唐沢俊一
2024年10月05日
唐沢俊一訃報シリーズ、まだ扱ってなかった著名人の反応をまとめておきまーす。
↓と学会運営委員・ASIOS会員の皆神龍太郎。









ちなみにと学会はオカルト批判のイメージが強いですが、実際には面白ければ何でもアリで懐疑主義団体という訳ではなく。
会員2名からの推薦で誰でもなれるため会員数も多く、玉石混淆。
そのせいかかつての様な勢いはありません。
一方ASIOSはガチの懐疑主義団体で、向こうから呼ばれないと入れないため、ハイレベル。
(その割に超能力ビリーバーの石川幹人がいたりもしますが…)
で、と学会で活躍するとASIOSからお声がかかる、というパターンがあるのですね。
まぁ言ってみれば、と学会は何もしない人も多いガイナックスみたいなモン。
ASIOSはと学会(ガイナックス)で頑張ってた人が呼ばれるカラーみたいなトコ。
↑上に出てくる人たちについて解説しておくと…
眠田直はと学会運営委員で、唐沢俊一とは岡田斗司夫も入れて「オタクアミーゴス」というユニットを組んでトークライブとかしてた仲。
ナカイサヤカはASIOS運営委員なので皆神龍太郎とつながりがあるみたいですね。
高須克弥院長はですね…
もともとと学会には息子の高須力弥がいるのです。
で、と学会のことを知った高須克弥院長が入会を希望。
しかしと学会側は「それは鳥がバードウォッチングの会に入る様なもの」だとしてお断り。
しかし後に名誉会員になったため、皆神龍太郎は運営委員としてお礼を述べたっぽい。
なお、高須力弥はしばしば高須克弥院長を諌めたり、しっかり批判したりもするイイ奴。
今回の件については↓こんな発言をしてたり。

↓占い師なのにと学会会員の稗田おんまゆら。

この人は
「ビリーバーに水をかけ、逆に懐疑論者には信じさせようとする逆コウモリ」
と称してましたが…
何でこういう人がと学会にいるのかな〜、と不思議に思ってたら、どうも唐沢俊一が経営していた芸能プロダクションの所属タレントだったらしいです。
そして推薦人は唐沢俊一と志水一夫(UFOビリーバー&元作る会会員)ですか…ダブルで鬼籍のネトウヨさん。
↓稗田おんまゆらのプロフィール。

「霊感占術師」を名乗っておいて、どこが「ビリーバーに水をかけ」てるのやらサッパリ。
↓評論家の竹熊健太郎。


↓評論・編集・ライター・ミュージシャン・漫画家など、肩書きが沢山ある人らしいバーバラ・アスカ。
めちゃ長文書いてはります。

















↓唐沢俊一盗作事件の被害者、漫棚通信。


盗作事件についてのこの人の主張は↓ココにまとまってます。
【漫棚通信ブログ版】
《唐沢俊一『新・UFO入門』盗作騒動もくじ》
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2001/01/test.html
ついでに、何故か伊藤剛がリポストしてるやつ。




(画像はXより引用)
(00:09)
2024年10月03日
前回に続き、今回も唐沢俊一ネタになってしまいましたが…
もうね、この人がネトウヨ云々というだけではなく、「私自身がオタクとして唐沢俊一という一時代を体現した人物と向き合わねば!」という気分になってしまい、無駄に深掘り。
その結果、めちゃくちゃいっぱい情報が出てきちゃったので、とりあえず今回は破門されたり裁判沙汰になったりで大揉めに揉めた伊藤剛のX上のポストとその関連だけでGO!
いろいろあった分、思うことも多かったと見え、ネタがない、と言いつつ出てくる出てくる。
それではお楽しみくださーい。








↑このリリー・フランキーの件…
実は私、平成サブカル軽薄文体でエッセイを書いてた頃のリリー・フランキーが好きだったり。
というか書き手云々より、あの手の文体自体がめちゃめちゃ好きなんよね。
とりあえずあの頃とその後とで芸風に乖離がある理由が知れて良かったです。
それから植木不等式は好きで著書も読んでたので、意外なトコで本名やら出てきてびっくり。
あと唐沢俊一はと学会メンバーの岡田斗司夫・眠田直と「オタクアミーゴス」というユニットを組み、そこでも伊藤剛の悪口を言ってたため、伊藤剛はと学会を「人のことは批判する癖に内輪には甘い」と批判してた模様。
(画像はXより引用)
(01:15)
2024年10月01日
近年、ネトウヨさん化が著しかった唐沢俊一が逝去しはりましたー。

(※画像は
https://www.koushihaken.com/member/1209/
より引用)
その影響で以前に書いた唐沢俊一批判エントリ↓がバズり、数時間でいつもの1週間分の来訪者があり驚愕。
『唐沢俊一さん、原稿料を前借りした出版社から逃げ回りつつ左翼叩き』
https://wsogmm.livedoor.blog/archives/19961197.html
さて今回はXで今回の訃報絡みのポストを、やや批判的なものを中心に集めてみましたが…
わざわざ集めなくても皆さんほぼほぼ「弔意だけ」では済ませてませんでしたー!
普通にご冥福を祈ってるのは「名前は知ってる」程度の一般人くらいで、近しかった人や詳しく知ってる人は大抵何かしらネガティブな部分に言及。
交流の幅が広かっただけあって、有名人のコメントが目立ちます。
気付いた人物には簡単な解説を付しておきました。
まず第一報からして↓コレ。
唐沢なをきは実弟で、かつては唐沢俊一と「唐沢商会」名義で漫画を共同制作していた漫画家。


