ウィルス
2022年09月26日
都市伝説が好きだ。
人面犬だの、口裂け女だのといった個別の物語そのものは他愛もないものばかりでツッコミどころ満載である。
しかし、誰も物語の改変をはっきりとは意図していないにも関わらず、【註1】人から人へと伝播していくに従ってより洗練されていくという、都市伝説が成立する過程には驚異を覚える。
今の様にネットが発達する以前、都市伝説は主に子供たちの口伝えで広がっていくものだった。
テレビや雑誌などのメディアが取り上げないにも関わらず、それは水面下で静かに、しかし速やかに浸透していく。
大人の知らない間に。
だがそこには目的を持って意図的に組織された有機的なネットワークがあるわけではない。
あるのは局所的な人間関係の膨大な連なりだけなのだ。
盲目的でありながら、「小さなコピーミス」と「より怖いバージョンの選択」を繰り返すことで多種多様な物語を生み出す様子は生物の進化にも似ている。
そう、都市伝説はより恐怖を与える魅力的な物語になることでより多くの人に語られ、「人々の脳に自らのコピーを刻み込む」という機能を獲得したミーム(文化的な自己複製子)なのだ。
そしてその様々な物語が実はいくつかの類型的なパターンに集約されていくという、「多様性と普遍性」は神話や説話の構造の様でもある。
私は個々の話よりむしろこの構造や方向性を持たない貪欲なエネルギーの奔流、盲目性に惹かれるのだろう。
そこにはまるで巨大な太古の遺跡を一人ぼっちで歩きまわる様な、畏怖と困惑と好奇心がないまぜになった知的興奮がある。
その流れの中にあって個人的に妙にひっかかり、たまたま目にとまる度に頭の片隅にしまいこんでストックしていた話がある。
それを簡単にまとめてみたい。
なお、私のリサーチ能力はあまり高くないので、不正確だったりもっときちんと元を辿れる部分も多いと思う。
それらに詳しい方がおられたらご教授いただければ幸いである。
『件』(クダン)という妖怪をご存知だろうか。
稀に牛が人の顔を持った仔牛を産むことがあるという。
これが件だ。
件は人語を解し、予言(凶事が多い)をしてすぐに死ぬ。
その予言は必ず当たるという。

人の顔を持つ牛なので「件」と書き、その予言が間違いなく的中するところから、確実なことを指して「よって件のごとし」という言い回しが生まれた、とも言う。
もっとも、これは後付けの様だ。
件にはいくつかのバリエーションがある。
先に挙げたのは最も標準的なものだ。
他に雌雄一対で産まれ、雄が凶兆を告げ、雌がその回避法を教える、というもの。
人面牛身ではなく、ミノタウルスの様な牛面人身のもの。
「娘が山に棲む獣に孕まされるとその獣の特徴を備えた子を産む。これを件と呼ぶ」という地方もあるらしい。
最後の例は一般的な「件」像から離れて見えるが、半人半獣というモチーフや畸形に対する恐怖は共通している。
都市伝説について語るのに何故「妖怪」などというカビ臭いシロモノを持ち出すのか、と思われるかもしれない。
だが「件」は終戦前後まで目撃談が続く稀有な妖怪であり、【註2】しかもその本質そのものが「噂の伝播」と切っても切れない、優れて近代的かつ都市伝説的な存在なのだ。
件という妖怪は江戸時代に成立したと思われる。
初期には「麒麟」や「白沢」の様に突如として現れる瑞獣として、豊作をもたらす存在だったらしい。
その姿を描いた図は護符としての力があるとされ、厄除けの絵が流行した。
件に関する最初の記録は1827年のもので、「クダベ」という人面の怪物が「これから数年間疫病が流行し多くの犠牲者が出る。しかし自分の姿を描き写し絵図を見れば、その者は難を逃れる」と予言した、という。
それがやがて「牛から産まれ、凶事を予言する」という不気味な存在へと変わっていく。
明治から昭和初期までは温泉街などに件の剥製と称する見世物がかかるくらいメジャーな存在であった様だ。
だがその存在は一度忘れられた。
件を再び有名にしたのは小松左京の小説であろう。
まず前段として、氏の作品に『牛の首』という短編がある。
これは「『牛の首』という怖ろしい話があるのだが、怖ろしすぎて誰も知らない」というストーリー。【註3】
肩すかしの効いたオチである。
そして『牛の首』から数年後、氏は今度こそ本当に、牛の首を扱った作品を発表する。
タイトルは『くだんのはは』。
普通に捉えれば「九段の母」、つまり九段の靖国神社に通う母親という意味で、「息子が戦死した母親」のことである。
…と見せかけて、氏は「件の母」の物語を書いてみせた。
戦時中、芦屋(兵庫にある高級住宅街)に座敷牢に閉じ込められた牛面人身の娘がいた。
それを目撃した主人公に生まれた娘もまた牛面で…というストーリーである。
そんなんただの小説やんけー、と侮るなかれ。
実はこの話、実際に芦屋近辺に流れた噂を基に書かれたものなのだ。
第二次世界大戦中には件をめぐる話は西日本に広く見られたという。
どこそこに「件」が生まれてもうすぐ戦争は終わると言った、とか、おはぎを食えば空襲を免れると予言した、といった噂が人々の口に上った。
昭和の時代に妖怪とは随分アナクロな感もあるが、当時の社会は現在の様に情報化されておらず、また戦時中で言論統制・報道管制が敷かれていたため、人々は正確な情報を得る手段も発信する場もなかった。
そんな状況の中で民衆は自らの願望を件の予言に仮託して囁きあったのだろう。
特高警察は流言蜚語を危険視し民衆の間に飛び交う噂を調査していた。
そのため、それらの記録に「件」をめぐる噂の実態が残ることとなった。
終戦直前から直後にかけては西宮などの兵庫県下での噂が急増する。
この時の「件」の特徴は牛面人身であることで、「牛の首がついた着物姿の娘」とされ、「空襲の焼け跡に牛女がいた」とか「牛女が動物の死骸を貪っていた」という目撃談がしきりに囁かれた。
小松左京の「くだんのはは」もこの時の噂を基にしているのだろう。
近代までその命脈を保ち続けた妖怪、「件」。
だが戦後65年、流石にその噂は絶えて久しい。
変わりに人々の口に上るのは様々な都市伝説だ。
都市伝説は常に生産され続けている。
新たなメディアが生まれる度に、そこにも現れる。
SNSも例外ではない。
日本初のSNS・mixiからも、その流行期に「ヨシムジさん」「地獄●●●」【註4】などの新たな伝説が生まれた。
そんな都市伝説に触れたくてmixiの「都市伝説」コミュに入っていたのだが、ある日こんな書き込みを発見した。
「六甲の牛女について詳しく知っている方、教えて下さい」
調べたところ、「六甲・牛女」は主に走り屋の間で囁かれる都市伝説で、人面牛身・着物姿の女が凄まじい速さで走り、追いかけてくるのだという。
「いわれは何も説明されておらず、訳がわからないがとにかくインパクトのある女が追いかけてくる」という意味では「100キロばばぁ」に連なる系譜の怪異であろう。
だがその姿は明らかに終戦前後に兵庫で目撃されたという「件」そのもの。
六甲もまた兵庫県の地名だ。
都市伝説…自己複製にこれほど都合の良いメディアがあるだろうか?
「件」はそもそもその登場からして「自らの絵図を写せ」と説き、自己複製を図る「コピー・ミー・コード」であった。
いわばチェーンメールである。
終戦前後、それは人々の願望を拾い上げ、拡大再生産するための「装置」として機能する。
そして21世紀。
現代のフォークロアたる「都市伝説」の中を、「件」は今も姿を変え、疾走し続ける。
時代は変わっても、変わることなく囁かれ、紡ぎ続けられる物語の中に。
あるいは、それを嬉々として語る人々の心の闇に。
奴は潜み続けるに違いない。
スーパーのチーズ売場によく潜んでいる「件」。

【オマケ】
「件」は一部の人々の想像力を妙に刺激する様で、近年になってからメディアで扱われることが多くなってきた。
私のアンテナに引っかかってきたものだけでこれだけある。
●とり・みき 漫画『件のアレ』『パシパエーの宴』
『件のアレ』は件についての調査をわかりやすくまとめたコミックエッセイ。
●岩井志摩子 小説『依って件の如し』
岡山を舞台にした土着ホラー。
子供が目撃した件の正体は近親相姦中の母と兄。
●大塚英志 漫画『八雲百怪』
牛面人身タイプと人面牛身タイプが両方登場。
●熊倉隆敏 漫画『もっけ』
女子高で件の絵姿をラッキーアイテムとして所持することが流行る、というエピソードがある
●真倉翔 漫画『地獄先生ぬ~べ~』
珍しいパターンの件。
鳥の雛の畸形として誕生・雄が凶事を、雌が回避法を告げてすぐに死ぬ。
●雑誌『幻想文学』56号 特集「くだん、ミノタウロス、牛妖伝説」
めちゃめちゃ濃い大特集。
●映画『妖怪大戦争』
冒頭で件が誕生・予言をするシーンがある。
●ゲーム『せがれいじり』
主人公の乗り物が件。
【註1:誰も改変を意図していない】
「ちょっぴり効果的にしてやろう」「少しオチを変えてやろう」という意図はあっても、最終的に到達する洗練は誰も最初からは意図していないのではないだろうか。
【註2:目撃が続く稀有な妖怪】
河童など現在も目撃例が続く妖怪もいるが、もともとのメジャーさがまるで違う。
また人間には「小さいおっさん」などの荒唐無稽なものを見たり聞いたりするのを好む奇妙な癖がある様だ。
河童は真面目な怪談の担い手としてではなく、こちらの「奇談系」に分類される様に思われる。
一方、「件」には荒唐無稽さと妙なリアリティーが同居している。
【註3:「牛の首」のオチ】
話の筋が落語めいているのでそのへんに元ネタがあるのかと思い検索してみたがよく判らず。
それっぽい話が出てくることは出てくるのだが、むしろ小松左京の作品を落語化した様に思える。
何より、古典落語界からの情報が全く見つからない。
【註4:mixi上の都市伝説】
『ヨシムジさん』
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=56999&page=1&id=9665460
そんな都市伝説に触れたくてmixiの「都市伝説」コミュに入っていたのだが、ある日こんな書き込みを発見した。
「六甲の牛女について詳しく知っている方、教えて下さい」
調べたところ、「六甲・牛女」は主に走り屋の間で囁かれる都市伝説で、人面牛身・着物姿の女が凄まじい速さで走り、追いかけてくるのだという。
「いわれは何も説明されておらず、訳がわからないがとにかくインパクトのある女が追いかけてくる」という意味では「100キロばばぁ」に連なる系譜の怪異であろう。
だがその姿は明らかに終戦前後に兵庫で目撃されたという「件」そのもの。
六甲もまた兵庫県の地名だ。
都市伝説…自己複製にこれほど都合の良いメディアがあるだろうか?
