2023年11月

2023年11月16日


『なぜモテ』その⑤



竹内久美子の新刊
『なぜモテるのか、さっぱりわからない男がやたらモテるわけ 動物行動学で語る男と女”』
に迫るシリーズ5回目。


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今回はお得意のレイプ絡みの発言について。
こういう話題になると竹内久美子はことさらに常識に逆張りしまくってトンチキなことを書き散らす悪癖があります。
私の様なウォッチャーにとってはまさに極上のトロの部分(「本来は捨てられる部位」という意味でも)。

竹内久美子は本書でこう書いています。

(p.125)
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 最近ではレイプについての動物行動学的研究を紹介し、持論を述べただけで、こんな人は保守とは呼べないとまで言われた。レイプとはひたすら女が犠牲者であり、非難されるべきは男だということらしい。しかし動物行動学を学ぶと、こと繁殖戦略に関しては、あらゆる点で女の方が男よりも勝っている。その理由は女の方が一回の繁殖にかける時間とエネルギーが男よりもはるかに大きいからなのだが、ともかくレイプだけで完全に男に負けているとは考えられないのである。
こういう攻撃の仕方をする輩は初めに批判ありきで、いくら説得しても無駄だと思うので放置しているが、学問を妨害する勢力として厄介だ。

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…動物行動学を少しでもかじったなら、
こと繁殖戦略に関しては、あらゆる点で女の方が男よりも勝っている
なんていう過度に単純化された捉え方になる筈がないと思いますが…。
メスが有利な傾向があるのは確かですが、オスもメスもそれぞれに多彩な繁殖戦略を生み出し、一筋縄ではいかない多様性を持つのが動物というもの。
ヒトもまたその例外ではありません。

オスがしばしばレイプという強行手段に訴えることから、「オスが独自の繁殖戦略でメスの有利性を覆そうとする」ことは明白なのでは…。
もちろんメスがそれに対抗する戦略を編み出すこともありますが、「メスが常に勝つ」と一概には言えないでしょう。


さらにこんな発言も。

(p.135)
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 「レイプ」と言うと、そんなの犯罪以外の何ものでもない、女性は深く傷つき、一生立ち直れなくなるというのが一般論だと思う。
 実際、若い頃の私はレイプされることを何よりも恐れ、もし自分が被害にあったのなら、死を選ぶか、一生立ち直れないだろうと考えていた。レイプに対する恐れは、質的にも量的にも普通の恐怖とは全く違うものだったのだ。
 ところが三十代後半くらいから少し感覚が違ってくるようになった。
 自分はなぜ、あれほどまでにレイプを恐れていたのだろう?
 レイプされたとしても、妊娠しなければよいだけの話ではないか。

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レイプされたとしても、妊娠しなければよいだけ
というパワーワード。
コレは他著にも登場するので他のエントリでも批判したし、Twitterでプチ炎上もしてました。


そしてロバート・ライト『モラル・アニマル』(竹内久美子が翻訳)を↓紹介。

(p.136)
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 ライトによると、レイプでメスが抵抗するのは、それでもレイプをやり遂げられるオスかどうかを試しているのだという。もし抵抗しないとすると、相手がどんなオスかどうかがわからない。しかし抵抗してみて、それでもやり遂げられるのなら、その遺伝子を取り入れることに価値がある。息子を産めば、父親譲りのレイプをやり遂げられる性質を持っていて、やはり、またレイプをやり遂げ、子孫を残すことができるのである。抵抗してみせるのは、腕のよいレイプ犯かどうかを見極めるためだと、ライトは言う。
 とすれば、レイプに対する異常なまでの恐怖感は、抵抗するためのものかもしれないのだ。

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さらにチバースらの研究を紹介。
これはおおむね以下の様なものです。

◉様々な性的画像を見せられた男性は、男女や女性同士のセックス、女性のオナニー…つまりは「女性の裸」が写っていれば「興奮した」と申告するし、実際に興奮する。
◉一方、女性はあらゆる組み合わせに「興奮しない」と回答するが、実際にはその全てに興奮する。
男女・男性同士・女性同士のセックス、男性のオナニー、女性のオナニー…さらにはボノボ(ピグミーチンパンジー)の交尾にまで。

(男女それぞれのオナニー画像については本書では触れられてませんが、カシルタ・ジェタらの『性の進化論: 女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか?』という本にチバースらの研究の詳細が載っています)

