が日本語喋れなくなるとする根拠は何もなし。

な、なるほどー!
つまり平野雨龍はお国のためにスパイになることも辞さない、立派な愛国者ということですね。
そしてソレと同じことする中国人のスパイも、中国版の平野雨龍みたいな立派な愛国者ってことですよね?
「愛国心はヒトを何でもアリに変えてしまう恐ろしい麻薬みたいなモンやで」という貴重な教訓を得ましたー。

↑日本も世界中の人を日本製品なしには生きていけない様に篭絡したけど、ソレも世界の人々にとっては惨めで脱却すべき状況だったんですね…
日本は世界中に文化侵略してたのか〜。
ドラゴボ最低だな!
そんなこんなで平野雨龍、トンデモ系の注目株です。
ソレはさておき。
先ほど、平野雨龍へのリプライにものすごいトンデモ物件が紛れ込んでたので、も一度↓ピックアップ。




「中国嫌い」つながりで、平野雨龍から自民党のサンギンギン・小野田紀美へとスピンオフ。
コッチはワナビーではなく、一応はちゃんと参議院議員です(文通費の問題とかあったけど)。
そして…うわぁ、有馬哲夫ごときに突っ込まれるて。
そして保守同士のウヨゲバへ。
ちなみに有馬哲夫のトンデモっぷりについては以下を参照。
《右翼系の本を読んでみる2 有馬哲夫編(前編)》
https://wsogmm.livedoor.blog/archives/14087696.html
《右翼系の本を読んでみる2 有馬哲夫編(後編)》
https://wsogmm.livedoor.blog/archives/14087738.html
《ネット民「早稲田の左翼教授がひろゆきを『バカ、アホ』と罵ってるぞ!」→残念、極右でしたー!》
https://wsogmm.livedoor.blog/archives/26641449.html
…そしてこの件は↓ニュースにもなっており。


↑ところが何故かコミュニティーノートが付き。
コミュノートにもある様に、小野田紀美本人もこの産経の見出しを『誤解を招く』と批判。
産経ともウヨゲバ〜。

ソレを受けてか、産経は見出しを修正。

え、また産経がやらかしを…?
どんなのやろ、と思って記事を読むと…
https://www.sankei.com/article/20250411-SS27HFGZEJBHLKX35SU3NPB5CM/
中央省庁のロボット掃除機が中国製「安全保障の観点は」 自民・小野田紀美氏が指摘
2025/4/11 11:59
中央省庁や議員会館で稼働している中国製のカメラ付きロボット掃除機から「モノのインターネット(IoT)」を通じて情報が漏洩する恐れがあるのではないかー。そんな疑問を自民党の小野田紀美参院議員が9日の参院地方創生・デジタル特別委員会で取り上げた。
小野田氏は、議員会館で稼働しているロボット掃除機を調べたら衆院が中国メーカー、参院は日本メーカーだが中国製だったと指摘。調達基準に安全保障の観点はないのかと質問したが、両院事務局とも「盛り込んでいない」とした。
小野田氏はこの問題の所管省庁はどこなのかーと、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)や経済産業省に答弁を求めたが明確な説明はなかった。国家安全保障局は「どのようなことができるか(省庁と)連携して考えていきたい」とした。
平将明デジタル相は、所管外とした上で「掃除がロボットやAIやIoTになってきて、通信につながるといろんなことができる。リスク管理に重要なのは『これで、こんなことできるよね』というイマジネーションや妄想力」と指摘。
「(漫画の)攻殻機動隊を見ていると、IoT端末を乗っ取って暴れさせるというのは、よく出てきたシーンだ。掃除ロボットが話を聞いていたかもしれないという妄想、想像力を働かせて、対策することは重要だ」と述べた。
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…え、コレ元の
『「省庁の中国製ロボット掃除機のカメラから情報漏洩」 自民・小野田紀美氏が危険性指摘』
という見出しのままで何か困るコトあります?
実際に言ってたコトとの乖離はそんなないやろ…
見出し用に短く要約したらこんなモンでは?
念のために実際の発言をチェック。
【YouTube:ニコニコニュース】
『【国会中継】参議院 地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会 ~令和7年4月9日~』
https://youtube.com/watch?v=RYjwXoI4aD8
問題の発言は24分過ぎ〜40分過ぎあたり。
やはり特に産経の見出しに問題がある様には見えません。
おおむね、そういう感じのコト言うてるやん。
あと「攻殻機動隊にそういうのあるよね〜!」的にキャッキャしてる平デジタル相もどうかと思うです。
呑気すぎへんか?
