2021年03月03日


進化論系トンデモの女王・竹内久美子が保守系雑誌『別冊正論』に記事を書いてるのですが、コレがすごい。 
トンデモさん・ミーツ・ネトウヨさん、とでも言うべきシロモノです。 
まぁネトウヨさんはもともと「政治的トンデモさん」だし、くみっきーはもともと右寄りな人ではあった訳ですが…いろいろこじらせすぎ! 

載ってるのは『別冊正論31「日本型リベラル」の化けの皮』。 
ここに「動物学で日本型リベラルを看ると―睾丸が小さい男はなりやすい!! 政治から学界まで本能の為せるワザ」なる記事を寄稿。 


『正論31』の記事の要約。 
   ↓ 
【産経ニュース】
『【正論】「日本型リベラル」の真相は何か  動物行動研究家 エッセイスト 竹内久美子』

https://www.sankei.com/smp/politics/news/180328/plt1803280010-s1.html

こちらでは「睾丸」とは書きにくいのか、「テストステロン」に言い換え。 


記事への批判 
   ↓ 

【リテラ】
『産経が「リベラルの男はキンタマ小さい」なる説を堂々掲載! 筆者の竹内久美子はデタラメ動物行動学でLGBT差別やレイプも正当化』

https://lite-ra.com/i/2018/03/post-3918.html

生物学界の重鎮、粕谷英一・伊藤嘉昭による批判までフォローしててびっくり。 


【NAVERまとめ】
『産経正論・竹内久美子氏「動物学で日本型リベラルを看ると―睾丸が小さい男はなりやすい!!」がすごい模様』

https://matome.naver.jp/odai/2152211345676774201
(現在はサービス終了によるリンク切れ)



このムック、一応買ったんですが書店でレジに出すのも恥ずかしかったし、私がドーキンスを知ったきっかけが高校生の頃にハマったこの人の本だというのも恥ずかしい… 
あと『正論』の表紙にはフジサンケイグループの目玉マークが刷り込んであるのですが、フジTV嫌いのネトウヨさんってコレ見て疑問を抱かないんでしょーか…。 




竹内久美子がどういう人かはこの辺を参照。 


『竹内久美子:女のオヤジ』
山形浩生 

https://cruel.org/takarajima/takeuchi.html


『「シンメトリーな男」で詫び状』
http://www.ne.jp/asahi/miyano/miyano/trash/symmetry.htm



記事を要約してみます。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【ヒトの本能的な浮気を隠す研究者】 
・動物行動学・進化生物学にも日本型リベラルの科学者が多い
・有名な研究者は「人間の婚外交渉や精子間競争についてくわしくはわかってません」と言ってるけど、そんな訳ないやん 

【本能的な商売・売春をも隠蔽】  
・改竄・捏造・妨害がある 
・先の研究者「カンジャール族の収入源は歌や踊りやおもちゃ作りなので女の子が生まれると喜ぶ」 
 →何かおかしくね?→原著論文を調べたら一番の収入源は売春。隠蔽やん…論文の著者が知ったら憤慨するやろなぁ… 

【自分の思想に合わない研究は妨害】 
・さらに先の研究者はヒトのシンメトリー研究を評価せず、「今や影をひそめた」 とまで言ってる
 →主要な論文が出尽くし、やるべきことがやり尽くされただけやん 

・日高敏隆と左派のI氏が、シンメトリー研究も、人間について研究することもまかりならん、と妨害してきた 
・人間の研究をしたかった男子学生がI氏や配下に阻まれ別の分野に鞍替えしたことも 

【捏造・改竄も横行の学界に見切り】 
・この現実を知り学者になるのをやめた 
・なぜ共産主義・社会主義が幻想とわかっても理想と思想にしがみつく人がいるのか 
・ルイセンコ学説についての解説 
(要するにソ連が思想によって科学を歪めたという話) 

【モテない男が癒される共産主義】 
・共産主義の理想は「貧富の差がない」「平等」 
 →私には「稼ぎのいい男・モテる男がいるのはけしからん」に聞こえる 
  モテない男に心地よい、都合のいい思想 