「件」はそもそもその登場からして「自らの絵図を写せ」と説き、自己複製を図る「コピー・ミー・コード」であった。
いわばチェーンメールである。
終戦前後、それは人々の願望を拾い上げ、拡大再生産するための「装置」として機能する。
そして21世紀。
現代のフォークロアたる「都市伝説」の中を、「件」は今も姿を変え、疾走し続ける。
時代は変わっても、変わることなく囁かれ、紡ぎ続けられる物語の中に。
あるいは、それを嬉々として語る人々の心の闇に。
奴は潜み続けるに違いない。
スーパーのチーズ売場によく潜んでいる「件」。

【オマケ】
「件」は一部の人々の想像力を妙に刺激する様で、近年になってからメディアで扱われることが多くなってきた。
私のアンテナに引っかかってきたものだけでこれだけある。
●とり・みき 漫画『件のアレ』『パシパエーの宴』
『件のアレ』は件についての調査をわかりやすくまとめたコミックエッセイ。
●岩井志摩子 小説『依って件の如し』
岡山を舞台にした土着ホラー。
子供が目撃した件の正体は近親相姦中の母と兄。
●大塚英志 漫画『八雲百怪』
牛面人身タイプと人面牛身タイプが両方登場。
●熊倉隆敏 漫画『もっけ』
女子高で件の絵姿をラッキーアイテムとして所持することが流行る、というエピソードがある
●真倉翔 漫画『地獄先生ぬ~べ~』
珍しいパターンの件。
鳥の雛の畸形として誕生・雄が凶事を、雌が回避法を告げてすぐに死ぬ。
●雑誌『幻想文学』56号 特集「くだん、ミノタウロス、牛妖伝説」
めちゃめちゃ濃い大特集。
●映画『妖怪大戦争』
冒頭で件が誕生・予言をするシーンがある。
●ゲーム『せがれいじり』
主人公の乗り物が件。
【註1:誰も改変を意図していない】
「ちょっぴり効果的にしてやろう」「少しオチを変えてやろう」という意図はあっても、最終的に到達する洗練は誰も最初からは意図していないのではないだろうか。
【註2:目撃が続く稀有な妖怪】
河童など現在も目撃例が続く妖怪もいるが、もともとのメジャーさがまるで違う。
また人間には「小さいおっさん」などの荒唐無稽なものを見たり聞いたりするのを好む奇妙な癖がある様だ。
河童は真面目な怪談の担い手としてではなく、こちらの「奇談系」に分類される様に思われる。
一方、「件」には荒唐無稽さと妙なリアリティーが同居している。
【註3:「牛の首」のオチ】
話の筋が落語めいているのでそのへんに元ネタがあるのかと思い検索してみたがよく判らず。
それっぽい話が出てくることは出てくるのだが、むしろ小松左京の作品を落語化した様に思える。
何より、古典落語界からの情報が全く見つからない。
【註4:mixi上の都市伝説】
『ヨシムジさん』
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=56999&page=1&id=9665460
(00:00)
2022年09月20日
知人の子供さんが小学生の頃に「おもくろい」という言葉を使ってるのを耳にしてびっくりしたことがあります。
「面白い」の白を逆の黒に言い換えただけの他愛ない言葉遊びですが…
それ十返舎一九の『東海道中膝栗毛』、いわゆる「弥次さん喜多さん」「弥次喜多道中記」に出てくる由緒正しい江戸っ子ギャグやで!?
ちなみに意味も逆に取って「面白くない」の意で使われる場合もあります。
あと子供の頃に「バビ語」って使いませんでした?
例えば「ひみつ」が「ひびみびつぶ」になるやつ。
各音の後にバ行の同じ母音の音を挿入し、法則を知ってる人にだけ理解できる様にする一種の暗号遊びですね。
アレは「入れ詞」(いれことば)・「挟み詞」(はさみことば)・「唐言」(からことば)等とも呼ばれ、元は遊里の隠語でやはり江戸時代からある言葉遊びです。
海外にも「ピッグ・ラテン」という似た遊びがある模様。
ドラマ『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』でも「子供の頃に誰もが使っていた暗号で女子2人が内緒話する」というシーンに出てきました。
日本語吹替版では暗号部分はバビ語になり、この暗号を「ウビドゥビ」と呼んでいました…が、「ウビドゥビ」でぐぐっても何も出てこない。
翻訳担当者の周囲ではそう呼ばれてたんでしょうか。
私の住んでいた地域ではバビ語を「バビロン語」と呼んでました。
「バビロン語」「唐言」「ピッグ・ラテン」と、外国語っぽい名前が付けられがちなのが興味深い。
バビロンはバベルと関連付けられる地名で、聖書では「神が言葉を乱し、各部族がお互いに分からない言葉を使うことになった元凶の地」なので、暗号名にはピッタリですね。
しかし森昌子がTV番組「金曜プレミアム『訂正させてください』」(2019年3月19日フジテレビ系放送)で「アレ作ったのは私たち花の中三トリオ」とか言い出してて仰天。
いや江戸時代からあるし。
しかし現在、Wikipediaもこのエピソードを伝聞形式とはいえ検証抜きで載せてるため、「江戸時代からあるが森昌子が作ったという」的な、奇妙な記述になってたり。
この様に、現在流通している言葉に古くて意外な起源があったりするのはよくあります。
都市伝説「六甲の牛女」は、遡ると江戸時代から続く妖怪「件」(クダン)の伝承につながってたり。
怪談の定番「乗客が消えるタクシー幽霊」の話なんて西洋では乗合馬車の頃から語られています。
都市伝説「ダルマ女」の前半によく置かれる「若い女性がブティックの試着室に入ると鏡が回転してさらわれる」というエピソードは、1969年フランス発祥の「オルレアンの噂」という有名なデマが元ネタ。
その根底には「ユダヤ人が経営する店なんかで買物すると何されるか分かったもんじゃない」というゼノフォビア(外国人嫌い)とユダヤ人差別があります。
反ユダヤ主義に基づくデマはいろいろあります。
ドイツでは14世紀から「ユダヤ人が井戸に毒を流す」という噂がありました(Well poisoning)。
「特定の民族が井戸に毒」系デマとしては関東大震災時の朝鮮人虐殺につながった噂とそっくりですね。
ネトウヨさんにはいまだにコレを信じてる人が沢山います。
近年では大災害の度に「井戸に毒」系デマが流れますが、これは「ガチ勢」「悪意ある捏造」「パロディー」「ネトウヨさんへの釣り」がないまぜになっててややこしい…しかし「ガチ勢」「悪意ある捏造」はネトウヨさんが中心になって発信・拡散しているのは確かです。
また「ユダヤ人が子供をさらい、血を抜く」「その血を口にする」系のデマは『血の中傷』と呼ばれ、古代から連綿と続いてるのですが…
コレの系譜としてアメリカでは「悪魔崇拝者が子供に悪魔的儀式虐待を行なっている」という陰謀論が根強くあります。
一時「退行催眠などで失われた記憶を取り戻す」みたいなのがブームになり、そういうのにハマった人たちがうっかり取り戻しちゃった記憶というのがしばしば「うちの親は悪魔崇拝者で、私は儀式として性的虐待をされた」だったのですね。
あと「UFOにさらわれて宇宙人に身体検査された」とか。
どっちに転んでも裸にされる模様。
そういう流れで史上最大の冤罪事件・マクマーティン保育園裁判とか起きちゃいます。
…が、懲りずに現在でもコレの類話は語られています。
Qアノンやその前身となったピザゲートでの「子供たちが誘拐監禁されている」「ヒラリーや民主党の奴らが性的虐待を行っている」「子供の脳からアドレノクロムを抽出してドラッグや若返り薬として使っている」系の話がそうですね。
そうでなくとも極右の言うことは国を問わず、奇妙に共通しています。
最近、気付いた例をいくつか挙げると…
映画『否定と肯定』でも描かれた、「ガス室はなかった」と主張する歴史修正主義者デイヴィッド・アーヴィングは「ホロコーストは補償金目当てのでっち上げ」的な主張をしています。
慰安婦問題でのネトウヨさんの主張そっくりですね。
デマゴーグであるアレックス・ジョーンズが運営する陰謀論サイト『インフォウォーズ』は『イスラム諸国からの移民がフィンランドにおけるほとんどの性犯罪を引き起こしている』と主張。【※註1】
ネトウヨさんの「在日朝鮮人が日本におけるほとんどの性犯罪を引き起こしている」とそっくりです。
極右サイト『ブライトバート・ニュース』スティーブ・バノンは次回の大統領選の選挙管理スタッフにトランプ派を送り込もうと画策してる様ですが、その1人は『我が国を取り戻す』と言ってました。
どっかで聞いたフレーズ。
なお、バノンはトランプに首席補佐官の座から追い出された後、欧州で極右団体を結束させようと画策するも失敗した模様。【※註2】
そりゃそうだ、各国の愛国主義者をまとめるのは「一匹狼親睦会」を作る様なもんだもんね…
おかげで極右ポピュラリズムはあちこちで元気いっぱいだけど、横の連帯を欠くせいで文化的にはリベラリズムが世界に浸透してたり。
あと日米ネトウヨさんの主張があちこち似てる件については以下のエントリを参照。
想像以上に同じコト言ってます。
