2023年05月
2023年05月29日
さて前回、『月刊WiLL』で竹内久美子と黒川伊保子が対談していることをお伝えし、黒川伊保子のトンデモっぷりをご紹介しました。
『ネトウヨ雑誌『WiLL』、トンデモ女王・黒川伊保子と竹内久美子を対談させてしまう』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/20166941.html
取り上げるのは
『月刊WiLL』2022年12月号
「女女問題は生殖本能のなせる技」
という記事です。
ではまず前半の要約から。
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
誰よりも気にかけてもらい、よりよい資源をもらうための戦い
1人勝ちの女性を許さない
竹内
女性は「比べる」「マウントする」「愚痴っぽい」…… 。なぜそんなことをするのか理解できませんでしたが、『女女問題のトリセツ』を読み、目からウロコでした。
黒川
ありがとうございます。女性は自分よりも優秀な人にも、劣っている人にもイラつくので、なかなか大変です。
ヒトは群れで子育てをしなければなりませんが、その中で自分がいかに大切に思われ、優先されるか。誰よりも気にかけてもらい、より良い資源をもらえること。それが生殖を完遂させるステップの第一歩です。
だからこそ優秀で綺麗、ちやほやされて、1人勝ちしている女性を許しておくわけにはいきません(笑)。
本音を言ったら終わり
竹内
私自身は女同士の群れがすごく苦手で……。会話にもついていけないし、女の組織に属しても、必ずいじめられる。つい本音を口にしてしまう。それで嫌われて終わりです(笑)。
黒川
私もそういう女子の会話のプロトコル(表面的な儀礼)が五十歳になるまでわかりませんでした。私も竹内さんも理系脳で、正しいこと(真理)を言うのが正義だと思っていましたから。
息子の高校でPTAの副会長をしていたのですが「黒川さんが謝恩会に出るなら、私たちは出ません」とボイコットされたことがあります。会議で、卒業式の来賓へのお茶出し係のお母様たちが「大変なんです」と言うので「そんなこと、PTAがしなくて良いのでは? 生徒にやらせればいいじゃないですか」と言ったら係のお母様たちは黙り込むことに。
後にPTA会長から「やっちゃったね、黒川さん。あなたが言うべき言葉は『そんな大変なことをされているんですか。でもそのおいしいお茶があるからこそ卒業式が始まるんですね』というねぎらいです」と言われました。ちなみに、その会長は男性です(笑)。
どうしてイラつく?
竹内
本音を言ったら嫌われてしまうわけですね。黒川さんは奈良女子大学のご出身ですけど、中学高校はどうでしたか。
黒川
女子大は楽でした。
理系の女子たちは、パジャマの上に白衣を着たり、スッピンでも平然としていました(笑)。
生活水準や偏差値もほとんど均一で変わりませんから。
竹内
ところが、差が生じると、激しいマウントの取り合いになるでしょう。
黒川
ええ。例えばママ友グループの会話の中で「あなたもやったほうがいい」と勧めてくる場合があります。「ゼロ歳児からの英語教育、あなたのところの始めない?」と。
竹内
余計なお世話だと思ってしまいますよね。
黒川
「いいわねぇ」とか言いながら、一向に始めようとしない人に、女性はイラつきます。自分が高いお金を払ってやっている「ゼロ歳児からの英語教育」が、「どうでもいいことにされた」気がするから。そのため、本気のマウンティングに転じてしまうこともありますから厄介です。
時には、ママ友グループ内でイジメが発生することだってある。
竹内
それは恐ろしい。
女性同士の会話はデリケート
黒川
だから、無視してはいけません。
「参考になるわ。情報、ありがとうね」と笑顔で、気持ちだけで即座に受け止めるのが正解。
女性同士の会話はここまでデリケートに水面下の戦いをしています。
なのに、そんな女性(妻)相手に、男たちは、実に無頓着に会話をしているな、と恐ろしくなります(笑)。
竹内
うらやましい面もありますけど。
黒川
もう一つ対処法として、そのグループに無理して留まり続けるのではなく、別のグループに行くか、新しいグループを作ることも選択肢に入れるべきです。
竹内
なるほど、上手なやり方です。
黒川
常々、女性の心理で不思議に思っていたのが、自分より劣っている女性にイラっとすること。劣っている女性は敵じゃないのに。
その理由が『女女問題』を書くまでわかりませんでしたが、孫ができたことで、理解できるようになった。ある日、我が家に来た知人が、孫の頭の上を通過するように、熱々の味噌汁のお椀を手持ちで運んだんです。
そのとき、私の脳には、強い警戒信号が流れ、この方を、育児の現場に置いておけないと感じました。
で、これだな、と。
子育ては常に不測の事態とともにありますから、「とっさの判断」に不安のある人=劣った人が群れにいたら、子どもの身が危ういと思ってしまう。
竹内
それ、つまり、危険因子です。私もそうかな(笑)。
黒川
私だって同じですよ(笑)。
「本当に危険」かどうかじゃなく、「劣っている」と思えば危険なんです。英語教育熱心じゃないなんて愚かだ、これは危険因子だ、となる。
私たちはちょっとものの見方が変わっているから、即、危険因子扱いされる。
でも、思い込みの評価軸で人を阻害する女性グループを一概に責めることができなくなったのも確かです。母性のなせる技なのです。
生理もうつる
竹内
『女女問題』では脳科学研究家の黒川さんらしく、女性の問題を脳科学的に分析されていますが、「ミラーニューロン」についても言及されていますね。
黒川
脳の中にある細胞ですが、他者の表情や所作を自らの神経系に、鏡に映すように移しとってしまう能力があります。
竹内
超美人と一緒にいると、ミラーニューロンによって自分も超美人であるかのように余裕綽綽に振る舞って、むしろ、関係性が円滑になりませんか。
黒川
ええ。美しい表情の人と一緒にいるとつられます。
さらに、表情は脳神経信号を誘発するので、気持ちも明るくなります。
だから、「嬉しげな表情の美女」は、周囲を幸せにします。それと不思議ですが、生理もくしゃみと同じでうつりますよね。
竹内
ええ、「ドミトリー(寄宿舎)効果」、あるいは研究者の名から「マクリントック効果」と呼ばれます。
寄宿舎でなくても一緒に住んでいる家族でも、べったりとくっついて行動することが多い友達同士でもそうなります。
黒川
私は大学時代、四人部屋の女子寮で暮らしていましたが、一緒に布団を並べている友人と月経周期が揃うのは、寮内の常識でした。
竹内
『女女問題』でも言及されていますけど、マクリントックらの研究によると、女性2人にお互いの脇の下の匂いを染み込ませたコットンパッドを鼻の下に貼ると、両者の月経周期が互いに自分の方へと引き寄せることで、何ヶ月後かに同期します。
腋の下は性フェロモンが分泌される部位です。フェロモンは嗅覚の一部が無意識のうちに感知する臭い物質で、生殖ホルモンの分泌に伴ってその量を増減させます。
黒川
ええ、要するに生殖ホルモンの分泌を知らせる臭いと言う事ですから、お互いのフェロモンに感応し合って脳が月経周期を揃えているという訳です。
竹内
では、それは女性の体型にも関わっているのかも気になるところです。ボン・キュッ・ボンのメリハリボディの女性は、排卵をほう助する女性ホルモンのエストロゲンのレベルが高いと言われていますが、そういう魅力的な女性といると、フェロモンの恩恵があるのかどうか。
黒川
私の推測ですが、四人部屋で暮らしていると月経周期が揃うのは、その中にエストロゲンをしっかりと出している女性がいて、そのエストロゲンの周期にみんながつられてしまうからではないでしょうか。
竹内
なるほど、そういうこともありますね。
黒川
だから、女子力の高い女性のそばにいた方が体調も整うことを本能的に察知しているのかもしれません。
エストロゲンの分泌が悪く、体の調子も悪くて愚痴が多く、落ち込んでばかりの女性と一緒にいるのと、絶好調で女子力が高い女性と一緒にいるのでは、どちらが得かと言ったら、後者に決まっています。
圧倒的な美女にみんな惹かれるのは「一人勝ち」への心配よりも、心身の体調が整うことが大きい。さすがにメリハリボディまでは獲得できないと思いますけど(笑)。
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前半はこんな感じ。
ええ~…黒川伊保子、冒頭では
『女性は自分よりも優秀な人にも、劣っている人にもイラつくので、なかなか大変です』
言うてたのに話変わってるやん。
一応、
『圧倒的な美女にみんな惹かれるのは「一人勝ち」への心配よりも、心身の体調が整うことが大きい』
とフォローしてますが…
そもそも美女のエストロゲンによって『心身の体調が整う』云々については黒川伊保子自身が『私の推測ですが』って言うてたやん。
何しれっと事実みたいに書いてんだか。
というかですね、「ドミトリー(寄宿舎)効果」「マクリントック効果」自体が否定されてるんですけど。
【WIRED】
『「女友達と生理の周期が重なる」はウソだった:英大学が検証』
https://wired.jp/2017/10/04/period-sync/
Wikipedia「フェロモン」の項にもこう書かれてます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以前[いつ?]より修道院や女子寮のルームメイトなどの月経周期が次第に同調してくること(寄宿舎効果、ドミトリー効果)が知られていたが、その原因となるフェロモンであろうと考えられている[1]が、実際には人間の月経周期が同居を原因として同調する事は無いと判明している[2]。