【睾丸小さいとイクメン度高い傾向】 
・睾丸はニグロイド・コーカソイド・モンゴロイドの順に重い
・乱婚制のチンパンジーではさらに重いが、これは乱婚制では精子の質と量がものをいうから 
・人間は浮気の程度が睾丸の大きさの違いとして現れている。
 モンゴロイドは最も浮気が起こりにくい人種 
・睾丸サイズの大きい男は女性関係も派手でモテる傾向がある(ソースあり) 
・睾丸の小さい男は子の世話をよくしイクメン度が高い 

【サイズが小さい日本人男にフィット】 
・日本人の男は睾丸が小さい 
・共産主義・社会主義は睾丸サイズの小さい、モテない男にフィットした思想なので日本人の男は惹かれやすい 
・共産党が未だに存在する国でよく知られているのは中国・北朝鮮・日本、いずれもモンゴロイドで睾丸が小さい傾向にあるからでは? 
・キューバも共産主義だが、睾丸は小さくないはず。地政学的な問題による、本物ではない「なんちゃって共産主義」のようなものでは? 
・日本人にも個体差があり、特に睾丸が小さく浮気しないタイプの男が日本型リベラルの核になっているのでは? 
・日本共産党では浮気が発覚すると党員は事実上除名になるそうだ 
 →睾丸が小さく、モテず、浮気に成功することなどありえない男たちが惹かれる思想であることの証左では? 

【現実見ないフェミニストとセット】 
・日本型リベラルの男はまず間違いなく、女にモテないタイプで、おそらく睾丸が小さく、イクメンタイプで、恐妻家であることなどが予想される 
・彼らは思想のためには捏造、隠蔽、改竄、妨害などもしてきて迷惑千万だが、そういう男たちだと考えれば怒りも収まる。冷静に考えれば哀れ 
・女性の日本型リベラルとは… 
 →パートナーが日本型リベラルでその影響を受けた
 →本人が元々フェミニスト 
・差別とか同権以前に、男女では論理が全く異なる 
・動物界ではメスがオスを選ぶので主導権を持つのはメス 
・動物界を見渡さなくても社会経験をつんだ女なら社会を動かしてるのは女だとたちまち看破できるはず 
・要するにフェミニストとは女は差別されているという先入観を持ち、現実を見ず、見たくない人々 
・思想や理想を事実の前に置く、日本型リベラルとよく似ている。両者がセットになって政治や学問の世界で害をなす存在になっていると思われる 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


要約は以上。 
では早速ツッコんでいきたいと思います。 


>> 「動物学で日本型リベラルを看ると―睾丸が小さい男はなりやすい!! 政治から学界まで本能の為せるワザ」 

まず、何故お題が『動物学で日本型リベラルを看ると』なのか? 
→載ってる雑誌の特集テーマが『「日本型リベラル」の化けの皮』 だから。 
→では『日本型リベラル』とは何か? 
→実体のないバズワード。 
リベラリズム自体は洗練されていて保守には歯が立たないため、 
「いや、リベラル自体はマトモだけど『日本のリベラル』は特殊でおかしいのだ」 
ということにしたい模様。 
どこの国にもそれぞれに特殊事情はそらあるでしょ…



>> 【ヒトの本能的な浮気を隠す研究者】 
>> ・動物行動学・進化生物学にも日本型リベラルの科学者が多い 
>> ・有名な研究者「人間の婚外交渉や精子間競争についてくわしくはわかってません」と言ってるけど、そんな訳ないやん 


ん? 何が? 
これらのテーマについては調査しづらいし、特に精子競争については研究されているのはマウスや昆虫等が多い。 
ヒトについては「くわしくわかってません」というのは慎重な態度で、すぐに書き飛ばしちゃう誰かさんに比べれば遥かに誠実ですが? 
別に「そんなものはない」とは言ってないでしょ。 


あとですね、この人、「天皇家に男系でのみ万世一系のY染色体が伝わってる」という説を支持してる筈なんですが、「婚外交渉は頻繁にある」を持ち出すとそれ崩壊しちゃいませんか大丈夫ですか? 


