古谷経衡
2025年03月13日
古谷経衡の
『シニア右翼 日本の中高年はなぜ右傾化するのか』
を読んでみましたー。

(※書影は該当書より引用)
以前に好著『ネット右翼の終わり』について取り上げたエントリは↓コチラ。
【保守派が斬る!『ネット右翼の終わり』】
https://wsogmm.livedoor.blog/archives/10240926.html
『シニア右翼』の内容をざっくり要約すると…
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
ウヨいシニアが多いっすな。
それは何故かというと…
彼らはネットが発達しまくってから参入したので、「ネットはデマ上等のアングラな世界」だとわかってない。
同じ事は若い世代にも言える(ウトロ放火犯とか黒瀬深とか)。
戦後民主主義を「ふわっ」としか受け止めていないのでYouTube動画一発でヤラレちゃう。
そもそもこの国全体が「なぜあの戦争に突き進んじゃったのか」を総括してないしね。
ネット右翼とは「保守文化人の言説を繰り返してるだけの奴ら」。
本来の保守とはバーク的な漸進主義(「改革は急進的にじゃなくてちょっとずつな!」という考え方)なだけで、特定の党派や政策の支持とは無関係。
【※ブログ主による註】
一部、超はしょります。
ここで日本が戦争につき進んだ経緯についての概観が入ったり。
戦後は復興を急ぐあまり、一度は追放されたはずの旧体制の要人を復帰させちゃったため、彼らを批判できなくなってしまった。
シニア右翼と同世代のシニア左翼がおかしくならないのは、民主主義的自意識を育てあげた成果。
左翼にこそ未来がある。
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
…と、内容は良い感じ。
そして最後で突然の左翼へのラブレター。
ココもうちょっと詳しく見るとですね、本書は↓こう締めくくられています。
p.286
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私は現在革新とかリベラルと見なされている政治勢力や、与党であっても個々人の見識ある政治家にはその可能性をわずかに見出している。こういった政党の比例代表における絶対得票数は、日本において真に民主主義的自意識を持った人々が必ずしも死滅していないことを示しているからだ。この勢力を護持し、さらに発展させていくことがシニア右翼に対抗する重要な「拠点」「砦」となりうるのかもしれない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イチャラブ。愛が重い。
ネットはもともとアングラな世界で、『うそはうそであると見抜ける人でないと(ネットを使うのは)難しい』
というのが常識だったのにねぇ、という話は『ネット右翼の終わり』でもしてましたね。
ネット右翼の定義は以前よりシンプル&辛辣になってる模様。
保守の定義については「それなら私も保守というコトになりますけど」って感じ。
まぁバークの言う保守主義は
「ヒトは愚かやし、改革とか計算通りにはいかへんて。歴史の中で使えるコトが証明されてきた、既存のシステムをちょこっとずつ改良していく方がええて」
的なモノ。
コレ、悲観的な私には刺さりまくりなんですけどね。
先ほどの要約紹介ではさっくり割愛しちゃった、歴史を駆け足で説明した部分は、個人的には「ほどよく簡潔に、ほどよく詳しく」概説されてていい感じ。
この辺はあんま詳しくないので勉強になったです。
ついでにちょっと問題点についても触れておくと…
コレはまぁ内容ではなくあくまで表現の仕方の問題なのですが…
さっくり読める前提の新書の割に、無理して難解な言葉を使ってみるも同じ単語に頼りすぎてたり、間違ってたりがちょっと目に付く感じ。
私は読書好きだし、語彙も貧しいとは言えない筈、くらいの自負はあるつもりですが…
「瀰漫」って言葉知らんし、それ以前に読むことすらできひんよ!?
調べてみたら「びまん」でした。
「気分・風潮などが広がり、はびこること」的な意味だそうです。
コレがやたらあちこちに出てくるという。
難解な単語を何度も使い回すと「自分の実力以上に無理して背伸びしてる感」が瀰漫しちゃうので避けた方がよろしいのでは。
そしてその割に、文脈的には明らかに「焦眉」と書くべきトコを「愁眉」としている部分が少なくとも2箇所に。(p.57とp.285)
まぁ謎に読みにくいのも『ネット右翼の終わり』と同様。
ちなみに私は読みやすさ優先。
うっかり凝った言い回しで一文が5行くらいに渡っちゃうと、後から3分割にして平易な言葉遣いに書き直したりしてます。
あとスタイリッシュな文体とかは捨て、決まりきった言い回しを多用することで執筆カロリーを抑えてみたり。
長文が多いので、読む側の読書カロリーも低めにしとかないと誰も読まないし。
その分、ひとつでも多くのエントリをアップすることを目指していますので、その辺のあれやこれやは平にご容赦を〜。
…それでも読む気が起きない文体&長文になっててすみません!