おばあさん効果
竹内
閉経後は、その意識も変化しやすいように思います。エストロゲンの分泌量が減りますから、脳が変化していく。
黒川
エストロゲンが減る代わりに、テストステロン(男性ホルモン)の比率は上がりますか。
竹内
そういうことだと考えられています。声も低くなるし、肌も若い頃と違い、くすみやすくなる。肌のきめ細かさや白さはエストロゲンによるものですから。
黒川
女性は妊娠でも変化します。わかりやすく言うと、ギラギラした感じが消える。相手をゲットしたから、脳が油断するのではないでしょうか。
竹内
動物行動学の分野では「人間はなぜ閉経するのか」も大きな研究テーマです。というのも哺乳類のメスは生涯にわたって子を産み続けるのが普通ですから。ところが、人間とシャチ、ゾウなどの場合は生殖能力を失っても、その後、何十年と生きる。しかし、最近の研究で「おばあさん効果」と言って、自分が直接繁殖するよりも、孫の面倒を見る方が自分の遺伝子がよく残る。だから、あえて閉経するようになったと考えられています。
黒川
よくわかります。人類の子供は単独では育てられません。
孫ができてよくわかりましたが、両親、祖父・祖母の4人がいても、一人を育てるので精一杯。
竹内
夫婦だけで子育てをするのは、本当に大変です。
黒川
孫は自分の子供の時とは感覚が全く違います。息子が生まれた時は自分の体の一部みたいな感覚が強かった。もっと言えば自分の分身みたいなもの。ところが、孫にはその分身感が全くありません。一人の人間として、愛おしい。
竹内
孫は目に入れても痛くないと言いますけど、自分の子供だとそう単純ではなくて、愛憎半ばするような感覚が強いわけですね。
というのも、自分の子だと次の子を生む可能性がありますから、その可能性を視野に入れつつ、本能的に全力投球しないよう抑制してしまいます。それに対して祖父・祖母になったら次の子が生まれるかどうかは考えなくていいので、全力で孫を可愛がることができます。
不妊も繁殖戦略の一つ
竹内
『女女問題』には、
《すべての個体が子供を持つより、一部の個体が子供を持たない方が、人類全体が活性化する》
とありますが、同感です。人間界には不妊の人がとても多いですが、子ができにくい性質ですから、それに関わる遺伝子はとっくの昔に淘汰されても良い。ところが、びっくりするほどの確率で不妊の人が存在します。ということは、不妊も繁殖戦略の一断面であると考えざるをえません。
黒川
何か理由があるわけですね。
竹内
本人のパラドックスについて、イギリスの動物行動学研究家のロビン・ベイカーは次のような考察を巡らせています。
ある姉妹がいたとして、妹の方が不妊であったとしましょう。そして女一人の力が育て上げられる子の数を二人と仮定します。不妊の妹はいつまでたっても子ができないので、自然な流れとして、姉の子育てを手伝うようになります。そうすると、姉は本来2人の子を育てあげるはずが、妹の加勢によって、もう2人は産んでも大丈夫ということになる。
これだけでもすでに、姉も妹もそれぞれ二人ずつ後に育てるのと、実質的に同じ結果となります。遺伝子の次世代への継承と言う意味で同等です。もっともこれだけでは不妊の個体が驚くほど多く存在する理由としては説明が不十分です。不妊には、さらに重要な意味があるからこそ、こんなにも不妊の人が多い。
そこで先の姉妹ですけど、妹が姉の繁殖に加勢すると、別々の家庭でそれぞれ繁殖するよりも有利な点があります。共同で家事、育児をすることで作業の効率がとても良くなります。ご飯を作る場合、四人前を作るのも、八人前を作るのも、手間という点ではほとんど変わりません。姉、妹のどちらかが作っている間に他方は休んでいるか、他のことをしていてもいい。これが別々の家庭でご飯を作るとなると、どちらも同じように手間がかかります。
黒川
なるほど、効率性を重視しているわけですね。
無理矢理はダメ
竹内
だから、余裕も生まれます。その余裕によって姉はもう一人いけるかもしれません。つまり姉が5五人の子を産み、全員が育つ……。それは妹が不妊ではなくて、姉妹が別々の家庭で二人ずつ子を産んで育てるよりも、一族にとって繁栄することを意味します。
そして、ここが一番肝心ですが、不妊の妹が持っている、不妊に関わる遺伝子(それは一つとは限らず、複数あるだろう)が、姉を通して間接的に増えると言うことです。姉は不妊ではありませんが、妹とは二分の一の確率で遺伝子を共有しており、不妊に関する遺伝子もある程度持っているからです。
このようにして不妊の個体がいることで一族がかえって栄え、なおかつ不妊に関する遺伝子もしっかりと受け継がれるわけです。その個体だけ見ていると訳が分かりませんが、一族全体を見るとわかってくるというのが動物行動学の醍醐味であり、いろいろな問題がこのような視点から解決します。
昔から全ての人が直接自分の子供を持つわけではありません。「子供を持て」と、無理矢理強要されるのは動物行動学的に間違っています。
母性の恐ろしさ
黒川
考えてみると、人類の女性全員が子を産んだら、とても子育てまで手が回りません。出産・子育ては、女性にとって人生が一時期の全てを子供に捧げるわけです。
その一方で、あらゆる宗教が巫女さんや修道女など、子供を生まない女性の存在を担保しているのは、子供を持たない個体が一定程度存在している方が、健全だと判断しているからでしょう。私は、だから、女性たちの子供を持たない選択もまた、祝福されるべきだと思います。子供を持たないと女として価値がないなんて、とんでもない!
助産師会の講演に呼ばれることもありますが、必ずこの話をすることにしています。助産師さんの中には子供を持たずに働かれている方もいますから。講演のあと、何人もの助産師さんが控え室にいらして、
「私は助産師ですけど、不妊で、仲間や三浦さんから、子供を持っていないから痛みや辛さがわからないでしょうとよく言われます」
と、泣きながら話してくださることも。
私は、
「私自身、出産子育てや素晴らしい経験でしたから、産む方たちを、祝福しますが、一方で、自ら選んだにせよ、結果その他にせよ、女性たちの子供を持たないで生きる覚悟を祝福する」
と話します。
竹内
もう一つ付け加えると、子育ては女の群れの中でしますが、ある程度、血縁関係がなければ安心してできません。
血縁関係にあるから女同士の嫉妬も緩和されるわけです。それも子育ての知恵だと思います。
黒川
いやぁ、そういう意味でも、やっぱり母性の恐ろしさとともに、遺伝子を残そうとする本能は本当にすごい。
竹内
だから、動物行動学は永遠のテーマになるわけです。
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
…またしてもトンデモさんのロビン・ベイカー登場。
トンデモさん同士は惹かれ合う。
まず「2人育てるも5人育てるも同じだからお得」つっても、まとめて育てると捕食者や感染症で一気に全滅するリスクもある訳で。
…という話は以前にも取り上げましたが…
怪しいのはソコだけではありません。
今回、竹内久美子は
『その個体だけ見ていると訳が分かりませんが、一族全体を見るとわかってくるというのが動物行動学の醍醐味であり、いろいろな問題がこのような視点から解決します』
と言っちゃってる訳ですが…
ええええ~?
それはむしろ動物行動学の常識に思いっきり逆らってますけどー!?
常識的に言えば、不妊や利他行動といった「個体にとって不利に思える行動」が進化するのは、「実は遺伝子レベルで見ると有利になる場合」。
「個体にとっては損だけど、一族全体にとっては得になる」といった説明はほぼ否定されています。
それが何故なのかは当ブログで何度も取り上げてきました。
とりあえず↓ココをお読み下さい。
『自民党議員、LGBTに「種の保存に背く。生物学の根幹にあらがう」→生物学、そんなこと言ってなかった』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/16495106.html
…そして竹内久美子自身も、こういった「種の保存に背く」という表現は間違いであるとあちこちに書いています。
一例を挙げると、『「浮気」を「不倫」と呼ぶな━━動物行動学で見る「日本型リベラル」考』P.117にはこうあります。
『ここで声を大にして言いたいのですが、「種の保存」などとよく言います。しかし、実は種というのは、保存しようと思って保存しているわけではありません。各々の個体が、ひたすら自分の遺伝子を残したいと思って行動しているだけです。その結果として、種が保存されているだけに過ぎない。』
…声を大にして言った割に、自分からその穴にハマりに行く謎ムーブ。
しかし竹内久美子はそれに気付かず、「自分はあくまで遺伝子ベースで語っている」と思ってる模様。
↓このあたりにそれが現れてますね。
『つまり姉が5五人の子を産み、全員が育つ……。それは妹が不妊ではなくて、姉妹が別々の家庭で二人ずつ子を産んで育てるよりも、一族にとって繁栄することを意味します。
そして、ここが一番肝心ですが、不妊の妹が持っている、不妊に関わる遺伝子(それは一つとは限らず、複数あるだろう)が、姉を通して間接的に増えると言うことです。姉は不妊ではありませんが、妹とは二分の一の確率で遺伝子を共有しており、不妊に関する遺伝子もある程度持っているからです。
このようにして不妊の個体がいることで一族がかえって栄え、なおかつ不妊に関する遺伝子もしっかりと受け継がれるわけです。』
ほほう…では遺伝子がどれくらい増えるのか計算してみましょう。
姉が2人の子を育てた場合、血縁度(遺伝子共有率)が0.5の子が2人いるので0.5×2で合計1です。
しかし5人育てれば0.5×5人で2.5…増えてます。
姉は得しますね。
しかし妹はどうでしょう?