そこから竹内久美子は↓こう語ります。


(p.138)
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 チバースらは、これぞレイプ対策であると言う。レイプにおいてはどんな男がやってくるかわからない。しかし1番大切なのは自分の体、特に膣を傷つけさせないよう防御することだ。よって、どんな相手がセックスしている場面を見ても性的に興奮し、膣が濡れるよう進化したのだという。
にわかにはついていけない理論だが、私自身、女のヌードを見ても若干興奮することを不思議に思っていたので、なるほど、そういうことかもしれないと納得した次第だ。
レイプに関して、女はただの被害者にとどまらず、転んでもただでは起きないと言うところまで進化していると見るべきだろう。そもそも男と女が加害者被害者と言う単純な関係にあるとは、少なくとも動物行動学を学んだ者には、到底考えられないのである。

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そして「AV配信の視聴者は4割が女性」というデータを紹介し、↓こう書きます。


(p.140)
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 なるほど、やはりそうであったか!
 そもそも女は、性的なことに関心がないと長らく言われてきたが、それは大嘘である。アンケート等ではうまくごまかしてきたが、このように公にはバレない形であるなら女は本性をあらわにするのである。
 そしてもう一つ、女が隠してきた本性が現れたと思うのは、配信されるAVで女に人気なジャンルの1つがレイプものであるということだ。
 レイプとは広く動物に見られる現象で、調べれば調べるほど、単にメス(女)が性的な被害に遭っているのではないことがわかってくる。

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…女性の性欲という、あって当たり前のモノに対して何故か上から目線で大上段から
大嘘
うまくごまかしてきた
バレない形であるなら
本性をあらわに
と語る様子は偏見丸出しのミソジニーおじさんそのもの。
コレが女性の、しかも固定観念に縛られない語り口を得意とする人物が紡ぐ文章とはとても思えません。
さすが山形浩生に「女のオヤジ」と喝破されただけのことはありますね。
典型的な名誉男性


その後はいつもの「交尾排卵」の話。
相変わらず安易にヒトにも交尾排卵があることになってるけど、根拠レス


さらに毎度お馴染み、トンデモさんであるベイカーの研究を紹介。
トンデモさんはトンデモさんに引かれあう!
そして竹内久美子はこう書きます。

(p.142)
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 ともあれ、女がレイプで抵抗するのは、それでもレイプを成し遂げられる男かどうかを見定めるためだ。抵抗しなかったら、相手がどんな男が判別できない。抵抗しても成し遂げられる男であるときのみ、その男の子供を産んでやる。もし息子が生まれれば、その子は父親譲りのレイプの腕前の持ち主であり、巧みなレイプによって自分の意思をよく残してくれるだろう。
こういうルートで女は自分の遺伝子を残すこともあるのだ━━。
私がここにもう一つ付け加えるとしたら、女は最初からレイプを望んでいるわけではない。しかし、もしそういう状況になった場合には次善の策として抵抗する。そして、できるだけレイプをうまく成し遂げられる男を選ぼうとしているのではないかということだ。
 ライトとベイカーの考えを知った私は単行本の原稿の中で紹介したが、編集者からはこう言われた。
 紹介するのは良いが、賛同するべきではない。たとえ本当のことであっても、地球が動いていると言ってはダメです━━と。
 そこでレイプの件は全面的な書き直しを命ぜられ、「地球が動いていない」かのような立場に立ったが、案の定、「レイプの部分だけ歯切れが悪い」と書評されてしまったのである。
ともかく、配信をダウンロードする女性に人気なのがレイプものであると言う情報を得た私は、やはりレイプとは女が被害者という単純な構図ではないと言う確信を得た。
ただの被害者が好んでレイプものを見るだろうか? 見るのもおぞましいものをわざわざお金を払ってダウンロードするだろうか?
 女は無意識のうちにレイプの研究をするため、AVを見るのかもしれない。
 レイプの時に男はどう振る舞うのか? 片や女はどう対処するのだろう? そして、どうすればレイプにおいて自分が優位に立つことができるのだろうか、と。

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またコレか…
竹内久美子は他著でも同様の発言をしており、以下のエントリで私はこう批判しています。