あと内容についてなのですが…
戦後民主主義の受け止め方とか戦争への総括とかのご高説はごもっともで、私も深く感銘を受けました。
でもそういうのと関係なく、YouTubeから反ワクとか陰謀論にハマるシニアってめちゃいるじゃないですか。
なので、ソレだけではなく、別の理由もあるよね〜、と思いました(小並感)。
私が小遣いで買った初めての雑誌、それは月刊『ムー』で私は11歳でした。
オカルト知識の味は甘くてクリーミーで、こんな素晴らしい知識を分け与えて貰える私は、きっと特別な存在なのだと感じました。
小学生にしてムー民(月刊『ムー』の読者)やってる痛い子。
オカルトDD (どれでも大好き) で箱推しだったので、ムーに載ってる情報は全てガチ信じ。
なぜならオカルトは科学と同じで、すごい秘密を教えてくれたからです。
知識の高みから全てを見下ろす知的興奮は、科学と等質のものでした。
しかもオカルトや陰謀論は「世界創世の秘密」(やや重言)とか「世界を支配する権力者の真相」とか科学よりどぎつくて、ソコがケミカルな駄菓子のように子供心にメガヒット。
心のベロが人工着色料で真っ赤っかに。
「人類は月に行ってない」と「アポロは月の裏でUFOを見た」とか、相互に矛盾するやつあるやん、と気付いたのは後年です。
やっぱね、非科学的な信念や陰謀論ってキモチイイんですよ。
なのでハマる人の気持ちはめらっさもらっさ分かります。
その辺の陰謀論自体が持つ危険性へのフォローもあると良かったかも。
とはいえ基本的に良書なので、皆さん機会があれば是非。
2022年04月01日
最近、右翼系・非左翼系論客の本をいくつか読んだので紹介していきたいと思います。
【1冊目】
◉『ネトウヨとパヨク』物江潤
著者は松下政経塾出身。
全体に内容が浅く、学ぶべきことは少ないと感じたです。
「トンデモさんにうんざりしてる個人の体験」レベルなんだよなぁ…
この人の「ネトウヨ」と「パヨク」の定義は『対話のできない人』。
まぁそれほど間違っていないかもしれません。
あとこの人は思想的には特に左右どちらかに力を入れてる感じはないのですが…
タイトルの時点でお分かりの通り、「ネトウヨ」と「パヨク」は同列に扱われてます。
しかし私は「ネトウヨ」と「パヨク」を同列に扱える様な存在だとは思っていません。
「ネトウヨ」はレッテル貼りに使われることもあるとはいえ、基本的にはまともな右翼とは分離して使われています。
しかし「パヨク」は左翼の同義語というか、左翼全体を指す蔑称として使われています。
パヨクと左翼を分離して使ってる人を見たことが一度もないとまでは言いませんが、激レアですよね。
パヨクという言葉を好んで使う人にとってはほぼ「左翼は全員がパヨク」なのです。
これはそもそも
●「ゴチャゴチャ言わずにざっくりひとまとめにする」というヒューリスティック(節約的)な態度そのものが右翼的
●「問題の背後の事情まで精査し勘案する」という態度そのものが左翼的
であることに起因しているのでしょう。
右翼は拙速、左翼は巧遅なのです。
拙速であることは、必ずしも悪い訳ではありません。
かつてサバンナにおいては多少粗めでもその場で素早く判断を下すことが重要であったことでしょう。
なので我々はそういった性質を受け継いでいます。
実際、左翼の人でも負荷のかかった状況では右傾化する、というデータもあったり。
トンデモに左右はないので、トンチキな主張をする人は必ず左右共にいます。
しかし、例えばネットを巡回しているだけで勝手に飛び込んでくるのはネトウヨさんの意見が圧倒的ですよね。
「パヨク」の意見を見かける時は大抵は彼らの生の声ではなく、批判的に取り上げられた二次ソースです。
ネトウヨさんと「パヨク」では層の厚さや影響力に大きな差があります。
そのへん同列に扱ってもらうのはちょっと…。
まぁ本書にも「数はネトウヨの方が多いかも」的な言及も一カ所だけあるにはありますが…。
あと「ネット」「右翼」という言葉はニュートラルで特に悪意は感じられませんが、「パヨク」(「ぱよぱよち~ん」に由来)、さらにその前に使われていた「ブサヨ」(「ブサイク」に由来)は悪意塗れですよね?
しかも左翼と「ぱよぱよち~ん」「ブサイク」に特につながりはなく、こんなん「お前の母ちゃんデベソ」レベルやん…。
【2冊目】
◉『保守とネトウヨの近現代史』倉山満
一応、ネトウヨさんを批判してはいるのですが…
そもそも「保守」と「ネトウヨ」の区別があやふや~!
それはまともな保守の人に失礼なのでは?
あとがきに「保守の定義はどこかにこっそり書いといたので探してみてね」的なコトが書いてあるのですが、そういう大事なことは冒頭に明記しといてほしいなぁ…。
保守論客だけど保守論壇に嫌気がさして飛び出したという倉山満。
しかし本書によれば杉田水脈を支持してる模様(「生産性」発言のやらかしについては不支持)。
さらに上念司は大学の先輩後輩の仲である旨に言及。
ぐぐると世話になった模様…本人のこんな↓発言が。
【PRESIDENT Online】
『「努力しても報われない」と思う人ほど、教養を身につけるべき理由 瀧本哲史さんは誰と戦っていたのか』
https://president.jp/articles/-/34783?page=4
━━━━━━━━━━━━━━━
私を現在の世界に送り出してくれたのはタッキーさんと経済評論家の上念司先生だが、上念さんが「隊長」、私はさしずめ「新米ヒーロー」といったところだろうか。デビュー前、タッキーさんと上念さんに「倉山満プロデュース会議」を何度もしてもらったが、ほんとうに「科学者」「博士」の役回りだった。
━━━━━━━━━━━━━━━
さらに倉山満は『チャンネルくらら』という動画チャンネルを運営しているのですが…同チャンネルの「概要」にはこうあります。
【YouTube】
『チャンネルくらら 概要』
https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg/about
「チャンネルくらら」とは?
