2026年06月23日



今回は、ただでさえ訪問者数が控えめな当ブログにあっても抜群に人気のない、「弱者に寄り添う優しい世界な漫画を紹介するシリーズ」でーす。

60年代あたりに生まれた、おたく第一世代…
彼らは幼少期に70年代というアニメ・特撮の黄金期をリアルタイムで体験し、青年期にさしかかるあたりでヤマトやガンダムといったオトナなアニメのブームの洗礼を受けた、身震いするほど羨ましい年代ですが…
このへんが「大人になっても普通に漫画を読む世代」のはしりかと。
そんな彼らも60代となった今…
読者層の高年齢化に合わせるかの様に、60代前後が主人公の恋愛漫画がいくつか出てきててですね。

60代つっても漫画なので、熟年の記号として目元の小ジワやほうれい線を申し訳程度に入れるだけか、と思いきや…
どれもちゃんと加齢描写と向き合ってるー!
偉いなぁ…。

リカちゃん人形だとおばあちゃんもリカちゃんとほぼ変わらず、しかもバージョンが新しくなるごとにどんどん若々しくなるというホラー展開なのに。


そんな熟年漫画…
例を挙げるとすれば、ワイエム系という人の『五十、六十、よろこんで。』とか。


【pixivコミック】
『五十、六十、よろこんで。』

https://comic.pixiv.net/works/7166?srsltid=AfmBOoo8C-R5e8qrXtQgAIR7gkgT1gttP0oy9pj_kHTZRKNWK5nFthqe


↑ココでとびとびながらかなりの話数を無料で読めます。



で、その年代の女性同性愛をテーマにしたものもあったり。

例えばSchwannという人の『はなものがたり』とか。


【カドコミ】
『はなものがたり』

https://comic-walker.com/detail/KC_003505_S/episodes/KC_0035050000100011_E


ピッコマで3話無料。
さらにアカウント登録するかアプリ版をダウンロードすれば、16話まで毎日1話無料で読めます。



同じく女性同性愛で超注目株なのが、一年ほど前に連載が始まった、森島明子の『ひとりみです』という作品。


【カドコミ】
『ひとりみです』

https://comic-walker.com/detail/KC_006607_S/episodes/KC_0066070000200011_E




通常は最初の3話と最新2話が無料ですが、6月いっぱいまでは最初の5話無料に増量中。

公開終了したエピソードは、カドコミのアプリなら初回無料。
つまり全話ゴリゴリ読めちゃいます。


で、『ひとりみです』が凄いのはですね…
女性同性愛もの、つまりいわゆる「百合」「GL」って、男性に消費される前提なことが多いじゃないですか。
AVと同じで、男性のためのフィクション。

でもこの作品はそういう匂いがしないんですよね。
作中でもセクシャルマイノリティーについての描写がむちゃんぽちゃんとしてて、「当事者のための作品」って感じ。

しかも「90年代までの女性同性愛者はベリショを超えた坊主頭が多かった」とか、今となっては歴史的な事象まで押さえてはるー!

↑コレ、めためた分かります。
なぜなら私、90年代からゼロ年代にかけて「女性同性愛者の、女性同性愛者による、女性同性愛者のための雑誌」を購読してたのでー。
具体的に言うと日本初のビアン商業誌『フリーネ』とか後継誌の『アニース』ですね。
『フリーネ』は創刊から3号で潰れましたが。
カストリ雑誌か!?