『竹内久美子さん、「7歳少女をレイプして妊娠させるのは繁殖戦略」と生産性を認定』


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ロビン・ベイカーはトンデモなのですが、「レイプ受け入れは女性側の繁殖戦略」的な発言そのものは生物学的にはアリです。
しかしそれはあくまで特殊な文脈での話。
それは「レイプに抵抗しきれなかった女性が結果的により多くの子孫を残すことになった」という意味であって、「女性が意識的にレイプによる妊娠を望んだ」という意味ではありません。
一般向けの本ではそこの区別を再三に渡り警告するものなのですが、竹内久美子はそれしな~い。
もはや「わざと混乱させてんのか!?」ってレベル。
あるいはご本人も区別がついてないのかも…
普通にコレを「特殊な文脈」として読める一般人はいないでしょコレ。
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今回は『無意識のうちに』とはしながらも、結局は明らかに進化的動機の擬人的表現ではなく、女性の個人的な動機として
女は無意識のうちにレイプの研究をするため、AVを見るのかもしれない。
 レイプの時に男はどう振る舞うのか? 片や女はどう対処するのだろう? そして、どうすればレイプにおいて自分が優位に立つことができるのだろうか、と
って書いてるよね。
前より混同が悪化してはる〜!
わざとでないなら理解不足だし、わざとならあまりにも悪質
今回のは「そういう意味で書いたのではない、説明不足だった」という逃げも効かない、完全にアウト案件


あと
ただの被害者が好んでレイプものを見るだろうか? 見るのもおぞましいものをわざわざお金を払ってダウンロードするだろうか?
って言うけど、我々は見るのもおぞましいホラー映画をわざわざお金を払ってダウンロードしたり、好んで見ることがありますよな。

我々には、ホラー映画とかジェットコースターとか、「安全が保証された状態でなら、シャレにならん危険を味わってみてぇ」というスリルに対する欲望があるのです。


あとポルノ業界では母子モノのエロコンテンツは大人気。
まぁ現在の最大派閥は熟女モノとも言われてますしね。
弱者男性がバブみを求めるせいなのかと思いきや、メインターゲットがトラック野郎あたり、というワイルドめな雑誌でも母子相姦モノが8割なものがあったり。
普遍性の高さが窺い知れますね。
しかしユーザーの多くは実際に自分のおかんとの性的関係を望んでる訳ちゃうやろ…
こういうのはあくまでイメージを消費するセクシャルファンタジー。


そもそも竹内久美子は数ページ前に、
(女性は)『どんな相手がセックスしている場面を見ても性的に興奮し、膣が濡れるよう進化した
というチバースの説に納得してたやん…
女性がそういった性的可塑性を持ち合わせているのなら、セクシャルファンタジーとしてのレイプものを好み、興奮するとしても別に不思議はないでしょ。
 
 
 
実際、レイプや暴力は女性に進化的な爪痕を残しています。

例えば男性が暴力的な傾向を持つのは、ひとつには「女性がその様な男性を好んだから」でしょう。
実際、ワルな男性は女性にモテます。
特に中学高校くらいだとそれが顕著でしたよね。ヤンキー文化。
この進化的傾向についてはフェミニズム系の本にも載ってる物があるくらいです。


あと「ストックホルム症候群」ってあるじゃないですか。
銀行強盗とかが人質を取って立て籠ったりした場合に、被害者が加害者に強い共感を覚え、時には事件後も長年に渡る交流を続けたりする、というやつ。
一見奇妙な現象ですが…

ヒトが進化してきた環境に於いては、「敵の部族にさらわれて、その後は敵地で生活をする」という状況はザラにあったことでしょう。
その時、どんな人が生き残りやすいかというと…
それは相手に従順で、新生活にもすぐに慣れる様な性格の人物でしょう。

特に女性は貴重な資源として扱われ、殺されはしないものの、敵の子を産み育てさせられることが多かった筈です。
チンギス・カンの妻ボルテも一時は敵に囚われて強制結婚させられ、その後に産んだ長男は強姦によるものでは、と疑われた様ですし。

その結果、女性は男性より加害者になつきやすい傾向にある模様。
この誘拐した相手との絆を指す『キャプチャー・ボンド』という言葉まであったり。



…といった具合なので、わざわざ進化的動機と個人的動機を混同させて、
できるだけレイプをうまく成し遂げられる男を選ぼうとしている
とか、
どうすればレイプにおいて自分が優位に立つことができるのだろうか
とか書く必要、全然ない。

大体、
レイプされたとしても、妊娠しなければよいだけの話ではないか
と言ってた筈の人が
抵抗しても成し遂げられる男であるときのみ、その男の子供を産んでやる
ってどういうことやねん。

その辺りは
女は最初からレイプを望んでいるわけではない。しかし、もしそういう状況になった場合には次善の策として抵抗する。そして、できるだけレイプをうまく成し遂げられる男を選ぼうとしているのではないか
という形で正当化されてる訳ですが…

いや、嫌なら抵抗するのは当たり前でしょ。
つまり「抵抗」はそういう「プランB」なしでも充分に説明できちゃう訳ですね。
よりシンプルな説明が可能なのに、わざわざややこしい説明を導入する理由って何かあります…?