2013年10月突如として生まれた、チャンネルです。
憲政史研究家 倉山満と経済評論家 上念司が、時にはゲストを交えつつ、これまで以上に激論を繰り広げます。
━━━━━━━━━━━━━━━
…上念司とがっちゅり組んでますね。
さらに『チャンネルくらら』にはすみとしこを呼んでたり。
『【5月22日配信】倉山満が訊く、「ホワイト・プロパガンダ漫画家はすみとしこさん初登場!」』
https://www.youtube.com/watch?v=2YO9KLNqtZY
はすみとしことは共著まであります。

…デマ王やヘイト女王達とつるむのってドウヨ?
【3冊目】
◉『愛国奴』古谷経衡
小説でありフィクションの形を取っていますが、ビジウヨさん達の内部事情について描いています。
ごく常識的な知識を持つだけで簡単に保守論壇に入れるとか、ネトウヨさんとは主張を異にしていても糊口をしのぐためには付き合う必要がある、といった話が赤裸々に…。
著者は保守派でありながらネトウヨさんについて上手くまとめ批判した好著『ネット右翼の終わり』の古谷経衡。
『ネット右翼の終わり』については↓このエントリで取り上げてます。
[保守派が斬る!『ネット右翼の終わり』]
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/10240926.html
さらに「愛国奴 モデル 倉山」で検索すると2番目に表示されるのはココ。
【憲政史研究家倉山満の砦 誰も教えない時事と強要】
『君にもできる!愛国保守商売マニュアル』
https://office-kurayama.co.jp/?p=3529
コレが『愛国奴』そのままの内容。
長いですが引用します。
━━━━━━━━━━━━━━━
誰も教えない時事と教養
君にもできる!愛国保守商売マニュアル
2019年1月11日 倉山満 2件のコメント
LINEで送る
表題、飲み会でやるたびに受けているので、公開。今週末の倉山塾帝国憲法講義に来た人には、固有名詞と数字を教えます。笑
愛国保守商売の基本要素は四つ。
一、教祖
二、信者
三、ネットのプラットフォーム
四、出版
まず、「愛国保守商売」をやろうと思ったら、自分が教祖にならなければならない。なる方法は一つ。思い込む。心の中で呪文のように、「俺は保守だ」「俺は愛国者だ」「俺は日本を救うメシアだ」「俺はこんなところで終わる男じゃない」「おれはすごいんだ!最強だ!」と唱えましょう。根拠?そんなものを求めている時点で信念が足りません。もっと、まっとうな商売をしましょう。
次に、教祖と言えば信者です。何を言ってもやっても許される信者を獲得しましょう。言論の一貫性など気にしないからこそ、教祖であり信者なのです。お客様は神様ですが、多神教です。多神教の神々に君臨するから信者なのですが、信者の皆様がいなければ教祖はやっていけません。
その信者を現代社会で手っ取り早く囲い込む手段はネットです。何らかのネット媒体を確保しましょう。
ネットで知名度を売ったら、出版です。可能な限り格式が高い出版社を選びましょう。ネットのプラットフォームを中心に、売りまくりましょう。
と、ここまで書いて、「それ倉山満のこと?」と思った人もいるんじゃない? 安直に、「教祖=倉山満」「信者=倉山塾生」「塾生とチャンネルくららの視聴者に本を売りまくっている」と誤解している人も多いから、こんなこと書いているので。
マニュアルとしては、これに続きがある。
一の教祖の活動の中心は、地上戦と空中戦の二刀流を心がけるべし。地上戦とは講演で、空中戦とはツイッター。私の場合、前者は極力断っているし、後者に至っては手も触れていない。
二の信者囲い込みの手法は、私塾・有料メルマガ・ブログやFBなどのオフ会を組織化・シンクタンク・本業の大学教授として学生をこき使う・シンクタンクを作って公開情報を高額で売りつける上客・情報商材を売りつけるお得意様・マルチ&ネットワークビジネス、などなど。途中から合法性スレスレだけど、もちろん私は道徳的におかしなことはやっていない。それを全部一緒にされても困るとしか言いようがない。
三に関しては決定的で、愛国保守商売マニュアルでは、「自分のチャンネルは持つな!」「他人のプラットフォームに乗っかれ」が鉄則です。ちなみにチャンネルくららは文化事業という目的がある。色んな経緯をたどったけど、結果的に「ネットを見て満足するだけでなく、ちゃんと本を買って読む読者層の開拓」というチャンネルになった。
四も、「目の肥えた読者層の開拓」という目的でやっているのであって、倉山満みたいな「年に12冊がノルマ」なんて絶対にやめた方がいい。その瞬間、ホームランバッターにはなれないので、私はリーディングヒッターの道を歩んでいるので。
それも色んな理由がある。この出版不況の時代、本で生活できている作家が何人いるか。「愛国保守マニュアル」としては、「ほどほどにしておけ」が正解。
以上はハードウェアの話だけど、まっとうな商売をやりたい人にも参考になると思う。
ここからはソフトの話。あえて、粗悪な同業者の手口をばらす。
一、目の前の客が気持ちよくなることだけを言え!