しかし何故か小野田紀美は林デジタル相の返答を絶賛。
ちなみに攻殻機動隊はお掃除ロボでスパイどころか、脳まで侵入されてゴーストハックされちゃう世界。
フィクションの世界では、スーパーハカーやマザーコンピュータはネット上のあらゆるデータに自由にアクセスできたり、あらゆる機器を乗っ取れることになってますが…
普通に権限のないコトはできひんやろ。
攻殻機動隊は「ウィザード級の電脳ハッカー」なら何でもできるコトになっちょります。
あと小林銅蟲のグルメ漫画『めしにしましょう』には
万能なロボット掃除機が出てくるよ!【※註】
現実の話をすれば、アメリカの軍関係はセキュリティに厳しく、ペンタゴン(国防総省)ではファービーが持ち込み禁止になったり。
録音機能がある点を危険視された模様。
ランダムに数秒録音するだけなのに…。
あとコンピュータや原爆の開発に重要な役目を果たした天才科学者、「悪魔の頭脳を持つ男」フォン・ノイマンは死の間際、「変になって国家機密を口走るかもしれない」という理由で家族すら面会させてもらえなかったそうな。酷い。
しかし情報漏洩を云々するなら…
議員会館をうろちょろしてるロボット掃除機より、議員のスマホの方がヤバない?
【※註:小林銅蟲】
『めしにしましょう』は「コミックDAYS」という漫画アプリで1日1話無料(広告を観ればさらにもう1話)で読めるので是非。
あの『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』以上のカロリーの暴力を楽しめます。
…が、それ以上に料理以外の部分がSFマインドとカオスに溢れていて面白い。
あと『寿司 虚空編』という漫画もあったり。
ちなみに寿司ではなく、前代未聞・空前絶後の巨大数漫画。
何が描いてあるのか私にはビタイチ分からないです。
pixivのアカウントを持っていれば「pixivコミック」でほぼ全部読める模様(無料)。
こちらは「読んでね」というより「こういうのがあるよ、というのを知ってほしい」って感じ〜。読めぬ。
https://comic.pixiv.net/works/1505?srsltid=AfmBOooSTUV4mBxLPJvameVbpWOleZ97SSlv98E05SA_dSHBK3ERuZ2r
(※画像は特記がなければXの当該アカウントより引用)
(00:05)
2025年01月09日
時系列順に説明するとですね…
Xで、まずひろゆきが↓こう発言。

リンク先は産経新聞の↓この記事。
【産経新聞】
『<独自>女子中生に性暴行のクルド人男、執行猶予中に別少女にも性暴行 埼玉県警発表せず』
https://www.sankei.com/article/20241206-3OVSSHWOXJOIFFCYCBYWHA4C2A/
このひろゆきの発言に早稲田大学名誉教授の有馬哲夫が↓ババギレ。
『バカ、アホ』と罵倒します。


↑すげぇ口汚いやん…アタマ百田尚樹か?
そしてコミュニティノートも付けられちゃう。
それに対しひろゆきも↓反論。


この一連の流れについて2ちゃんねるにスレッドが立ち、それが↓まとめサイトに。
【痛いニュース(ノ∀`)】
『ひろゆき 「クルド人の刑法犯は強制送還したほうが」 → 早稲田大学名誉教授 「バカ!アホ!」 →』
https://itainews.com/archives/2043377.html
しかし↑そもそも皆さん、有馬哲夫について「誰やねん」状態の模様。
『リベラルのいうところの「知能」とか「学歴」とかって…w』
『名誉教授ってただの素人活動家だろ』
とか言われて左翼扱い。
。
では有馬哲夫とはどういう人物かと言うと…
この方、「歴史研究に右も左も国境もない」とかスバラシイことをおっしゃってるのですが…
まぁこんな「右でも左でもない、普通の日本人です」的なネトウヨ構文を使う人物な時点でお察し。
他にもどうにもとまらないネトウヨムーブ。
♪うっわっさを信じちゃいけないよ〜
私の心はウヨなのさ〜
もうどうにもとまらない(昭和)。
例えば…
『歴史の記述はインパクトではなく、正確さこそが生命なのです。』
とおっしゃる割に、著書の書影は↓こんな。

…帯に堂々と『南京事件は中国のプロパガンダ』!
南京事件の存在自体は認めており、かつ単純化などしないともおっしゃる先生の力強いお言葉が
『南京事件は中国のプロパガンダ』
…!
まぼろし派の皆さんが大喜びしそうですね。
↑コレ以降の著作はWikipediaによると…
●『こうして歴史問題は捏造される』新潮新書、2017年
●『原爆 ―私たちは何も知らなかった―』新潮新書、2018年
●『NHK解体新書 ―朝日より酷いメディアとの「我が闘争」―』ワック・新書判、2019年
●『日本人はなぜ自虐的になったのか ―占領とWGIP―』新潮新書、2020年
●『一次資料で正す現代史のフェイク』扶桑社新書、2021年
●『「慰安婦」はみな合意契約をしていた ―ラムザイヤー論文の衝撃―』ワック・新書判、2021年
…新潮・ワック・扶桑社!