>> 【本能的な商売・売春をも隠蔽】  
>> ・改竄・捏造・妨害がある 
>> ・先の研究者「カンジャール族の収入源は歌や踊りやおもちゃ作りなので女の子が生まれると喜ぶ」
>>  →何かおかしくね?→原著論文を調べたら一番の収入源は売春。隠蔽やん…論文の著者が知ったら憤慨するやろなぁ… 



えらく同じ人を批判しますね。てかコレ誰のこと…? 長谷川眞理子あたりかな…? 
と思って調べてみたらアタリでした。 
で、Twitter上で元の本や論文を読み込む調査が行われ、結論としては… 

・ハセマリが売春について記述していないのは高校生も読む本だからかも。大人ならなんとなく察せるでしょ…だがあまり良いことではない 


・一方でくみっきーは売春ばかり強調しすぎ。論文には売春が一番の収入源とまでは書いておらず、他の仕事とトントンの扱い 


…という訳で、噛みついた割には自分も逆方向に同程度のポカをしてて、大変カッコ悪いことに… 


>> 【自分の思想に合わない研究は妨害】 
>> ・さらに先の研究者はヒトのシンメトリー研究を評価せず、「今や影をひそめた」とまで言ってる
>>  →主要な論文が出尽くし、やるべきことがやり尽くされただけやん 


そういう解釈も可能かもしれませんが、その解釈を優先させる根拠は…? 
例えば既に定説になって教科書に載ってるとか、今も盛んに引用されてるとか、評価のしようはあるでしょ。 


  
>> ・日高敏隆と左派のI氏が、シンメトリー研究も、人間について研究することもまかりならん、と妨害してきた 


この人、デビュー当時は「日高敏隆の教え子」が売りで、この記事にも京大での日高敏隆とのツーショット写真を載せてるのにねぇ… 
あと左派のI氏というのは伊藤嘉昭のことでしょうが… 
この人による批判は別に左右の思想と何の関係もなく、正当なものであったし、竹内久美子はそれにきちんと答えることもしていないよね。 


あと伊藤嘉昭はともかく、日高敏隆や長谷川眞理子がリベラルだという話は聞いたことがないんですが。 
というか竹内自身、I氏には特別に「左派の」をつけてるけど、日高敏隆・長谷川眞理子にはつけてないし。 
なのに文脈的には明らかに日高敏隆・(特に)長谷川眞理子を「日本型リベラル」としていてわけがわからないよ… 
「載ってる雑誌の特集テーマが『日本型リベラル』だから」以上の理由が見出せません。 

ハセマリはたまにリベラル寄りな発言もあるけど、それとて「上品な学者なら世間の流れでこれくらいは受け入れざるを得ないやろねぇ」程度の話。 
とてもじゃないが「日本型リベラル」というレッテル貼りをするほどゴリゴリの左派論客という訳ではない。 
あとこの人、国家公安委員会委員ですよ? 

そもそも生物学者はヒトを俯瞰で見がちだから、政治については伝統的価値観に捉われず、リベラルになりやすいのでは… 
あとIQが高い人ほどリベラルになりやすいという研究もあるし。 
竹内久美子がヒーローだとするドーキンスも、そのライバルだったグールドも、政治的にはリベラル。 
逆にまともな生物学者でネトウヨさん雑誌に寄稿する人がいないからこそ、竹内久美子にお鉢が回ってくるのでは… 

で、何でこの人はこんなに執拗にハセマリ批判をするんでしょーかね… 
まぁ同じく名門校出身の女性なのに、かたやイェール大准教授、早稲田大教授、総合研究大学院大学学長を歴任しメディアにもよく取り上げられて出世街道驀進中、一方、自身は在野の著述家…というあたりにある、と考えることも出来ますね。 
それ以上の根拠はないので強く主張する気はありませんが。 



>> ・人間の研究をしたかった男子学生がI氏や配下に阻まれ別の分野に鞍替えしたことも 


その伊藤嘉昭門下のハセマリが普通に人間研究をしてる件。 
例:夫である長谷川寿一との共著『進化と人間行動』(東京大学出版会、2001年) 



>> 【捏造・改竄も横行の学界に見切り】 
>> ・この現実を知り学者になるのをやめた 
>> ・なぜ共産主義・社会主義が幻想とわかっても理想と思想にしがみつく人がいるのか 
>> ・ルイセンコ学説についての解説 
>> (要するにソ連が思想によって科学を歪めたという話) 