ただでさえややこしい自然に、余分なもん導入して余計ややこししてどないすんねん。
「単純な説明で済む時に、複雑な説明を持ち込んではならない」という経験則『オッカムの剃刀』をご存じないんでしょうか?

竹内久美子がそこまでして余計な説明を増やす理由って、結局「面白おかしい話をでっちあげてウケを取りたいから」くらいしか見当たらないよね。
他におありでしたら是非教えていただきたいものです。










※『オッカムの剃刀』については以下のエントリを参照。

トンデモ・陰謀論・ネトウヨさん等に陥らないための「思考の道具箱」





(00:00)

2023年11月08日


 
またしてもウヨゲバ勃発。
 
まず、Twitter(現X)上で加藤清隆が↓こう発言。

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それに対し、百田尚樹が↓こう応戦。

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…いつものウヨゲバですね。


そんな中、百田尚樹に寄せられたリプに↓こんなのが。

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…その通りですね、
「日本保守党刺客を送ることができるなら、まず福井1区に立てるべきです」
よりは
「日本保守党刺客を送ることができるなら、まず福井1区に立てるべきです」
の方が遥かに伝わりやすいですね。

加藤清隆、悪文にも程があるやろ…。

しかし、の方も
「刺客を送るだけの力が日本保守党あるなら、まず福井1区に立てるべきです」
的に解釈可能ではあるので、明らかに間違いとまでは言えない感じ。

ところが、これを間違いだとする百田ビリーバーがてんこ盛り。


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…あんたらどっちも日本語苦手か…?

こういう多義性のある文や、ちょっと解釈に悩むけどよく考えれば意味の通る文に接することなんて、普通にちょこちょこありますよね…?

それを「間違いだー!」と鬼の首でも獲ったみたいに言い立てるて…

普通の日本人の皆さんの語学力に不安しか覚えません。

普段から様々な文章に接したり、「もしかしたら間違ってるのは自分の方なのではないか」と内省する習慣を身に付けてないとこうなっちゃうんですかね…?




…ちなみに今回のタイトルである
『日本語が下手な加藤清隆さんと日本語を理解できない百田尚樹ファンがウヨゲバ』
とは、
『日本語を理解できない百田尚樹』のファン
ではなく、
日本語を理解できない『百田尚樹のファン』」
のことなので念のため。
日本語が不自由なネトウヨさんのために、誤解が生じない様、書いておきますね!








【オマケ】

こんなネット記事を発見。

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https://bunkaonline.jp/archives/2740/2

読んでみたところ…
『昔から知っていた「池田純矢の詐欺行為」』
かと思いきや、
『「昔から知っていた池田純矢」の詐欺行為」』
でしたー。
しかも別に知り合いとかでもなく、「メディアで見かけて(一方的に)知ってた」だけ
内容は憶測のみ。
事程左様に言語というやつは多義的なのです。




【ソース】

https://twitter.com/m2je5/status/1721879166503866533?s=12




(23:58)

2023年11月02日


ネトウヨさんはしばしば
「左翼は日当が出る」
「左翼は中国から金を貰ってる」
「左翼はネットに書き込みすると報酬が出る。この五毛党ガー!」
といった主張をします。

しかし蓋を開けてみるとその様な証拠はさっぱり見つからず、逆に


◉「左翼は日当が出る」
   ↓
報酬を配ってたのは右翼でした

【産経ニュース】
『田母神容疑者を逮捕 都知事選で運動員に報酬?』

https://www.sankei.com/smp/photo/story/news/160414/sty1604140011-s.html


◉「左翼は中国から金を貰ってる」
   ↓
貰ってたのは自民と維新でした

【FRIDAY DIGITAL】
『IR汚職事件 まだまだいる「中国企業からカネをもらった政治家」』
https://friday.kodansha.co.jp/article/90093


◉「左翼はネットに書き込みすると報酬が出る。この五毛党ガー!」
   ↓
やってたのは右翼でした
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…という具合に毎度まいどのブーメラン。
「自分たちがやってることは当然、敵もやってるに違いない」という発想の賜物なんでしょーか。


もはや日本に反日左翼どもの悪行を暴く国士はいないのか…!?

