2025年10月30日



おたく者なので漫画は結構読むのですが、メジャーなやつはあまり読んでません。
ワンピースも進撃の巨人も鬼滅の刃も読んでねぇ。

特にメンがヘルになってからは、そういう血湧き肉躍る激しいやつが読めないのです。
心がぷにぷになので癒されたい。
ハダカデバネズミくらい剥き出しでぷにぷに。
そのハダカデバネズミを、せめてガマの穂の上にそっとのっけてコロコロし、ふっさふさにしてあげたい(因幡の白兎)。
という訳で、主に「優しい世界を描いた、無料で読める漫画」を時々ご紹介していく所存。

今回取り上げるのは『よなきごや』です。
赤ちゃんの夜泣きで眠ることもできない、子育て中のママさんに寄り添う優しい世界。

とか書くと
「子育て中の『ママさん』って何やねん、育児を女性に任せっきりにしてんじゃねぇ」
とお思いかもしれませんが…
まぁその問題は作中でも取り上げられてるし、育児の負担が女性に大きく偏重してしまってるのは事実。
だからこそ問題な訳で。

そして夜泣きがこんなに辛いものとは…
まぁ睡眠を制限するのって洗脳や拷問の常套手段ですからね。
コレはもっと社会問題化してもいい。

「よなきごや」は子育てを経験した作者の心の叫びから生まれたのですが…
当事者が声を上げないとこっちは問題の存在にすら気付かないので、声を上げて下さって(←上げるのか下げるのか)ありがとうございます、という感謝の気持ちでいっぱいです。

この作品、私は漫画アプリ「コミックDAYS」で発見。
毎日ちょっとずつ、全体の8割くらいは無料で読めるのですが…【註】
私はドはまりして待ちきれず、Kindleで買っちゃいましたー。
電子書籍のみで紙の単行本はない模様。
上下巻の2冊分けですが、合わせて600円でお釣りがきます(※現在はKindle Unlimitedだと無料)。


で、漫画アプリでちょっとずつ読める、ということは普通「一気に全話無料で読む方法はない」ってコトじゃないですか。
ところが探したら、元の掲載誌(WEB連載)に全話残ってたー!

それが↓コレ。

1話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/32690

2話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/32691

3話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/32692


4話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/32693


5話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/32694


6話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/32695


7話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/32696


8話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/32697


9話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/32698


10話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/31300


11話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/31829


12話
https://kosodate.mynavi.jp/articles/32396



おたく者なので
「第12話『遊星より愛をこめて』は欠番です」
とか言いたくなるけど我慢がまん。


で、全話読んで思うこと。
漫画としての構成が完璧すぎる…
はっとさせられる様なページの使い方やリズム感の生み方…読者を上手く誘導する工夫が各所に凝らされてて、漫画技術がめちゃ高いやん。

あと他のエピソードに出てきた固有名詞がちょろりと再登場したりするのもニクい演出。

そして全12話に「夜泣きに悩むママ」だけでなく、
「妊娠しちゃった若い女性」
「ワンオペで育児するパパ」
「かつて昭和な価値観の社会で育児してた世代の女性」
「夜泣きの時期は過ぎてる筈なのに夜泣きする子」
「子育てとは無縁な人」
…あらゆるパターンや問題が詰め込まれてるー!
作品全体の構成やペース配分が神がかってるやん。

ちなみに単行本(電子書籍)にはちょっぴり書き下ろしがあり、
「生活時間帯が普通と違う家庭」
「旅先での夜泣き」
といった、本編に収まり切らなかった問題を取り上げてるので是非。


作者のかねもとは、ドラマ化もされた『伝説のお母さん』で有名。
こちらは
「魔王を討伐した伝説のパーティーに再び召集がかかる。しかしかつて大活躍した魔法使いは母親となり、待機児童を抱えててそれどころではなく…」
という社会派コメディー。
この頃はへなちょこ絵でそんなに上手いと思わなかったのですが…
ちょっと成長著しすぎひんか!?