妹ももともとは2人の子を育てる筈だったので、0.5×2で1。
それを失い、替わりに得たのは5人の甥・姪です。
しかし姉はもともと妹の援助なしで2人育てられるので、増加分は3人ですね。
甥・姪は姉妹より縁遠く、血縁度は半分の0.25しかありません。
なので、妹の増加分は0.25×3で0.75…
元の1より減ってんじゃねーか!
これでは肝心の妹に「不妊になって姉のヘルパーになる」という進化的動機がありません。
じゃあダメじゃん。
竹内久美子はトンデモさんではありますが、進化論については一応の知識はある人…
の筈なんだけど、いきなり「変異」と「進化」の区別もあやふやだったり、急にダメまることがあります。
もう一つ挙げると↓コレ。
『その一方で、あらゆる宗教が巫女さんや修道女など、子供を生まない女性の存在を担保しているのは、子供を持たない個体が一定程度存在している方が、健全だと判断しているからでしょう。私は、だから、女性たちの子供を持たない選択もまた、祝福されるべきだと思います。子供を持たないと女として価値がないなんて、とんでもない!』
…宗教家がしばしば子供を作ってはならないのは、性的快楽を卑俗なものと見做して宗教的法悦を上に置く偏見と、子育てにかかる時間や労力を布教に振り向けさせるためでしょう。
これは「そういった教義を持つ宗教と、持たない宗教のうち、どちらが広まりやすいか」というミーム進化の問題です。
こちらの解釈の方がはるかに進化論的だと思いますが。
ちなみに生物進化にも類似の例はあります。
例えば寄生性のフジツボであるフクロムシに寄生されたカニは繁殖能力を失います。
「寄生者による寄主去勢」というやつですね。
フクロムシから見ると、宿主であるカニの繁殖には何のメリットもありません。
それよりも繁殖に振り向ける栄養などの資源を体内に残し、それをちゅーちゅー吸う方がお得です。
でも一見すると、自分の子孫の寄生先として宿主の繁殖もある程度確保した方が良さそうにも思えますね。
しかし進化とは場当たり的かつ盲目的なもので、先の見通しなど持ちません。
敢えてカニの繁殖力を残すフクロムシがいたとしても、宿主を去勢してしまうライバルのフクロムシの方が増殖しやすく有利になるため、強欲な方が謙虚な方を圧倒し、置き換わってしまいます。
子作り禁止ルールも同じで、宗教家に子孫を残させないタイプの「強欲な宗教」は「謙虚な宗教」を圧倒するでしょう。
ちなみにフクロムシに寄生された雄のカニは、腹部の俗に「フンドシ」と呼ばれる部分が雌の様に幅広になります。
そこからまるで自身の卵の様にフクロムシの生殖部をはみ出させ、さらにそこを丹念に掃除したり新鮮な水を送り込んだりして、我が子の様に世話までする…
つまり体も行動も雌化するのです。
擬人化すると
「メス堕ちした男の娘がより女性的な体つきに変化、子宮いっぱいの寄生虫で膨らんだお腹をうっとり顔でさすさすしながら妊娠苗床エンド」
な訳で、こらぁ薄い本が厚くなりそう。
それはともかく、宗教家が子作りしないのは黒川伊保子が言う様な理由とはとても思えません。
しかもそれを根拠に「子供を持たない選択」を支持するとは…
それって一見すると良い話ですが、結局のところ
「社会全体の生産性に寄与するならOK」
ってことでしかないですからね?
じゃあもし生産性がないことが判明したら、手のひらクルーってことやんけ!
子供を持つかどうかの選択を、生産性で計ること自体がナンセンスです。
大体、子供を持つ選択をする人も
「社会全体のために子供作ったろ!」
とか思って作らないでしょ普通。
「どうであるか」という事実の問題から「どうであるべきか」という価値観を導くことはできません。
「ヒュームの法則」違反(自然主義的誤謬)というやつです。
したがって「社会に寄与するか」という事実命題から「子供を持つべきか」という価値命題を引き出すこともできないのです。
ちなみに竹内久美子もLGBTを支持する振りしつつ「実は生産性があるからOK」的な主張をしてたり。
同じ轍を踏んどる。
いろいろ書きましたが、私も竹内久美子的な発想をすることはあります。
学生時代に
「ジェンダーをテーマにした短編映画を撮ってこい」
という何ともヘビーな課題が出たのですが…
クラスメイトの皆さんが社会派な作品を提出する中、私だけ
「自らは不妊だが、姉妹を支援することで自分の遺伝子を間接的に残していく、という進化戦略を採る女性たちがいた…」
という内容の作品を制作しました。
でもコレはあくまでフィクション、いわばSFですからね…
こんなんの実在をガチめに主張する人が出て来るなんて思ってなかったよ。
この手のモキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー)、好きなのです。
ちなみに直近で観た映画は
『食人族 4Kリマスター無修正完全版』(R-18)。
前半はこんな感じ。
ええ~…黒川伊保子、冒頭では
『女性は自分よりも優秀な人にも、劣っている人にもイラつくので、なかなか大変です』
言うてたのに話変わってるやん。
一応、
『圧倒的な美女にみんな惹かれるのは「一人勝ち」への心配よりも、心身の体調が整うことが大きい』
とフォローしてますが…
そもそも美女のエストロゲンによって『心身の体調が整う』云々については黒川伊保子自身が『私の推測ですが』って言うてたやん。
何しれっと事実みたいに書いてんだか。
というかですね、「ドミトリー(寄宿舎)効果」「マクリントック効果」自体が否定されてるんですけど。
【WIRED】
『「女友達と生理の周期が重なる」はウソだった:英大学が検証』
https://wired.jp/2017/10/04/period-sync/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以前[いつ?]より修道院や女子寮のルームメイトなどの月経周期が次第に同調してくること(寄宿舎効果、ドミトリー効果)が知られていたが、その原因となるフェロモンであろうと考えられている[1]が、実際には人間の月経周期が同居を原因として同調する事は無いと判明している[2]。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そのソースになってるのが↓コレ。
【ナショナルジオグラフィックス】
『ライオンのメスは排卵を同調、ヒトの生理と異なる』
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/082500315/
↑この記事にはこうあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人間でも、一緒に暮らしている女性の生理が同調するという根強い都市伝説がある。この話は、寮などに暮らす女性たちの生理周期が重なるというマーサ・マクリントック氏による1971年の研究に端を発して流行したが、その後に発表されたいくつかの研究によって、いまでは信用されなくなっている。(参考記事:「ヒトは無意識に異性を「嗅ぎ分ける」」)
2006年にゼンウェイ・ヤンとジェフリー・C・シャンクの両氏は、マクリントック氏らの研究結果も含めて統計的な検証を行い、一緒に住んでいる女性2人の生理周期が重なる確率は、他のどの女性と重なる確率とも変わらないことを明らかにした。
生理周期の長さは女性によって少しずつ違うので、2人の女性の周期を長いこと追っていれば、いずれは重なることもある。
「不規則なリズムと、周期が異なるリズムが重なり合う数学的なものに過ぎません」とシャンク氏は言う。「何かが一致するときは気づきやすいですが、一致しないときには気づきにくいのが人間の性です」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
黒川伊保子に至っては
『私は大学時代、四人部屋の女子寮で暮らしていましたが、一緒に布団を並べている友人と月経周期が揃うのは、寮内の常識でした』
とまで言ってたのにね~…。
まぁ前にも書きましたが、血液型占いとか「人は大潮に生まれ小潮に死ぬ」とか、実感してる人は大勢いるのに実際には存在しないパターンなんていくらでもありますからね。
しかもですね、仮にマクリントック効果が実在したとしても、黒川伊保子の思い付きはかなり強引。
エストロゲンが爆美女の体内で仕事した後、体を飛び出し匂いとして他の女性に到達、さらに月経周期に影響を与えるってコト?
エストロゲンにそこまで背負わすの、厳しくないですか…?
エストロゲンはホルモン、つまり「個体内で情報をやりとりする化学物質」です。
それが他者にまで影響を与える「個体間で情報伝達する物質」になるとそれはもうフェロモンですよね。
黒川伊保子自身が
『お互いのフェロモンに感応し合って脳が月経周期を揃えている』
と言ってるし。
まぁホルモンがフェロモンを兼ねることも不可能ではありませんが、逆にエストロゲンにそういう作用があるという証拠もなにひとつありませんわな。
もしそんな作用が証明されれば大発見です。
マトリントック効果の弱みは、「わざわざ月経をシンクロさせるとどんないいコトがあるの?」という肝心の疑問に答えられないトコ。
黒川伊保子はそれに対して
「『心身の体調が整う』ということにしたら面白いんちゃうか~!?」
と思いついた様ですが、その結論に向けて強引に説明を組んだため、全然説明になってない感。
では後半へレッツ・業!