女性同性愛ものに興味を持つおたく男性…
いわゆる「百合豚」というやつでしょうか。
でもその割に『コミック百合姫』とか買わないし、GL作家の名前も全然知りません。

GL勃興の祖、『マリア様がみてる』は十数冊、読みましたー。
ちなみに同作では、学内で「紅薔薇様」と呼ばれる有力者の妹分(スール)に選ばれた生徒を「ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン」(紅薔薇のつぼみ)という称号で呼ぶのですが…
花のパーツ名で呼ぶとか、ガンダムの「デンドロビウム・ステイメン」(長生蘭の雄しべ)と同じシステム。
デンドロ格好いい。

あとこの「女生徒が擬似的な姉妹関係を結ぶ」というスール制度…
コレは昔の女学校に実在した、「エス」と呼ばれる親密な先輩後輩関係がモデルですね。
「エス」はシスターの頭文字。
昔、先輩と「エス」になったというお婆ちゃんに会ったことある〜。
この「エス」は「アルファオメガ」と呼ぶこともあったらしいのですが…オメガバースかよ。


『マリみて』の元ネタであろう吉屋信子も短編のひとつくらいは読んでみたり。


あと古典作品としてはクリスタ・ウィンスローの小説『制服の処女』とか。
コレ世界的な児童文学のひとつとされ、映画化もされてますが…
タイトルがどう見てもAV。

ちなみにあらすじは…
学校の若い女性教師が女生徒の貧困を見かねて、自分のお古の下着をあげることに。
しかし女生徒はパーティーで間違ってお酒を飲んで酔っ払ってしまい。
自分が教師の下着を身につけて一体感を味わい、陶酔してることを吐露しちゃうのです。
おかげで女性教師は配置転換。恩仇。

これどう読んでもめちゃ性的な話やん。
コレが世界的に有名な児童文学って…正気ですか!?
しかし女性同性愛は「エス」がそうである様に、わりと社会から「おめこぼし」されてきたトコがありますよな。
そもそもセクマイは受容されるべきではありますが。


あと特にSF者ではありませんが、伴名練の百合SF小説が大好き〜。
この人は大正あたりの文体で書くのが超絶上手いので、女学校ものの百合に向いてるんよな。
『ゼロ年代の臨界点』はヒロインがおばあちゃんで、別に百合っぽい描写はないけどコレ概念的には百合やろ。
『コミック百合姫』の表紙で小説を連載する、という驚愕の試み『百年文通』は読むと元気になれるです。
あと百合じゃないけど、ラノベ風に書かれた『かみ☆ふぁみ! ~彼女の家族が「お前になんぞうちの子はやらん」と頑なな件~』は最高の短編SFじゃよ!?


概念的な百合と言えば…
草野原々の実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF(ご本人が命名したジャンル名)とかも読んでみました。
この人の作品、「少女として十数年生きた後、数百万年とか数億年を怪物として生きる者同士の百合」が多すぎひんか…?
それはもう少女じゃなくて怪物やろ。


まぁこの様にですね、百合豚なら押さえるべきコンテンツは全然押さえていないのに、妙な周辺系だけ押さえてきたのが私。

しかしこういう話すると「ボク百合豚じゃないよー!」と必死で言い訳する痛いやつっぽくなるので、百合豚で全然いいです。
懐かしの↓コレ感。


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83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/23(水) 00:15:50.87 ID:d61TZKea0
真のオタクはこうだろ。






「ふーん、で、君は涼宮ハルヒのキャラで誰が好きなの?」


「オウフwwwいわゆるストレートな質問キタコレですねwww
おっとっとwww拙者『キタコレ』などとついネット用語がwww
まあ拙者の場合ハルヒ好きとは言っても、いわゆるラノベとしてのハルヒでなく
メタSF作品として見ているちょっと変わり者ですのでwwwダン・シモンズの影響がですねwwww
ドプフォwwwついマニアックな知識が出てしまいましたwwwいや失敬失敬www
まあ萌えのメタファーとしての長門は純粋によく書けてるなと賞賛できますがwww
私みたいに一歩引いた見方をするとですねwwwポストエヴァのメタファーと
商業主義のキッチュさを引き継いだキャラとしてのですねwww
朝比奈みくるの文学性はですねwwww
フォカヌポウwww拙者これではまるでオタクみたいwww
拙者はオタクではござらんのでwwwコポォ」
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まぁ言うても私、アニメのフェイバリットはぶっちぎりで『トップをねらえ!』だし。
お姉様が出てくるやつ。
つってもキャラには興味の薄いメカフェチなので、お姉様よりガンバスター、綾波より初号機、ナディアよりN-ノーチラスではあるのですが。
(ガイナックスメカ信者)