あとこの作品、原型になったのは3ページの読み切りで、「こんな場所があったらいいな」というふわふわした願望を描いたものだったのですが…
それも↓こちらで読めます。
記事の最後の方なのでスクロールしまくれ〜。


https://www.buzzfeed.com/jp/kakoyoshihara/yonaki-pien#


見比べると連載版は細部の設定が凝ってて、リアリティー爆増なのが分かりますね。
とは言え、実際にこういう形で「よなきごや」が運営可能か、というと…なかなか難しそう。

この問題は単行本のあとがきが触れられててですね。
ざっくり要約すると↓こんな感じ。

◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
読者からはとても好評でほぼdisられなかったけど、中には「夢物語に過ぎない」的な感想もありました。
確かに「よなきごや」は夢物語です。
でも「子供が感染症であっさり死に、女性は選挙権がなく大学にも行けない」という時代から見れば、現代は夢物語。
日本社会の安全性の高さも、そうでない国から見れば夢物語。
そうなった原動力は「こうだったらいいのに」という願いと想像力。
「人が想像できることは、人が必ず実現できる」と言った作家がいました。
だから私は想像し続けます。

◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯


そして「よなきごや」は現実世界へ影響を与えはじめます。


数ヶ月前にたまたまNHKの「あなたはひとりじゃない ラジオ深夜便 35年の物語」というドキュメンタリーを観たのですが…(2025年5月6日放送)
「ラジオ深夜便」はNHKのラジオで、35年もやってるご長寿番組。
毎日、深夜から明け方まで約6時間放送されています。
深夜にもいろんな人が起きていて、このラジオを聞いてるのですね。
で、この番組、女性アナウンサーが子育て中に夜泣きに悩まされた経験から、月イチで「みんなの子育て☆深夜便」という企画をやってるのです。

…ほぼリアル「よなきごや」11話やん。


この流れが「よなきごや」と合流。
NHK仙台局が2024年6月28日に「よなきごやへようこそ」という3時間のラジオ番組を放送します。
作者のかねもとも参加。

さらに同番組は2024年10月28日にEテレ「ハートネットTV」で29分の短縮版としても放送されました。



そして「よなきごや」を現実化しとうという動きが。


【CAMPFIRE】
『【コリックの居場所】夜泣き小屋立ち上げ準備に向けて支援をお願いします』

https://camp-fire.jp/projects/566285/view


↑こちらは2022年5月のクラウドファンディングですが、支援は26000円しか集まらず。
しかし…



【READY FOR】
《子育ての“居場所”と“相談相手”に出会える『おかやま子育てマップ』》

https://readyfor.jp/projects/choutaranoki-oyakomap


↑こちらは2025年3月にクラファンで160万円以上を集めた「おかやま子育てマップ」というプロジェクト。
代表者が「チョウタラの樹」という親子スペースの運営をしており、夜間に「よなきごや」的な使い方もしてる模様。
ここがリアル「よなきごや」第1号で、漫画の作者にも喜ばれたご様子。



【Yahoo!ニュース】(配信元は新潟日報)
『漫画に触発され、夜だけ開店する「よなきごや」実際に開設 子育て中の孤独、夜泣き…悩めるママたちが一息つける場所に』
https://news.yahoo.co.jp/articles/41b4b373e4551a9739cf9816a53c6f190c6199cd



【TeNY】(テレビ新潟)『【特集】“夜泣き”に悩んでいませんか? 赤ちゃんとママの夜カフェ「ヨナキリウム」オープンへ《新潟》』https://news.ntv.co.jp/n/teny/category/life/te13d5e0a11b4142719d945f074d6e8f6a



↑2025年7月、新潟で「よなきごや」をモデルにした夜営業カフェ「ヨナキリウム」が開業。
名前から分かる通り、「夜の水族館」がモチーフ。
公式サイトは↓こちら。


【ヨナキリウム〜ママと赤ちゃんのための夜泣きカフェ】
https://yonakirium.studio.site/




【CAMPFIRE】
『夜泣きで眠れないママが安心できる居場所を作りたい!夜を灯す【親子の場所】を十勝に』

https://camp-fire.jp/projects/874184/view

↑こちらは北海道・十勝のフレンチトースト専門店を夜間「よなきごや」的に使いたい、というプロジェクト。
2025年9月にクラファンで180万円以上を集めました。
「よなきごや」作者にも連絡し、おおいに喜ばれた模様。



1人の女性の願いと想像力が、各地で実りはじめています。









【註:毎日ちょっとずつ無料で読める】

「よなきごや」の場合は毎日1話無料、広告動画を観まくればさらに1日5話無料。
つまり1日6話読めることになってるのですが…
ここで言う「1話」は本来の1話分ではなく、それを3分割したものなので、実質2話。
もともとページ数少なめ作品なのに…。

ちなみに「コミックDAYS」で「1巻無料」とある場合、大抵フルサイズの1話分程度だったり。
まぁ無料なのであまり文句は言いませんが、世知辛い。







(00:20)

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