元妻で、唐沢俊一と共同で猟奇殺人の解説漫画とか描いてたソルボンヌK子は沈黙の様子。

漫画家・ゲーム開発者・ゲームライターのゾルゲ市蔵。
言及されてる竹熊健太郎はオタク系評論家。




政治評論家の古谷経衡。

晩年の唐沢俊一はずーっと左翼の悪口をつぶやき続けてたので、右翼からの転向者は特に許せなかったんですかね…





リベラル系ネット論客、CDB。

雑学に強い漫画家、杉村喜光。






映画評論家でリベラル論客の町山智浩。



評論家でオタク界隈に強い切通理作。


これには純粋に同情。
批判的なポストではありませんが、備忘録的に収録しときます。
ゲーム評論家・サブカルライターの多根清史。

UMA研究家にして動く待ち合わせ場所、中沢健。


個人的には大槻ケンヂに帯を書いてもらったとかうらやま。
でも大槻ケンヂがお薦めする本はトンデモ混入率が高すぎるのでー。







漫画家の古屋兎丸。有名人で普通に追悼だけ述べてるの、この人くらいでは…?
珍しいので一応収録。





ご存じ、高須克弥院長。


…ネトウヨさん同士のよしみで融通したんですかね…?
リベラル系ネット論客、アームズ魂。





ついでに、元と学会会長のSF作家、故・山本弘と唐沢俊一をめぐる話について。





…町山智浩は編集者としてと学会の『トンデモ本の世界』シリーズを売り出した人物でもあり、と学会とは距離が近い模様。
盗作事件をめぐって唐沢俊一への処分がないことに、当時から批判的でしたー。
ところで死者を死の直後に批判することについて否定的な人もいるかもしれません。
「死にたてほやほやの人を批判するなんて!」と言い出す人はウヨサヨ両方にいます。
しかし死体蹴りはウヨサヨ共にやってるんだよなぁ…。
この問題は結局のところ、「ダブスタに陥らないこと」が大事なのではないでしょうか。
「人の批判を封じながら、自分は死体蹴りに興じる」といったダブスタを犯してなければそれで良いのでは?
私は死者の批判は全然アリだと思っているし、自分たちの側が死体蹴りされてもそのこと自体に文句言ったりしませんよ?(ダブスタでない限りは、ですが。あと反論は普通にするし)
撃って良いのは撃たれる覚悟のある奴だけです。
それにそもそも唐沢俊一は「鬼畜」を自称するライター・村崎百郎と直近に起きた殺人事件などをネタにめちゃめちゃゲッスい対談を月イチで行い、『社会派くんがゆく!』シリーズとしてまとめて刊行していたほどの豪胆な人物…
そんな唐沢俊一ですから、もちろん自らの死もネタにして笑い飛ばしてほしかったに違いありません。
という訳で不肖・私が故人の遺志を勝手に継いで、めちゃめちゃバチかぶりなエントリにまとめた次第。
なお、相方の村崎百郎はその後、自身が凄惨な殺人事件の被害者になってしまいました。
ちなみに唐沢俊一が盗作事件を起こした時、村崎百郎は「場を改めてこの件は絶対に追求するからな」みたいなコト言ってて、唐沢俊一も「分かってます、その時はちゃんとお話ししますよ」的に応じてたのですが、村崎百郎の急死によりその約束が果たされぬままなのが惜しまれます。
村崎百郎には唐沢俊一がおしっこちょっとチビるくらいゴン詰めしてほしかったものです。
【付記】
今回の記事は秋本敏雄さんからのいち早い情報提供により書き上げることが出来ました。
厚く御礼申し上げます。
当ブログは速報性皆無なもので…いつもネタが古くてすみません!
(※画像は特記が無ければXより引用)
(01:39)
2023年04月27日
唐沢俊一をご存じでしょうか。
『トリビアの泉』のスーパーバイザーとしてまぁまぁ有名な、チューリップ帽に黒縁メガネがトレードマークのおじさんです。

(画像は https://www.koushihaken.com/member/1209/ より引用)
雑学や古本・猟奇殺人など様々な領域で著作があり、元「と学会」運営委員としても知られています。
あと岡田斗司夫・眠田直と「オタクアミーゴス」というユニット組んでたな…オタキングとはまた怪しいあたりと。
さらにこの人、漫画家の唐沢なをきの実兄で、「唐沢商会」名義で共著も多数。
妻も漫画家のソルボンヌK子で、やはり共著が多数(後に離婚)。
と、多くの著作を出してるのですが…
中には↓こんな本も。
◉『反日マンガの世界 イデオロギーまみれの怪しい漫画にご用心!』
2007年
高澤秀次・宮島理・中宮崇との共著。
出版はネトウヨ本の雄・晋遊舎。

◉『日中韓 お笑い不一致』
2012年
協力:呉善花・石平
出版はトンデモ本の量産で知られる徳間書店。
…と学会って懐疑主義団体っぽく見えるけど実際はゆるゆるなので、元つくる会の原田実 & 故・志水一夫とかウヨちゃんも多く、唐沢俊一もその一人なのですね。
まぁ志水一夫に至ってはそもそもオカルティストだったし。
唐沢俊一はガンダム論争事件や元弟子の伊藤剛との裁判沙汰など昔からあちこちでトラブルを起こしてるのですが…特に大きな話題になったのがパクり問題。
百田尚樹『日本国紀』の出版元・幻冬社から2007年に唐沢俊一が『新・UFO入門 日本人は、なぜUFOを見なくなったのか』という本を出したのですが、その一部があるサイトからのほぼまるっと引用であることがバレ、本人も認めざるをえなくなったのです。
…が、あくまでも引用ミスであってパクりではない、と強弁。
一気に信頼を失います。
さらに雑学のオーソリティーの筈なのに、不正確な記述やパクりが他の著作でも次々と見つかり、それからはあれほど出ていた著作も激減。
演劇(そういう活動もやってる)のための資金にも困り、カンパを募ったり。
そんな窮状の中、四海書房という出版社から原稿依頼が。
しかも原稿料を前借りまでさせてくれるという破格の待遇。
ところが唐沢俊一、原稿をちっとも書かないどころか、編集者からの連絡もぶっちぎり。
しかもその割にTwitterは平常運転のため、編集者がTwitterで連絡を呼びかけるという異例の事態に。
唐沢俊一はメンタルの不調を訴えたり、貧血で入院してたりもしますが、その割にTwitterでは元気に左翼を叩いており、その暇はあるのに編集者には連絡していない様子。


編集者ババギレ。
一方、ご本人は…
演劇(そういう活動もやってる)のための資金にも困り、カンパを募ったり。
そんな窮状の中、四海書房という出版社から原稿依頼が。
しかも原稿料を前借りまでさせてくれるという破格の待遇。
ところが唐沢俊一、原稿をちっとも書かないどころか、編集者からの連絡もぶっちぎり。
しかもその割にTwitterは平常運転のため、編集者がTwitterで連絡を呼びかけるという異例の事態に。
唐沢俊一はメンタルの不調を訴えたり、貧血で入院してたりもしますが、その割にTwitterでは元気に左翼を叩いており、その暇はあるのに編集者には連絡していない様子。


編集者ババギレ。
一方、ご本人は…
(01:57)
2022年05月11日
今回取り上げるのは
『タブーに挑む! テレビで話せなかった激ヤバ情報暴露します② 超常番組の裏側から国際情勢の闇情報まで』
という本です(タイトルが長い)。