さらにラムザイヤーを擁護したり、上念司や高橋史郎から擁護されたり。圧倒的ネトウヨ系人脈。
さらに以下のツイート↓が問題視され、解雇を求める署名活動に発展。
●『ヨーロッパでもアメリカでも、韓国人とか韓国系OO人は日本ブランドを利用して商売している。いかにも日本人がやっているように見せかけて寿司とかラーメンとか日本食を売っている。ヨーロッパ人やアメリカ人はそれを見抜いている。そういう人々だと思っている。だから日本政府が否定すれば世界は信じる』
●『ソウルとか釜山に、日本人は韓国人のヘイトスピーチしていいが、韓国人は日本人のヘイトスピーチしてはならないという条例を作ってほしい。それなら釣り合が取れるだろう。日本の自治体は韓国とバーターで条例を作ってほしい。』
●『あらゆる面で慰安婦は日本兵より恵まれていた。でも慰安婦を可哀想がる人はいても日本兵を可哀想がるひとはいない。しかも大半の日本人慰安婦女はいなかったことに。完全に逆差別。』
●『こんな日本兵と朝鮮人慰安婦だったのに、韓国人は日本人に朝鮮人慰安婦のことで謝れという。賠償金を払えと言う。なんだか、とってもおかしい。朝鮮人慰安婦が日本兵に「ありがとう」の一言があっていいと思う。』
詳しくは以下のエントリを参照。
当ブログに一日5人の来訪があれば狂喜乱舞してた時代のもので、殆ど読まれてないので是非。
『右翼系の本を読んでみる2 有馬哲夫編(前編)』
https://wsogmm.livedoor.blog/archives/14087696.html
『右翼系の本を読んでみる2 有馬哲夫編(後編)』
https://wsogmm.livedoor.blog/archives/14087738.html
(※画像は書影については当該の書籍より、その他はXより引用)
(00:09)
2022年04月03日
※前回のエントリの続き
(承前)
…という訳で、第一章を読んだだけでお腹いっぱいなのでこの辺で。
まぁ基本的な考え方については第一章にまとまっていて、以降は各論になるのですが、肝心の根本がコレなので内容は推して知るべし、でしょう。
…が、第二章冒頭がちょろりと目に入って来ちゃいました。
59ページ
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歴史の捏造者はよく「白鳥はみな白い」といった単純化を行います。そのようにした方が分かりやすいし、アピールするし、記憶されやすいからです。そのために「黒い白鳥」がいるかどうか調べず、あるいはいても無視します。「白鳥は、大部分は白いが、黒い白鳥もいる」ではわかりにくいし、インパクトもないから、と言い訳します。しかし、歴史の記述はインパクトではなく、正確さこそが生命なのです。
現在、日本と中韓の間で「歴史問題」とされている「南京事件」と「慰安婦問題」は反証可能な資料が存在しません。中韓は年寄りたちから証言を集めますがそれは、話しても聞き手もある意図を持っている、反証可能性のない個人証言でしかありません。それをいいことに「南京で30万人の中国人が虐殺された」とか「日本軍によって20万人の朝鮮人女性が強制によって慰安婦にされた」というように単純化された、よくアピールするキャッチフレーズをプロパガンダに使います。実際はそうでなかった可能性を示す反証がいくつもあがっているのですが、プロパガンダであるがゆえに、相手のあげる反証に耳を貸そうとしません。だから、議論が平行線をたどり、いい合いになってしまうのです。
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…だそうです。
なるほどね~、『歴史の記述はインパクトではなく、正確さこそが生命』…ええ話や。
ちなみに有馬哲夫は南京事件の存在については否定していません。
そらまぁそうやろ…南京事件についてはまともな研究者の間では左右の立場を超えてほぼ合意が形成され、わー国の政府も認めています。
「中国が主張する30万人という数字は無茶」という点についてもそう。
国内ではそもそも30万人説を鵜呑みにしている研究者などまずいません。
なのにまるで国内に議論があるかの様に「30万人ガ―!」と言いつのるのは、誰もしていない主張を論破して勝った気になる「藁人形論法」です。
まともでない主張として「南京事件などなかった」とする「まぼろし派」もいますが、これは歴史修正主義というか否認主義でしょ…。
その点、有馬哲夫先生は反証主義を掲げ、南京事件についても率直に大筋で認めるという、知的誠実さに溢れたお方。
『歴史の捏造者はよく「白鳥はみな白い」といった単純化を行います。そのようにした方が分かりやすいし、アピールするし、記憶されやすいからです。そのために「黒い白鳥」がいるかどうか調べず、あるいはいても無視します。「白鳥は、大部分は白いが、黒い白鳥もいる」ではわかりにくいし、インパクトもないから、と言い訳します。しかし、歴史の記述はインパクトではなく、正確さこそが生命なのです。』
とまでおっしゃる有馬哲夫先生の著書がこちらです。

…帯に堂々と『南京事件は中国のプロパガンダ』!
単純化などしない先生の力強いお言葉が『南京事件は中国のプロパガンダ』…!
まぼろし派の皆さんが大喜びしそうですね。
有馬哲夫の肩書きはWikipediaによれば『公文書研究者』。
公文書館などで一次資料を発掘するのがお得意のご様子。
それは素晴らしいことです。
しかし、自らの功績を誇りたいあまりか
「私のは一次資料だから反証可能性があるが、二次資料には反証可能性がない」
的なトンチキを言い出し、証言の重要性をやたら貶めるのはいかがなものかと。
そのために自分自身でもあまり理解していない反証主義を持ち出すのはホント勘弁な!