『アメリカ版ネトウヨさん、日本のネトウヨさんとそっくりな主張をしてしまう』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/15454473.html
【※註1】
ソースは『人は簡単には騙されない 嘘と信用の認知科学』
【※註2】
ソースは『町山智浩のアメリカの今を知るTV In Association With CNN』2022年9月8日放送「トランプ氏を大統領にした男スティーブ・バノン氏② 欧州で理想国家を目指す!?」。
この回はCNNの特集番組「スティーブ・バノン:決裂すれば倒れる」(『STEVE BANNON DIVIDED WE FALL』)を紹介・解説したもの。
(00:01)
2022年08月26日
コロナで「新しい生活様式」が取り沙汰され、だいぶ経ったが…。

怠惰の象徴であるのび太のライフスタイルがいまや最も倫理的とは…
なかなかに奇妙ですな。
この「感染症対策のために社会モラルを変える」という問題について、MERSが問題になっていた2015年6月にこんなmixi日記を書いていたので加筆の上で再掲。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
MERSに関して「韓国への渡航及び入国禁止措置を取るべき」という意見が多いが、これは防疫上、選択肢に入れるべきだし、やるならやるで後手後手に回らない様に早目に対応するべきではある。
韓国政府の対応の遅れに批判が出るのも理解はできる。
だが対応に必要なリソースがそもそも不足している国もあるので、何でも批判できる訳ではないとも思う。
その点、普段は「韓国はまだまだ後進国」と主張しがちな保守派が今回の件についてはいきなりトップレベルの対応を求めたりするのはやや無理がある。
そもそも疫病というのは発生国こそ被害者な訳で、それを加害者扱いするのは間違っていまいか?
疫病への恐怖はヒトが道徳律を踏み外すきっかけになりやすい。
HIV感染が男性同性愛者に多いことから「ホモがエイズになるのは自業自得」「ホモはHIVをばらまくから害悪」といった主張は繰り返し行われてきた。
「どうである」という事実命題から「どうであるべき」という価値命題は導出できないので、これはヒュームの法則に反する誤った主張である(自然主義的誤謬)。
今回のMERSに関するmixiニュースでもこんなことをつぶやいている人がいた。
しかも100近くのイイネを獲得している。
【mixiニュース】
『韓国で広がるMERS感染 外務省が注意呼びかけ』
http://mixi.at/a9INk15
(現在はリンク切れ)
へのつぶやきより
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朝鮮半島全土をナパーム弾で焦土にする以外、人類の繁栄はない、そう考えましょう。変な宗教野郎も焼き討ちだな。
う~ちゃん イイネ!97人 コメント2件
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…疫病の感染拡大防止を理由に大量虐殺を行うことは正当化できるのか?
20年前にすでにエボラウィルスの感染爆発を驚くほどリアルに描いていた名作映画『アウトブレイク』(95年)にこんなシーンがある。
小さな街からエボラそっくりのウィルスが広がりそうになり、大統領補佐官会議が開かれる。
そこで街を焼き払う提案が行われ、主席補佐官はこう言う。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「君の提案とは 人口2,600のシーダー・クリークの街に非核兵器として最も強力な気化爆弾を投下
爆発と同時に周囲の酸素を吸い込み 周囲1.6キロ以内の全てを 人間からウィルスまで気化する
全て消滅 危機は消える
(本を取り出す)
これは合衆国の憲法だ
2,600人の市民を消すなんて話は書いてない
こういう記載はある
“国民の命と自由と財産は不当に奪ってはならない”
“一掃作戦”を検討する前に確認しておきたい
この場の全員が一致して 大統領の決定を公に支持すること
死なばもろともだ!
次に権威ある専門学者に完備した実験資料を提示させ “一掃作戦以外に道はなかった”と証言させること
閣僚が新聞社に駆け込み “私は反対した”などと言う事は許さん
反対する者は今この場で発言しろ
(写真の山をデスクにぶちまける)
シーダー・クリークの住民だ
彼らは統計数字じゃない 血の通った人間だぞ
彼らの顔を心に焼きつけろ 死ぬ日まで我々にとりついて離れない顔だ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
もしこれをやれば非難轟々になることは安易に予想できる。
だが彼はやるのだ。
大統領や誰かに責任転嫁することなく。
それが全く問題のない行為だ、と強弁したり正当化することもなく。
望んだ結果ではないが他に選択肢がないからやる、だが責任は取る、と。
57億人(95年当時の世界人口)を救うために2600人を犠牲にする──これは一種のトロッコ問題だ。
トロッコ問題ではどちらを選んでも倫理的問題が発生する。だが逆に言えばそれは、どっちを選んでも非難しようがないということでもある。
しかもこちらは1人と5人のどちらを犠牲にするかではない。2600:57億──およそ1:220万だ。
彼の選択が許される行為なのかどうか、私には判らない。
彼の主張の全てに諸手を挙げて賛同できる訳でもない。
だがどうしてもやらざるを得ないのならば、これくらいの覚悟を持ってやってほしい。
「朝鮮半島全土をナパーム弾で焦土にする以外、人類の繁栄はない、そう考えましょう。変な宗教野郎も焼き討ちだな」
と妙に嬉々としてやるのではなく。
この様に防疫とモラルは相容れないことがある。
そこでモラルの方を防疫に沿わして改変する、という方法もある。
だがそんなことしちゃって大丈夫なのか?
それを実際に行っている事例を見つけた。

『セックスにノーと言おう ヴァージンパワー、ヴァージンプライド!』
と書かれた看板。
アフリカ諸国でHIV対策のために純潔教育を行う社会運動の様だ。
防疫のために特定の価値観を普及させている模様。
まぁこれだけなら無害にも思える。
だが「HIV感染防止のために婚前交渉は避けましょう」というのと同様に「HIV感染防止のために男性同性愛は避けましょう」という社会運動が起きた時、我々はそれを許容すべきなのだろうか?
婚前交渉も男性同性愛もコンドームの使用を推奨すればこと足りるのではないのか?
SFの役割の一つは、現実世界のある面を途方もなく拡大して思考実験を行い、そこで起きる問題や矛盾を提示してみせることにある。
現代最高のSF作家と称されるグレッグ・イーガンは『道徳的ウィルス学者』という短編を書いている。
こんな話だ。
主人公のウィルス学者はあまりにも「道徳的」であるあまり、「複数の相手とセックスした者」「同性とセックスしたもの」だけが発病する致死的なウィルスを作成し、ばらまく。
つまり処女と童貞が結ばれ、生涯その相手とのみセックスすれば大丈夫だが、それ以外のあらゆるセックスは死に至る。
ちなみにこのウィルスはゴムを溶かすのでコンドームも役に立たない。
ところがこのウィルスには致命的な欠陥があった。
新生児は生後1ヶ月までは母乳を飲んでも問題ないが、それ以降はウィルスの影響で死んでしまうことが判明したのだ。
主人公大ピーンチ!
だが彼はちょっとしたトンチを利かせてこのピンチを脱出する。
彼はこう考えることにしたのだ。
「浮気する子はいねーが!? 同性愛にはしる子はいねーが!? そして一ヶ月を超えて乳児に母乳を与える子はいねーが~!?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…これが7年前の日記だ。
サル痘が問題になっている今、読み返してみると現在の状況にも則していると思う。
ただひとつ、この頃のネトウヨさんは『朝鮮半島』にいる『変な宗教野郎』を敵視してたんだなぁ…今とは違って。
(00:38)
2022年05月07日
さて、前回アマビエ等の予言獣をネタに、利己的な情報体「コピー・ミー・コード」の危険性について述べました。
その中でも最も危険な「宗教」については私も熱心に批判してきましたが、他のものについてはなかなか手が回らず…。
今回は前々から一度は触れたいと思っていた「ネズミ講」(無限連鎖講)について。
つっても今どきガチのネズミ講は少なく、大抵は「マルチ商法」とか「MLM」(マルチレベルマーケティング)と呼ばれる、ネズミ講もどきです。
「ネズミ講の様でネズミ講じゃない少しネズミ講なやつ」という、食べるラー油みたいな存在ですね。
そういった話は後でするとして、そもそもネズミ講(無限連鎖講)はなぜ法で禁止されてるのでしょうか?