この本、飛鳥昭雄と山口敏太郎というトンデモ2大巨頭による対談集なのですが…
オカルト本かと思いきや、意外な話題から始まります。
【左翼について】
プロローグからして『オカルト否定論者と左翼は精神構造が同じ』というサブタイトル。
対談はいきなりこんな話から…
P.10
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
山口敏太郎 最近、オカルトの否定論者や懐疑論者と左翼って精神構造が同じなんだってわかってきたんです。
あすかあきお えっ、どういうこと?
山口 一時期オカルト否定派で「ビートたけしのテレビタックル」(テレビ朝日)にも出ていたタレントのMさんのTwitterを見たら、シールズ(SEADs:「自由で民主的な日本を守るための学生による緊急アクション」をうたう学生団体)のリツイートをしていたり、有田芳生のリツイートしている。
有田芳生って、シリアで日本人が人質になったとき、その人がたまたま田母神俊夫さんと撮っていたツーショット写真をTwitterでテロリスト側に送り、処刑の原因を作った張本人じゃないですか。国会議員が日本人を積極的に死に追いやったわけですからね。だから悪いけど、僕は彼を「殺人国会議員」と呼んでいる。
まぁ僕はツイッターではブロックされてるんですけどね。
飛鳥 ブロックされたかー。
Mさんといえば神戸市出身で、大阪芸大で非常勤講師をやっていた頃、大阪北新地のディスコでDJ見習いをやりながらスプーン曲げでショータイムをやっていたとされる人物だよね。それでオカルト否定派ってよほど精神構造がねじ曲がってるんじゃないの?
それとも嘘のスプーン曲げでバイト代稼いでた反発で噛み付いてるとか? それにしても芸能人で右翼系をブロックしてる人って自分でやっているのかな?
山口 右翼をブロックするシステムがあるんです。それを使えば右翼と思われる一般人や文化人を左翼が一斉にブロックできる。その「ブラックリスト」に僕が入ってるらしいんです。
飛鳥 「あの本」が原因でしょ?
山口 『超嫌韓論』(青林堂)は読めばわかりますけど、僕は差別反対論者なんです。本の中でも「朝鮮人だから」というだけで差別してはいけないと、右翼の桜井誠くん(在日特権を許さない市民の会、元会長)を僕が説得しているんです。
飛鳥 いや、彼と対談した段階で普通は「右翼」扱いされるから。
山口 それこそ左翼が嫌うレッテル貼りですよ。
そういうわけで、右翼をフィルタリングしてカットするシステムに僕の名前が入っている。でも調べたら『超嫌韓論』が出る前からブラックリストに入っていたようですけどね。
飛鳥 僕も入っているのかな(笑)。
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Mさんというのは松尾貴史(キッチュ)のことでしょう。
桜井誠との対談集『超嫌韓論』の話はもう一度出てくるので後述。
さらにこの後、
『左翼もオカルト否定論者も不満を言いたいだけ』
という小見出しのもと…
P.15
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山口 話を戻しますが、左翼の人と付き合っていると、ネグレクト(育児放棄)の被害者の方が多い印象があります。親に対してすごく劣等感や反発心を持っていて、親の反発心を抱えたまま大人になってしまっている人が多い。
しかしそのうち親はいなくなるわけで、その反発心を政府とか起業家とか出世『た人とか文化人や芸能人、政治家などへぶつけていく。反抗期の代償行為なんですね。
飛鳥 なるほど。敏太郎さんはオカルトのすべてに噛み付くM氏のような人たちをそれと同種と言いたいんだね。
山口 学生時代に三里塚闘争やっていた左翼の友人がいて、「そんなことして意味あるの」「(意味ある」なんて会話したんですけど、三里塚闘争が終わると彼らは今度、福島に行ったり、沖縄に行ったりする。つまり問題が解決したら、不満があるところに行って不満を言っている。結局、終わらない反抗期をずっと続けているんですね。
飛鳥 不満を言うことが目的なんだ。
山口 そう、不満を言いたいだけなんです。
飛鳥 トラウマが原因だな。
山口 トラウマだと思いますよ。子ども時代に親に反発したとしても、普通は成長していくうちに乗り越えるんですけど、乗り越えないで育った人が政府や国を「親」と見なして、それに反発する。
実際、オカルト否定論者って、若い頃に左翼の闘士をやっていた人が多いんです。オカルト否定論者として今テレビに出ている人たちも、元左翼の闘士が多いんですよ。逆に保守の人はオカルティストが多い。
飛鳥 そうなんだ、知らなかった。すると一時期だけ盛り上がってブームが去った「なんとか学会」と称する連中も左翼系と言うことか。
山口 左翼もオカルト否定論者も「不満を言うことが目的」という点では同じですからね。
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…「左翼にはネグレクトの被害者が多い」とか個人的な『印象』だけで語ったり、『トラウマが原因だな』と断言したり、なかなかに乱暴ですね。
まぁ根拠を重視しないオカルトさんらしいやり方ではあります。
ちなみに「と学会」で発言が左翼寄りなのは山本弘(後に脱退)くらい、あとは皆神龍太郎と植木不等式は朝日の社員だから左寄りじゃね? 程度。
原田実と志水一夫(故人)は「つくる会」にいた程のバリバリ右派だし、唐沢俊一も右寄りでしょ…。
【ネトウヨさんについて】
『超嫌韓論』の話は後のページ↓でもう一度でてきます。
P.162
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山口 この前、在特会の桜井くんと対談したじゃないですか。僕は差別主義者ではないけれど、彼の意見を封殺することも良くないと思うんです。これはこれで言論への弾圧なんです。一応主張は聞くべきです。
僕はスタンスとしては保守ですが、彼の差別的な発言が嫌いだし、朝鮮人というだけで差別してはいけないと思う。ただ、一度話さないといけないなと言うことで対談したんですよね。
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『超嫌韓論』は山口敏太郎と在特会の元会長・桜井誠の対談本です。
桜井誠は「日本第一党」党首で、ネトウヨさんの親玉みたいな人ですね。
ちなみにネトウヨさんはよく「本名を名乗らない奴は通名の在日」「苗字の漢字が左右対称なのは在日」などと主張しますが、桜井誠は本名「高田誠」で、本名も名乗ってないし苗字の漢字が左右対称なんですが、ネトウヨさん的には問題ないんでしょーか?
この『超嫌韓論』、前書きからして大変面白かったです。
気になる部分を要約すると…
「あちこちからから『桜井誠なんかと対談すんな』と言われた。
でもね、桜井さんの言ってることはごくマトモなんですよ。
朝鮮人を一括りにするのはダメだけど。
桜井さんの話もちゃんと聞こうよ。
僕は在特会のデモスタイルには反対だけど。
対談しただけで『山口敏太郎は桜井誠と同じ差別主義者だ』とか言われちゃうし」
ということなのですが…
いちいち「差別には反対だけど」という但し書きが必要な正論、って何だよ…。
あと山口敏太郎は「桜井誠と対談しただけで自分の看板に不当に傷が入った」と思ってるらしいですが…
それ逆じゃね?
むしろ「山口敏太郎なんかと対談するなんて、桜井誠も同じ様なトンデモさんだ」という形で、桜井誠の看板に傷が入ったんじゃ…(もともと傷だらけの看板だけど)。
まぁ両者は「意図的に嘘を撒き散らす」という意味ではとても似つかわしい組み合わせではありますけどね。
【TV番組への不満】
この後は謎の不満大会。
ある番組は弁当代が出ない、とかで大騒ぎ…
話がミニマムで微笑ましいです。
ちなみに飛鳥昭雄はある番組の件で「テレビ局を告訴するかも」と息巻いてます。
後のページ(P.37)でも『僕が告訴するぞと脅している番組』と書いてあったり。
P.33
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―― 「信じる」「信じない」のジャッジって台本に書かれていたんですか。
飛鳥 いや、司会のBの判断に委ねられている。つまり、敏太郎さんの話を「信じない」というのはBに科学知識がないということ。ただの一発芸人と同じレベルだよ。
山口 あとゲストで来ていた学者さんも「意味がわからない」っておっしゃっていて、「あっ、この人生物学の基本知識がないな」と思った。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この番組は2015年にTBSで放送された深夜番組『地球あやうし!~バカリズムの奇々怪界裁判~』でしょう。