います。
福岡県行橋市の市会議員・小坪しんやという人物がソレ。

SEALDsに向けて
「デモに参加すると結婚や就職に悪影響を及ぼすおそれがある」
的な発言をしたり、熊本地震後に
「『朝鮮人が井戸に毒を入れた』というデマが飛び交うことに対しては仕方がない」
と主張したりと、なかなかにトガったアレ。
Wikipedia『小坪慎也』のページにも「騒動」の項があったり。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/小坪慎也



あとTwitter(現X)のぞいたらテキサス親父日本事務局とトラブってはりました。お馴染みのウヨゲバ。


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(画像はXの@kotsubo48アカウントより引用)


この小坪議員、2015年に自身のサイトでこんな記事を書いていました。




【行橋市 市議会議員 小坪しんや】
『拡散【漫画でわかる】左翼デモの実態?日当疑惑と資金源の謎』
https://samurai20.jp/2015/04/manga/


以下の画像は上記サイトより引用。

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…ほえ〜…
こんなん「部活で部費を集めて遠征費を捻出」とかと変わらない話でしかありませんが、コレが「日当」の正体…!


あと「左翼は日当が出る」はネトウヨさんの主張の定番で、その資金源は「中韓だ」「左翼政党だ」などと言われてきましたよね!?

まぁ陰謀論者の主張はたいてい資金と機密保持の設定が甘いもの。
米国政府内に大統領にすら秘密の組織があったり、地下に広大なUFO研究施設があったりしますが、そういうのって議会を通さずにどうやって予算を獲得してるのか、広大な施設の内装工事やトイレ清掃はどんな業者が入ってるのか、興味の尽きないところ。

中韓や左翼政党も溢れるほどの資金がある訳ではないでしょうに、デモ参加者に日当配るよりもうちょっと有効な使い道がありそうなものです。


…が、我らの小坪議員はさすがです。
それらの非現実的な陰謀論は投げ捨て、現実路線を歩むことにした模様。
つまり労働組合が組合員から集めて組合員に還元しただけのお金を「日当」とし、「遂に証拠発見!」ということにした訳ですね。かしこーい!


「左翼政党や中韓から貰ってた巨額の闇資金」の筈が、いつの間にか「労組が内輪で出し合ってました」とずいぶん主張を後退させてますが…
こんなんで鬼の首でも獲ったみたいに言われてもなぁ…。
ゴールポストをずりずり動かしまくりですやん。


そもそもコレ、言うほどアカンか…?

古来より、左翼は基本的に手弁当。
だって貧乏所帯の寄り合いですし。
ネトウヨさんは左翼に対してすぐ
「利権ガー!」
「公金チューチューガー!」
と騒ぎますが、そういうのがしたいなら政権に擦り寄った方が旨味があるやろ…
これまた「右がやってることは当然、左もやってるに違いない」式の発想なんでしょーか?

あと公金チューチューに過敏な人に限って何故か遥かに巨額な五輪や万博やモリカケ桜は追求しないの何で?

組合費とかの財源がない左翼組織の資金なんて、カンパとか物販とかやで?
特にその多くを占めるジジババ層は
「クラウドファンディング…何それ?」
って感じ。
なのでいまだに仲間内でカンパ袋を回したり、チョコレート仕入れたりお好み焼き焼いたりしてカンパ分上乗せして手売り。
やってることがアメリカの道っぱたで自家製レモネード売ってる子供やクッキー売ってるガールスカウトと変わらないんだよなぁ…。
そしてそういう「自主財源」を使ってお仲間をデモ等に送り出してたり。



こういった仲間内のカンパの様に、庶民がお金を出し合うものとしては、江戸時代には「参拝講」というのが盛んでした。
「講」というのは組織の一種で、社寺の参拝のために作られたのが「参拝講」。
例えば伊勢参りのための講、「伊勢講」はその代表です。
当時、お伊勢さんに参拝に行くというのは一生に一度あるかないかの、庶民の夢でした。
そのための資金を積み立てるのが「伊勢講」。
メンバー全員で行く場合もありましたが、資金難から多くはくじなどで選ばれた数人だけで行く「代参講」でした。
参拝者は仲間の積み立てたお金を託され、皆の代表として代参する、ということですね。