仮に生物学界の体質への失望が事実だとして、それと共産主義・社会主義がどう結びつくのか… 
前述の様に、どうやら両者は無関係なんですが。 


ちなみにルイセンコ学説というのはですね… 
要するに進化の原動力についてラマルク説とダーウィン説という二つの説があって、 

・「生物は生存競争により進化する」というダーウィン説→弱肉強食の資本主義に都合の良い理論

・「生物は獲得した形質が遺伝して進化する」というラマルク説→努力が報われるという社会主義にとって都合の良い理論
 

…という訳で政治的理由からソ連はラマルク説に基づくルイセンコ学説というトンデモ理論を推し、そのせいでまともな学者が弾圧されたり農業がめちゃめちゃになって大変なことになったのですね。 

で、それを持ち出して「共産主義は願望優先で科学を歪める」という方向に持っていく、という意図があるのでしょうが… 
資本主義陣営が推したダーウィン説が優性思想と結びついて起こした社会ダーウィニズムの悲劇はスルーなのかよ!? 

どうにも都合が良すぎです。 
私なら
・「どっちも理論そのものには罪はなくて、科学を歪ませるのはいつも政治」
・「間違った説にもその時代なりの理由はあり、敬意は払うべき」
・「だけど今どきラマルク説を持ち出すトンデモさん(結構いる)は勘弁な!」
というあたりを落としどころにしますけどね…。 



>> 【モテない男が癒される共産主義】 
>> ・共産主義の理想は「貧富の差がない」「平等」 
>>  →私には「稼ぎのいい男・モテる男がいるのはけしからん」に聞こえる 
>>   モテない男に心地よい、都合のいい思想 



…コレ「個人の感想」ですよね? 
そんなんをこの後の話の基盤にするのはいかがなものかと。 



>> 【睾丸小さいとイクメン度高い傾向】 
>> ・睾丸はニグロイド・コーカソイド・モンゴロイドの順に重い 
>> ・乱婚制のチンパンジーではさらに重いが、これは乱婚制では精子の質と量がものをいうから 
>> ・人間は浮気の程度が睾丸の大きさの違いとして現れている。 
>>  モンゴロイドは最も浮気が起こりにくい人種 
>> ・睾丸サイズの大きい男は女性関係も派手でモテる傾向がある(ソースあり) 
>> ・睾丸の小さい男は子の世話をよくしイクメン度が高い 



この辺はおおむね事実を述べているだけなのでまぁ良しとしましょう。 
もっとも「人間は浮気の程度が睾丸の大きさの違いとして現れている」「モンゴロイドは最も浮気が起こりにくい人種」というのはちと怪しい気もしますが。 
それを支持するデータとかあるんでしょーか。 
例えば「寒冷地では睾丸が冷却しやすいので小さくて済む」とか、「睾丸の大きい人種は男性の浮気願望が強いのに対抗して女性が嫉妬深く監視をする様に進化したので婚外交渉率は変わらない」といった可能性は排除できてるんかな~… 



>> 【サイズが小さい日本人男にフィット】 
>> ・日本人の男は睾丸が小さい 
>> ・共産主義・社会主義は睾丸サイズの小さい、モテない男にフィットした思想なので日本人の男は惹かれやすい 



いやちょっと待て。 
最後のはくみっきーの妄想ですやん? 
だったらどうして日本の共産党は支持率が3%前後しかないんですか? 