『司会のB』というのはバカリズムですね。
さらに飛鳥昭雄は
「UFO写真でこれは周囲の灯火の映り込みでは、と言うなら、ちゃんと調べてから言え」
的な話をします。(P.35)
…UFO画像でまず映り込みの可能性を検討するのは基本中の基本っしょ。
あと、そういう現地調査とかって本来、常識に対して異議申し立てをしているオカルトさん側がやるべきことなんじゃないの?
これまでそれがなされていなかったので、仕方なく懐疑論者が肩代わりしてただけで。
しかし、この後の文章を読んでも「我々の事前調査でその可能性は排除されてる、それなのに何言ってやがるんだ」みたいな話がある訳でもなく…。
調査もせずに言うな、と言う割に、自分たちも調査してないっぽい…。
そして山口敏太郎が「司会の芸人B(バカリズム)がオカルトのことを知らないのに自分を知的なタレントに見せようとしている」みたいな話を…(P.39)
…バラエティーのいい加減な部分を利用して台頭してきたのはオカルトさん側でしょ。
むしろ懐疑主義者側は、バラエティー番組で自分達の話もオカルトさんのいい加減な話も両論併記で「どっちもどっち」的に扱われるのを、苦々しく思ってますよ?
さらに二人は、番組サイドが『TOCANA』(不思議情報を扱うサイト)の編集長を呼んでおきながら「ソースがYouTubeかよ」「ネットだから信じない」と言い出すのはおかしい、と言います(P.46)
…だからといってネットの信用度が上がる訳では全くないですけどね。
むしろテレビが「こっちが呼んだんだから」という理由でネット情報にお墨付きを与え始めたら、そっちの方がやばいっしょ。
その後、山口敏太郎は別の番組について「フェイク動画にフェイクとわかった上でツッコミを入れているのに、懐疑主義系の人がそれを攻撃してくる。懐疑主義者はフェイクVTRを借りたことがないから借りるときにちゃんと設定を教えてくれることを知らないのでは?」的なことを言い出します。(P.51)
…何ですかその犯罪者が「警察は俺たちの手口をわかってねぇな」と勝ち誇る、みたいな話は。
詐欺的で怪しい世界の話に精通してることがそんなにご自慢ですか…
【懐疑主義について】
懐疑主義への攻撃はさらに続きます。
P.52
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山口 (※中略)ある人は「飛鳥昭雄と山口敏太郎は商売の匂いがする」みたいなことをツイッターで書いたりしてね。お前らは商売じゃないのかって。
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…何ですかその犯罪者が警察に向かって「俺らのおかげで食えてる癖に」と言うみたいな台詞は。
あと後述しますが、この二人は分かってて情報を捻じ曲げてるっぽいです。
その動機は何か、と考えると…「商売の匂いがする」と言われても仕方ないのでは?
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飛鳥 そういえば、連中とツイッターでケンカしてたんだって?
山口 懐疑主義団体の代表が、僕の名前を出してフェイスブックで誹謗中傷してくるから。
僕がテレビに出るとすぐ、業務妨害のようなツイートをする。弁護士に相談しているくらいです。
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…それは間違ったことを言うから批判されてるだけでは…?
「誹謗中傷」って具体的にナニ?
業務妨害って…デマをばらまくのが業務なんですか?
で、弁護士に相談までしてるのにどうして具体的に動かないの?
弁護士さんから法的根拠がないから無理筋だって言われちゃったのかな…?
P.54
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山口 (※中略)僕は地上波のUFO関連のバラエティ番組は「プロレス」だと割り切り、NHKの番組や民放のドキュメントとか自分の著作で学術的なことをやっていくしかないと考えています。僕の場合はUFO を民俗学で解きたいです。
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…そういう場所で発表する機会を自分から失くしていく斬新なスタイル。
次に飛鳥昭雄は
「『幻解! 超常ファイル』は体裁の良い否定のための番組。
1つの嘘を拡大させて全体を否定するやり方」(P.55)
と批判。
…この話は後に↓蒸し返されます。
P.80
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山口 テレビの話に戻しますが、NHKの『幻解!超常ファイル』も僕は検証が浅いと思うんです。あれ、おかしいですよね。よく批判の対象になるオカルト肯定論者は、自分に都合の良い情報だけを集めて肯定するんですが、あの番組はまさにそれをやっている。
否定する側なのに、否定論に都合の良い情報ばかりをつなぎ合わせている。良心的な懐疑主義者なら、この番組批判をすべきじゃないのか。
飛鳥 そうなんだよ。『ムー』はあんなのほっとけと言っていましたがね(笑)。
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…自分たちが出来てもいないことを「お前たちはそうすべきだと主張してたんだからちゃんとやれよ」と責め立てる、まさにネトウヨさんしぐさ…!
『否定する側なのに、否定論に都合の良い情報ばかりをつなぎ合わせている』
という言い方に、もう
「都合の良い情報ばかりをつなぎ合わせているのはオカルトさん側」
という含意があるよね…
あと
『良心的な懐疑主義者なら』
って言うけど、「良心的なオカルトさん」ってあまり見ないよね…
まともなのは故・志水一夫くらいじゃないの?
しかも山口・飛鳥組は先程見た通り、「と学会」を十把一絡げにしてるから、志水一夫も懐疑主義チームと見做されてる予感。
結局ね、知的に『良心的』な人はまずオカルトさんにはならないんですよ…。
あと山口・飛鳥の論理だと、心霊写真を否定するには世界に存在する心霊写真の全てを検証する必要が出てきますよね?
そんなん無理やん…
心霊写真が存在するというなら、懐疑派に全ての写真を検証させるのではなく、懐疑派にも文句のつけようのない写真をオカルトさん側が提出するべきなんですよ。
挙証責任はオカルトさん側にあるんだから。
さらに飛鳥昭雄は
『あれには確信犯の懐疑主義が間違いなく背後にいますよ。
有名な名誉教授ではない、大学の隅にいるような小物でしょうけどね。』
と言い、山口敏太郎は
「懐疑派の某の事は無視しようかと思っている。
ツイッターのフォロワーが十九万人くらいいるが、彼の売名に協力したようなもの。
山口はインチキ映像があることを一般社会に広げた、あっぱれだ、と言うならわかるけど、それを批判するというのは単に自分がテレビに出られないためのやっかみじゃないか」
的な返しをしてます。(P.56)
…学者を卑小化してみたり、「俺フォロワー19万いるねんぞ」とイキってみたり…
「先公がなんぼのもんじゃい! 俺のバック暴走族やぞ」と虚勢を張ってる中学生か…?
P.58
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飛鳥 (※中略)それで、心霊のときには学者が「『ある』ということを証明しないと我々は信じない」と言ってたから「じゃぁ『ない』ということが科学的に証明できるんですね」と返してやった。そしたら「『ない』ということについては証拠を出す必要がない」と言うから、「実に便利な詭弁ですね」と返してやった。
あとは、そういうところからバカにしてやったんです。このシーンは放送されました。
山口 「悪魔の証明」といって、いないことを証明するのはすごく難しい。だから飛鳥先生は禁じ手を使って追い込んでいるなと思った。
でもマイナンバー制度の導入でアルバイトライターの多い懐疑主義団体の人たちは困るんじゃないですかね。副業禁止であるはずの本業の方にばれたら大問題になりますよ。
まぁ武士の情けで僕から〝刺す〟ことはしませんが。でも我々プロと裁判になったら本職を失うことになりますよ。
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飛鳥昭雄が臆面もなく「悪魔の証明」に訴えてる~!?
で、山口敏太郎はそれが無理筋だと判ってる癖に『禁じ手を使って追い込んでいる』とか無理くり評価してる~!?
山口敏太郎は「懐疑派は『幻解!超常ファイル』を批判しろ」みたいなコト言うなら、自分も飛鳥昭雄をちゃんと批判しろよ…
P.95
