2021年03月31日
自民のダーウィン誤引用問題、引っ張ります。
今回のお題は「Twitter上で専門家はどう述べていたのか」です。
↓ご覧ください。
このツイートは大変バズった模様。

よくある誤解へは↓この問答が模範解答かと。

さらにこうも。

ところがこんな人も…。

…誰かと思ったら橋本琴枝やんけ!
しかし御大が登場して瞬殺。

ちなみに矢原徹一といえばハミルトンの唱えた「有性生殖における赤の女王」を植物で実証した人物。
「赤の女王仮説」とは『不思議の国のアリス』におけるこんな台詞に由来します。
アリス 「あら、どうして? まだわたしたち元のところにいるわ?」
赤の女王「お前はどうあってほしいのだ?」
アリス 「わたしの国では、こんなに長い時間走ったら、大抵どこか ほかの所に着くわ」
赤の女王「それはのろまな国だな。いいか、ここでは、同じ所にいようと思えば力の限り走るのだ。で、どこかほかへ行きたければ、その二倍の早さで走らねばならぬ」
例えば捕食者と被食者の間に起きる軍拡競争では、片方が何かを改善するともう片方もそれに追いすがってきます。
ウサギが走る速度を向上させるとキツネもそうする、みたいに。
つまり改善しても別段有利になる訳ではなく、アドバンテージは改善前と変わらないのですね。
でも停滞すると出し抜かれて絶滅しちゃいます。
赤の女王の台詞はそれを上手く表しています。
「同じ所にいようと思えば力の限り走る」しかないのです。
W.D.ハミルトンは「性の起源」という難問が同様の原理で説明できることに気付きました。
有性生殖では子供は自分のゲノムのまるごとコピーではなく、セックスパートナーの遺伝子に半分汚染されることになります。
何故わざわざそんな効率の悪いことをするのでしょうか?
それは遺伝子を毎世代組み替えることで寄生者が感染してくるのを振り切るためではないのか? とハミルトンは考えました。
毎日キーワードを変えるとパソコンの安全性が向上する様に。
この辺は「変化し続けることが重要」と言ってる訳で、「生き残れるのは変化できるものだけ」というダーウィンが言ってないのに広まっちゃった例の言葉とは親和性があります。
が、思い出してほしいのはこれは進化論全般に当て嵌まる話ではなく、種間の軍拡競争の話だということです。
矢原徹一はハミルトンの説を実証した人物だけに、それが当て嵌まる範囲とそうでない範囲をきちんと区別している、ということでしょう。
(17:11)