それは先がないからです。
法にはこうあります(が、後ほど分かりやすく説明するので飛ばしても大丈夫です)。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
無限連鎖講の防止に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、無限連鎖講が、終局において破たんすべき性質のものであるのにかかわらずいたずらに関係者の射幸心をあおり、加入者の相当部分の者に経済的な損失を与えるに至るものであることにかんがみ、これに関与する行為を禁止するとともに、その防止に関する調査及び啓もう活動について規定を設けることにより、無限連鎖講がもたらす社会的な害悪を防止することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「無限連鎖講」とは、金品(財産権を表彰する証券又は証書を含む。以下この条において同じ。)を出えんする加入者が無限に増加するものであるとして、先に加入した者が先順位者、以下これに連鎖して段階的に二以上の倍率をもつて増加する後続の加入者がそれぞれの段階に応じた後順位者となり、順次先順位者が後順位者の出えんする金品から自己の出えんした金品の価額又は数量を上回る価額又は数量の金品を受領することを内容とする金品の配当組織をいう。
(無限連鎖講の禁止)
第三条 何人も、無限連鎖講を開設し、若しくは運営し、無限連鎖講に加入し、若しくは加入することを勧誘し、又はこれらの行為を助長する行為をしてはならない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…法律でネズミ講が『終局において破たんすべき性質のもの』と一刀両断されてる~!
ではどう破綻するのか、ちょっと計算してみましょう。
1人のマルチ会員が2人の会員を増やし、さらに各々が2人の勧誘に成功し…というのを繰り返していくと仮定します(これはかなり控えめな見積もりです)
電卓で「2×2×2×…」と叩いていけば小学生でも計算できます。
実際にやってみると、27代で1億3421万7728人…日本の人口に達します。
しかもこれらは末端だけの数ですからね。
上層部を加えるとその前の代で人口を超過。
5人ずつ勧誘だとたったの12代で末端が2億4414万625人、日本の人口の倍に。
え? そこまで増やさなければ良い?
ソレは無理ですね。
マルチの資金源は結局のところ、末端の会員です。
先に入った者の儲けは後から入った者が背負い、後から入った者の儲けはさらにその後から入った者が背負う…無から有は生まれないのに、資金源を先送りし続けることでやりくりしてる自転車操業。
そして一人の会員を儲けさせるには多くの子会員からのキックバックが必要となるため、必然的に常により多くの会員が必要となります。
つまり末端が増えないならそもそも儲けようがないのです。
無限の増加を仮定してるから『無限連鎖講』、ネズミ算式に増えるから『ネズミ講』と呼ばれてる訳ですね。
しかし人口は有限なのでそれは無理。破綻が確定してるから法で禁止されてるのです。
永久機関の発明は理論的に不可能だから特許の受付をしない、というのと似ています。
ちなみに私がこう説明したら「そんなこと、やってみなければ分からない」と噛みついてきたネズミちゃんがいましたが…まさに窮鼠。
ていうかこんな簡単な計算が理解できないのにマルチの個人事業主になるって…事業計画とかどうなってんの?
ちなみに私だって算数レベルの四則演算しかできませんが、「マルチはやべぇ」くらいは解かります。
つまるところ、ネズミ講は
◉順調に倍々ゲームで会員が増えていくと、あっという間に人口を食い尽くして破綻する
◉会員数が増えなければ儲からず、先細りになるだけ
…という、どっちに転んでも地獄のマルチバッドエンディングシステム。
そらぁ法律で禁止されますわ。
そしてネズミ講は常に儲かるのは全体のごく一部で、大半の人は搾り取られるだけです。
例えば先程の「1人の会員が2人の会員を連れてくる」という仮定で5代目まで広がった時、それぞれの世代の人数を数えてみましょう。
1代目:1人
2代目:2人
3代目:4人
4代目:8人
5代目:16人
末端の5代目は16人、それより上の世代は合計15人ですね。
つまり「末端の人数は上層部全体+1」です。
実はコレ、何代目まで広がった時でも当て嵌まるのです。
例えば6代目では、
1代目:1人
2代目:2人
3代目:4人
4代目:8人
5代目:16人
6代目:32人
…末端は32人、上層部は計31人。
やはり「末端は上層部+1人」です。
末端は誰からもキックバックが貰えず、一方的に搾取される存在…
つまりネズミ講は常に、養分にされる末端の数は上層部とほぼ同じなのです。
しかもこれは「会員1人が引き込むのは2人だけ」という楽観的な仮定での話。
実際には末端が圧倒的多数派でしょう。
という訳で、ネズミ講は「ダメ。絶対。」なのはお分かりいただけましたね?
ではここからはネズミ講を薦めてくる子ネズミちゃん達が繰り出す甘い口説き文句と、その裏の実態について解説していきましょう。
◉「合法だよ」
◉「マルチ商法はネズミ講じゃないよ」
↓
こんなん「違法ドラッグじゃなくて脱法ドラッグだからセーフ」言うてる様なモンやんけ。
『じゃりン子チエ』に、賭場で現金を直接やりとりせず「ビスコを賭けてるだけ」という体で法をかわそうとするシーンがあります。
合言葉は「ポリ公が来たら はい ビスコ!」。
ちなみにアニメ版では「ポリスが来たら はい 煎餅!」でした。
まぁパチンコの三店方式みたいなモン。
マルチはネズミ講を現金ではなく、間に商品を介在させることで法をかわしているだけで、やっていることは本質的にネズミ講と変わりません。
↓
それならお友達を誘う時に、「末端になるリスク」を説明するべきでしょう。
また、自分がこれから相手を踏み台にすること、相手もいずれ誰かを踏み台にするか、さもなければ養分となることを、きちんと説明するべきです。
それちゃんとやってる?
◉「不労所得が入ってくるよ」
↓
いや、マルチの営業でめちゃめちゃ働かされてますやん。
◉「うちの商品は問屋を通さないから安い。普通の商品は間に何軒も問屋が入ってるけど、うちは直接持ってくるから」
↓
えっ、「バックマージンが何代にも渡り入り続けるから儲かる」んやろ?
それって商品代金から何重にも抜かれてるってことやんな?
問屋を通すのとどうちゃうねん?
◉「絶対儲かる」
◉「動いた分だけ身入りになる」
◉「自分が社長」
↓
それって「最低賃金の支払いも、社会保障も、何もない」ってコトやろ?
「動いた分だけ丸損する」ことの方が多いやろ。
そういうリスクはちゃんと説明しないと。
昔、某牛丼チェーンが「アルバイトでも店長になれる」みたいな広告を出してました。
一見すると夢のある話に見えます。
でもそれって「店長としての重責を負わせておいて、待遇は非正規雇用」ってコトじゃねーの?
最近は理髪店を展開してるQBハウスで「入社したと思ったら、雇用関係ではなく本部と契約してる個人事業主扱いだったでござる」という事件があって炎上しました。
そんな立場に自分からなりに行くとはナイス度胸。
「一国一城の主!」とか夢を見てるのかもしれませんが…個人事業主というのは、事故って怪我しても本部に何もしてもらえないUber Eatsの配達員と同じ立場ですよ?
ちなみに後述しますが、マルチ商法では薬機法(旧薬事法)違反の説明が後を絶ちません。
ところが子ネズミちゃんは先輩の受け売りと渡されたマニュアル通りに営業トークしただけのつもりなので悪意はなかったりします。
しかし本部はそれらを野放しにして利用しておきながら「個人事業主が勝手にやったこと」として尻尾切り。
個人事業主はこういう弱い立場なのです。
◉「うちの商品は素晴らしい」
↓
マルチにとって商品とは「現金で直接やりとりすると捕まっちゃうから介在させてるだけの媒介物」に過ぎません。
それのクオリティーとかどうでもええわ。
そんなん「うちの賭場で使てるビスコは小麦胚芽入りのええ奴やで」みたいなことでしかないやん…
パチンコする時に「景品の文鎮がデラックスやしここのホールで打つか~!」とはならんやろ…
そもそもそんなに商品力があるなら、マルチの具になどせずに普通に市場に出せばバカ売れする筈なんじゃ…?
通販番組で売ってる高枝切りバサミとか高圧洗浄機とか野菜スライサーとかの共通点って何だか分かりますか?