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山口 (※中略)まぁ、それはそれとして、テレビはオカルト肯定論者をバカにしたいというスタンスだから、それについては今後、戦っていかないといけないのかなあと思いますね。
オカルトとは本来、知的なものです。そういう気持ちで世間の偏見とガチンコ勝負をやり続けますよ!
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「バカにされてる」というコンプレックスをお持ちの模様。
先述の通り、テレビで割を喰うのはむしろ懐疑主義サイドなんですけど。
でもあんだけトンデモ物件を肯定してたら、オカルトさんがバカにされるのも自業自得でしょ…
かつてオカルトと科学は不可分のものでした。
オカルトはもともと「隠された知」という意味で、世界の成り立ちや仕組みを説明する試みだったのです。
しかし科学が発達してオカルトと袂を別ってからは、そういった役割は科学の独壇場となりました。
今のオカルトさんたちの主張のどこが「知的」なんですかね…?
あとこの本には大量のオカルト話が散りばめられていて、話があっちこっちへと飛ぶのですが、それらについていちいち取り上げていくとキリがないので、スカイフィッシュと進化論の2点だけ触れておきます。
【スカイフィッシュについて】
まずはスカイフィッシュ。
二人は↓こう語ります。
P.89
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飛鳥 スカイフィッシュについても、ハエじゃないかという話があった。
山口 虫説がありましたね。
飛鳥 論理的にはわかるんだけど、でも、ハイビジョンでも撮影されていることをどう説明するのかという話ですよ。しかも、一部は水中でも撮影されている。水中にハエはいないでしょう。すべてがわかったわけじゃない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…オカルトさん側は、スカイフィッシュは「体の左右に並んだヒレ状のものが似てるから」というだけで「アノマロカリスが進化したもの」とか平気で主張しちゃうんですが…
アノマロカリスは5億年前の海中生物。
『水中にハエはいないでしょう』と言うなら、「じゃあ空中にアノマロカリスはいんのかよ」と問い詰めたい。
ちなみに飛鳥昭雄は「ネッシーの正体はタリモンストラム」(古生代の海中生物)と主張してましたが、これはFredrick William Holidayが1968年に述べた説ですね。
あとハイビジョンもフレーム数は1秒30コマなので普通に羽虫がスカイフィッシュっぽく映るでしょ…
フレーム数が数倍程度になっても条件次第では映るでしょうし。
水中にも羽ばたく様な動きをするプランクトンとか普通にいるし。
スカイフィッシュについてオカルトさんはしばしば動きや形のちょっとした差異を持ち出して「ハエとはココが違う!」と主張するのですが…
結局、ほぼ「何らかの昆虫」で説明がつくんよな…
昔、mixiの懐疑主義系コミュにアポロ計画陰謀論を主張し続けてる人がいたのですが…
よくある主張の全てが崩れても、その人はまだ頑張るんですよ。
その論拠はたったひとつ、「アポロの無線出力では月からの交信は無理だと放送関係の知人が言ってた」これオンリー。
それひとつでアポロ計画陰謀論を証明するのは無理やろ…
「なんでや? 無線が使えへんかったら月に行かれへんやろが」と思うかもしれませんが、すごい主張にはすごい証拠が必要です。
そしてデータとはしばしばスッキリ白黒がつくものではなく、ある立場に有利なデータも不利なデータもあるのが普通で、総合的判断で真贋を見極めるものです。
「星条旗がたなびいてる」「空に星が映ってない」など、当初の主張の根本のところが崩れてるのに、後付けで出てきた「無線の出力」ひとつでそれらの陰謀論が急に「やはり本当だった!」ということにはなりません。
せいぜい「無線の出力が不足? おかしいな、だったらそれが本当か調べてみよう。で、この話のソースはどの程度の信用度なの?」くらいのインパクトしか与えないでしょう。
だって中心部分がなくなって、周辺に怪しいデータがひとつあるだけやねんで?
そもそも出力不足の話自体、ソースが『放送関係の知人』でしかないし。
これはもう「アポロ計画陰謀論をどうしても捨てられない人が、それしかすがりつくものがないからすがりついてるだけ」という末期的な状態よね…
スカイフィッシュの話もそれと同じで、「虫やん」という懐疑主義サイドの波動砲で艦隊の中央部を失ったオカルトさんサイドが周辺部にかろうじて残存した艦艇をかきあつめて「水中ガ―!」とかを持ち出してるだけ…
ソレ、「スカイフィッシュという空飛ぶUMAがいる」というそもそものオカルトさんサイドの主張からすら離れてますよね?
反論されて立脚点を継ぎ足していく内に別モノになっとるがな!
【進化論について】
続いて進化論については↓こんな感じ。
P.257
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飛鳥 (※中略) 「進化論」も同様で、アメリカでは物的証拠が何もない進化論を信じるのはおかしいとして、大問題になっているが、日本人は思考停止しているのでNHKを含めて進化論の最大の擁護国になっている。日本人は「ミッシング・リンク」(失われた環)というと猿と人間の間にしかないと思い込んでいるけど、アメーバとヒドラの間もないし、肺魚とトカゲの間もない。その数は生物全てに当てはまるので無限大なんです。チャールズ・ダーウィンが胸を張った鳩の変種にしても、、品種であって鳩から犬が生まれるわけではない。つまり進化論は仮説にもならない愚説と判明したので、アメリカでは土俵際に追い込まれている。本当は土俵にも上がれないのが実態。
進化論はアメリカの学校では信じられなくなってきて、「インテリジェント・デザイン説」で進化論者と創造論者の妥協を図っている。つまり宇宙にはそういうインテリジェント(知性)を持った存在がいて、それを「神」とは言わないけど、でもそういう何かがいてトータルに調和のとれたデザインの宇宙になっている、と。それがアメリカでは常識になってきている。
同調圧力ばかりかける日本人が受け入れるには数百万年はかかるかもしれないね(苦笑)。
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はい出た~!
進化論を否定する人は、「生物Aと生物Cの間には飛躍がある」と言い立て、両者をつなぐミッシング・リンクである生物Bが見つかると今度は「AとBの間と、BとCの間…今や2ヵ所に飛躍が増えた!」と言い立てるの法則。
彼らが『その数は生物全てに当てはまるので無限大』というのは逆に「生物界全体になめらかにつながる移行化石が普遍的に見られる」ってコトです。
あと
『「インテリジェント・デザイン説」で進化論者と創造論者の妥協を図っている』
のではなく、宗教を科学教育にそのまま持ち込むことには散々失敗したので、神を「インテリジェント・デザイナー(知性ある設計者)」と言い換えることで科学っぽい装いを施し、神を裏口から科学教育に持ち込もうとしてるだけですよね?
「インテリジェント・デザイン説」は化粧をした創造論に過ぎません。
『物的証拠が何もない』のは進化論ではなく創造論の側です。
進化論には証拠が山盛りあります。
実験や観察、化石や生物地理、相同器官、収斂、系統解析、発生、DNA暗号の共通性…
例えば生物に不完全性が生じることは進化論から簡単に予想されますが、創造論では全知全能の筈の神が何故わざわざ不完全なものを創造したのか予想できません。
彼らに出来るのはせいぜい「神には何か我々には計り知れない深いお考えがおありになるのだ」と苦しい言い訳をすることくらいです。
これは恥知らずな不可知論への逃避であり、同時に否定する方法のない無敵論法です。
こういった反証可能性のない主張は議論の俎上に載りません。
例えば「この世界は5分前に出来た」という仮説はあらゆる証拠を否定します。
昔のアルバムなど、世界が5分より前からあったことを示すいかなる証拠も「それもまた5分前に作られたのだ」とすることが出来ます。
ではこの無敵の仮説は絶対的に正しいのでしょうか?
「この世界は3分前に出来た」「この世界は1時間前に出来た」「この世界は1年前に出来た」という仮説もまた同じく無敵な筈ですが、どれが正しいのですか?
この様に、何でも説明できる理論は何も説明しません。
「神は生物を完全にすることもできたし、不完全にすることもできた。そして理由は判らないが不完全にすることにした」
というのが何の説明になるんすか?
『日本人は思考停止しているのでNHKを含めて進化論の最大の擁護国になっている』…?