二、過去の発言との整合性など気にするな!
三、言論の正当性など気にしないバカ層を対象にしろ!
四、本気で社会をよくしようなどと考えるな!
これを読んだ人は、本物と偽物を見抜ける、目の肥えた観客になってください。悪用した場合は、自己責任で。
━━━━━━━━━━━━━━━
…で、「愛国奴 モデル 倉山」で検索した皆さんにとって「『愛国奴』に登場する、倉山満をモデルにした人物」というのは、保守論壇に呆れる主人公のことなのか、保守論壇を飯のタネにしている保守言論人のことなのか、どっちなんでしょうね…気になっちゃうなぁ。
いずれにせよ、喰わんがためにこういうことやってる人たちの熱心な支持者が「プロ市民ガ―!」と叫んでるかと思うと頭がくらくらしますね。
【4冊目】
◉『誰もが知りたいQアノンの正体 みんな大好き陰謀論Ⅱ』内藤陽介
コレは超お薦め。
Qアノンさん・Jアノンさんについては、ビリーバー寄りの書籍はいくつもあるのに懐疑主義サイドからきちんとまとめた本は殆どありません。
日本最強の懐疑主義団体ASIOSの『増補版 陰謀論はどこまで真実か』でQアノンに1章が充てられていますが、ボリューム不足です。
本書は取り上げる人物の経歴までよく調べてある好著です。
ただQアノンさん・Jアノンさんの主張はあまりにも多岐に渡るため、それでもまだ足りません。
本書でも「トランプ大統領が日本人に一人6億円ずつくれる」とかの荒唐無稽なJアノンさんのデマはフォローされてないですし…誰か辞書サイズの本出して下さい。
とはいえ本書は現時点ではQアノンさん・Jアノンさん批判のベスト本。
しかし問題がない訳でもありません。
著者の政治的立場を反映してか、やけに右翼に甘く左翼に厳しい…!
トランプさん自体はあまり批判せず、過激な言動でQアノンさんを焚きつけた罪もスルー気味。
むしろ経済政策は評価してたり。
「Qアノンのことは嫌いになっても、トランプさんのことは嫌いにならないで下さい!(絶叫&号泣)」
ってコトなんでしょーか?
あとやたら的外れなポリコレ批判を乱発。
本書の最後に至ってはこう結ばれています。
P.244
━━━━━━━━━━━━━━━
カルトを暴発させず制御できるかどうかは、米国社会の公平性や透明性がどの程度担保されるか、そしてリベラルとポリコレのこれ以上の“ライトマン”化を食い止められるか否か、ということ次第なのではないかと私は考えています。
━━━━━━━━━━━━━━━
…ええっ!?
Qアノンさん・Jアノンさんの危険性に警鐘を鳴らす本の結論が「社会矛盾やリベラル&ポリコレを抑え込めばQアノンさんの様な陰謀論カルトの不満もなくなって安全になるよ」ってコト?
それって「オウムを衆議院選で当選させとけば不満もなくなって安全だったのに」みたいなコトやろ…。
『ライトマン』は「正義の戦士」くらいの意味で、自分の「正しさ」を暴走させちゃう人のこと。
本書中ではトランプさんを表現するのに使っていたのに、最後の最後で急にそれをリベラルの属性に…?
ではネットでは本書についてどう言ってるかと言うと…
━━━━━━━━━━━━━━━
早川タダノリ@hayakawa2600·2020年7月12日
わかりやすい「右手と左手でじゃんけん」状態ですね

l'amo kaj paco(WRH村本支持)@fmdm_amazon_bbw·2020年7月12日
倉山満「本物の陰謀がここにある」、簡潔な自己紹介として秀逸ですね。
能川元一@nogawam
返信先: @fmdm_amazon_bbwさん, @hayakawa2600さん
内藤陽介も歴史修正主義者なので、日本の右翼にとってほんとうに痛い部分は避けて通ってる感じですね、目次を見る限り。
午前2:36 · 2020年7月12日·TweetDeck
10 件のリツイート 1 件の引用ツイート 14 件のいいね
━━━━━━━━━━━━━━━
…画像は本書のシリーズ1作目『みんな大好き陰謀論』の新聞広告。
出版社がもともとはトンデモの巣窟・船井総研の書籍部門だったビジネス社…
同じ広告枠に『ザ・フナイ』が並び、アポロ計画陰謀論で有名なソエジーこと副島隆彦&これまた陰謀論者ベンジャミン・フルフォードの名前が… カオス。
というのを揶揄されてますね。
ま、なとろむ先生も最初の著書はメタモル出版という怪し気なトコから出してたし、別にいいんだけど。
ちなみに倉山満とはすみとしこの共著もビジネス社。
『死んだらどうなる 霊やあの世の存在を「気」で解説!』という本と一緒に新聞広告が打たれてます。

まぁ信頼度はどっこいどっこい。
さらに内藤陽介の動画を検索するとこんな感じ。



倉山満とかKAZUYAとか、「自分を棚上げしてネトウヨさんを批判してる人達」とつるんでるのはまぁ良いとして(ちっとも良くねぇが)…
コミンテルン陰謀論の杉田水脈や歴史修正主義バリバリの藤岡信勝ともツルんでるのはドウヨ?