それは結局のところ「必需品ではない」というところなんですよ。
あれ別になくても死なない、あんま困らない。
マルチもそうで、圧力鍋とか浄水器とか健康食品とかシャンプーとか、なくても困らない・市販の商品で充分なものが多いですよね。
中には高品質だったものもありますが、結局は後発の商品に追いつかれてます。
タッパーウェアなんかはもともとホームパーティー商法のマルチで普及しましたが、今どきわざわざマルチでタッパー買う人もいないでしょ…100均にいくらでもあるのに。
◉「このサプリ凄いの。癌やエイズも治るんだよ」
↓
許可なくそういう効能を謳うのは薬機法(旧薬事法)違反です。捕まるよ。マジで。
◉「では今から、商品の素晴らしさを証明する実験をしま~す」
マルチは大抵、「友人に呼ばれてカフェやファミレスに行ったら、その友人と知らない人がいて話を始める」という形で勧誘してきます。
あるいは飲み会やバーベキューなどに誘われて、行ってみたら知らない人がいっぱいいて勧誘される…といった場合もあります。
その時点で怪しさ大爆発ですが、知らない人を次々と紹介され、その人達がフレンドリーですぐ友達になってくれ、おまけに新たなビジネスにもいくらでも協力する、とか言われると悪い気はしないかもしれません。
特に友人が少ないと人の情けが身に沁みますよね。
でもよく考えてみてください。
「友達」というのは利害を超えた友情で結びつき、対等で横並びな関係の筈です。
一方マルチを介した関係は、利害に基づくビジネスを介した、キックバックを受け取る「親」と、そのキックバックを払う「子」という縦の関係です。
「友達」は搾取せんやろ。
マルチはむしろ友情にヒビを入れることの方が多いでしょう。
実際、友情を壊す最も効率的な方法がマルチです。
これに引っかかり、あまつさえ周囲に被害を広げてしまった人は恨まれ、人間関係を切られます。
リスク管理のアンテナが敏感な人なら、マルチに手を出したと知った瞬間に手を切るでしょう。
全員から切られるよ。マジで。
◉「俺はのしあがる自信がある、一緒にやろう」
↓
そう思って始める人ばかりの中でのしあがるのは困難です。
地元では秀才だったので進学校に入ったらそこでは「秀才がデフォ」で、自分は「秀才界の凡人」であることを思い知らされた、という人はよくいますよね。
そんな中で実際にのしあがれるほど能力の高い人なら、一般企業内でもちゃんと評価されるなり、自分で起業するなりして成功できるのでは…?
そしてそういう頑張っちゃう子ネズミちゃんは「もうちょっと売り上げたらランクが上がってマージン率がアップするから、ここが頑張りどころ!」とか言って自腹で商品を買い込み、不良在庫を抱えることになりがち~。
その人の自宅、廊下とかにシャンプーの入った段ボールが積み上がったりしてませんか?
勧誘などなかなか上手くいくものではありません。
はじめは周囲の近しい人から勧誘していくのでそれなりに売れるかもしれませんが、あっという間に人脈が尽きて頭打ちになります。
保険会社に就職すると厳しい営業ノルマを課せられ、とりあえず親戚にお願いしてなんとかするけどそこから先が伸びないのと同じです。
キックバックの権利を手にして不労所得でウハウハ生活を送るには相当数の勧誘に成功する必要がありますが、そこまで届いた人が全体の何%いるのでしょうか?
◉「マルチで成功してベンツを買った先輩がいる」
↓
子ネズミちゃんはしきりにこういう景気の良い話をしてきますが、ああいうのは羽振りの良いところを見せるために無理して借金で中古ベンツを買ってたりするので要注意。
ホストが分不相応な高級時計やライターを身に着けてるのと変わりません。
そういった生活を10年単位で続けてる先輩がいたら紹介して下さい。
超幹部になるとそういう生活をしてる人もいるのかもしれませんが、そうなれる確率は1%以下だし、そういう人は大体初期メンバーです。
今から参入しても間に合いません。
◉「俺、湖のほとりのマンションの最上階、全部買い切ろうと思ってるねん」
↓
これは私の周囲の子ネズミちゃんが実際に言ってた台詞です。
同じグループに
「私はこれから3年で3億稼ぐ!」
って言ってた子もいましたな。
あれから随分経ちましたが、彼らが夢を実現したという話は聞きません。
まだ手にした訳でもない成果を自慢してくる謎ムーヴで勧誘してくるとかナイス度胸。
ああいう人たちは妙なポジティブシンキングにかぶれて、
「先に手に入れた体で発言しとくと、後から現実化する」
という言霊信仰をしてたりしがち…傍から見ると獲らぬ狸の皮算用システム。
ゲームセンターに行くと、今にも縁からこぼれそうなコインの滝みたいなやつありますよね。
「ペニーフォール」っていうやつ。
アレ、いかにもコインを数枚入れれば数十枚が押し出されて崩れ、滝の様に降ってきそうじゃないですか。
冷静に考えると、入れたコインは隙間に吸収され、平均的には出力は入力を下回る筈なんですよね。
パチンコやスロットマシーン等もこのペニーフォールと同じで、いかにも勝てそうに見えながら、実際は平均的には店側が儲かる様に出来ています。
これらのギャンブリング・マシーンは「ヒトは確率計算が苦手」という性質に付け込み、お金を巻き上げるために存在しているのです。
マルチもそう。
頑張れば達成できる様に見えても、絶妙に無理な目標値が設定されてて、なかなかランクが上がらない仕組みです。
◉「え、良いと思ったものを友達に薦めるのは普通のことでしょ?」
↓
友達は仲介料を貰ったり、それ目当てで執拗に薦めてきたりしねぇよ。
◉「ポジティブに生きようよ」
↓
マルチはポジティブシンキングや自己啓発といった疑似宗教と一体になっています。
成功を確信させ、周囲を勧誘させるためには、「為せば成る」といった前向きな考え方を吹き込み、洗脳するのが効果的だからです。
こんなん「違法ドラッグじゃなくて脱法ドラッグだからセーフ」言うてる様なモンやんけ。
『じゃりン子チエ』に、賭場で現金を直接やりとりせず「ビスコを賭けてるだけ」という体で法をかわそうとするシーンがあります。
合言葉は「ポリ公が来たら はい ビスコ!」。
ちなみにアニメ版では「ポリスが来たら はい 煎餅!」でした。
まぁパチンコの三店方式みたいなモン。
マルチはネズミ講を現金ではなく、間に商品を介在させることで法をかわしているだけで、やっていることは本質的にネズミ講と変わりません。
なので破綻が確約されてます。
この話をすると子ネズミちゃん達は必ず「マルチはネズミ講じゃないよ」と言いますが、コレは「脱法であって違法ではない」程度の話に過ぎません。
じゃあ本質的な違いは何かと聞くと、結局根拠はないので「とにかく違う」と強弁することになります。
有名なトコでは、芸能人が『違うよ。全然違うよ。』『全然違うよ。全く関係ないよ。』と言い張るだけという、謎の説明をしていた事例↓が。
【ニコニコ大百科】
『違うよ。全然違うよ。』
https://dic.nicovideo.jp/a/%E9%81%95%E3%81%86%E3%82%88%E3%80%82%E5%85%A8%E7%84%B6%E9%81%95%E3%81%86%E3%82%88%E3%80%82
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2007年3月頃、ネット上にて「globeのマーク・パンサー」が怪しい商売を始めた。という情報が流れた。
その噂は本当で、東京都渋谷区の会社「MARC-2」の副社長をマークが務めているということが判った。
そして、同社が販売している「アンデスAZ(アズ)ジュース」という健康飲料の販売方法が明らかにマルチ商法(MLM)だったのだろう、なんと同社HPの中に「MLMとねずみ講の違い」について解説するQ&Aのページが存在した。そこで質問に応じていたのがマーク氏であった。(ページには顔写真まで付いていた)
下がその問答の一部である
■MLMについてマーク副社長が分かりやすく解説します。
Q.MLMって危ないんじゃないの?
A.なんで?危なくないよ
Q.だって合法なの?
A.もちろん合法だよ
Q.なんで?だってマルチレベルマーケティングということはマルチ商法なんでしょ?
A.違うよ。全然違うよ。
Q.でも、ねずみ講なんでしょ?
A.全然違うよ。全く関係ないよ。
Q.へー、じゃあ、MLMとねずみ講の違いは何なの?
A.じゃあ、簡単に説明してあげるよ。まず、ねずみ講は非合法です。 お金だけの配当システムで売る商品が存在していないか、紙切れ一枚、ホームページだったりすんだ。 そのようなものを、ねずみ算式に広めていくところからねずみ講と言う名前がついたんだ。 これは非合法。捕まっちゃいます。でもMLMというのは商品が存在するんだ。存在する商品を紹介を使って広めていくビジネスなんだよ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…「ビスコを介在させてるからセーフ!」理論ですね。
こんなん信用するのは「な~んにもしないから! 先っちょだけだから!」というのを信用するのと一緒やろ…。
ネズミ講がいろいろアウトなのは最初に語りました。
これを「ポリ公が来たら はい ビスコ!」で脱法してるのがマルチなんですね。
そんなん、倫理的にもビジネス的にも手出して大丈夫な訳ないやん。
◉「だったら俺たちは上層部の美味しい側になればいい」
この話をすると子ネズミちゃん達は必ず「マルチはネズミ講じゃないよ」と言いますが、コレは「脱法であって違法ではない」程度の話に過ぎません。
じゃあ本質的な違いは何かと聞くと、結局根拠はないので「とにかく違う」と強弁することになります。
有名なトコでは、芸能人が『違うよ。全然違うよ。』『全然違うよ。全く関係ないよ。』と言い張るだけという、謎の説明をしていた事例↓が。
【ニコニコ大百科】
『違うよ。全然違うよ。』
https://dic.nicovideo.jp/a/%E9%81%95%E3%81%86%E3%82%88%E3%80%82%E5%85%A8%E7%84%B6%E9%81%95%E3%81%86%E3%82%88%E3%80%82
2007年3月頃、ネット上にて「globeのマーク・パンサー」が怪しい商売を始めた。という情報が流れた。
その噂は本当で、東京都渋谷区の会社「MARC-2」の副社長をマークが務めているということが判った。
そして、同社が販売している「アンデスAZ(アズ)ジュース」という健康飲料の販売方法が明らかにマルチ商法(MLM)だったのだろう、なんと同社HPの中に「MLMとねずみ講の違い」について解説するQ&Aのページが存在した。そこで質問に応じていたのがマーク氏であった。(ページには顔写真まで付いていた)
下がその問答の一部である
■MLMについてマーク副社長が分かりやすく解説します。
Q.MLMって危ないんじゃないの?