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
そのソースになってるのが↓コレ。
【ナショナルジオグラフィックス】
『ライオンのメスは排卵を同調、ヒトの生理と異なる』
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/082500315/
↑この記事にはこうあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人間でも、一緒に暮らしている女性の生理が同調するという根強い都市伝説がある。この話は、寮などに暮らす女性たちの生理周期が重なるというマーサ・マクリントック氏による1971年の研究に端を発して流行したが、その後に発表されたいくつかの研究によって、いまでは信用されなくなっている。(参考記事:「ヒトは無意識に異性を「嗅ぎ分ける」」)
2006年にゼンウェイ・ヤンとジェフリー・C・シャンクの両氏は、マクリントック氏らの研究結果も含めて統計的な検証を行い、一緒に住んでいる女性2人の生理周期が重なる確率は、他のどの女性と重なる確率とも変わらないことを明らかにした。
生理周期の長さは女性によって少しずつ違うので、2人の女性の周期を長いこと追っていれば、いずれは重なることもある。
「不規則なリズムと、周期が異なるリズムが重なり合う数学的なものに過ぎません」とシャンク氏は言う。「何かが一致するときは気づきやすいですが、一致しないときには気づきにくいのが人間の性です」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
黒川伊保子に至っては
『私は大学時代、四人部屋の女子寮で暮らしていましたが、一緒に布団を並べている友人と月経周期が揃うのは、寮内の常識でした』
とまで言ってたのにね~…。
まぁ前にも書きましたが、血液型占いとか「人は大潮に生まれ小潮に死ぬ」とか、実感してる人は大勢いるのに実際には存在しないパターンなんていくらでもありますからね。
しかもですね、仮にマクリントック効果が実在したとしても、黒川伊保子の思い付きはかなり強引。
エストロゲンが爆美女の体内で仕事した後、体を飛び出し匂いとして他の女性に到達、さらに月経周期に影響を与えるってコト?
エストロゲンにそこまで背負わすの、厳しくないですか…?
エストロゲンはホルモン、つまり「個体内で情報をやりとりする化学物質」です。
それが他者にまで影響を与える「個体間で情報伝達する物質」になるとそれはもうフェロモンですよね。
黒川伊保子自身が
『お互いのフェロモンに感応し合って脳が月経周期を揃えている』
と言ってるし。
まぁホルモンがフェロモンを兼ねることも不可能ではありませんが、逆にエストロゲンにそういう作用があるという証拠もなにひとつありませんわな。
もしそんな作用が証明されれば大発見です。
マトリントック効果の弱みは、「わざわざ月経をシンクロさせるとどんないいコトがあるの?」という肝心の疑問に答えられないトコ。
黒川伊保子はそれに対して
「『心身の体調が整う』ということにしたら面白いんちゃうか~!?」
と思いついた様ですが、その結論に向けて強引に説明を組んだため、全然説明になってない感。
では後半へレッツ・業!
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おばあさん効果
竹内
閉経後は、その意識も変化しやすいように思います。エストロゲンの分泌量が減りますから、脳が変化していく。
黒川
エストロゲンが減る代わりに、テストステロン(男性ホルモン)の比率は上がりますか。
竹内
そういうことだと考えられています。声も低くなるし、肌も若い頃と違い、くすみやすくなる。肌のきめ細かさや白さはエストロゲンによるものですから。
黒川
女性は妊娠でも変化します。わかりやすく言うと、ギラギラした感じが消える。相手をゲットしたから、脳が油断するのではないでしょうか。
竹内
動物行動学の分野では「人間はなぜ閉経するのか」も大きな研究テーマです。というのも哺乳類のメスは生涯にわたって子を産み続けるのが普通ですから。ところが、人間とシャチ、ゾウなどの場合は生殖能力を失っても、その後、何十年と生きる。しかし、最近の研究で「おばあさん効果」と言って、自分が直接繁殖するよりも、孫の面倒を見る方が自分の遺伝子がよく残る。だから、あえて閉経するようになったと考えられています。
黒川
よくわかります。人類の子供は単独では育てられません。
孫ができてよくわかりましたが、両親、祖父・祖母の4人がいても、一人を育てるので精一杯。
竹内
夫婦だけで子育てをするのは、本当に大変です。
黒川
孫は自分の子供の時とは感覚が全く違います。息子が生まれた時は自分の体の一部みたいな感覚が強かった。もっと言えば自分の分身みたいなもの。ところが、孫にはその分身感が全くありません。一人の人間として、愛おしい。
竹内
孫は目に入れても痛くないと言いますけど、自分の子供だとそう単純ではなくて、愛憎半ばするような感覚が強いわけですね。
というのも、自分の子だと次の子を生む可能性がありますから、その可能性を視野に入れつつ、本能的に全力投球しないよう抑制してしまいます。それに対して祖父・祖母になったら次の子が生まれるかどうかは考えなくていいので、全力で孫を可愛がることができます。
不妊も繁殖戦略の一つ
竹内
『女女問題』には、
《すべての個体が子供を持つより、一部の個体が子供を持たない方が、人類全体が活性化する》
とありますが、同感です。人間界には不妊の人がとても多いですが、子ができにくい性質ですから、それに関わる遺伝子はとっくの昔に淘汰されても良い。ところが、びっくりするほどの確率で不妊の人が存在します。ということは、不妊も繁殖戦略の一断面であると考えざるをえません。
黒川
何か理由があるわけですね。
竹内
本人のパラドックスについて、イギリスの動物行動学研究家のロビン・ベイカーは次のような考察を巡らせています。
ある姉妹がいたとして、妹の方が不妊であったとしましょう。そして女一人の力が育て上げられる子の数を二人と仮定します。不妊の妹はいつまでたっても子ができないので、自然な流れとして、姉の子育てを手伝うようになります。そうすると、姉は本来2人の子を育てあげるはずが、妹の加勢によって、もう2人は産んでも大丈夫ということになる。
これだけでもすでに、姉も妹もそれぞれ二人ずつ後に育てるのと、実質的に同じ結果となります。遺伝子の次世代への継承と言う意味で同等です。もっともこれだけでは不妊の個体が驚くほど多く存在する理由としては説明が不十分です。不妊には、さらに重要な意味があるからこそ、こんなにも不妊の人が多い。
そこで先の姉妹ですけど、妹が姉の繁殖に加勢すると、別々の家庭でそれぞれ繁殖するよりも有利な点があります。共同で家事、育児をすることで作業の効率がとても良くなります。ご飯を作る場合、四人前を作るのも、八人前を作るのも、手間という点ではほとんど変わりません。姉、妹のどちらかが作っている間に他方は休んでいるか、他のことをしていてもいい。これが別々の家庭でご飯を作るとなると、どちらも同じように手間がかかります。
黒川
なるほど、効率性を重視しているわけですね。
無理矢理はダメ
竹内
だから、余裕も生まれます。その余裕によって姉はもう一人いけるかもしれません。つまり姉が5五人の子を産み、全員が育つ……。それは妹が不妊ではなくて、姉妹が別々の家庭で二人ずつ子を産んで育てるよりも、一族にとって繁栄することを意味します。
そして、ここが一番肝心ですが、不妊の妹が持っている、不妊に関わる遺伝子(それは一つとは限らず、複数あるだろう)が、姉を通して間接的に増えると言うことです。姉は不妊ではありませんが、妹とは二分の一の確率で遺伝子を共有しており、不妊に関する遺伝子もある程度持っているからです。
このようにして不妊の個体がいることで一族がかえって栄え、なおかつ不妊に関する遺伝子もしっかりと受け継がれるわけです。その個体だけ見ていると訳が分かりませんが、一族全体を見るとわかってくるというのが動物行動学の醍醐味であり、いろいろな問題がこのような視点から解決します。
昔から全ての人が直接自分の子供を持つわけではありません。「子供を持て」と、無理矢理強要されるのは動物行動学的に間違っています。
母性の恐ろしさ
黒川
考えてみると、人類の女性全員が子を産んだら、とても子育てまで手が回りません。出産・子育ては、女性にとって人生が一時期の全てを子供に捧げるわけです。
その一方で、あらゆる宗教が巫女さんや修道女など、子供を生まない女性の存在を担保しているのは、子供を持たない個体が一定程度存在している方が、健全だと判断しているからでしょう。私は、だから、女性たちの子供を持たない選択もまた、祝福されるべきだと思います。子供を持たないと女として価値がないなんて、とんでもない!
助産師会の講演に呼ばれることもありますが、必ずこの話をすることにしています。助産師さんの中には子供を持たずに働かれている方もいますから。講演のあと、何人もの助産師さんが控え室にいらして、
「私は助産師ですけど、不妊で、仲間や三浦さんから、子供を持っていないから痛みや辛さがわからないでしょうとよく言われます」
と、泣きながら話してくださることも。
私は、
「私自身、出産子育てや素晴らしい経験でしたから、産む方たちを、祝福しますが、一方で、自ら選んだにせよ、結果その他にせよ、女性たちの子供を持たないで生きる覚悟を祝福する」
と話します。
竹内
もう一つ付け加えると、子育ては女の群れの中でしますが、ある程度、血縁関係がなければ安心してできません。
血縁関係にあるから女同士の嫉妬も緩和されるわけです。それも子育ての知恵だと思います。
黒川
いやぁ、そういう意味でも、やっぱり母性の恐ろしさとともに、遺伝子を残そうとする本能は本当にすごい。
竹内
だから、動物行動学は永遠のテーマになるわけです。
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
…またしてもトンデモさんのロビン・ベイカー登場。
トンデモさん同士は惹かれ合う。
まず「2人育てるも5人育てるも同じだからお得」つっても、まとめて育てると捕食者や感染症で一気に全滅するリスクもある訳で。
…という話は以前にも取り上げましたが…
怪しいのはソコだけではありません。
今回、竹内久美子は
『その個体だけ見ていると訳が分かりませんが、一族全体を見るとわかってくるというのが動物行動学の醍醐味であり、いろいろな問題がこのような視点から解決します』
と言っちゃってる訳ですが…
ええええ~?