こういった参拝講と類似の仕組みでお金を用立てる組織として「頼母子講」(たのもしこう)・「無尽講」というのもあり、鎌倉時代から庶民間の金融システムとして重宝されてきました。
今でもやってるトコがあったり。
特に沖縄では「模合」(もあい)として現在も普通に行われています。

ちなみに「無尽講」は名前は似てても「無限連鎖講」、つまりネズミ講とは全く別。
違うよ。全然違うよ。
ネズミ講は犯罪なのでダメ。絶対。


労働組合から出るお金はコレに近い性格のものでしょう。
「皆で出し合い、代表者が受け取る」というお金の流れは全く同じだし。

とはいえ、代参講の様に「是非とも自分に行かせてほしい!」というものではないのも確かです。

労働組合運動というのは悩ましいジレンマを抱えてるもの。
「全体のために多くの人が参加すべき」というのは誰もが理解しているのですが、自分が行くのは面倒くさい。
だって自分一人が行ったところで何も変わらん気がするし。
自分が行かないことによって損なわれる「全体の利益」はほんのちょっぴりですが、自分が得る自由な時間は自分だけのもの…そら行きたないよ。
おまけに活動に参加してもしなくても、賃上げなどで得られた利益は組合員全員に平等に与えられるのです。

つまり労働組合活動というものは以前に紹介した『共有地の悲劇』に近い構造を抱えてるのですね。

『共有地の悲劇』については以下のエントリを参照。


『「中国人に理性とかないやろ」←理性があっても解決しない件』


そのため、労働組合活動には何らかのインセンティブが必要となります。
組合全体のために率先して「行動」した人に、皆が積み立てた「自分たちの資金」からいくばくかを出す…
これは「行動費」と呼ばれたりしてます。


こんなん、外部から雇われて労働の対価として貰う「日当」とは全然ちゃうやん。
ていうか、漫画の中で
『日当もらっても自分のお金が戻ってきてるだけってことじゃん?』
って言うてしもてるし。
日当とは呼べないことを自ら認めていく斬新なスタイル。



ついでに左翼政党の財源を見ると…
例えば収入額が多く、資金が潤沢と言われる共産党は、実際には収入の大半が「赤旗」の売上。
額が大きいだけで利益はあまりなく、実態は火の車です。
自民党みたいにパー券乱発のパーティーも開いてないですし。
おまけに政党助成金や企業献金を批判しているので、これらを受け取っていません。愚直。

「清濁あわせ飲む〜」とか言って汚職して当然のどっかの政党とは違って、敵が多い分、ツッコみどころがない様に清廉に気遣う、李下に冠を正さず精神やで?

党員が収める党費はその人の収入の1%なので、月収30万円の人で3000円…ちょこざっぷくらいの負担額

左翼なんてこんなモンやで?



あと小坪議員の件の記事にはこんな文章が付いてます。
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謝辞

まとめサイト「ネトウヨにゅーす。」様において、以下のようにまとめて頂きました。
この場を借りて感謝申し上げたいと思います。
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…『ネトウヨにゅーす。』というタイトルのサイトにまとめられて喜ぶ市会議員。ええんか?



今回、コレ書きながら別の事件のことを思い出しました。

数年前、「在日特権の公的証明を発見」とか書き立てててるブログを見かけたのですが…
そのブログは、在日特権は「証明された例はほとんどないのが実態」だが「根拠を発見」と自慢。
これまで根拠薄弱だったことを認めてしまう斬新なスタイル

で、その在日特権とやらの根拠は、というと…
誰でも「外国に扶養家族がいる」と申告すれば扶養控除を受けられる、というだけ。 
しかも実際には被扶養者が多いのはフィリピンとブラジルだった、という。
羊頭狗肉。

この
「自信満々でネトウヨさん的主張の証拠を持ってきておいて、結局は的外れ」
という肩すかしっぷり
なんか今回の件に似てるよーな。
コレがネトウヨさん仕草なのか…?

と思って調べてみたら、「在日特権の証拠」の方も小坪議員の仕業でしたー!

探したら↓こんなん出てきました。


【行橋市 市議会議員 小坪しんや】
『【拡散希望】「在日特権・外国人特権」の公的証明?外国人のみ税金が安く生活が楽。(ソース不定とは言われません。)』
https://samurai20.jp/2014/10/g-huyou/


↑しかもこっちもネトウヨさんまとめサイト『保守速報』に載ったお礼とか書いてるし。



常習かよ!?









(00:07)