A.なんで?危なくないよ
Q.だって合法なの?
A.もちろん合法だよ
Q.なんで?だってマルチレベルマーケティングということはマルチ商法なんでしょ?
A.違うよ。全然違うよ。
Q.でも、ねずみ講なんでしょ?
A.全然違うよ。全く関係ないよ。
Q.へー、じゃあ、MLMとねずみ講の違いは何なの?
A.じゃあ、簡単に説明してあげるよ。まず、ねずみ講は非合法です。 お金だけの配当システムで売る商品が存在していないか、紙切れ一枚、ホームページだったりすんだ。 そのようなものを、ねずみ算式に広めていくところからねずみ講と言う名前がついたんだ。 これは非合法。捕まっちゃいます。でもMLMというのは商品が存在するんだ。存在する商品を紹介を使って広めていくビジネスなんだよ。
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…「ビスコを介在させてるからセーフ!」理論ですね。
こんなん信用するのは「な~んにもしないから! 先っちょだけだから!」というのを信用するのと一緒やろ…。
ネズミ講がいろいろアウトなのは最初に語りました。
これを「ポリ公が来たら はい ビスコ!」で脱法してるのがマルチなんですね。
そんなん、倫理的にもビジネス的にも手出して大丈夫な訳ないやん。
◉「だったら俺たちは上層部の美味しい側になればいい」
↓
それならお友達を誘う時に、「末端になるリスク」を説明するべきでしょう。
また、自分がこれから相手を踏み台にすること、相手もいずれ誰かを踏み台にするか、さもなければ養分となることを、きちんと説明するべきです。
それちゃんとやってる?
◉「不労所得が入ってくるよ」
↓
いや、マルチの営業でめちゃめちゃ働かされてますやん。
◉「うちの商品は問屋を通さないから安い。普通の商品は間に何軒も問屋が入ってるけど、うちは直接持ってくるから」
↓
えっ、「バックマージンが何代にも渡り入り続けるから儲かる」んやろ?
それって商品代金から何重にも抜かれてるってことやんな?
問屋を通すのとどうちゃうねん?
◉「絶対儲かる」
◉「動いた分だけ身入りになる」
◉「自分が社長」
↓
それって「最低賃金の支払いも、社会保障も、何もない」ってコトやろ?
「動いた分だけ丸損する」ことの方が多いやろ。
そういうリスクはちゃんと説明しないと。
昔、某牛丼チェーンが「アルバイトでも店長になれる」みたいな広告を出してました。
一見すると夢のある話に見えます。
でもそれって「店長としての重責を負わせておいて、待遇は非正規雇用」ってコトじゃねーの?
最近は理髪店を展開してるQBハウスで「入社したと思ったら、雇用関係ではなく本部と契約してる個人事業主扱いだったでござる」という事件があって炎上しました。
そんな立場に自分からなりに行くとはナイス度胸。
「一国一城の主!」とか夢を見てるのかもしれませんが…個人事業主というのは、事故って怪我しても本部に何もしてもらえないUber Eatsの配達員と同じ立場ですよ?
ちなみに後述しますが、マルチ商法では薬機法(旧薬事法)違反の説明が後を絶ちません。
ところが子ネズミちゃんは先輩の受け売りと渡されたマニュアル通りに営業トークしただけのつもりなので悪意はなかったりします。
しかし本部はそれらを野放しにして利用しておきながら「個人事業主が勝手にやったこと」として尻尾切り。
個人事業主はこういう弱い立場なのです。
◉「うちの商品は素晴らしい」
↓
マルチにとって商品とは「現金で直接やりとりすると捕まっちゃうから介在させてるだけの媒介物」に過ぎません。
それのクオリティーとかどうでもええわ。
そんなん「うちの賭場で使てるビスコは小麦胚芽入りのええ奴やで」みたいなことでしかないやん…
パチンコする時に「景品の文鎮がデラックスやしここのホールで打つか~!」とはならんやろ…
そもそもそんなに商品力があるなら、マルチの具になどせずに普通に市場に出せばバカ売れする筈なんじゃ…?
通販番組で売ってる高枝切りバサミとか高圧洗浄機とか野菜スライサーとかの共通点って何だか分かりますか?
それは結局のところ「必需品ではない」というところなんですよ。
あれ別になくても死なない、あんま困らない。
マルチもそうで、圧力鍋とか浄水器とか健康食品とかシャンプーとか、なくても困らない・市販の商品で充分なものが多いですよね。
中には高品質だったものもありますが、結局は後発の商品に追いつかれてます。
タッパーウェアなんかはもともとホームパーティー商法のマルチで普及しましたが、今どきわざわざマルチでタッパー買う人もいないでしょ…100均にいくらでもあるのに。
◉「このサプリ凄いの。癌やエイズも治るんだよ」
↓
許可なくそういう効能を謳うのは薬機法(旧薬事法)違反です。捕まるよ。マジで。
◉「では今から、商品の素晴らしさを証明する実験をしま~す」
↓
子ネズミちゃんが勧誘先で行うのは科学的実験ではなく「デモンストレーション」や「プレゼンテーション」「パフォーマンス」の類です。
「ウチの洗剤は薄めても、濃い目の市販洗剤よりよく落ちる!」
とか言ってコップの水でハンカチを洗ってみせたり。
実はその市販洗剤は濃度が高すぎると洗浄力がガタ落ちになるのを利用してるだけ、とかね。
私が子ネズミちゃんに見せられたのは、水道水をコップに取り、テスターを突っ込んで通電すると何やら汚いものが出てきて「ほら、水道水にはこんなに不純物が!」という謎実験。浄水器を通した水だと「不純物」が出てこない、というやつでしたが…
この↓自治体の公式サイトによれば…
【藍住町】
『浄水器などの悪質な訪問販売が多発しています』
https://www.town.aizumi.lg.jp/docs/2014011000049/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
事例1
「水道水の検査をするから、コップの水をください。」と言って訪れ、テスター(電気器具)の電極を水道水に入れ、水の電気分解を行い、鉄の電極棒から鉄が溶けだしてできる茶色の沈殿を見せることによって、「健康に有害なものが含まれている」と水道水に対する不安をあおる例があります。そして、「このように純水器を通した水は有害物質が除去されるので、安全な水になる」と宣伝することがあります。
純水器を通した水は純水に近い水となり電気を通しにくく、電気分解が進まないため沈殿ができません。しかし、水道水はおいしい水の要件にもなっているカルシウムやマグネシウムなどを含んでおり電気を通すので、電気分解が進み電極棒が溶け出して沈殿ができます。なお、電極に使用する金属の種類によって沈殿が緑色に変化する場合もあります。
事例2
有害なものを調べる試薬と称して、オルトトリジンを水道水に入れて黄色に変化させ、「水道水にこのような色が付くのは、健康に有害なものが含まれている証拠であり、浄水器を通せば安全な水になる」と宣伝することがあります。
オルトトリジン法による残留塩素の比色法をお客様に見せているにすぎません。浄水器により残留塩素の無くなった水は発色しません。なお、ピンク(赤)に変化する薬品もあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…うん、詐欺ですね。
捕まるよ。マジで。
◉「友達がいっぱいできるよ!」
↓子ネズミちゃんが勧誘先で行うのは科学的実験ではなく「デモンストレーション」や「プレゼンテーション」「パフォーマンス」の類です。
「ウチの洗剤は薄めても、濃い目の市販洗剤よりよく落ちる!」
とか言ってコップの水でハンカチを洗ってみせたり。
実はその市販洗剤は濃度が高すぎると洗浄力がガタ落ちになるのを利用してるだけ、とかね。
私が子ネズミちゃんに見せられたのは、水道水をコップに取り、テスターを突っ込んで通電すると何やら汚いものが出てきて「ほら、水道水にはこんなに不純物が!」という謎実験。浄水器を通した水だと「不純物」が出てこない、というやつでしたが…
この↓自治体の公式サイトによれば…
【藍住町】
『浄水器などの悪質な訪問販売が多発しています』
https://www.town.aizumi.lg.jp/docs/2014011000049/
事例1
「水道水の検査をするから、コップの水をください。」と言って訪れ、テスター(電気器具)の電極を水道水に入れ、水の電気分解を行い、鉄の電極棒から鉄が溶けだしてできる茶色の沈殿を見せることによって、「健康に有害なものが含まれている」と水道水に対する不安をあおる例があります。そして、「このように純水器を通した水は有害物質が除去されるので、安全な水になる」と宣伝することがあります。
純水器を通した水は純水に近い水となり電気を通しにくく、電気分解が進まないため沈殿ができません。しかし、水道水はおいしい水の要件にもなっているカルシウムやマグネシウムなどを含んでおり電気を通すので、電気分解が進み電極棒が溶け出して沈殿ができます。なお、電極に使用する金属の種類によって沈殿が緑色に変化する場合もあります。
事例2
有害なものを調べる試薬と称して、オルトトリジンを水道水に入れて黄色に変化させ、「水道水にこのような色が付くのは、健康に有害なものが含まれている証拠であり、浄水器を通せば安全な水になる」と宣伝することがあります。
オルトトリジン法による残留塩素の比色法をお客様に見せているにすぎません。浄水器により残留塩素の無くなった水は発色しません。なお、ピンク(赤)に変化する薬品もあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…うん、詐欺ですね。
捕まるよ。マジで。
◉「友達がいっぱいできるよ!」
マルチは大抵、「友人に呼ばれてカフェやファミレスに行ったら、その友人と知らない人がいて話を始める」という形で勧誘してきます。
あるいは飲み会やバーベキューなどに誘われて、行ってみたら知らない人がいっぱいいて勧誘される…といった場合もあります。
その時点で怪しさ大爆発ですが、知らない人を次々と紹介され、その人達がフレンドリーですぐ友達になってくれ、おまけに新たなビジネスにもいくらでも協力する、とか言われると悪い気はしないかもしれません。
特に友人が少ないと人の情けが身に沁みますよね。
でもよく考えてみてください。
「友達」というのは利害を超えた友情で結びつき、対等で横並びな関係の筈です。
一方マルチを介した関係は、利害に基づくビジネスを介した、キックバックを受け取る「親」と、そのキックバックを払う「子」という縦の関係です。
「友達」は搾取せんやろ。
マルチはむしろ友情にヒビを入れることの方が多いでしょう。
実際、友情を壊す最も効率的な方法がマルチです。
これに引っかかり、あまつさえ周囲に被害を広げてしまった人は恨まれ、人間関係を切られます。
リスク管理のアンテナが敏感な人なら、マルチに手を出したと知った瞬間に手を切るでしょう。
全員から切られるよ。マジで。
◉「俺はのしあがる自信がある、一緒にやろう」
↓
そう思って始める人ばかりの中でのしあがるのは困難です。
地元では秀才だったので進学校に入ったらそこでは「秀才がデフォ」で、自分は「秀才界の凡人」であることを思い知らされた、という人はよくいますよね。
そんな中で実際にのしあがれるほど能力の高い人なら、一般企業内でもちゃんと評価されるなり、自分で起業するなりして成功できるのでは…?