なお、杉田水脈との関係性については先程の能川元一が↓こんなコトを…
━━━━━━━━━━━━━━━
能川元一
@nogawam
ああ、内藤陽介って歴史修正主義者の……。納得だ。
引用ツイート杉田 水脈@miosugita · 2018年5月23日
内藤先生、ありがとうございました!科研費と生活保護の例えも「ピン!」ときました顔(笑) https://twitter.com/naito_yosuke/status/999272440151793665
午前0:58 · 2018年5月24日·TweetDeck
37 件のリツイート 33 件のいいね
━━━━━━━━━━━━━━━
【オマケ】
Jアノン化した生長の家くずれの人たちが倉山満&内藤陽介の動画を(おそらくは肯定的に)紹介してる件。
【生長の家政治連合掲示板】
『保守とネトウヨの近現代史』藤岡信勝 内藤陽介 倉山満【チャンネルくらら】第二回「教科書をつくる会と小林よしのり」
http://blog.livedoor.jp/newthought-seichonoie/archives/33353247.html
━━━━━━━━━━━━━━━
生長の家政治連合掲示板
生長の家創始者谷口雅春先生の説かれた政治思想に基づいて、憲法問題、歴史認識問題、国防問題を語っていきます。 生長の家連合掲示板は、自由の総本山アメリカで起きているトランプ革命(アメリカの建国の精神へ還ろう)を全面的に支持します。Make Japan Great Again, and Make America Great Again
━━━━━━━━━━━━━━━
…ということらしいです。
ちなみにリンク集にはJアノンさんかつネトウヨさんの海乱鬼とか、メンタリストDaiGoの上位互換みたいなトンデモさん苫米地英人とか、アポロ計画陰謀論ビリーバーの副島隆彦とか、凄い名前が並んでますね。
『生長の家』は保守系の新宗教で、かつては政治に口を出していましたが、方針転換により現在は宗教活動に専念。
しかし政治活動を続ける分派がいて、日本会議事務総長の椛島有三とか、日本会議役員&「新しい歴史教科書を作る会」元副会長で「江戸しぐさ」推しのトンデモ理論「親学」を唱える高橋史郎とかが含まれます。
そんな生長の家くずれの人たちがQアノン・Jアノン化してる~!?
混ぜるな危険。
2021年06月19日
チャンネル桜で番組司会もやっていた保守派論客、古谷経衡の著作『ネット右翼の終わり―ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』(2015年)が大変面白かったので要約してみる。
言っとくけどこれ、リベラル側じゃなくて保守側の意見ですからね?
もはや保守ですら否定せざるをえない、それがネット右翼。
これまで「差別はダメだが」としつつも微温的にネット右翼を支持することが多かった保守からもこういった意見が出るのは素晴らしいことです。
まぁやや遅すぎた感もありますが。
では要約スタート↓
――――――――――――――――――――――――
「ヘイトスピーチを行う過激な人」はネットから誕生したし「ネット右翼」という呼称に置き換え可能。
「保守主義者」は穏健で出自もネット右翼と異なり、「保守」「保守界隈」に置き換え可能。
この二つはイスラム教徒とイスラム国くらい違うで。
ネット右翼の定義は教科書的には「インターネット上で右派的・国粋的な言動する人々」。
[ネット右翼の3必須7原則]
1(必須):嫌韓嫌中やで
2(必須):在日コリアン大嫌い
3(必須):マスコミ大嫌い(産経を除く)
4:先の日本の戦争を肯定的に捉え東京裁判史観を否定
5:靖国神社公式参拝を支持
6:タカ派(憲法9条の改正を含む)
7:安倍政権を支持。民主嫌い、次世代の党好き
・2002年のワールドカップで韓国とマスコミへの不信が高まり、「前期ネット右翼」爆誕。
でも不満ばかりで理論はなく、陰謀論や嘘ばかりやったやで。
・それまで保守論壇はネットとかわからんジッジとバッバばっかりやったやで。
保守言論人に時どきびっくりする様な行き過ぎた発言があるのは、もともと保守論壇は閉じた世界やったからやで。
・でも2007年の「チャンネル桜」登場で保守系知識人がもてはやされたで。
前期ネット右翼は保守系論壇により文明化して後期ネット右翼になったで。
そのせいで自民寄りのイデオロギーをネット右翼も共有したで。
・前期ネット右翼が保守論壇という文明の力により近代化を遂げたのが「後期ネット右翼」。
これが広義のネット右翼やで。