あとアニオタと呼べるほどアニメ観てませんが…
でもまぁ常人よりは観てる観てる、余裕で観てる。
劇場で一番繰り返し観た映画はまどマギの『叛逆の物語』だしな!(8回)
フォカヌポウwww


そしてそんな私にぶっ刺さりまくりなのがこの『ひとりみです』。

この人、若い女の子を描かせると肉感的なのに健康的で、いやらしくないんよね。
青木光恵のタッチに妙に似てるなぁ…
と思ったら、元アシスタントだそうです。
漫画家あるある。

あとセクマイへの理解が深いと思ったらこの作者、先ほど触れた『アニース』でデビューした人でした〜。
『フリーネ』『アニース』はセクマイとしての要求を掲げ、政治的な色彩も強い雑誌だったからなぁ…
初期のプライドイベントで運営側が強引に宣言を採択しようとしたので一部ビアンが異論を唱えたところ、運営側のゲイの人が「黙れレズ女!」などと罵倒したのは許せない、みたいな記事とか載ってました〜。

でもアニースはアニースでビアンを称揚するあまり、ストレートやゲイに否定的な台詞のある漫画が載ってたり。
「ゲイはお尻に入れるから汚い」とか書いてあってドン引き。
あんたら仲良うしよし。
まぁ当時はセクマイ内部ですらこういう理解、という時代だったんですかね…

『アニース』出身だから男性向けの百合は描かないのか、というとそうでもなく。
『コミック百合姫』で普通に連載。
オトナな社会人百合の名手だそうで。
その方向に特化した結果、60代がテーマになったんか…?

そして『ひとりみです』というタイトル…
独り身からパートナーを得るまでの話なんかな、と思いきや。
ヒロインはいくつかの恋を終えて「おひとり様でもいいじゃない」という悟りを開いてる、という。めちゃ自由。
そもそも「そらパートナーはいた方が良えやろ」というのが一種の偏見だと言えば偏見だしね。

読んでて「あんたらもう付き合っちゃえよ!」と思う関係性の人たちが何組も出てきますが、皆さんなかなかくっつかなーい。

最終的にパートナーを見つけるなら、それはそれで素敵なコト。
今のまま自由を謳歌するなら、それもまた良し。
この物語がどこに着地するのか、見守っていきたいと思います。



最後に。
例えば今回「ストレート」という表現を使いましたが…
異性愛者がまっすぐな訳でも、同性愛者がまっすぐでない訳でもないので、この用語は必ずしも適切ではないかもしれません。
しかしそもそも誰も傷付けない、完全にニュートラルな言葉などというものはなく。
どれほど気遣っても何らかの取りこぼしは出るし、逆に「気を遣われ過ぎて辛い」という意見も出る訳で。
「それなりの 配慮はするけど ほどほどで〜」(七五調)というスタンスでいくのでよろしくお願いしま〜す。





(22:32)

この記事へのコメント

1. Posted by    2026年06月24日 15:16
低学歴貧乏人非モテは首吊っとけ
2. Posted by キョン   2026年06月24日 21:50
百合といえば、作家の森奈津子さんが、そっち方面でいろいろ有名な方ですが、管理人さんはご存知ですか?
私はかなり昔から好きな作家さんで、最近ではXでの投稿などをお見かけするに、かなり右派なご様子ですが、その意味でも私にとっては好感の持てる方です。

この方、有名な推理小説家の西澤保彦さんとも交流がおありのようで、西澤氏の作品は私も大好きなので、その点でもポイント高いですね。
(西澤氏は昨年、ご病気によりお亡くなりになりました。まだお若いのに… 謹んでご冥福をお祈りします)