そしてそういう頑張っちゃう子ネズミちゃんは「もうちょっと売り上げたらランクが上がってマージン率がアップするから、ここが頑張りどころ!」とか言って自腹で商品を買い込み、不良在庫を抱えることになりがち~。
その人の自宅、廊下とかにシャンプーの入った段ボールが積み上がったりしてませんか?
勧誘などなかなか上手くいくものではありません。
はじめは周囲の近しい人から勧誘していくのでそれなりに売れるかもしれませんが、あっという間に人脈が尽きて頭打ちになります。
保険会社に就職すると厳しい営業ノルマを課せられ、とりあえず親戚にお願いしてなんとかするけどそこから先が伸びないのと同じです。
キックバックの権利を手にして不労所得でウハウハ生活を送るには相当数の勧誘に成功する必要がありますが、そこまで届いた人が全体の何%いるのでしょうか?
◉「マルチで成功してベンツを買った先輩がいる」
↓
子ネズミちゃんはしきりにこういう景気の良い話をしてきますが、ああいうのは羽振りの良いところを見せるために無理して借金で中古ベンツを買ってたりするので要注意。
ホストが分不相応な高級時計やライターを身に着けてるのと変わりません。
そういった生活を10年単位で続けてる先輩がいたら紹介して下さい。
超幹部になるとそういう生活をしてる人もいるのかもしれませんが、そうなれる確率は1%以下だし、そういう人は大体初期メンバーです。
今から参入しても間に合いません。
◉「俺、湖のほとりのマンションの最上階、全部買い切ろうと思ってるねん」
↓
これは私の周囲の子ネズミちゃんが実際に言ってた台詞です。
同じグループに
「私はこれから3年で3億稼ぐ!」
って言ってた子もいましたな。
あれから随分経ちましたが、彼らが夢を実現したという話は聞きません。
まだ手にした訳でもない成果を自慢してくる謎ムーヴで勧誘してくるとかナイス度胸。
ああいう人たちは妙なポジティブシンキングにかぶれて、
「先に手に入れた体で発言しとくと、後から現実化する」
という言霊信仰をしてたりしがち…傍から見ると獲らぬ狸の皮算用システム。
ゲームセンターに行くと、今にも縁からこぼれそうなコインの滝みたいなやつありますよね。
「ペニーフォール」っていうやつ。
アレ、いかにもコインを数枚入れれば数十枚が押し出されて崩れ、滝の様に降ってきそうじゃないですか。
冷静に考えると、入れたコインは隙間に吸収され、平均的には出力は入力を下回る筈なんですよね。
パチンコやスロットマシーン等もこのペニーフォールと同じで、いかにも勝てそうに見えながら、実際は平均的には店側が儲かる様に出来ています。
これらのギャンブリング・マシーンは「ヒトは確率計算が苦手」という性質に付け込み、お金を巻き上げるために存在しているのです。
マルチもそう。
頑張れば達成できる様に見えても、絶妙に無理な目標値が設定されてて、なかなかランクが上がらない仕組みです。
◉「え、良いと思ったものを友達に薦めるのは普通のことでしょ?」
↓
友達は仲介料を貰ったり、それ目当てで執拗に薦めてきたりしねぇよ。
◉「ポジティブに生きようよ」
↓
マルチはポジティブシンキングや自己啓発といった疑似宗教と一体になっています。
成功を確信させ、周囲を勧誘させるためには、「為せば成る」といった前向きな考え方を吹き込み、洗脳するのが効果的だからです。
というか、歴史的には自己啓発セミナーの起源はマルチだったり。
しかし彼らの目指す「成功」とは、結局のところ「お金」でしかありません。
そのナマナマしさを消すために「やりがい」や「友達」を前面に押し立ててきますが…
一見キラキラした港区女子のインスタも、それぞれはマウント取られて歯噛みし、マウント取り返すために背伸びしたり、自分の生活の幸福そうに見える部分だけを切り取って加工してたりしがち。
宗教団体もニコニコ幸せそうな顔で近寄ってきますが、裏では出世争いや派閥争いでドロドロしがち。
ましてやバックマージンという、直接の利害が絡み合うマルチの内部がそんなにキラキラしてる訳ないよね…。
そんな人たちが方便で唱えるポジティ・シンキングなんて信じられます…?
◉「夢を邪魔する人にはならないで」
↓
子ネズミちゃんは「あ、コイツは仲間に引き込めねぇな」と悟ると離れようとしますが、周囲にマルチに対して懐疑的な情報をバラ撒かれると困るので、
「あなたが入らないと決断したのならもういい。でも他の人の夢を邪魔するのはやめてね」
等と釘を刺してくることがあります。
え、自分たちは好き勝手な寝言ポエムを周囲に吹き込みまくってるのに、反対意見は耳に入れさせないのかよ!
マルチははしかと同じです。
ウィルスに冒され、熱に浮かされた人が周囲に広めていく…しかし得をするのは次の宿主を見つけ広がることに成功した当のウィルスだけで、罹った本人は何も得をしません。
マルチの甘い囁きに引っかかる人の多くは社会経験のない大学生です。
どこかから入ってきて学内に燎原の火のごとく広がり、やがて勢いを失って終息しますが、それまでにどこか別の大学に飛び火します。
実際その様子は幼稚園から別の幼稚園に飛び火する「はしか」にそっくりです。
そして子ネズミちゃんは射幸心や淋しさに付け入ってきますが、特に末端に行くほど一人ひとりは善意で本気のことが多いでしょう。
彼らもまた被害者です。
しかし同時に加害者でもあるということは忘れてはならないことです。
あと最後に一番大事なことを。
もし相手に「ネズミ講じゃないよ~」とか「マルチじゃないよ~」とか言われても、説明の中で↓こんな図が出てきたらダッシュで逃げて~!

こういう人達がヤバいことは「いらすとや」のネタにすらなってるねんで?

※画像は「いらすとや」の「無限連鎖講のイラスト」(上)と「マルチ商法の勧誘のイラスト」(下)。
無限連鎖講とマルチ商法の仕組み(樹形図)には特に違いがない点に留意。
(00:14)
2022年05月05日
新型コロナの流行に伴い、もうひとつ蔓延したものがあります。
そう、アマビエです。
その人気は厚労省までがキャラクターに起用するほど。
ちなみに厚労省のマーク自体も「正面から見たアマビエ」もしくは「使徒トトロ」って感じ。

アマビエの様な、「異界から変な奴がやってきて予言をする」系の怪異を「予言獣」と呼びます。
ちなみに「異界から変な奴がやってきて家に居座る」系の怪異は「藤子・F・不二雄作品」です。
予言獣には件(クダン)とか神社姫とかアマビコとかヨゲンノトリとかいろいろいるのですが、全般的に漂うマイナー感。
そんなくすぶり妖怪の中でも特に日陰の身だったのがアマビエ。
なにしろ記録が1件しかない上、デザインにツッコみどころしかありません。
しかーし!
そのゆるキャラ然とした微笑ましいたたずまいと、「疫病を予言した」という実績を買われ、今や予言獣界一の出世頭に。
まぁ冷静に考えたら「アマビエの疫病予言が当たった」という記録はなかった気がしますが。
予言獣界隈は調べていくといろいろオモチロイ(水木しげる調)。
わりとトンデモさん(私も何度か取り上げました)の湯本豪一が意外にええ仕事をしてたり。
ていうか「予言獣」という言葉自体、豪一メイドだし。
あと『病と妖怪 ―予言獣アマビエの正体』という本を書いてるのが名作『定吉七番』シリーズの東郷隆だったり。
しかしこの予言獣たち、実はちょっと危険な存在かもしれません。
そもそも予言獣ブームの背景となった新型コロナを含むウィルスとは、どの辺が脅威なのでしょうか?