なお、有馬哲夫はエゴサーチがえぐい模様で、批判されると自著で反論するタイプの様です。
粘着気質で何とも親近感が湧きますね。おまおれ。
本書以降の著作はWikipediaによると…
●『こうして歴史問題は捏造される』新潮新書、2017年
●『原爆 ―私たちは何も知らなかった―』新潮新書、2018年
●『NHK解体新書 ―朝日より酷いメディアとの「我が闘争」―』ワック・新書判、2019年
●『日本人はなぜ自虐的になったのか ―占領とWGIP―』新潮新書、2020年
●『一次資料で正す現代史のフェイク』扶桑社新書、2021年
●『「慰安婦」はみな合意契約をしていた ―ラムザイヤー論文の衝撃―』ワック・新書判、2021年
さらに動画検索すると『上念司チャンネル』にやたらと出演したり擁護されたりしてますね。
おまけにこんなの↓も発見。
【髙橋史朗】
『髙橋史朗 20 – WGIP「陰謀史観」を論破した有馬哲夫の実証的反論』
https://www.moralogy.jp/salon2000727-1/
…新潮・ワック・扶桑社!
ラムザイヤーを擁護、上念司や高橋史郎から擁護…!
あまりのトンデモ系人脈にオラ、ワクワクしてきたぞ!
出版社や人脈…こういうのは物事を考える上で「根拠」にはなりませんが、良い「指標」にはなるよね。
では逆に左翼系からはどう見做されてるかというと…
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早川タダノリ
@hayakawa2600
有馬哲夫『こうして歴史問題は捏造される』入手、冒頭「タレントや評論家に目立つのですが、中韓の嘘に対して嘘で応え…極端で、無責任で、対立を煽るだけのことしかいわないので、好ましくない」ってあって、自分は連中とは違うという切断しぐさに笑った。方法論としてはポパーの反証可能性一本槍か。
午前10:54 · 2017年9月23日·Twitter Web Client
25 件のリツイート 23 件のいいね
早川タダノリ
@hayakawa2600
「歴史研究に右も左も国境もない」「私は「歴史イデオロギー」とは無縁です」「私は「右」でも「左」でもありません」としつこく繰り返しているが、それだけ自らの抱えているイデオロギーに無自覚だということの告白だ。これまたくりかえされる「日本ではGHQのWGIPの影響」云々で言わずもがな。
午前11:01 · 2017年9月23日·Twitter Web Client
34 件のリツイート 24 件のいいね
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『ポパーの反証可能性一本槍』! と喝破されております。
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早川タダノリ
@hayakawa2600
有馬哲夫の新刊の惹句に「プロパガンダに与せず、イデオロギーに依らず、謙虚に歴史を見つめる作法」とあってそっ閉じ。
午前0:51 · 2017年9月18日·Twitter Web Client
42 件のリツイート 1 件の引用ツイート 27 件のいいね
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町山智浩
@TomoMachi
2000年代初めに『日本テレビとCIA 発掘された正力ファイル』や『原発・正力・CIA: 機密文書で読む昭和裏面史』で正力松太郎による読売・日本テレビによる保守メディア工作を暴いてから十年足らずでネトウヨに堕ちた有馬哲夫早大教授に何があったのか?
午後0:50 · 2021年9月24日·Twitter Web App
296 件のリツイート 22 件の引用ツイート 625 件のいいね
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さらに『こうして歴史問題は捏造される』のAmazonレビューにこんなの↓発見。
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ほたる源氏
5つ星のうち1.0 冷静に読み解くと。
2019年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書で清水潔著「南京事件を調査せよ」と自著「歴史問題の正解」とを比較して論評を加えた個所がある。そこで筆者である有馬は、清水の著作を反証可能性に欠けた資料を基にしているとして批判しているが、私は逆の見方に立つ。清水の本は綿密な取材と現地調査によって反証として成立することを解き明かした労作であり、有馬は自認しているように欧米各国の公文書から歴史事実を検証する姿勢をとっているものの、そういう資料だけで歴史事実が知りえるのだろうか。たとえば南京事件当時日本兵として銃殺に加わったという人の手帳に書かれた日記録を歴史資料として認めないとしているが、いかがなものだろう。有馬の著作と清水の本とをなんども読み返して思うのは、有馬の著作方が自身が嫌悪する、よくない歴史修正主義の立場に陥って書かれたのでないかという疑問を払拭できない。
78人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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あちこちのブログでも批判されてますね…
【誰かの妄想・はてなブログ版】
『安倍政権も有馬哲夫氏も共に歴史修正主義者なんじゃない?』
https://scopedog.hatenablog.com/entry/2019/12/11/080000
【葉梨愛ツイッター的ブログ】
『早稲田大学は、今そこにいる歴史修正主義者、有馬哲夫教授とどう向き合うのでしょうか?』
https://hanashiai901.blog.fc2.com/blog-entry-17990.html
『有馬哲夫早稲田大学教授を批判する』
http://redress814.blog.fc2.com/blog-entry-191.html
さらに解雇を求める署名活動を行われてたり。
【渾沌から湧きあがるもの】
『【賛同される方は署名を】差別を煽り歴史否定発言を繰り返す有馬哲夫教授の解雇と再発防止を求めます』
https://ameblo.jp/awakinginheaven/entry-12702154908.html
コレは以下の様なツイートが問題視された結果です。