それはむしろ動物行動学の常識に思いっきり逆らってますけどー!?
常識的に言えば、不妊や利他行動といった「個体にとって不利に思える行動」が進化するのは、「実は遺伝子レベルで見ると有利になる場合」。
「個体にとっては損だけど、一族全体にとっては得になる」といった説明はほぼ否定されています。
それが何故なのかは当ブログで何度も取り上げてきました。
とりあえず↓ココをお読み下さい。
『自民党議員、LGBTに「種の保存に背く。生物学の根幹にあらがう」→生物学、そんなこと言ってなかった』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/16495106.html
一例を挙げると、『「浮気」を「不倫」と呼ぶな━━動物行動学で見る「日本型リベラル」考』P.117にはこうあります。
『ここで声を大にして言いたいのですが、「種の保存」などとよく言います。しかし、実は種というのは、保存しようと思って保存しているわけではありません。各々の個体が、ひたすら自分の遺伝子を残したいと思って行動しているだけです。その結果として、種が保存されているだけに過ぎない。』
…声を大にして言った割に、自分からその穴にハマりに行く謎ムーブ。
しかし竹内久美子はそれに気付かず、「自分はあくまで遺伝子ベースで語っている」と思ってる模様。
↓このあたりにそれが現れてますね。
『つまり姉が5五人の子を産み、全員が育つ……。それは妹が不妊ではなくて、姉妹が別々の家庭で二人ずつ子を産んで育てるよりも、一族にとって繁栄することを意味します。
そして、ここが一番肝心ですが、不妊の妹が持っている、不妊に関わる遺伝子(それは一つとは限らず、複数あるだろう)が、姉を通して間接的に増えると言うことです。姉は不妊ではありませんが、妹とは二分の一の確率で遺伝子を共有しており、不妊に関する遺伝子もある程度持っているからです。
このようにして不妊の個体がいることで一族がかえって栄え、なおかつ不妊に関する遺伝子もしっかりと受け継がれるわけです。』
ほほう…では遺伝子がどれくらい増えるのか計算してみましょう。
姉が2人の子を育てた場合、血縁度(遺伝子共有率)が0.5の子が2人いるので0.5×2で合計1です。
しかし5人育てれば0.5×5人で2.5…増えてます。
姉は得しますね。
しかし妹はどうでしょう?
妹ももともとは2人の子を育てる筈だったので、0.5×2で1。
それを失い、替わりに得たのは5人の甥・姪です。
しかし姉はもともと妹の援助なしで2人育てられるので、増加分は3人ですね。
甥・姪は姉妹より縁遠く、血縁度は半分の0.25しかありません。
なので、妹の増加分は0.25×3で0.75…
元の1より減ってんじゃねーか!
これでは肝心の妹に「不妊になって姉のヘルパーになる」という進化的動機がありません。
じゃあダメじゃん。
竹内久美子はトンデモさんではありますが、進化論については一応の知識はある人…
の筈なんだけど、いきなり「変異」と「進化」の区別もあやふやだったり、急にダメまることがあります。
【悲報】竹内久美子さん、進化論の常識を理解していなかった
「現代社会は我々が進化してきたかつての環境(EEA:進化適応環境)とは大きく異なる、という点を無視して思い付きの進化的説明を与えちゃう」
という竹内久美子の悪いところまんちこちん。
先ほどの血縁度計算の元となった「包括適応度」概念の提唱者、ウィリアム・ハミルトンからして、近代医療が母体と胎児を救うという新しい環境下で自然選択が働きにくくなるリスクを指摘しています。
一方で黒川伊保子は…
この対談記事を見れば分かる通り、脳科学の知見とかほぼ使ってないですよね?
前回、指摘した通りです。
前半にあった「危険因子」の話とか、思いっきり個人的な経験や感覚を後付けでそれっぽく言い換えてるだけやん。
さらに勝手な推測でテキトーなこと言い垂れてるし。
マクリントック効果の件もそう。
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/14203609.html
しかし今回のやらかしはめちゃデカい。進化論の基本すら理解してないとしか思えません。
『人間界には不妊の人がとても多いですが、子ができにくい性質ですから、それに関わる遺伝子はとっくの昔に淘汰されても良い。ところが、びっくりするほどの確率で不妊の人が存在します。ということは、不妊も繁殖戦略の一断面であると考えざるをえません』
というのも何だかな〜…
「ヒトの不妊率の高さがどの時代や地域でも成り立つヒューマン・ユニヴァーサルで、遺伝的基盤がある」というデータでもあるんでしょーか?
しかし今回のやらかしはめちゃデカい。
『人間界には不妊の人がとても多いですが、子ができにくい性質ですから、それに関わる遺伝子はとっくの昔に淘汰されても良い。ところが、びっくりするほどの確率で不妊の人が存在します。ということは、不妊も繁殖戦略の一断面であると考えざるをえません』
というのも何だかな〜…
「ヒトの不妊率の高さがどの時代や地域でも成り立つヒューマン・ユニヴァーサルで、遺伝的基盤がある」というデータでもあるんでしょーか?
「現代社会は我々が進化してきたかつての環境(EEA:進化適応環境)とは大きく異なる、という点を無視して思い付きの進化的説明を与えちゃう」
という竹内久美子の悪いところまんちこちん。
先ほどの血縁度計算の元となった「包括適応度」概念の提唱者、ウィリアム・ハミルトンからして、近代医療が母体と胎児を救うという新しい環境下で自然選択が働きにくくなるリスクを指摘しています。
一方で黒川伊保子は…
この対談記事を見れば分かる通り、脳科学の知見とかほぼ使ってないですよね?
前回、指摘した通りです。
前半にあった「危険因子」の話とか、思いっきり個人的な経験や感覚を後付けでそれっぽく言い換えてるだけやん。
さらに勝手な推測でテキトーなこと言い垂れてるし。
マクリントック効果の件もそう。
もう一つ挙げると↓コレ。
『その一方で、あらゆる宗教が巫女さんや修道女など、子供を生まない女性の存在を担保しているのは、子供を持たない個体が一定程度存在している方が、健全だと判断しているからでしょう。私は、だから、女性たちの子供を持たない選択もまた、祝福されるべきだと思います。子供を持たないと女として価値がないなんて、とんでもない!』
…宗教家がしばしば子供を作ってはならないのは、性的快楽を卑俗なものと見做して宗教的法悦を上に置く偏見と、子育てにかかる時間や労力を布教に振り向けさせるためでしょう。
これは「そういった教義を持つ宗教と、持たない宗教のうち、どちらが広まりやすいか」というミーム進化の問題です。
こちらの解釈の方がはるかに進化論的だと思いますが。
ちなみに生物進化にも類似の例はあります。
例えば寄生性のフジツボであるフクロムシに寄生されたカニは繁殖能力を失います。
「寄生者による寄主去勢」というやつですね。
フクロムシから見ると、宿主であるカニの繁殖には何のメリットもありません。
それよりも繁殖に振り向ける栄養などの資源を体内に残し、それをちゅーちゅー吸う方がお得です。
でも一見すると、自分の子孫の寄生先として宿主の繁殖もある程度確保した方が良さそうにも思えますね。
しかし進化とは場当たり的かつ盲目的なもので、先の見通しなど持ちません。
敢えてカニの繁殖力を残すフクロムシがいたとしても、宿主を去勢してしまうライバルのフクロムシの方が増殖しやすく有利になるため、強欲な方が謙虚な方を圧倒し、置き換わってしまいます。
子作り禁止ルールも同じで、宗教家に子孫を残させないタイプの「強欲な宗教」は「謙虚な宗教」を圧倒するでしょう。
ちなみにフクロムシに寄生された雄のカニは、腹部の俗に「フンドシ」と呼ばれる部分が雌の様に幅広になります。
そこからまるで自身の卵の様にフクロムシの生殖部をはみ出させ、さらにそこを丹念に掃除したり新鮮な水を送り込んだりして、我が子の様に世話までする…
つまり体も行動も雌化するのです。
擬人化すると
「メス堕ちした男の娘がより女性的な体つきに変化、子宮いっぱいの寄生虫で膨らんだお腹をうっとり顔でさすさすしながら妊娠苗床エンド」
な訳で、こらぁ薄い本が厚くなりそう。
それはともかく、宗教家が子作りしないのは黒川伊保子が言う様な理由とはとても思えません。
しかもそれを根拠に「子供を持たない選択」を支持するとは…
それって一見すると良い話ですが、結局のところ
「社会全体の生産性に寄与するならOK」
ってことでしかないですからね?
じゃあもし生産性がないことが判明したら、手のひらクルーってことやんけ!