生物は代謝を行い、そのために必要ないろんな物質を外部から取り込んだり、細胞内にある自前の化学工場で生産しています。
しかしウィルスは違います。普段は代謝すらしてません。これでは「生きている」とは言えない感じ。
細胞が化学工場を含む巨大都市の様に複雑であるのに対し、ウィルスは一通の手紙の様なもの。
エンベロープ(封筒)の中に設計図が入ってるだけ。超シンプル。
しかしコレが細胞内に感染し、化学工場に設計図を押し込むと、工場側は「あれ? こんな部品あったけ? まぁいいや、図面通りに作って納品しとこ」となるのです。
しかも、そうやって細胞を乗っ取って作られるのが「人類を喰い殺す禍々しい姿のエイリアン」とかならまだ分かるのですが…
実際に作られるのは、大量のウィルスのコピー。つまり設計図に「この設計図を100枚コピーせよ」とか書いてある状態。超シンプル。
つまりこれ、「不幸の手紙」とか「幸福の手紙」とかのチェーンレターとかと同じ仕組みです。
ただ「『このメッセージをコピーせよ』というメッセージ」が広がるだけ。
誰も得しない。メッセージを信じて送った人も得しない。
ただこのメッセージ自体が世に広まっていく、それだけ。
擬人化して言えば、「得をするのはメッセージそれ自体」と言うことも出来ます。
しかし実際には、メッセージ自体はただの情報体で、広がろうといった意思すら持っていません。
それと同様に、ウィルスも別に「広がったろ!」とか「ヒトを苦しめたろ!」といった思考能力はない、ただの物質です。
しかし、増殖のためにウィルスや細菌が勝手なことをした結果、人体側が機能不全を起こすことがあります。
これが感染症です(ちなみに細菌もウィルスと同じく寄生者ですが、自前の細胞を持っています)。
あるいは…症状の一部は、より多くのコピーをばらまくためにウィルスや細菌が起こしているのかもしれません。
例えば咳やくしゃみは基本的には体が異物を排除するための仕組みですが、寄生者がより効率的に次の宿主に感染するために咳やくしゃみを誘発しているのかも…。
そうなるとあなたの咳やくしゃみは「あなたの行動」なのか「ウィルスの行動」なのかもはや分かりませんね。
勿論、ウィルスが意図を持っている訳ではなく、「たまたまそういう結果をもたらすウィルスは広まりやすい」というのを擬人的に表現しただけですが。
ともあれ、ウィルスはチェーンレターに似ています。
◉ウィルス:「この設計図をコピーしてばらまきなさい」
◉チェーンレター:「この手紙を写して知り合いに送りなさい」
…同じですね。
そして予言獣は…
◉アマビエ:「私の姿を写して人々に見せよ」
…新型コロナと同じ仕組みやん。
「敵と同じ力で対抗する」とか使徒 vs エヴァみたいでカッコイイですね。
しかもアマビエ、「私の姿を写して人々に見せよ」とは言ったけど、「そしたら病気を免れるよ!」とか「病気が平癒するよ!」とか1㎜も言ってない。ヤバい。
さらにアマビエは別の面でもチェーンレターに似てます。
昔、「不幸の手紙」の「不幸」の部分が筆記による書き写しを重ねるうちに二文字が合体して「棒」になり、「棒の手紙」になってしまった、という珍事がありました。
まぁ昔、紅茶キノコが人から人へと株分けされていくうちに本来の紅茶キノコは消え失せて雑菌の塊だけが伝達されていった、みたいなものでしょうか(よー分からんモンを余計に分からんモンで例える)。
アマビエも「アマビコ」の筆写ミスでは、と言われてます(コレを指摘したのが湯本豪一)。
ちなみに山の妖怪アマビコから海の妖怪アマビエへ変化する、中間種というか移行化石みたいな図も発見されてます。生物進化みたいで興味深い。
この「コピーミスや中間型が見つかる」というあたりもチェーンレターやウィルスそっくりですね。
変化と言えば…原図ではお世辞にも可愛いと言い難いアマビエが、流行るに伴い可愛くアレンジされていく様子は興味深かったです。
一般流通商品は開発に時間もかかるし、失敗できないのであまり思い切ったデザインにはなりにくいのですが、メルカリとかで売ってるハンドメイドのアマビエグッズはかなりフリーダム。
あっと言う間にベビーシェマ(幼児図形:可愛く感じやすい顔のパターン)に沿って可愛く変化を遂げていく様は圧巻でした。
進化生物学者のスティーヴン・ジェイ・グールドは進化論エッセイ「ミッキーマウスに生物学的敬意を」(『パンダの親指』所収)に於いて、ミッキーマウスのデザインが急速に可愛く変化していく様子を論じています(テディ・ベアでも同様の話をしてたり)。
アマビエも、民俗学あたりの研究者がメルカリの商品画像とか保存して論文化してくれたら面白いのに。
なお、私はいずれ博物館は「コロナ禍の時代にしきりに売買されていたアマビエグッズ」を収蔵するべきだと思っているので、それに備えてハンドメイドアマビエグッズをかなり蒐集しています。
話が逸れましたが、こういったチェーンメール式の「自己複製だけに特化した」情報体を『コピー・ミー・コード』と呼びます。
どういったものが含まれるかというと…ミーム学で合意の取れているものとしては、こんなところでしょうか。
◉ウィルス
◉コンピュータウィルス
◉宗教
◉チェーンレター
◉ネズミ講・マルチ商法
◉自己啓発セミナー
といったところでしょうか。
ちなみに自己啓発セミナーというのはあまりピンと来ないかもしれませんが、カリキュラムの中に『エンロール』という「セミナーへの勧誘」が組み込まれているのが常です。
いずれも「その情報を受け入れること」がそのまま「その情報自体の複製・再生産」に直結してますね。
そしてどれも社会害悪をもたらすものばかり…そりゃそうだ、コイツら「社会のため」ではなく「自己の複製と最大化のため」だけに存在してるんだもん。
ジョン・ホーガンはその著作『科学の終焉』において進化生物学者のリチャード・ドーキンスにインタビューを行い、こう描写しています。
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ドーキンスは、こんな内容の本を想像するように我々に言った。〈この本を信じなさい。そしてあなたの子供たちにも信じさせなさい。さもないと、あなたが死んだ時、きっと地獄と呼ばれるとても不快な所へ行くことになりましょうぞ…〉。「こういうのが、非常に有効な自己複製暗号(copy-me code)の一例だ。もちろん、指令をすぐ受け入れるほど馬鹿な奴はどこにもいない。『これを信じて、あなたの子供たちに信じるように言いなさい』なんて。もう少しさりげなく、もっとうまい方法で装いを凝らす必要がある。もちろん、私が何について話しているかお解かりでしょう」。もちろん。すべての宗教のように、キリスト教も、特に成功した連鎖手紙の例なのだ。他に何と言えるのか?
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あとこれらはチェーンレターの中に含まれるでしょうが、以下の3つも『コピー・ミー・コード』であると指摘しておきましょう。
◉SNSで行われるバトン
◉Twitterのリツイート機能
◉予言獣
…宗教批判で知られるドーキンスがTwitterに無批判どころか活用してるというのは、なかなかに不思議。
という訳で、アマビエは「疫病を鎮めるため」ではなく、「アマビエそれ自体の繁栄のため」に存在し、ウィルスと同じ仕組みで人々の脳から脳へと感染していく、恐るべき存在━━文化のウィルスなのです。
実際スペイン風邪が流行した当時、予言獣の絵を売り歩く人々に対して当時の政府は「人々を科学的治療の足を引っ張る迷信だ」的な扱いという塩対応。
◉大正時代の政府「クダンを写した絵で不幸を免れられる? 誰やそんなアコギな商売してんのは!」
◉令和の政府「アマビエ? いいじゃんいいじゃん、厚労省のサイトから図像をダウンロードできる様にしといたからどんどんコピってや!」
な ぜ な の か
今や日本はアマビエ天国。
【付記】
まぁ私も予言獣大好きだけどさ。
コロナ禍なのに「クダンのミイラ」と「アマビエの刷り物」の現物を見に姫路で行われた特別展『驚異と怪異-モンスターたちは告げる-』にも駆け付けたし。
それ以外の展示は大阪の国立民族学博物館で開催された『驚異と怪異――想像界の生きものたち』とほぼ変わらないのに。
我ながらご苦労なこっちゃ…しかし大満足。
ちなみにクダンのミイラは主催者サイドの「伝承通り、似姿を写真に撮って拡散してね!」的な方針により撮影可。
もちろん撮りまくった。
【オマケ】
アランジアロンゾのアマビエが西原理恵子が描いた様にしか見えないのは私だけでしょうか?


【関連するエントリ】
《ウィルス》
ウィルスの存在理由http://wsogmm.livedoor.blog/archives/12835597.html
《アマビエ》
「アマビエのミイラ」の正体http://wsogmm.livedoor.blog/archives/13905891.html
《湯本豪一》
戦慄の猫鬼研究会http://wsogmm.livedoor.blog/archives/13906195.html猫鬼研究会 アペンディックス
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/13907119.html
ウィルスの存在理由http://wsogmm.livedoor.blog/archives/12835597.html
《アマビエ》
「アマビエのミイラ」の正体http://wsogmm.livedoor.blog/archives/13905891.html
《湯本豪一》
戦慄の猫鬼研究会
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/13907119.html
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