●『ヨーロッパでもアメリカでも、韓国人とか韓国系OO人は日本ブランドを利用して商売している。いかにも日本人がやっているように見せかけて寿司とかラーメンとか日本食を売っている。ヨーロッパ人やアメリカ人はそれを見抜いている。そういう人々だと思っている。だから日本政府が否定すれば世界は信じる』
●『ソウルとか釜山に、日本人は韓国人のヘイトスピーチしていいが、韓国人は日本人のヘイトスピーチしてはならないという条例を作ってほしい。それなら釣り合が取れるだろう。日本の自治体は韓国とバーターで条例を作ってほしい。』
●『あらゆる面で慰安婦は日本兵より恵まれていた。でも慰安婦を可哀想がる人はいても日本兵を可哀想がるひとはいない。しかも大半の日本人慰安婦女はいなかったことに。完全に逆差別。』
●『こんな日本兵と朝鮮人慰安婦だったのに、韓国人は日本人に朝鮮人慰安婦のことで謝れという。賠償金を払えと言う。なんだか、とってもおかしい。朝鮮人慰安婦が日本兵に「ありがとう」の一言があっていいと思う。』
…いやぁ、歴史研究に右も左も国境もないから、と歴史イデオロギーとは無縁に生きる有馬哲夫先生の絶妙な政治的バランス感覚には驚嘆させられますね。
結局この人は「反証主義やで!」とか「インパクトより正確性やで!」とか「イデオロギー持ち込んだらあかんで!」とか、すごく良いこと言ってるのに 自分ではちっともまもらないんだなぁ トンデモだもの てつお
(00:08)
2022年04月02日
最近、右翼系論客の本をいくつか読んだので紹介していくシリーズ。
今回取り上げるのは有馬哲夫『こうして歴史問題は捏造される』。
この人の特徴は反証主義です。
そのあたりの説明を同書から引用してみましょう。
P.19
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歴史論争するとき、なぜそれはただの言い合いや水掛け論になってしまうのでしょうか。とくに日本と韓国や中国が歴史問題を議論するときは、互いに根拠を上げて議論するのに結論には一向にたどり着けません。どこまで行っても平行線です。歴史的事実は1つなのですから議論すればするほど、互いの認識は近くなるはずですが、そうはなりません。
それは歴史(および人文科学)の論議は、反証可能でなければならないという原則を中国と韓国が無視するからです。実は彼らは反証可能な根拠に基づいて歴史論議をしていないのです。また、あとで詳しく述べますが、歴史を反証可能な科学とは考えていないのです。
反証可能とはオーストリア出身でイギリスの大学で教鞭をとったカール・ポパーが提唱した概念です。彼の説明を使うと「白鳥はみな白い」というためには「黒い白鳥はいない」ということを証明しなければなりません。しかし実際には黒い白鳥はいます。したがって「白鳥はみな白い」とはいえません。
ところが黒い白鳥は数が少ないので、見たことがない人は自分の経験上「白鳥はみな白い」と思うでしょう。
思う分には構わないのですが、その思い込みを他人に語って誤った知識を与えると問題です。そうならないよう、白鳥の色について自説を語りたい人は生息地を回って反証がないか確認する必要があります。この場合の反証とは「黒い白鳥がいる」ということです。
このように反証がないかどうかを検討することができることを、「反証可能性がある」といいます。そして言説や仮説には、反証可能性がなければならないというのが歴史やその他の学問においては大前提です。
ここで混同されないように断っておくと、「反証可能性がある」ということと「反証がある」というのは別のことです。反証可能性を検討したうえで「反証がない」または「反証がないと現時点では考えておいてよい」となればその学説や仮説はその時点では「正しい」と認められることになります。ただし、あとで反証があがってくれば「誤りだ」ということになります。
また、反証があるかどうか検討できないということは、正しいか間違っているか判断できないということです。学問では、正しいかどうか判断できないことは、正しいとはみなしません。何も証明できない、つまり証明能力がないということになります。
では反証可能性のない言説とはどのようなものでしょうか。たとえば、「〇〇氏は仏陀の生まれ変わりだ」「〇〇氏に首相の守護霊が降りてきて、メッセージを伝えた」という説を主張する人がいたとします。このような説に反証可能性はあるでしょうか。荒唐無稽な説ですが、我慢してよく考えてみて、反証を見つけるのは不可能だと言う結論が出ます。つまり「仏陀の生まれ変わりではない」「守護霊なんか降りてこない」という「証拠」はいかなるものか、と考えてみてもそのようなものは存在しないというしかありません。従ってこのような説は学問ではなく、信仰の部類に入るわけです。
とくに人文学は、理科系の学問とちがって、明確な結果や数値はでません。勝手な理屈をこねて、反証無視していい張れば、なんでもいえるということになります。しかし、その主張は、現実とは無関係なので、現実と噛みあわず、認識を誤らせるだけの有害なものになります。ですから、そうならないよう、人文科学者は反証を無視せず、反証可能性を持った根拠に基づいて議論しなければなりません。
反証可能な歴史の論議に必要なのは反証可能性を持った資料です。反証可能性を持たない資料に証明能力はありません。それらを検証し、その主張に対して裏付けとなっているとも反証になっているとも判断できないからです。もはや反証は上げられないと断定できないうちは、つまり「黒い白鳥はいる」ということをその時点で十分に否定できないうちは、すべての歴史論議は仮説に留まり、証明はされていないことになるのです。
また、反証可能性は、その言説に具体的内容があるかどうかによっても異なってきます。たとえば、「日本人は戦争に負けて腰抜けになった」という言説は反証可能ではありません。そう思う人はいろいろな例を挙げて「その通りだ」というでしょう。またそう思わない人も様々な卑屈をこねて「いや違う」というでしょう。この二人が議論をしても、噛みあうことはなく、意味のある結論にたどり着くことができません。互いに自分が有利だと思う例をあげて、自分の方が正しいのだといいあうだけです。そして、結局は、「意見の相違だ」とか「しょせんあなたとは意見が合わない」といいあうことになります。
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…まぁ細かいところではツッコみたくなるところがいくつかありますが、大筋では間違ってはいません。
特に大事なのは「反証可能性がある」ということと「反証がある」ということをちゃんと区別してる点。
ココは素晴らしい!