子供を持つかどうかの選択を、生産性で計ること自体がナンセンスです。
大体、子供を持つ選択をする人も
「社会全体のために子供作ったろ!」
とか思って作らないでしょ普通。
「どうであるか」という事実の問題から「どうであるべきか」という価値観を導くことはできません。
「ヒュームの法則」違反(自然主義的誤謬)というやつです。
したがって「社会に寄与するか」という事実命題から「子供を持つべきか」という価値命題を引き出すこともできないのです。
ちなみに竹内久美子もLGBTを支持する振りしつつ「実は生産性があるからOK」的な主張をしてたり。
同じ轍を踏んどる。
いろいろ書きましたが、私も竹内久美子的な発想をすることはあります。
学生時代に
「ジェンダーをテーマにした短編映画を撮ってこい」
という何ともヘビーな課題が出たのですが…
クラスメイトの皆さんが社会派な作品を提出する中、私だけ
「自らは不妊だが、姉妹を支援することで自分の遺伝子を間接的に残していく、という進化戦略を採る女性たちがいた…」
という内容の作品を制作しました。
でもコレはあくまでフィクション、いわばSFですからね…
こんなんの実在をガチめに主張する人が出て来るなんて思ってなかったよ。
この手のモキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー)、好きなのです。
ちなみに直近で観た映画は
『食人族 4Kリマスター無修正完全版』(R-18)。
(23:56)
2023年05月19日
トンデモ科学の女王・竹内久美子。
ネトウヨさん御用達の『月刊WiLL』によく登場しますが、そこで今をときめく黒川伊保子と少なくとも3回に渡り、対談してました。
黒川伊保子と言えば『夫のトリセツ』などのトリセツシリーズでヒットを飛ばし、テレビや雑誌にひっぱりだこの文化人。
皆さん「脳科学のすごい人」みたいに思っておられるかもしれませんが…
黒川伊保子って疑似科学をウォッチングする懐疑主義界隈では有名なトンデモさんやで…!?
そして何故かやけに竹内久美子との共通点が多いという。
◉雑誌やテレビによく登場する女性文化人
◉と学会に批判された、公式認定トンデモさん
◉その割に経歴はちゃんとしてる
◉だが現在は研究者ではなく自称「研究家」
◉自分の思いつきを科学で修飾して正当化しようとする
◉批判をまともに受け止めない
…というあたり、丸カブり。
まさに疑似科学界の双璧。
この黒川伊保子という人は奈良女子大の理学部物理学科を出た後、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(つまりは民間企業)でAI研究をやっていた様子。
と言うと「おお、注目の最先端分野…!」と思ってしまいますが、勤務はせいぜい90年代までなので、技術的にはごく萌芽的な段階でしょう。
AI研究は学際的な分野ではありますが…
90年代の民間企業のAI研究って、言うほど脳科学や心理学と関係ありますかね…?
その後、コンサル会社や他の民間研究所に行った後、2003年に「感性リサーチ」という会社を作って代表取締役に。
2004年には『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』という本を書いて小当たりします。
Amazonの「本の説明」によれば↓こんな。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● ゴジラ、ガメラ、ガンダム等、男の子が濁音好きな理由は? ● カローラ、カマロ、セドリック…売れる自動車にC音が多い理由は? ● キツネがタヌキよりズルそうな原因は? ● 「マキコ」さんが社交的な理由とは? ● 「ひかり」が「こだま」より速そうな理由とは? ● トマトジュースでキリンが苦戦する理由とは? ● プーチンよりもゴルバチョフのほうが何となく強そうのはなぜだろう? なぜ私達は濁音に迫力を感じるのでしょうか。なぜ清音に爽やかさを感じるのでしょうか。実は、この感覚は人類共通のものなのです。 そのすべての鍵は、脳に潜在的に語りかける「音の力」にありました。本書では脳生理学、物理学、言語学を縦横無尽に駆使して「ことばの音」のサブリミナル効果を明らかにしています。 さまざまな実例、擬音・擬態語の分析によって次々と「音の力」が解き明かされていきます。ネーミングなどビジネスの場面でも役に立つ知識も満載。 これまでになかった、まったく新しいことば理論です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
内容は、「サブリミナル効果」という既にほぼ否定されたものを持ち出してるあたりでお察し。
そして本書はと学会の『と学会年鑑GREEN』(2006年)『トンデモ本の世界U』(2007年)に取り上げられるという栄誉に浴することに。
他にも批判の声は多く。
例えば…
【日本心理学会】
『社会における心理学の誤用とどう向き合うか』
https://psych.or.jp/publication/world096/pw03/
【朝日新聞DIGITAL】『妻のトリセツが説く脳の性差 東大准教授は「根拠薄い」』
https://www.asahi.com/sp/articles/ASM427TKZM42UCVL02J.html
【朝日新聞DIGITAL】(有料記事)
『男性脳・女性脳の論法、専門家「ステレオタイプを強化」』
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASM43519FM43UCVL017.html?ptoken=01GYNQ20ZMD1N3JX9RQXDBEB7K【Togetter】
『グリコ特設サイトやアプリの監修者である黒川伊保子は「ジェンダー事案」ではなく偽科学者として批判されるべきである』
https://togetter.com/li/1433444
…学界・マスコミ・ネット界と全方向から叱られ、まんべんなく炙られるBBQ状態。
しかしご本人には全く響いていない様子で、上述の朝日新聞DIGITAL『妻のトリセツが説く脳の性差 東大准教授は「根拠薄い」』によれば
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
記者が黒川氏に主張の根拠を尋ねると、「『脳梁の20%』は、校正ミスで数値は入れない予定だった」とし、そのほかは「『なるほど、そう見えるのか』と思うのみで、特に述べることがありません」と回答があった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…なーんそれ!?(ZAZY)
きちんと反論するでもなく、かと言って批判を受け入れ自説を撤回するでもなく。
竹内久美子の反応とそっくりですね。
あとこの人は学界での業績がない、という批判も。
自称「国際政治学者」の三浦瑠麗かよ。
試しにJ-STAGEで検索してみましたが、下記の3つしか出てきませんでした。
◉感性ビジネス : 時代の風を読み解く科学(キーノート3)
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
2008年
◉語感の正体を探る_から_サブリミナル・インプレッション分析法について
人工知能学会全国大会論文集
2005年
◉語感を科学する~ネーミング効果数値化への挑戦
騒音制御
2007年
…いずれも『感性リサーチ』立ち上げ後のもので、「感性」とか「語感」というふわふわしたテーマですね。
AI研究では論文は書いてないんでしょーか?
ついでに竹内久美子も検索すると、同姓同名の人がいるらしく看護畑などでヒットがあるのですが、ご本人とおぼしきものは見当たらず…
ちなみに最初にヒットするのは「竹内久美子による血液型別性格占い擁護」を別の人達が検証したものです。
結果はもちろん竹内久美子に否定的。
なお、Wikipediaによれば黒川伊保子の職業は「実業家・エッセイスト」、竹内久美子は「エッセイスト・動物行動学研究家」です。
で、ヒット作「トリセツ」シリーズ等の脳科学・心理学っぽい本についてですが…
基本的に「あ~、男の人ってこういうトコあるよね!」みたいな話の塊です。
良く言えばあるあるネタ、悪く言えば偏見ネタ。
話のソースの多くは個人的経験で、そこに脳科学っぽい言葉を少々ふりかけただけ。
例えば、滝の近くで
「あ~、めっちゃマイナスイオン感じる~!」
とか言っちゃう人いるじゃないですか。
アレってマイナスイオンを直接感じてる訳じゃないよね。
そもそも健康業界における「マイナスイオン」という言葉自体、定義も曖昧で効果もあやふやな代物だし。
ああいうのは滝近くの清涼感に「滝からはマイナスイオンが出てる」という(俗説に基づく)知識を後付けで当て嵌めて言ってるだけやん…
そんな感じで、例えば「私は恋した」を「私のA10神経を神経インパルスが駆け抜け、シナプスがエンドルフィンを放出した」とか脳科学っぽく言い換えることもできますよね。
黒川伊保子のやってることも大体これと同じ。
何かを説明してる様で全然説明してない。
それっぽく言い換えてるだけ。
たま~に説明めいたものも混ぜてきますが、おおむねこの手の俗流本に書いてあることと大体同じで特に深みはない上、ただの「神経神話」多すぎ。
経歴と合わせても、この人、脳科学を学んだとは思えないんですよね…
では何でそんな本がヒットしてるか、というとですね…
それは「ものすごく当たってる様に感じる」からです。
コレよく考えると当たり前なんですよ。
ヒトの行動を脳科学で説明する場合、広範な行動の中から、限界のある現在の脳科学で証明された、ごく狭い領域について語ることになります。
まともな研究者なら、世間が思う「女性ってこうよね」というイメージ全体ではなく、脳科学ですでに証明されたごく一部のことしか語れないのです。
しかし黒川伊保子メソッドはそれに縛られません。
最初から脳科学と関係なく、「息子ってこうよね」「妻ってこうよね」と、偏見と個人的経験から引き出したことを思うままに書けます。
その中に脳科学っぽい言葉を散りばめたり、俗流の「脳科学」的説明を当て嵌めてみたり。
そら科学的に証明されてないことまで含めて「夫とはこういうもの」とかキメウチで好き勝手に語れたら、「おお~当たってる!」ってなるよ。
世間のイメージがそのまま語られるねんから。
統計学者の語るふわっとした話よりも、占い師の言うことの方が詳細かつ具体的だけに当たってる様に聞こえるのと同じですね。
「個人的経験から引き出したこと」というのは結局のところ、偏見の塊です。
血液型性格占いや「満ち潮の日は出産が、引き潮の日は死亡が多い」という俗説も、体感してる人はいっぱいいます。(※【註】)
…が、統計を取ると綺麗に消えちゃうというミステリー。
それらの傾向はいくら存在している様に感じられても、実在しないのです。
そして黒川伊保子が語る「女性はこう」みたいな話も、本当に存在する傾向なのかどうかすらあやふや。
結局、この人のやってることは、証明されてないことをさも科学である様に語る「疑似科学」でしかないのでは…
それにしてもWiLLは何故こんなトンデモさんを重用するのか…
竹内久美子はJアノンまで発症してたゴリゴリのネトウヨさんなので、実にWiLL向きですが…
黒川伊保子はたいしたコト言ってません。
『WiLL』を作ってるWACという会社は、めちゃくちゃ素晴らしい科学ドキュメンタリー番組『ガリレオX』を製作しており、一流の科学者たちとのコネクションなどいくらでもある筈なのに…
やはりまともな科学者なら、ネトウヨさん雑誌で竹内久美子と対談なんてしたくないんでしょーか?