「アメリカ人は宗教を盲信して思考停止しているので創造論の最大の擁護国になっている」の間違いでしょ。
あと
『同調圧力ばかりかける日本人が受け入れるには数百万年はかかるかもしれないね(苦笑)』
という部分は「地質学的なタイムスケールのうちに変化が起きる」という進化論的発想を暗に認めてしまっとるがな。
P.259
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飛鳥 だから、アメリカでは進化論は消えた。
山口 もう完全に消えたんですか。
飛鳥 ほぼ消えた。日本の学者は進化論の支持がほぼ百パーセント。 NHKでも進化論を当たり前のように取り上げているけど、あんなのアメリカ人の多くが笑いますよ。
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アメリカでも生物学者なら進化論の支持がほぼ百パーセントでしょ…。
一般人でも近年の調査ではアメリカ人の過半数が進化論を信じる様になってきており、創造論はいまや少数派です。
ソース↓
日経ビジネス
米国で進化論を信じる人が過半数超え
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00059/072400117/
しかも低学歴ほどダーウィン進化論を信じないという…。
ソース↓
【NATROMのブログ】
低学歴ほどダーウィン進化論を信じない
https://natrom.hatenablog.com/entry/20071203/p1
…まぁ飛鳥昭雄が執拗に進化論否定をするのは、彼が末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の信者だからですよね…。
そんな創造論大好きな飛鳥昭雄ですが、驚愕の発言が。
P.260
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山口 だから、従来のダーウィン的な進化論のセオリーと違って、外部から遺伝子を取り込んで一気に進化することもあり得ると思うんです。中原英臣先生(新渡戸文化短期大学学長)と科学評論家の佐川峻さんも「ウィルス進化論」といって、病気に感染することで進化が促されると言ってますね。
飛鳥 大方は死ぬんだけどね。ウィルスでもそうだ。最初はバタバタ死んでいくけど、一%ぐらいは抗体を持ったヤツが出てくる。
やがて、ワクチンや治療薬が作られてその病気が駆逐されていくんだけど、そのうち薬の効かない新種のウィルスが出てくる。こういうイタチごっこが起きている。
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山口敏太郎が持ち出した「ウィルス進化論」というのはですね…
Wikipediaで「ウィルス進化論」の項を見ると最初に
『この項目では、俗説について説明しています。進化生物学とウイルス学におけるウイルスと進化に関する学説については「ウイルスの進化」をご覧ください。』
と書かれちゃってるトンデモ説です。
コレ持ち出す人は大体トンデモなので、良い指標になりますね。
問題は飛鳥昭雄の発言。
『最初はバタバタ死んでいくけど、一%ぐらいは抗体を持ったヤツが出てくる。
やがて、ワクチンや治療薬が作られてその病気が駆逐されていくんだけど、そのうち薬の効かない新種のウィルスが出てくる。こういうイタチごっこが起きている。』
…いや、ソレこそがダーウィン進化論そのものなんですけど~!?
確かジョナサン・ワイナーの『フィンチの嘴』という進化論本だったと思うのですが…
飛行機に乗り合わせた人と世間話をしていて、何の仕事をしているのか尋ねられ、
「環境の変化で数世代で生物が変化するのを調べてます」
「ふんふんなるほど、実に面白いですね!」
みたいな会話をしていて
「この考え方を『進化論』と呼ぶんですよ」
と説明したら、相手が
「ししし進化論!? なんやてー!?」
と、急に顔を真っ赤にして怒り出した…
的な話が載ってました。
多くの人は進化論とは何かを理解せずに反対してるんですよね~…、
P.289
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飛鳥 実際、飛鳥説の後追いで事実の方が付いてくることがほとんどです。
たとえば、恐竜には体毛があると僕は二十年前から唱えていたし、哺乳類だということが証明される外耳の残った保存状態が良い恐竜化石もいずれは見つかるでしょう。
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この対談が行われたのは2015年、そこから20年前といえば1995年頃ですね。
ちなみに飛鳥昭雄の著作でタイトルに「恐竜」がつく最古のものは、1989年の『まんが恐竜の謎完全解明』 (あすかあきお名義)の様です。
しかし…邦訳に限っても1976年には恐竜恒温説を唱えたA.J.デズモンドの『大恐竜時代』が出版され、1982年にはJ.C.マクローリンの『恐竜たち―古い竜についての新しい考え』 に羽毛のある恐竜の図が載ってるんだよなぁ…。
あと「外耳」というのは耳介(耳たぶ)のコトですかね…?
「外耳」は耳の穴から鼓膜までのことなんですけど。
飛鳥昭雄は耳介のついた恐竜の絵を描いてましたね。
仮に恐竜に耳介があっても、それはただの収斂進化なので哺乳類には分類されませんけど。
一部のサメに子宮があるからってサメが哺乳類にはならんやろ…。
…という訳で、ごく一部を取り上げただけでもこの二人の知識はデタラメです。
にもかかわらず、二人は本書の最後でさらにイキり出します。
【二人からの宣戦布告】
「エピローグ 二人からの宣戦布告」は「オカルト否定論者に我々二人から宣戦布告する!」という、やけに威勢の良い小見出しで始まります。
P.317
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飛鳥 これからもオカルト否定論者たちと対決することがあると思うんだけど、情け容赦なく、コテンコテンもやりますよ。
山口 僕もコテンコテンにやります。
飛鳥 彼らの立場もわかるが、あのような傲慢な否定の仕方は許せないところがあるから。
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P.318
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山口 前にも言いましたが、左翼の精神構造とオカルト否定論者の精神構造はかなり似ています。だから今、オカルトブームが再燃しているのと保守ブームが来ているタイミングが同じというのは偶然ではない気がします。
昔の陸軍もオカルト的なものが好きだったし、保守が強くなるとオカルトが強くなると言う連動性があるんじゃないですか。
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P.319
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飛鳥 誰に限らずそうだと思う。全く答えられない。
僕は広範にいろんな学説を知っているから、どんなに有名な学者であっても別の部門から質問をぶつけて簡単にひっくり返せるんです。彼らは専門外の分野を知らないから簡単に屈服させられる。
だから、僕は総合分野なら絶対に学者には負けない。いろんな科学的データも持っている。もし僕に勝とうと思ったら、総合的にやらないと絶対に無理なんだ。
他にもあるとしたら、実験データの細かな数字の羅列や複雑な方程式の解説などなど……しかしそんなの計算機一つあれば誰でも答えは同じですからね。重要なのは科学センスと、半歩先の最先端科学の知識。
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P.320
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飛鳥 やるんなら、ちゃんと生の公開番組でやろうと。そうすると、きっと来ませんよ。きたらコテンコテンにやられるから。
他に誰もやらなければ僕がやりますし、彼らは大学で生徒に反撃された経験がほとんどないので、いったん受け身に回ったら最後、怒りで我を忘れるか、しどろもどろになって何も言えなくなります。
山口 それはそうでしょうね。こっちの方が弁が立つんだから。コテンパンにやられたら最後のよりどころがなくなってしまう。
飛鳥 よし、宣戦布告しよう。いいですね?
山口 いいですよ。
飛鳥 「この2人でやるから来るなら来いや!」とこの本で宣戦布告しておこう。僕は遠慮しない。