では細かいところをツッコんでいきます。
まず気になるのは「黒い白鳥」の話。
『白鳥の色について自説を語りたい人は生息地を回って反証がないか確認する必要があります。この場合の反証とは「黒い白鳥がいる」ということです』
…コレ、『悪魔の証明』に陥らないためには、「黒い白鳥」がいることの挙証責任があるのは「黒い白鳥はいる」と主張する側なんじゃ…
実際、『悪魔の証明』の説明でよく持ち出されるのは「白いカラス」というよく似た例だし。
こういう他の概念と混ざったり対立しない様に、他のもっと適切な例を持ち出すことはできなかったんですかね…
反証可能性を説明したいなら、私だったら例えば「世界の全ては5分前に出来た」とする『世界五分前仮説』あたりを持ち出すけど。
コレは「去年の日記」とか「恐竜の化石」とか「過去が存在した証拠」をいくら持ち出しても「それらも含めて5分前に出来たのだ」と反論してくる無敵論法です。
しかし無敵すぎて、「もしこういうものが見つかればこの説は崩壊するよね」という「反証する方法」自体が存在しません。
反証可能性が無いので、この仮説は(もしかしたら正しいのかもしれませんが)科学的な議論の俎上には乗りません。
子供の頃、ジャンケンで「あらゆる手に勝つオールマイティーな手」を勝手に編み出してくる奴っていたよね。
そんなズルい手、認められなかったっしょ?
そんなんアリなら全員使うし、そうなったら誰の勝ちかも分からない…
何にでも勝てる手では何も決められません。
同様に、何でも説明する論法は何も説明しないのです。
さらに有馬哲夫は「反証可能性のない説明」の例として、
『〇〇氏は仏陀の生まれ変わりだ』
『〇〇氏に首相の守護霊が降りてきて、メッセージを伝えた』
という例を挙げてます。
何故か大川隆法主宰先生(本名:中川隆)のご尊顔が浮かんできそうな例ですね。
でも『仏陀の生まれ変わり』とかの主張は仏陀の教えや歴史的記録との矛盾があれば反証できるので、一応は反証可能では…
まぁ反証されたらされたでこういう人は「記録の方が間違ってるのだ」とか「あの世で修業した結果、考えが変わったのだ」とか言い抜けがちですが、それは「補助仮説多すぎ」という別の問題でしょう。
あと
『もはや反証は上げられないと断定できないうちは、つまり「黒い白鳥はいる」ということをその時点で十分に否定できないうちは、すべての歴史論議は仮説に留まり、証明はされていないことになるのです』
という部分。
まぁ別にこれが間違っているとは言いませんが(私もこの手の言い回しをすることはありますし)、科学は数学の様な「証明」はできず、科学理論の全ては「仮説」です。
現在「証明済み」とされている科学理論も厳密には「今のところ反証に耐えている仮説」に過ぎません。
そのせいで
創造論者「進化論は所詮、仮説でしょ?」
科学者「ええ、(他のあらゆる科学理論と同様に)仮説ですが?」
…という噛み合わない話になったり。
あと
『それは歴史(および人文科学)の論議は、反証可能でなければならないという原則を中国と韓国が無視するからです。実は彼らは反証可能な根拠に基づいて歴史論議をしていないのです。また、あとで詳しく述べますが、歴史を反証可能な科学とは考えていないのです』
『とくに人文学は、理科系の学問とちがって、明確な結果や数値はでません』
『人文科学者は反証を無視せず、反証可能性を持った根拠に基づいて議論しなければなりません』
というあたり。
カール・ポパーの反証主義は「これがないと科学とは呼べねぇぜ」と鳴り物入りで紹介され、広がったのですが…
ポパーのイメージする「科学」はわりと物理寄りで、「再現性のある実験」とかだったのですね。
ポパーのちょい前に世界を席巻した知的流行といえば「精神分析」「共産主義」「進化論」…彼はその全てに喧嘩を売ります。
特にポパーは共産主義を嫌ってましたからね。
精神分析は「君には〇〇という願望がある」と一度決めつけられてしまうと、それを認めると「ほら、やっぱり!」、否定しても「そうやってムキになるのが抑圧の証拠だ!」とされて、反証する方法がありません。
一度疑われるとその時点で詰みの魔女狩りやんけ。
共産主義は「矛盾あるやんけ!」となっても「それは一見矛盾に見えてもいずれは弁証法的に止揚(アウフヘーベン)されるからセーフ!」と、どうにでも言い抜けられるので反証不能。
進化論も再現実験ができないので反証不能。
…と、次々に「葬ったどー!」となったのですが…
進化論はゾンビ返ります。
再現実験できひんとか言い出したら、一度きりしか起きない歴史全般を扱うことができひんやんけ~。
あとそもそも「進化論に対する反証」ってホントにありえないですか?