あ、竹内久美子と黒川伊保子の共通点をもうひとつ見つけました。
2人とも「タケウチクミコ」「クロカワイホコ」と、名前に濁点がありません。
科学を破壊するトンデモ界の2大怪獣なのだから、黒川伊保子の理論に従って「ダゲウヂグミゴ」「グロガワイボゴ」ぐらいの迫力あるネーミングであってしかるべきなのでは…?
良いじゃんグロガワ。
※【註:「満ち潮の日は出産が、引き潮の日は死亡が多い」という俗説】
コレ実際に言いたいのは「大潮の日には出産が、小潮の日には死亡が多い」だよね…
潮の満ち引きは1日2回あるし。
(00:04)
2023年05月10日
『月刊WiLL』2023年4月号に
『LGBT活動家の目的は家族破壊と国家分断』
なる記事が掲載されてるのを発見。
杉並区議会議員小林ゆみと、おなじみ竹内久美子による対談です。
小林ゆみは議会で「性的指向のような個人的趣味の問題に税金をかける必要はあるのか」と発言した人ですね。
内容は思いっきり煎じ詰めると、
「左翼は家族を破壊し、国家を打倒するために同性婚を認めさせようとしている。
その目的のためにLGBTは利用されている」
というもの。
どう見ても陰謀論。
記事の要約は以下の通り。
(※ツッコみ部分で都度引用するのでテキトーに流して大丈夫)
…………………………………………………………
LGBT活動家の目的は家族破壊と国家分断
一度法律を作ったら、新たな権利をどんどん要求するだけ
◉形作りから入り込む
竹内
LGBT理解増進法が制定されていたらどうなっていたのか?
小林
それを武器に活動家が新たな権利をどんどん要求しただろう。彼らは形作りから入り込んでくる。
竹内
教育の場でもLGBT理解を強要されるかも。その結果、日本国内の分断を招く。
小林
「性自認」で、犯罪行為が頻発している。
竹内
女性と称して女性トイレに侵入したり、のぞき目的で女装した男性が女性用浴場の脱衣室に侵入する……など、社会的な混乱を招いている。
◉背後でうごめく活動家
小林
そもそもLGBT支援施策が全国的に展開されているのは不可解。
2016年、私が議会で「性的指向のような個人的趣味の問題に税金をかける必要はあるのか」と発言をしたことで炎上。
当時は共産党系や後の立憲民主党系がLGBTの権利を認めろと声を上げていた。
そこに公明党も合流。
各地方自治体で「同性パートナーシップ制度」が導入されている。
パートナーシップ制度自体は目くじらを立てるものではない。家族として公営住宅の入居資格を得たり病院の面会や手術の同意を行うことができる。
ところが恐ろしいことに左派活動家は同性婚まで認めさせようとしている。
竹内
彼らの目的は国の根本である家族を破壊することで、国家打倒の革命を目指しているのでは。
小林
左派活動家たちの目的はそうだろう。自分たちの目的を達成するための道具の1つとして、LGBTを利用している。
◉声を上げづらい
小林
本来であればパートナーシップは必要ない制度。個別の案件として条例を改正するだけで充分対応できる。ところが、LGBT権利擁護派は、条例改正などを提示しても受け入れない。最終的に同性婚を認めさせたいというのが本音かつ目的。
杉並区長はパートナーシップの導入を目指そうと区民向けの勉強会まで開いている。
竹内
税金が左派の活動費としていいように使われている。
小林
「啓蒙」のターゲットは子供たちや一般の都民、区民だったり。
条例まで行かなくても、区長・市長の権限で「要綱」として通じている場合もある。
条例と異なり、議会の議決が必要ないので、いわば首長の「やりたい放題」。
竹内
やり方が実に巧妙。
同性愛者の現状は?
小林
大別すると、活動化タイプと、そっとしておいて欲しいと思うタイプの2種類。
同性愛者の友人が数人いるが、たまたま全員政治的保守で、高収入でおまけにイケメン・美女で、充実した毎日を送っており、日々の生活に特に不便を感じていない。ただ彼らは「(活動家と言うイメージのある) LGBTという言葉を自分たちに当てはめて欲しくない」と言っている。左派の道具としていいように使われており、実に不快であると。
竹内
レッテル張りはして欲しくない。
◉文化的にも浸透
小林
公明党系議員は「女性、高齢者、障がい者、LGBT、子供……こういった弱者のために努力します」を、枕詞のように使う。信用すると日本人の8割が弱者になってしまう(笑)。
竹内
女性は強者。負けたフリをして勝っている。
小林
LGBTはいじめられやすく、自殺率が高いと言われるが、疑問。いじめ問題は一般の人たちにも降りかかる問題。LGBTの人たちだけクローズアップし、勝手に弱者扱いするのは論点がずれている。
竹内
2021年の総選挙で野党が惨敗したのは、有権者がLGBT問題の欺瞞を見抜いているから。だからLGBT理解増進法が成立しても自民の支持層が増えるとは思えない。
小林
むしろ、法制化されることで、活動家たちは新たな「権利」を要求してくる。
そもそも同性愛者の数は増えているのか?
竹内
同性愛者は常に一定数存在し、増えることも減ることもない。
男性同性愛者は約4%、女性同性愛者は約2%、バイセクシュアルは10数%。
進化論では1%の割合で存在していたら、何らかの意味があると考える。
珍しくもないし特別な事でもない。LGBTの人たちを過度に持ち上げる事はしなくて良い。特別扱いしようとするからおかしくなる。
※ここから竹内久美子の進化論話芸が続く。
他著と内容がカブってるので割愛。
多著については下記参照。
…………………………………………………………
…ということで、どこからツッコんで良いのか分かりませんがとりあえずツッコんでいきます。
小林
「性自認」で、犯罪行為が頻発している。
竹内
女性と称して女性トイレに侵入したり、のぞき目的で女装した男性が女性用浴場の脱衣室に侵入する……など、社会的な混乱を招いている。
↓
「のぞき目的の女装男」はLGBTではなくシス男性の問題ですよね…?
「女性と称して女性トイレに侵入」も、「シス男性が女性と称してる場合」は同様です。
パートナーシップ制度自体は目くじらを立てるものではない。家族として公営住宅の入居資格を得たり病院の面会や手術の同意を行うことができる。
ところが恐ろしいことに左派活動家は同性婚まで認めさせようとしている。
↓
なんで同性婚を認めさせるのが「恐ろしいこと」なんですか?
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/17264747.html
小林
科学的事実を知ることで、LGBTに対する認識が改める事は大きい。
◉西洋と日本の違い
竹内
日本は海外の思想をどんどん受け入れているが、そもそも同性愛に対して日本は寛容。
私は歌舞伎が好きだが、若衆歌舞伎など美少年・美青年を演者とした歌舞伎は同性愛文化の花形。
その後、幕府によって風紀の乱れを理由に野郎歌舞伎(壮年の演者)になったが、そもそも日本ではLGBT文化を刑事的に取り締まった歴史はない。
一方で、欧米は同性愛を処罰対象にした。欧米で同性婚を法律上保護しなければならない理由は、同性愛を処罰対象にしていたことの裏返し。その反省・反動もあって、同性婚を認めようとする動きが活発化しているが、そもそも日本には関係のない話。
小林
同性愛に法的保護を与える事は単に猿真似にとどまらず、議論が割れることでかえって国民の間に分断を見出してしまっている。
活動家の中には、最近話題の某原宿系タレントのように、「自分らしく生きる権利をくれ」と叫ぶ一方で、他人の人生をめちゃくちゃにしながら平然としている人もいる。 LGBTとは関係なく人として身勝手な生き方だが、それを批判することもできない。過度なLGBT政策を容認する風潮に少しでも再考を促したい。
科学的事実を知ることで、LGBTに対する認識が改める事は大きい。
◉西洋と日本の違い
竹内
日本は海外の思想をどんどん受け入れているが、そもそも同性愛に対して日本は寛容。
私は歌舞伎が好きだが、若衆歌舞伎など美少年・美青年を演者とした歌舞伎は同性愛文化の花形。
その後、幕府によって風紀の乱れを理由に野郎歌舞伎(壮年の演者)になったが、そもそも日本ではLGBT文化を刑事的に取り締まった歴史はない。
一方で、欧米は同性愛を処罰対象にした。欧米で同性婚を法律上保護しなければならない理由は、同性愛を処罰対象にしていたことの裏返し。その反省・反動もあって、同性婚を認めようとする動きが活発化しているが、そもそも日本には関係のない話。
小林
同性愛に法的保護を与える事は単に猿真似にとどまらず、議論が割れることでかえって国民の間に分断を見出してしまっている。
活動家の中には、最近話題の某原宿系タレントのように、「自分らしく生きる権利をくれ」と叫ぶ一方で、他人の人生をめちゃくちゃにしながら平然としている人もいる。 LGBTとは関係なく人として身勝手な生き方だが、それを批判することもできない。過度なLGBT政策を容認する風潮に少しでも再考を促したい。
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…ということで、どこからツッコんで良いのか分かりませんがとりあえずツッコんでいきます。
小林
「性自認」で、犯罪行為が頻発している。
竹内
女性と称して女性トイレに侵入したり、のぞき目的で女装した男性が女性用浴場の脱衣室に侵入する……など、社会的な混乱を招いている。
↓
「のぞき目的の女装男」はLGBTではなくシス男性の問題ですよね…?