向こうが人格攻撃で来るなら、こちらもそうする。その代わり、後で名誉棄損で訴えるとかそういうのはなしで。なんならこっちは大阪弁でやりまっせ。いや、育った河内弁の方がドギツうかませるからやりやすい(笑)。
山口 ニコ生でノーカットでやれば、どっちが科学的で論理的なのかはっきりしますね。
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P.325
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飛鳥 名誉棄損になるようなことを言わなくてもボコボコにできる。学者という立場にあぐらをかいている「専門バカ」なんて簡単に破壊できる。
心理学者には物理をぶつける。物理学者には言語学や歴史内容をぶつければいい。「専門バカ」の人は、他の研究分野の最先端を知らないから。
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この辺はとにかく飛鳥昭雄の鼻息が荒く、心の闇が深い…!
ルサンチマンの塊です。
『彼らは専門外の分野を知らないから簡単に屈服させられる』
『学者という立場にあぐらをかいている「専門バカ」なんて簡単に破壊できる』
…やたら強い言葉を使って荒ぶるやん?
『探偵!ナイトスクープ』で我流の格闘術で本職の格闘家に挑む依頼者がよくいますが、彼らが勝つところを一度も観たことないよね…
なのに彼らは何故か自信満々です。
それを観た時の様な「あいたたた」感。
二人は本書の冒頭で左翼のことを勝手に俗流の心理学で読み解いてましたが、そのやり方に従えば彼らのアカデミックな世界に対するコンプレックスやら何やらをいくらでも語れそうです。
そして専門家を「専門バカ」扱いするのは非専門家がよくやる浅薄な態度ですね。
「専門バカより非専門家の方が業界内の常識に縛られてないので目に曇りがない」と考える人は多いのですが、専門家は素人が考える程度のことは熟知しています。
専門家は専門外のことに関しては非専門家ですが、その点については最初からあらゆる分野について門外漢の山口敏太郎や飛鳥昭雄はとりわけそうやろ…(まぁ私も単なる好事家に過ぎませんが、私は自分が専門家を『簡単に屈服させられる』とか『「専門バカ」なんて簡単に破壊できる』とか言わないですからね…?)。
山口敏太郎や飛鳥昭雄はオカルトの専門家だ、というなら、彼らこそがオカルトの「専門バカ」ということになるよね…。
自縄自縛です。
あと
『彼らは大学で生徒に反撃された経験がほとんどない』
って…
研究者は学会等で発表の時にライバルや出席者(学生を含む)からあらゆる点を質問責めされ、弱点をツッコまれるので、議論慣れしてるものなんですけどね…
しかも主な戦術は「学者に専門外の素人質問を次々ぶつけて翻弄すること」であると自らゲロってますねコレ。
いよいよ本書も終わりに近づいてきました。
二人はこんな話で対談を締めくくります。
【天皇について】
P.339
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飛鳥 (※中略)天皇陛下がいれば日本は絶対に勝つ。少なくとも負けることはない。ここが大事。
(※中略)
山口 世界を牛耳る「闇」に対抗するには、天皇陛下の「光」が必要なんでしょうね。
今回も有意義な対談ができました。今後ともいろんな形で共闘していきましょう。
飛鳥 そうだね、まずは「かかってこいや!!」で共闘しようか(笑)。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これで対談は終了…
オカルト本なのに左翼sageから始まり、天皇ageで終わるというウヨい内容…
ちなみに天皇の話は割と急に出てきて、「天皇がいれば何故日本は負けないのか」に関する説明は特にありません。
「特に理由はないが、とにかく天皇がいれば大丈夫」…戦前・戦中かよ。
という訳で本書は終了です。
では最後に「山口敏太郎と飛鳥昭雄とは一体何だったのか」について考えていきましょう。
【山口敏太郎と飛鳥昭雄とは一体何だったのか】
そもそも山口敏太郎という人物は、オカルト業界の人がこれまで決して語らなかった業界の裏…
「このビデオはフェイク」とか「フェイク動画を作ったり貸し出したりする業界がある」といった話をぶっちゃけることで「これまでのオカルト業界人とは違う」と評価され、のし上がってきました。
しかし、一方で山口敏太郎には怪しい物件を平然と紹介したり、本物認定するという側面もあります。
彼はそこでも自分が手に入れた「信用」を利用し、「あの山口敏太郎も認めた『本物』のUFO動画!」といった形でかなり胡散臭いものを売りつけています。
それもその筈、そもそも山口敏太郎はオカルト画像等の権利管理を収入源のひとつにしているのです。
どう見てもそれほど凄くもない特定のUFO動画を彼があちこちの番組で『本物』として何度も取り上げるのは、その動画の権利を管理しているのが彼(又は彼の会社)だからの様ですね。
情報通のコメンテイタ―としてしばしばメディアに現われるけど、エンターテイナー寄りなので真実性は二の次になっちゃってるサブカル文化人。
タレントのマネージメントを行う会社の運営や資料の貸し出しも行っており、思想的には右寄り…
「と学会」の唐沢俊一とやり口一緒やん。
そして科学や懐疑主義寄りの主張で頭を良く見せかけながら、その実 全く科学的ではないというその芸風…
メンタリストⅮaiGoとやり口一緒やん。
一方、飛鳥昭雄は様々な大風呂敷を臆面もなく広げるトンデモさん…
『サイエンスエンターテイナー』を自称し、自説についても「科学的な説ではなく、エンターテインメント」としています。
「科学番組ではなく、バラエティー番組」とか、Mr.マリックの「マジックではなく超魔術です」 みたいなノリでしょうか(まぁ『マリック』自体、「マジック」と「トリック」のかばん語ですし)。
自らの本を「トンデモ本」「「シュテュムプケ流の高度なジョークとして楽しんでほしい」と書いてる竹内久美子とやり口一緒やん。【※註】
しかも特定の宗教信者が「神とは言わんが何かの意思ガ―!」って言い出すのって天理教信者で「サムシング・グレート」とか言い出した村上和雄とやり口一緒やん。
あと、「歴史修正主義者は分かってやってる」という話があってですね…
ホロコースト否認論者と歴史学者との裁判を描いた映画『肯定と否定』にも「歴史修正主義者は資料の歪曲を自覚している」という話が出てくるのですが…
山口敏太郎はネット情報に詳しいので、懐疑主義方向からの情報もいろいろ知ってる筈なのに、それには触れないか、「フェイクだという説もありますが…」と、ごく軽く触れるだけ…
関暁夫とやり口一緒やん。
飛鳥昭雄の方は、データの都合の悪い部分を削除してたことが「と学会」によって指摘されてましたな。
という訳で、山口敏太郎と飛鳥昭雄は二人とも「分かった上でやってる」故意犯かと。
そんな怪しい山口敏太郎が自分の商売の都合で「アレは本物、コレはフェイク」と勝手にオカルト仕分けをしてるって…
『ワンダーライフ』とやり口一緒やんけ。
『ワンダーライフ』というのは、その昔、小学館が出していたオカルト誌です。
学研の『ムー』といい、小学館の『ワンダーライフ』といい…学年誌を出してる真面目な出版社が何故オカルト誌を…?
と思いますが、子供相手の出版社にとってオカルト誌にはうま味があったのでしょう。
ワンダラはムーに追いつくために「空中浮遊」と称して麻原彰晃のあぐらジャンプ写真を掲載しちゃうなど、無茶の目立つ雑誌でした。
普通はこういう大手出版社が出すオカルト誌は、たまたま編集部に配属されただけのサラリーマンが作っているものですが…
ワンダラの編集部はマジキチで、「秘教科学」なるものを標榜し、オカルトを「コレは本物、コレは偽物」と勝手に仕分け。
「秘教科学」というのは『ザイン』という団体の教義に関係があります。
ワンダラは編集長以下、主だったスタッフが「ザイン」に洗脳され、紙面は「ザイン」の機関紙状態でした。
ザインというのは…
よく週刊誌の裏表紙とかに「風水財布でウハウハ」みたいな広告が載ってるじゃないですか、札束風呂に入ってる写真が載ってたりする、下品でリアリティーゼロなやつ。
アレのオカルト色を極限まで高めたよーな、ヤバすぎる通販業者です。
…が、それだけでなく、「富士皇朝」「古代帝國軍」「銀河皇朝軍」などと名乗り(コロコロ名前が変わる)、奇天烈な恰好で模造刀を振り回してみたり、妙にウヨい思想を語ってみたりと、新興宗教や思想団体めいた色彩の強い団体で、小島露観というおっさんが代表を務めています(「万師露観」「伯壬旭」など、こっちもコロコロ名前が変わります)。
ワンダラ編集部は読者相手にザインの布教までしてました。
この辺の話は手持望のエッセイ漫画『カルトの思い出』でも描かれています。