集団遺伝学の祖J・B・S・ホールデンは「カンブリア紀のウサギの化石」を挙げてます。
そらそんなモンが本当にあれば反証になりますわ。
それに進化は実験も観察もされてます。実験進化学という学問まであるし。
…どこが「原理的に反証不能」なん?
という訳でポパー自身も「進化論は反証不能だから科学じゃない」という主張は取り下げています。
そんなこんなで、反証主義と歴史はあまり相性がよろしくなかったのです。
それでも歴史における反証可能性の重要さを説く有馬哲夫先生。
カッコイイですね。
P.26
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歴史研究において、反証可能な資料とは、第一次資料のことをいいます。代表的なものは、日本の国立公文書館や国会図書館、外務省外交資料館、アメリカの国立第二公文書館や議会図書館や大統領図書館にある公文書や書簡や公人の日記などがあげられます。
第二次資料とは、誰かが何かを主張するために書いた本とかパンフレットなどのことをいいます。第一次資料に基づいている場合もあり、基づいていない場合もあります。
第二次資料は、基本的には反証可能性はありません。たとえば、自民党を批判した本は、自民党を礼賛するためには使えません。逆も真なりです。原発反対の立場からの主張を書いた本をもとに原発推進の議論をすることはできません。逆もできません
野党支持者を装って、わざとでたらめな自民党批判を書いて実質的に自民党礼賛することはできますが、これは資料ではなく、レトリックの問題です。原発反対派に見せかけて、わざと荒唐無稽な原発廃止を展開して、原発廃止が不可能であると思わせるのも同じです。
しかし、こういった第二次資料が第一次資料に基づいている場合、本に使われたデータや資料などの第一次資料は、場合によっては、反対の主張の根拠として使うことができます。反証可能だからです。
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『第二次資料は、基本的には反証可能性はありません』
…えっ、そうお?
二次資料に明らかな論理矛盾が含まれてたら反証可能ですよね?
ちなみにWikipedia『一次資料』の項の「概要」によればこうです。
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学問分野としての歴史研究において一次資料(いちじしりょう、英: primary source, original source)とは、対象とする時代において制作された工芸品、文書、日記、写本、自伝、録音・録画、その他の情報源を指す。これはそのテーマに関する大元の情報として利用される。同様の定義は図書館学その他の学問分野でも用いられることがあるが、多少異なった定義を用いる分野もある。報道において、一次資料とはある状況に直接に接した人、あるいはそうした人が記した文書を指す[1]。
一次資料は、それを引用、言及、補足した二次資料とは区別される。一般に、事実に後知恵や歪曲を加えた記述は二次資料である[2]。二次資料はそれをいかに使うかによっては一次資料にもなり得る[3]。例えば回顧録は、そこに記された著者や友人に関する研究においては一次資料とみなされるだろうが、著者が生きた時代の文化を調査するにあたっては二次資料となるだろう。「一次」「二次」は相対的なものとして理解すべきで、それは特定の歴史的文脈と研究テーマに応じて情報源を区別するということである[4]:118–246[5]。
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そしてWikipedia『二次資料』の項の「概要」はこう。
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学術分野における二次資料(にじしりょう、英:secondary source)[1][2]とは、元はどこか他の所で示された情報について述べた、あるいは議論した、文書もしくは記録。二次資料は一次資料と対比され、一次資料は議論される情報の大元の情報源であり、それはある情報について直接的な知識を持っている人や、そうした人により書かれた文書であったりする。
一方で二次資料は、一次資料に関する情報を提供する。そこにおいて、大元の情報は選択、修正され、しかるべき形式に整理される。二次資料には大元の情報の一般化、分析、解釈、評価が含まれる。
何であれ手元にある情報源を最も正確に分類する方法などというものは、常に明確に分かっているとは限らない。「一次資料」と「二次資料」は相対関係にある用語で、ある情報源はそれがどう使われるかに応じて一次資料にも二次資料にも分類され得る[3][4][5][6]。百科事典や辞書といった三次資料は、分析を含む点で二次資料に似ているが、項目に関して広範な入門的概要を示そうとしている点が異なる[1][7]。
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…有馬哲夫の「一次資料と二次資料の違い」についての認識が独特~!
ざっくり言えば、当時モノは基本的に一次資料、ということですね。
ところが有馬哲夫は当時モノでも個人的なメモや日記はこっそり「代表的な一次資料」から外してますね。
なんで?