あとそれって性器が小さいことを馬鹿にする男根主義剥き出しじゃないですか。 
しかもその過程で日本人全体をディスってるし。 
ネトウヨさん言うところの反日やん… 

睾丸サイズは産経版ではテストステロンに言い換えられているので、 
「睾丸が小さい」→「テストステロン値が低い」→「軟弱なリベラルになる」 
ということなんでしょうが、イデオロギーによる偏向を排して
「睾丸が大きいと男性ホルモン多めで決断力と闘争心のみなぎる保守に、小さいと男性ホルモン少な目で共感的・宥和的なリベラルに」 
とかの中立的な記述にすることも出来そうなのに、くみっきーはあえてそうはしません。 


さらに、仮に人種間の差がモテ度の差だとしても、ですよ? 
日本人はごく僅かな移入を別にすれば日本人同士で繁殖レースを行っているので、大事なのは日本人内の個人差の筈です。 
他人種より睾丸が小さいからといって日本人が国内でモテない筈ないでしょ…大半の日本人女性は日本人男性と結ばれるんだし。 




>> ・共産党が未だに存在する国でよく知られているのは中国・北朝鮮・日本、いずれもモンゴロイドで睾丸が小さい傾向にあるからでは? 
>> ・キューバも共産主義だが、睾丸は小さくないはず。地政学的な問題による、本物ではない「なんちゃって共産主義」のようなものでは? 




いや、共産党は世界中にありますがな。 
それに日本は共産党がごく小さいのに、「共産党が未だに存在する国でよく知られてい」ますかね? 

で、自説に都合の悪いキューバはちゃっかり「アレは『なんちゃって』だから」と外す、という…。 
そりゃ都合の良いデータだけ利用して都合の悪いデータを無視していいなら、どんなことだって証明できるよ! 



>> ・日本人にも個体差があり、特に睾丸が小さく浮気しないタイプの男が日本型リベラルの核になっているのでは? 


ここでようやく日本人内の個体差登場。 
先述の通り、人種間の差の話はあまり意味がないのでココが大事です。 
で、くみっきーの主張の中核である「睾丸サイズが小さいことと日本型リベラルであることの相関」は… 
え、ただの憶測なんかい!? 



>> ・日本共産党では浮気が発覚すると党員は事実上除名になるそうだ 
>>  →睾丸が小さく、モテず、浮気に成功することなどありえない男たちが惹かれる思想であることの証左では? 



浮気に不寛容なのはリベラルよりもむしろ伝統的価値観を重んじる右派なのでは… 
まぁ彼らの言う「伝統的価値観」とやらは明治以降に入ってきたキリスト教的な倫理に基づくもので、あまり伝統はないんですが。 
で、同時に「女性の浮気は許せないが男性の浮気は甲斐性」という男尊女卑も同時に信じてたりするので、その辺の一貫性がなく曖昧…。 
くみっきーも「浮気しない」を共産主義の美点というよりはディスる具にしてるあたりにその辺が滲み出てるよね。 



>> 【現実見ないフェミニストとセット】 
>> ・日本型リベラルの男はまず間違いなく、女にモテないタイプで、おそらく睾丸が小さく、イクメンタイプで、恐妻家であることなどが予想される 
>> ・彼らは思想のためには捏造、隠蔽、改竄、妨害などもしてきて迷惑千万だが、そういう男たちだと考えれば怒りも収まる。冷静に考えれば哀れ 
>> ・女性の日本型リベラルとは… 
>>  →パートナーが日本型リベラルでその影響を受けた 
>>  →本人が元々フェミニスト 
>> ・差別とか同権以前に、男女では論理が全く異なる 
>> ・動物界ではメスがオスを選ぶので主導権を持つのはメス
>> ・動物界を見渡さなくても社会経験をつんだ女なら社会を動かしてるのは女だとたちまち看破できるはず 
>> ・要するにフェミニストとは女は差別されているという先入観を持ち、現実を見ず、見たくない人々
>> ・思想や理想を事実の前に置く、日本型リベラルとよく似ている。両者がセットになって政治や学問の世界で害をなす存在になっていると思われる 



…うわぁ、典型的な「女性の権利獲得の足を引っ張る女性」やぁ… 
要するに竹内久美子とは「女は差別されていない」という先入観を持ち、現実を見ず、見たくない人物、ということですね。
思想や願望を事実の前に置く、ネトウヨさんとよく似ています。 
両者がセットになって政治や学問の世界で害をなす存在になっていると思われます。 

トンデモさんは自分に当てはまる言葉で他者を批判するの法則発動。 
大体、この雑誌やその購読者層がしばしば主張する「日本はあらゆる点で最高で、戦時中も何一つ悪い事はしなかった」とか現実見てる人の考え方ですかね…?
思想や理想を事実の前に置いた結果、「日本人は高潔だから悪いことなんてしない」という道徳主義的誤謬から歴史修正主義主義に陥っているのはネトウヨさんの方でしょ… 