飛鳥昭雄は初期にはあすかあきお名義で『ザ・超能力』という懐疑主義系漫画を描いてたのですが、このワンダラでトンデモ炸裂な作品を発表するようになり、あちらの世界へとイってしまいます。
トンデモなワンダラ編集部からすら飛鳥昭雄のトンデモ説は↓こういう扱いを受けていた様です。
Wikipedia:『飛鳥昭雄』の項より
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
連載していた『ワンダーライフ』の編集長は飛鳥へのファンレターに対し、飛鳥がモルモン教徒であること、モルモン教は間違った教義であること、モルモン教への強引な勧誘があればすぐに連絡するよう飛鳥とは別に返信をしていた[14]。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…結果的には正しい対応っていうか…。
さて、本書を読んで私の中で山口敏太郎と飛鳥昭雄のイメージは大きく変わりました。
知ってはいたけど、思ってた以上にトンデモやん!
知ってはいたけど、思ってた以上に商売っ気たっぷりやん!
しかし逆に、商売に徹するなら言わなくても良いことも本書には満載です。
オカルトに対して、こんなに熱い思いを持ってたんか…!
そして商売上、懐疑主義は邪魔っけだから見なかったことにして黙殺してるのかと思ってたら…あんなに恨み骨髄やったんか…!
そして彼らが懐疑主義者や研究者よりも自分たちの方が知的だと見做していること。
山口敏太郎は懐疑主義者と左翼は『同種』であり、自分は知的だからこそ保守なのだと思っているらしいこと。
…世間的には昔から左翼は「インテリがなるもの」だし、反知性主義と親和性が高いのは右翼なんですが。
さらに『保守支持が低い認知能力と関連している』という理論もあったり。
↓それによると『右翼イデオロギーは世界の複雑さを最小化するので、低いメンタルの人を惹きつける』のだそうです。
【忘却からの帰還】
『「低い認知能力・右翼イデオロギー・偏見」という連鎖についての研究』
http://transact.seesaa.net/article/411217415.html
「と学会」の唐沢俊一とやり口一緒やん。
そして科学や懐疑主義寄りの主張で頭を良く見せかけながら、その実 全く科学的ではないというその芸風…
メンタリストⅮaiGoとやり口一緒やん。
一方、飛鳥昭雄は様々な大風呂敷を臆面もなく広げるトンデモさん…
『サイエンスエンターテイナー』を自称し、自説についても「科学的な説ではなく、エンターテインメント」としています。
「科学番組ではなく、バラエティー番組」とか、Mr.マリックの「マジックではなく超魔術です」 みたいなノリでしょうか(まぁ『マリック』自体、「マジック」と「トリック」のかばん語ですし)。
自らの本を「トンデモ本」「「シュテュムプケ流の高度なジョークとして楽しんでほしい」と書いてる竹内久美子とやり口一緒やん。【※註】
しかも特定の宗教信者が「神とは言わんが何かの意思ガ―!」って言い出すのって天理教信者で「サムシング・グレート」とか言い出した村上和雄とやり口一緒やん。
あと、「歴史修正主義者は分かってやってる」という話があってですね…
ホロコースト否認論者と歴史学者との裁判を描いた映画『肯定と否定』にも「歴史修正主義者は資料の歪曲を自覚している」という話が出てくるのですが…
山口敏太郎はネット情報に詳しいので、懐疑主義方向からの情報もいろいろ知ってる筈なのに、それには触れないか、「フェイクだという説もありますが…」と、ごく軽く触れるだけ…
関暁夫とやり口一緒やん。
飛鳥昭雄の方は、データの都合の悪い部分を削除してたことが「と学会」によって指摘されてましたな。
という訳で、山口敏太郎と飛鳥昭雄は二人とも「分かった上でやってる」故意犯かと。
そんな怪しい山口敏太郎が自分の商売の都合で「アレは本物、コレはフェイク」と勝手にオカルト仕分けをしてるって…
『ワンダーライフ』とやり口一緒やんけ。
『ワンダーライフ』というのは、その昔、小学館が出していたオカルト誌です。
学研の『ムー』といい、小学館の『ワンダーライフ』といい…学年誌を出してる真面目な出版社が何故オカルト誌を…?
と思いますが、子供相手の出版社にとってオカルト誌にはうま味があったのでしょう。
ワンダラはムーに追いつくために「空中浮遊」と称して麻原彰晃のあぐらジャンプ写真を掲載しちゃうなど、無茶の目立つ雑誌でした。
普通はこういう大手出版社が出すオカルト誌は、たまたま編集部に配属されただけのサラリーマンが作っているものですが…
ワンダラの編集部はマジキチで、「秘教科学」なるものを標榜し、オカルトを「コレは本物、コレは偽物」と勝手に仕分け。
「秘教科学」というのは『ザイン』という団体の教義に関係があります。
ワンダラは編集長以下、主だったスタッフが「ザイン」に洗脳され、紙面は「ザイン」の機関紙状態でした。
ザインというのは…
よく週刊誌の裏表紙とかに「風水財布でウハウハ」みたいな広告が載ってるじゃないですか、札束風呂に入ってる写真が載ってたりする、下品でリアリティーゼロなやつ。
アレのオカルト色を極限まで高めたよーな、ヤバすぎる通販業者です。
…が、それだけでなく、「富士皇朝」「古代帝國軍」「銀河皇朝軍」などと名乗り(コロコロ名前が変わる)、奇天烈な恰好で模造刀を振り回してみたり、妙にウヨい思想を語ってみたりと、新興宗教や思想団体めいた色彩の強い団体で、小島露観というおっさんが代表を務めています(「万師露観」「伯壬旭」など、こっちもコロコロ名前が変わります)。
ワンダラ編集部は読者相手にザインの布教までしてました。
この辺の話は手持望のエッセイ漫画『カルトの思い出』でも描かれています。
飛鳥昭雄は初期にはあすかあきお名義で『ザ・超能力』という懐疑主義系漫画を描いてたのですが、このワンダラでトンデモ炸裂な作品を発表するようになり、あちらの世界へとイってしまいます。
トンデモなワンダラ編集部からすら飛鳥昭雄のトンデモ説は↓こういう扱いを受けていた様です。
Wikipedia:『飛鳥昭雄』の項より
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連載していた『ワンダーライフ』の編集長は飛鳥へのファンレターに対し、飛鳥がモルモン教徒であること、モルモン教は間違った教義であること、モルモン教への強引な勧誘があればすぐに連絡するよう飛鳥とは別に返信をしていた[14]。
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…結果的には正しい対応っていうか…。
さて、本書を読んで私の中で山口敏太郎と飛鳥昭雄のイメージは大きく変わりました。
知ってはいたけど、思ってた以上にトンデモやん!
知ってはいたけど、思ってた以上に商売っ気たっぷりやん!
しかし逆に、商売に徹するなら言わなくても良いことも本書には満載です。
オカルトに対して、こんなに熱い思いを持ってたんか…!
そして商売上、懐疑主義は邪魔っけだから見なかったことにして黙殺してるのかと思ってたら…あんなに恨み骨髄やったんか…!
そして彼らが懐疑主義者や研究者よりも自分たちの方が知的だと見做していること。
山口敏太郎は懐疑主義者と左翼は『同種』であり、自分は知的だからこそ保守なのだと思っているらしいこと。
…世間的には昔から左翼は「インテリがなるもの」だし、反知性主義と親和性が高いのは右翼なんですが。
さらに『保守支持が低い認知能力と関連している』という理論もあったり。
↓それによると『右翼イデオロギーは世界の複雑さを最小化するので、低いメンタルの人を惹きつける』のだそうです。
【忘却からの帰還】
『「低い認知能力・右翼イデオロギー・偏見」という連鎖についての研究』
http://transact.seesaa.net/article/411217415.html
ついでに言えば、↑ココは「インテリジェント・デザイン」ウォッチャー(つまりは創造論を監視している人)をしているKumicitさんのブログです。
…結局、オカルトを信じちゃう様な判断能力がアレな人は保守支持になりやすい、という実例でしかないんだよなぁ…。
【※註:シュテュムプケ】
シュテュムプケ(シュテュンプケ)はフェイク生物本の金字塔『鼻行類』の著者。
「太平洋の小島で逆立ちして鼻で歩く新種の哺乳類が見つかった」という内容なのだが、解剖図なども載っていて実にリアル。
しかもこの本は最後まで内容が冗談であることを告白しないまま。
竹内久美子はココが実に悪質で、自らをシュテュムプケ氏に擬することで嘘の責任を果たさずに逃げる気まんまん…
でもご本人がそう仰ってるんだから、彼女の発言は真面目に受け止めちゃダメですよ!?
ちなみに同書の訳者の一人は竹内久美子の師・日高敏隆。
(00:03)