それは読み進めていくと判ります。
有馬哲夫は個人的記録は信頼性が低いとしてこう書いてます。
P.48
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また、何らかの動機や意図、つまり自分のしたことを偽ったり、正当化しようとしたり、他の人を貶めようという意図があってメモや日記を残す場合もあります。当然ながらそれらは、全く信用できないといえます。
このようなケースにはある法則があります。つまり5W(誰が、いつ、どこで、なにを、なぜ)と1H(どのように)に不自然なまでに触れないと言うことです。嘘なので、具体的にいえないということもありますが、いうと誰かに反証を挙げられるので、わざと反証可能性を消しているのです。
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んん?
メモや日記に5W1Hが抜けていても、それは「証明しづらい」だけで「原理的に反証不能」ではないですよね?
例えばある事件に関わるメモに日付が抜けていたとしましょう。
しかしメモに「あの事件があった日は雨が降ってた」とあるのに、事件当日の天候記録等の資料に「晴れ」とあれば反証可能やん。
そもそも歴史資料は他の資料との相補性が大事だと本書で有馬哲夫自身が強調しているのに…どうしてこうなっちゃうの?
その後も有馬哲夫は慰安婦問題を取り上げ、やはりこう書いてます。
P.56
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とくに国連人権委員会のクマラスワミ報告書(正確にはその付属文書1)で朝鮮人「慰安婦」の方々がしている証言は、5W1Hに触れず反証可能性がないという法則に見事に一致します。
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…やっぱこの人、自分で注意を喚起した筈の「原理的に反証可能か」と「実際に反証があるか」の区別が付いてないよ!
まぁ説明に挙げる例からしておかしかったし。
要するに反証可能なものを「反証不能だからアウト」と言い張る芸風。
さらに、
P.47
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大統領や独裁者や政府高官ならば、残す動機は明らかです。自分がしたことを後世に伝えるためです。そして、公的な記録がありますし、多くの関係者が知っていますのでみだりに嘘はつけません。
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…という形で、有馬哲夫言うところの「第一次資料」ならば独裁者による公的記録でも擁護してます。
そんなんプロパガンダかもしれんのに。
ところがそれだと、自分に都合の悪い一次資料まで認めざるを得ません。
なので『共産主義国の第一次資料』という小見出しの下にある文章では
P.45
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しかし、このような「政治イデオロギー」や「建国イデオロギー」のために編集され、保存されている資料は、第一次資料でも歴史的事実を歪曲するだけだということは明らかです。このような社会、政治体制の国の第一次資料は、自由主義体制の国のそれと同等に扱ってはいけないということになります
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え、科学界で「コレは共産主義国の論文やしナシな!」とかある?
何のための反証主義だよ。
ちなみに
『このような「政治イデオロギー」や「建国イデオロギー」のために編集され、保存されている資料』
とは具体的には↓こういったもののことだそうです。
P.45
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たとえば中国各地にある档案館(アーカイブ公文書館)には日本軍関係者の坦白書(自白書)が大量に保存されています。これらは、日本軍関係者が終戦によって、あるいは終戦前に、おもに共産党に投降して捕虜となり収監された時に書いたものです。自発的に本当のことを告白したケースもあるでしょうが、早く帰国したいがために共産党軍の意向に沿った内容(中国人に対する残虐行為など)を話したものも多いのです。
実はこれはハーグ陸戦法規定第二十三条に定めた「相手当事国の国民を強制して本国に対する作戦行動に加わらせることはできない」に違反する行為です。「作戦行動」をプロパガンダと読めば抵触することがわかります。
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え、ここでハーグ陸戦協定を持ち出すのって強引じゃね?
プロパガンダって「作戦行動」なんですかね…?
わざわざそう読み替えないと抵触しないのかよ。
ドラマ『ビッグバン☆セオリー ギークなボクらの恋愛法則』で、共同購入したガラクタの中からおたく的お宝を発見したシェルドンが「海難救助法によれば発見者のものだから僕のものだ」と主張し、「ここは海じゃない」と反論されて「水がない以外、状況は同じなのに!」と再反論するシーンを思い出しました。
あとネトウヨさんはしばしばめっちゃショボいことでも「コレは国益を損ねる…外患誘致で死刑だー!」とかイキるじゃないですか。
お前、外患誘致言いたいだけちゃうんかと。(なつい)
それに似てますね。
動物行動学的に言うと…
クレブスとドーキンスによればコミュニケーションの本質は相手の「操作」です。
つまりコミュニケーションには最初から「相手を自分の都合に合う様に操作したい」という欲望が含まれています(その欲望には勿論、「説得したい」「共感を得たい」「味方に引き入れたい」「愛されたい」といったものも含まれるでしょう)。
あらゆるコミュニケーションは最初から洗脳やプロパガンダめいているものです。
そのどこに「洗脳だ」「プロパガンダだ」という一線を引き、「これはハーグ陸戦協定違反だ!」と判断すれば良いんですかね…?
あと有馬哲夫論法で言えば、その辺の主張を裏付ける5W1Hを備えた反証可能な第一次資料はどこにあんの?
※字数の都合で2回分け。次回に続きます。
(23:57)