…と、いろいろ批判しましたが、実は個人的には「睾丸が小さいとリベラルになりやすい」というのは仮説としては面白いし、ありそうなことだと思ってます。
で、この人はどうしてそれを検証もせずに書いちゃうの? 
明らかに検証可能なのに。 


この人、オックスフォード大学が出してる『進化論の現在』シリーズの翻訳をやってるんですが、このシリーズ… 

・腐女子がBL小説を進化心理学的な視点から分析 
・科学の成果を左翼思想に援用 
・男女の賃金格差の一因に女性がそもそも高給を願わないことがあると指摘 


…と、なかなかにトガってます。 
で、くみっきー、後書きで「こんなのが認められてるのよ? 私のネタだって全然アリっしょ!」みたいなことを書いてるのですが… 
だからそう思うなら実証的な研究すりゃいいじゃん。
その能力はあるんだろうし。 
「思い付きをただ書き散らす」のと「奇想を実証的に研究する」のは全く違うコトだからね? 


私もネタ日記では随分いいかげんなこと書いてるけど、それらは「真面目っぽくバカなことを書いてオチを付ける」という、いわば別役実のエッセイの様なお笑いを目指しているのであって、真面目な主張でもないし、ましてや政治的な意図に基づいて誰かを貶めるのに利用したりはしないですよ? 

映画『肯定と否定』で「歴史修正主義者は資料の歪曲を自覚している」という話が出てくるんだけど、この人も自分のトンデモっぷりを自覚してる模様。 
自ら「トンデモ本」「シュテュムプケ流の高度なジョークとして楽しんでほしい」と言ったりしてます。
「シュテュムプケ」というのはフェイク生物本の金字塔『鼻行類』の著者。 
「太平洋の小島で逆立ちして鼻で歩く新種の哺乳類が見つかった」という内容なのだが、解剖図なども載っていて実にリアル。 
しかもこの本は最後まで内容が冗談であることを告白しないまま… 
竹内久美子はココが実に悪質で、自らをシュテュムプケ氏に擬することで嘘の責任を果たさずに逃げる気みたいですね… 
でもご本人がそう仰ってるんだから、彼女の発言は真面目に受け止めちゃダメですよ!? 



で、竹内久美子の一番ダメなトコはココ! 

この人、ある意味ドーキンスの『利己的な遺伝子』の日本への紹介者なんですが… 

『利己的な遺伝子』の主要なメッセージはこうです。
「生物は遺伝子が操るロボットの様なもので、その行動の背後にあるのは遺伝子の利益だ」 
つまり我々の行動もかなりの部分、遺伝子による影響を受けている訳です。 
これは「私を動かしているのは私の心や自由意志ではなく、遺伝子かもしれない」という、我々のアイデンティティーを直撃するインパクトのある話なんですが… 
竹内久美子にかかると「浮気は遺伝子のせい」という、大事な話のドコ切り取っとんねん、というところがクローズアップされたりしがち。 

今回の騒動もコレと同じで、 

「睾丸が大きいとテストステロン値が高くなり保守になりやすく、睾丸が小さいと逆にリベラルになりやすい… 
つまり私の心や自由意志がイデオロギーを選んでいるのではなく、体がイデオロギーに影響を与えているのではないか?」 
とかなら本当にありえそうな上に、我々の人間観を揺さぶる大事な話です。 
実際、リベラルと保守では生理的反応レベルで違いがある、みたいな研究も進められていますし。 
でもそれが下ネタ大好き竹内久美子にかかると「睾丸が小さいと日本型リベラルになりやすい!」になっちゃうんだよな~…
どうしてそうなの? 


そしてヒトを生物学で読み解く芸風のこの人が、「知能指数が低いと保守になりやすい」という研究に一切触れてないのはどうして? 
「IQがイデオロギーに影響する」なんて実にこの人が好みそうなネタなのに。 
こっちはくみっきーの勝手な憶測ではなく、ちゃんとした研究結果ですよ? 





(19:37)

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