・一方、近代化しきれずに特定の(時に差別的な)言動を行っている人々が「狭義のネット右翼」。
「ネトウヨ」などと批判的な意味で使われているのはこっち。
・ヘイトスピーチを行っているのは「狭義のネット右翼」の中でも最も過激な「行動する保守」と呼ばれるクラスタ。
・「行動する保守」は記事の見出しや書籍のタイトルだけ読んで反応してるだけで、書籍をあまり読んでないで。
こういうのを「ヘッドライン寄生」と呼ぶで。
・いわゆる「嫌韓本」ってタイトルや見出しがショッキングなだけで、中身はわりと穏当やで。
・「行動する保守」はヘッドライン寄生するだけで検証も咀嚼もしない、インターネットリテラシーが著しく低いクラスタやで。
・一方、保守論壇のジッジとバッバは若者受けしたのが嬉しかった。
でも手のひら返しが怖くて陰謀論や嘘をよう指摘せんかったやで。
・保守系論客が「若者がこう言ってる!」と喜ぶのは輸出したイデオロギーの逆輸入やん…。
・保守系言論人が在特会のことを「よくワカンネ」とか言って逃げるのは白々しいで。
それなら支持を表明する方がマシやん。
・保守はもともと反共やから親韓やったで。
でも冷戦後は韓国が反共捨てたし裏切られた感…。
たまたまやけど嫌韓と同じ方向を向いたで。
・狭義のネット右翼は推定150万人弱、ボリュームゾーンは40歳前後で大都市部の中年・中産階級、つまり普通の人々。
わりと良い会社の良いポジションが多く男女比は3:1。
・「中年童貞が多い」説についてはデリケートやし判断はしないけど、異性に対してはおとなしく消極的で免疫のない人々という印象。
・「ネットで真実に目覚めた!」という『マトリックス史観』が特徴。
目覚めたら後は戦うだけなので数の割に声が大きいで。
・陰謀論や嘘は公教育でおざなりになってきた政治経済・近現代史の隙間を突いたもの。
教育を受けていないところに最初にこれらを刷り込まれるとハマるで。
とはいえちゃんとした情報にアクセスすることもいくらでもできた筈。
・狭義のネット右翼は「真偽不明な情報を鵜呑みにする人」。
トンデモだから寄生しかできない。
・昔のネットは不自由でアングラで怪しい世界だったので「ガチ信じする奴はどうかしてる」というノリ。
2000年代からサクサクになり、「ネットは万能や!」というリテラシーの低い人が増える。
・保守系論壇(上流)からネット右翼(下流)へ、という情報の流れに歪みが出てきている。
[下からのデマ] ネット上のデマを保守系文化人が支持し、ネット右翼が「文化人のお墨付きもある」と盛り上がる→デマの補強
[上からのデマ] 保守系文化人が発信源になってデマを流す
・ネット右翼と保守系文化人が一体化してしまっている。
知識の上流にいるはずの保守系文化人が狭義のネット右翼からの支持をとりつけようと迎合した結果、劣化している。
これを「保守王権の土着化」と呼ぼう。
・これでは「一部の暴走です」という逃げ道もない。
悪性部位は切り離さないと。
・ヘッドライン寄生をさせないために扇情的なタイトルは避けよう。
狭義のネット右翼は本をあまり買わないので保守系文化人の顧客ではなくノイジーマイノリティやで。
・トンデモ・陰謀論・ヘイトスピーチには保守が毅然とNOと言おう。
・では保守派は今後どうするべきなのか?
・ゆるやかな良識人による連合体「ソーシャル保守」を目指す。
・構成員は「人間の理性を懐疑し、歴史と経験に基づく現実感覚を有した人々」。
――――――――――――――――――――――――
…といったところだろうか。
あと文体が段々まともになっているが気にしない方向で。
で、この人、ネットリテラシーが高く、ネット右翼の持ち出すデマの類をひとつひとつ挙げてちゃんと批判しており、
それら個別の問題点についてリストアップ&反論したFAQとしても使えそうだ。
まぁ例えるならあらゆるオカルトを確固撃破していく「と学会」の『トンデモ超常現象99の真相』シリーズのネット右翼版、とでも言おうか。
それらは本文に埋もれて検索しづらいが、抜き出して箇条書きにまとめるとこんな感じ。
なお、(※)は私による註。
――――――――――――――――――――――――
◎在日特権について
●「税金の免除・住宅費の補助や無料・各種の助成金や雇用枠があり優遇されている」(p.167)
→同和問題と混同してるよね?
●福岡の市議がブログで「在日特権の公的証明を発見」(p.189)
・在日特権は「証明された例はほとんどないのが実態」だが「根拠を発見」と自慢
→え、根拠薄弱やったって認めてるやん
・ではその根拠とは?