管理人さんにも、ぜひ森奈津子さんの作品に触れていただきたいですね。
右派だから気に食わないかもしれませんが、私も極左の宮崎駿のことは人としては大嫌いですが、氏の作品は大好きなので、そんなスタンスで見ていただければと。

左翼のなかには、すぎやまこういちは嫌いだが、彼の作品は好き(ドラクエの音楽とか)って人もいるみたいですし。

ちなみに、私はすぎやまこういち氏は、作品も個人も大好きです♪
3. Posted by ブログ主   2026年06月25日 08:46
>>2

ありがとうございます!
最近、頻繁にコメントいただいてるのに全然返信できず、不義理しっぱなしで心苦しい限りです(他の方々も申し訳ないです)。
鯨料理の話もしたかった〜!

森奈津子、右寄りのSF作家ということは何となく知ってはいたのですが、百合作家だったとは…
百合豚としてのコモンセンスが身に付いていなくてすみません!
とりあえず『百合姫たちの放課後』を購入してみましたー。

あとお嬢様シリーズというやつの主人公が今で言う悪役令嬢っぽいキャラで、名前が「綾小路麗花」なのですね…
USJの名物キャラ、「綾小路麗華」の元ネタでは…?
どっちも「高飛車で上流階級っぽい言葉遣い」だし。
お嬢様シリーズが1991年から、USJ開園が2001年なので、完全に先行してる〜!

そして森奈津子、過去に↓当ブログへも登場願ったことが。

《話題の『あのトラ』は差別本ではないかも。でも擁護派にはお馴染みの面々がびっちびち》
https://wsogmm.livedoor.blog/archives/23212114.html

「右派なのにLGBTに理解がある…フリしてるけど結局は足を引っ張ってるやん」という点では、竹内久美子と同じ芸風やなぁ…

「森奈津子はなぜこうなったのか」については↓ココの見立てが興味深かったので、備忘録的に載せておきまーす。

【はてな匿名ダイアリー】
https://anond.hatelabo.jp/20240122003243
4. Posted by キョン   2026年06月25日 22:01
>>3

ブログ主様

わざわざのご返事ありがとうございます。
私はたまにここを覗いては、気が向いたときに愚にもつかないコメントを残しているだけです。
ブログ主さんもお忙しいことと存じますので、そのような気づかいは無用にお願いいたします。

というか、私は保守側の人間ですので、コメントもここの記事に100%賛同している内容ではなく、場荒らし的な攻撃コメントでこそしないように気をつけているものの、多分にリベラル側を皮肉ったような揶揄的コメントになりがちです。
にもかかわらず、いつもコメントを承認してくださり、その寛大なご対応に感謝しています。

「保守思想の持ち主なら、わざわざリベラル系ブログに来るなよ」と思う人もいるかも知れませんが、同じ考え方のブログばかり訪れていてもエコチェンに陥るだけです。
世の中にはいろんな考え方があるので、たまにはそれらに触れることは大事なことだと考えています。

森奈津子さん、このブログにも登場してたんですね!
さすが保守系インフルエンサー。
やっぱり有名人ですよね。

「はてな匿名ダイアリー」紹介いただきありがとうございます。
旦那さんが脳出血を患われ、その後ご苦労されていたことは知っていました。
それでも20回目の結婚記念日を明るく報告するポストをされてたりと、その姿勢には頭が下がります。

バイセクシャルなんだから、お相手に男性を選んだところでなにも不思議はないですが、一方でセクマイを批判する立場に変節しているのかどうか、そこのところは詳細を知らないので、評価は保留したいと思います。

昔はメルマガ登録もしていて、それを通じていろいろとやり取りさせていただいたこともある作家さんです。
詳しくは語りませんが、介護の大変さは私も身をもって実感しているので、これからも元気で頑張ってほしいと思います。

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