→誰でも「外国に扶養家族がいる」と申告すれば扶養控除を受けられる、というだけ。
→実際には被扶養者が多いのはフィリピンとブラジルでした
・→なのに拡散、二次引用・三次引用でより過激で断定調に。
「在日特権を詳細に解説!」など
◎ネット上の「真実」にはデタラメや曲解、陰謀論も。(p.166)
●「朝鮮進駐軍によって終戦直後100万の日本人が殺された」
→単なる嘘。
●「駅前の一等地が全部朝鮮人に占領された」
→トンデモ。
地方都市の駅前に在日が多いとされるパチスロ店が多いのは事実だが、殆どは日本人の土地所有者からの賃貸。
開業・運転資金は日本の銀行が「有望なビジネス」と判断して貸し付けている。
パチンコ店は大正時代に始まったもので日系経営者も多く、精密機械は日本企業が生産。
在日コリアンが寡占的に支配している業界ではない。
●「在日コリアンは働かずに暮らしている」
→在日社会は帰化が進み高齢化し、母数も少ないので生保受給率は高くなる。
生保世帯の97%は日本人が対象。
●韓国にあるという人糞酒「トンスル」について(p.121)
・狭義のネット右翼が「朝鮮人は糞喰い土人」などと盛んに喧伝。
・もともとのソースは2009年にネットで『ロケットニュース』が記事にしたこと。
「韓国に嫁いだ日本人女性のブログに紹介されている」という出典不明の伝聞形式で根拠なし。
・ムック『呆れた! 韓国』で映像ディレクターが真偽を確かめるために現地で探すも見つからず、韓国漢方の専門家に頼ってようやく作ってもらい試飲。
専門家も作るのは人生で初めて。
→つまり「韓国人はトンスルを飲んでいる」という事実はなかった。
●「ラッスンゴレライ」は広島の原爆投下を揶揄したもの、という都市伝説をガチ信じしたネット右翼がデマを連発。(p.194)
・→保守系評論家が「この嘘つき反日芸人」とツイッターでつぶやく
→デマ補強
【ネット右翼の支持を集める著名人について】
◎竹田恒泰の「たかじんのそこまで言って委員会」でのトンデモ発言(p.230)
●「在特会のおかげで在日特権が明らかに」
→同和利権と混同。「特権」自体、ネットの都市伝説の域を出てない。
●「通名を変えれば犯罪歴が消せる」
→デタラメ。ソースはまとめサイトやコピペで、ネット上の自閉した言説。
警視庁公安部のお偉方が聞いたら憤死しそうなデマ。
保守論客の嫌韓本にすら書かれてへんで。
・保守とネット右翼、もうどっちが宿主でどっちが寄生者なのか…。
◎田母神俊雄のトンデモ発言
●「イスラム国に拉致された後藤さんは母親と性が違う…在日の通名? マスコミに調べてほしい」(p.225)
→仮に在日だったら助けなくていいとでも?)
→ソースはまとめサイト。
イスラム国の動画に「KENJI GOTO JOGO」と表記あり。
「JOGO」は「ジョゴ」か「チョゴ」? 「趙」か「呉」?
→デマでした。婿養子だったので奥さんの姓「城後(じょうご)」が記載されてただけ
・保守とネット右翼、もう同一になってるやん…
●「翁長沖縄知事の娘の夫は中共幹部の息子、だから辺野古移転に反対」(p.197)
→デマでした。しかも発信源は元海自の保守系言論人。
●放射能安全説
・「放射能は体にいい」
・「50年原発使って放射能で死んだ人は日本にいない」
→JOC臨界事故は? 美浜蒸気漏れ事故は? 原発関連死は?(※後の2つは放射能ではないのでは…)
・「福島第一の高濃度汚染水は欧州ではコーヒーを飲む時の水」
・保守系集会で「放射能安全説」を唱えていた自称放射線防護の専門家、
「放射線が体に良いなら放射線治療の副作用ってナニよ?」という質問が出てたじろぐ。
「医者が放射線量をコントロールしていなかったのでは?」と医者のせいに。
→結局、量によっては危険って認めてるやん…。
・保守派の「放射能安全説」は水伝くらいトンデモ。
◎支持を集めた麻生太郎(p.88)
●ネット右翼に受けた理由
・アニメへの親和性(ローゼンメイデン事件)
・タカ派的な言動・メディア批判発言
→でも実際は
・ネットやITはド素人(フロッピーたん事件)
・ネット空間と親和性のない児ポ法に賛成
・「ネット社会に肯定的」というキャラクターのみでネット右翼の支持を得ていた
●嫌韓本とされる『呆韓論』について(p.116)
・この本には狭義のネット右翼が主張する様なヘイトスピーチは見当たらない。
どこの国にもある普遍的な「失敗例」を集めた、「韓国社会・韓国あるある与太話」に過ぎない。
・日本にも当てはまる事例ばかり
・「韓国は安全意識や道徳意識が欠如している」
→ホテルニュージャパン火災事故・ヒューザーの耐震偽装・311福島原発事故(津浪想定のミス)・日航機墜落事故(修理に問題があった)
・「韓国本土の人間による在日コリアン蔑視」「病人・高齢者・障害者・肉体労働者を嘲笑する人権意識後進国」
→ブラック企業問題、障害者施設での虐待事件、ハンセン氏病元患者入浴拒否問題
・「強姦・売春大国」
→AVがアジア圏で支持を受け、児童ポルノ輸出国として国際的な謗りを受けている
・ところが『呆韓論』を紹介した狭義のネット右翼によるブログ等では本そのものには全く触れず、ヘイト表現を羅列して本書へのリンクを貼っていることが圧倒的に多い。
読んでないやん…。
●2014年の沖縄知事選で翁長氏について「支那から支援を受けてる」「知事にしたら沖縄が中国に占領される」等の言説が。(p.102)
・YouTubeで動画「『5分でわかる!』米軍基地が無くなったらどうなるか?」が人気に。
典型的な保守の「米軍抑止力理論・中国脅威論」だがそれはまぁ良いとして。
保守系ジャーナリストの「あっという間に中国に占領される」というインタビュー動画を引用。
→宗教系出版社の書籍付録DVDで保守系ジャーナリストが披露した「シミュレーション」、つまり可能性のひとつに過ぎないものが拡散。
保守理論すらすっとばしてるやん…。
●「韓国経済は崩壊する」という言説は根拠がない。(p.200)
・「韓国政府の発表は信用できない」
→それに変わる根拠がない。
・「韓国は未開で野蛮な後進国」という結論が前提になってる。(※論点先取)
・「経済は崩壊寸前、唯一の産業は売春」
→北がやってた対南プロパガンダとそっくり。
◎「反・脱原発」3パターン(p.208)
●1:経済理論
●2:反左翼
→「反原発=左翼」という決めつけ
→反左翼に固執して「国土を汚すなど許せん」という保守からの脱原発は抜け落ちる
「デモは左翼の動員で一般参加者などいない」という決めつけ
→保守系デモが最大でフジテレビデモの1万人だったことを思えばそうは言えない
●3:核武装理論による反・脱原発
→日本は軽水炉なので転用できません
→「核武装したいから黒鉛炉にしようぜ」という意見も出ないという謎
◎著者の個人的経験(p.129)
・アニオタなので韓国アニメについて書いたり語ったりする。
・韓国アニメ業界の変遷を語り、そのクオリティを憂慮しただけで「狭義のネット右翼」の
中年や高齢者が熱心にリツイートしたり「朝鮮人は日本から追い出さねば」とか言ったりする。
・彼らはアニメのことを全く理解しておらず、ただ「パクリ」というニュアンスに反応してるだけ
・「自虐史観から日本人を覚醒させる」ための任意団体を作った女性からコンタクトが。
「朝鮮人が日本を支配してる!」とか言っててヤバげな感じ。
・「ソースは?」と問うと「保守派論客の○○さんがネット動画でしゃべってた
→実際に○○さんが言ってたのはよくある「日本統治善玉論」に過ぎないのに
「朝鮮人による支配」という陰謀論に援用して補強している。
・もはやヘッドライン寄生ですらない。
ヘッドラインにさえそんなこと書いてない。
――――――――――――――――――――――――
【本書の問題点】
・「保守」「広義のネット右翼」「狭義のネット右翼」「行動する保守」と入れ子式に分類しているが、著者自身、たまにそれらの用語の使い分けが曖昧に。
ただし、それほど気になるほどではない。
・「広義のネット右翼」については「保守王権によって文明化されている」という理由で無罪放免にしてしまっている。
本文中にもある通り、保守王権ですら狭義のネット右翼との土着化(同一化)が進んでいる今、文明化されている一方でヘイトスピーチを行う人は少なくない。
むしろ理論武装したネット右翼ほど厄介なものはない。
・「嫌韓本はタイトルや見出しがショッキングなだけで中身は穏当」としてしまっている。
中身が穏当なのにショッキングな見出しを付けたらあかんがな。
著者はこれらを出版社や編集のせいにし、作者の責任を追及しない。
かと思ったら後半では急に作者の責任を認めたり、やや話にブレが。
…くらいで、保守派論客としての立場からくる限界はあるものの、内容にそれほど悪質な問題はない。
むしろ保守派という自分の立場を一旦棚上げして、できるだけ中立的に記述しようとしていて好感が持てる。
文体もわりと好み。
…でもね、とにかく話がクドいんです!
同じ話をいちいち3回くらいくり返す。
しかも表現がわりとワンパターンなので飽きる。
コレ短くまとめたら絶対、薄めの新書に収まるやろ!?
あとたまに若干の自慢臭がするトコはちょっと苦手。
でも全体的には超絶お薦め。
…いや、コレが保守派だというのなら保守派も悪くはないやんけ、というのが正直な感想。
すげぇマイルド。
でもマイルドな保守の主張って、マイルドなリベラルとほぼ一緒やんけ。
だったらそんなネット右翼と一体化しつつある保守なんてやめてリベラルになればいいのに…
と思っちゃいましたが、まぁ筋の通ったマイルドな保守派とは敬意を抱きつつ、時には協力し時には論争し、仲良くやっていければ、と思います。
特にネット右翼批判については共同していく必要があるしね。
とはいえ、ウヨサヨともにポジショントークになりがちではある。
この古谷経衡なる人物についてぐぐってみると…
左にディスられ。
【参照】
【アンサイクロペディア】
『古谷経衡』 の項
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/古谷経衡
右からは見捨てられ。
【参照】
【反日愚国 恨寓瘻】
『桜に出ていた古谷経衡はもういない。~日本を過小評価し、逆に韓国を肥大視。「嫌韓」の人たちこそ、日本を過小評価する「反日」なのでは…評論家・古谷経衡さん』
http://hannichigukoku.info/blog-entry-5818.html※記事の後のコメント欄も参照。
まぁなんていうか…私は応援してるので頑張って下さい。