「女性と称して女性トイレに侵入」も、「シス男性が女性と称してる場合」は同様です。
パートナーシップ制度自体は目くじらを立てるものではない。家族として公営住宅の入居資格を得たり病院の面会や手術の同意を行うことができる。
ところが恐ろしいことに左派活動家は同性婚まで認めさせようとしている。
↓
なんで同性婚を認めさせるのが「恐ろしいこと」なんですか?
竹内
彼らの目的は国の根本である家族を破壊することで、国家打倒の革命を目指しているのでは。
↓
同性婚を認めるとなぜ家族が破壊され、国家が打倒されるのやらさっぱり。
同性婚を認めた国で家族や国家がえらいこっちゃになったことってありましたっけ?
あと選挙による政権交代を通じての体制の変化であれば、「革命」は別に悪いものじゃないよね。
小林
左派活動家たちの目的はそうだろう。自分たちの目的を達成するための道具の1つとして、LGBTを利用している。
↓
仮に左翼がLGBTを利用してるとして、
「左翼を利するの嫌だから、LGBTの足引っ張ったろ!」
ってどうなん…?
そういう場合、左翼による利用を批判しつつ、LGBTへの理解は推進するべきなんじゃないの…?
主たる問題ほったらかしで付随的な問題に汲々としちゃってないですか…?
弱者が多いと何か不都合なことでもあるんですかね…?
弱者かどうかは事実の問題で、この人がどんな願望を持っていようがそれとは無関係ですよね。
竹内
女性は強者。負けたフリをして勝っている。
↓
だったらまずご自分が保守らしく男尊女卑的に振る舞い、「女の癖に表舞台で声を上げる」のではなく、負けたフリして裏で男性を操ることで自分の理想社会を追求してみては…?
小林
LGBTはいじめられやすく、自殺率が高いと言われるが、疑問。いじめ問題は一般の人たちにも降りかかる問題。LGBTの人たちだけクローズアップし、勝手に弱者扱いするのは論点がずれている。
↓
そんなん言い出したらどんな問題も
「あなただけじゃない、我慢はみんなしてるんだから」
で終わらすことができ、いかなる問題も解決の必要がなくなりますが…
じゃあ政治って何のためにあるんですかね?
大変な思いをして鬱になった人に
「大変なのはみんな同じだよ、誰にだって悩みはあるよ」
とか言っちゃうタイプ?
それ一番言うたらあかんやつや。
小林
科学的事実を知ることで、LGBTに対する認識が改める事は大きい。
↓
改まった結果が「権利を与える必要はない」ですか…
欧米で同性婚を法律上保護しなければならない理由は、同性愛を処罰対象にしていたことの裏返し。その反省・反動もあって、同性婚を認めようとする動きが活発化しているが、そもそも日本には関係のない話。
↓
日本の法律や道徳はキリスト教圏からの影響が大きいですよね。
もともと日本は性に奔放だったのが近代以降、欧米の影響でタブー視される様になってます。
じゃあそれも「そもそも日本には関係のない話」ですよね。
さて、現在「性の乱れ」を嘆いているのはウヨサヨで言うとどっちの方々ですかね?
あと竹内久美子の得意技、進化論だってもともとキリスト教の天敵として西洋で発展したもの。
宗教ゆるめの日本では抵抗勢力もほぼいません。
つまり竹内久美子のロジックで言うと
「西洋で進化論が重要視されるのは、『全知全能の神』で全てを説明してきたことの裏返し。そもそも日本には関係のない話」
というコトになる筈なんですが、その辺はどう整合性を取るおつもりなんでしょーか?
小林
同性愛に法的保護を与える事は単に猿真似にとどまらず、議論が割れることでかえって国民の間に分断を生み出してしまっている。
↓
冒頭で竹内久美子も、あと選挙による政権交代を通じての体制の変化であれば、「革命」は別に悪いものじゃないよね。
小林
左派活動家たちの目的はそうだろう。自分たちの目的を達成するための道具の1つとして、LGBTを利用している。
↓
仮に左翼がLGBTを利用してるとして、
「左翼を利するの嫌だから、LGBTの足引っ張ったろ!」
ってどうなん…?
そういう場合、左翼による利用を批判しつつ、LGBTへの理解は推進するべきなんじゃないの…?
主たる問題ほったらかしで付随的な問題に汲々としちゃってないですか…?
どうもこの方、道義より党派性が大事みたいですね。
それに「政策を通じて自分達の望む社会にしていく」のはどの党にとっても当たり前のことですよね。
自民党に至っては保守政党なのにダーウィンを誤引用して「変化が必要、改憲を」って主張してましたやん…。
政策に遠大な計画があるのは当然で、むしろそれ抜きでその場しのぎの風見鶏になってる方がヤバいやろ…。
LGBTの権利獲得は「リベラルの目指す社会」と完全に同じ方向性を向いてるのに、「左翼は本当はLGBTに興味などなく、ただ道具として利用しているだけ」みたいに言うのはおかしいのでは?
そういう批判は、人権意識が希薄な癖に嫌中というだけの理由で「ウイグルガー!」とか言い出すネトウヨさんにぶつける方が相応しいと思うです。
小林
本来であればパートナーシップは必要ない制度。個別の案件として条例を改正するだけで充分対応できる。ところが、LGBT権利擁護派は、条例改正などを提示しても受け入れない。最終的に同性婚を認めさせたいというのが本音かつ目的。
杉並区長はパートナーシップの導入を目指そうと区民向けの勉強会まで開いている。
↓
パートナーシップ制度があるかどうか、あるいは同性婚可能かどうかって、公営住宅や病院だけじゃなくてあらゆるところに影響が出るよね。
それらも全部、個別に対応していくんですか…?
それもう同性婚アリにした方が手っ取り早くね?
なのに個別対応でお茶を濁すって、どうしてそんなに執拗に同性婚を認めたがらず、LGBTを無権利状態に置きたがるのか…
「最終的にLGBTを否定したいというのが目的かつ本音」なのでは…?
竹内
税金が左派の活動費としていいように使われている。
↓
なるほど、税金でウヨサヨの活動をしてはいけないんですね。
だったら自衛隊の講師に極右の歴史修正主義者を招くなんて言語道断ですよね。
なのに竹内久美子が皇族芸人と仲良しなの何で?
条例まで行かなくても、区長・市長の権限で「要綱」として通じている場合もある。
条例と異なり、議会の議決が必要ないので、いわば首長の「やりたい放題」。
↓
議決の必要のないことをやっただけで「やりたい放題」?
だったら、領収書の必要ない官房機密費を使いまくるのもダメだし、ましてや正当な手続きなしに勝手に口頭決済したり解釈変更したりする様な政党はそれ以上に「やりたい放題」ですよね。
なのにどうしてお2人とも自民を批判しないんですかね…?
同性愛者の友人が数人いるが、たまたま全員政治的保守で、高収入でおまけにイケメン・美女で、充実した毎日を送っており、日々の生活に特に不便を感じていない。
↓
え、ついさっき妙な陰謀論を持ち出して左翼にレッテル貼りしてたの、この人ですよね…!?
小林
公明党系議員は「女性、高齢者、障がい者、LGBT、子供……こういった弱者のために努力します」を、枕詞のように使う。信用すると日本人の8割が弱者になってしまう(笑)。
↓
え、「女性、高齢者、障がい者、LGBT、子供」は弱者じゃないんですか?それに「政策を通じて自分達の望む社会にしていく」のはどの党にとっても当たり前のことですよね。
自民党に至っては保守政党なのにダーウィンを誤引用して「変化が必要、改憲を」って主張してましたやん…。
政策に遠大な計画があるのは当然で、むしろそれ抜きでその場しのぎの風見鶏になってる方がヤバいやろ…。
LGBTの権利獲得は「リベラルの目指す社会」と完全に同じ方向性を向いてるのに、「左翼は本当はLGBTに興味などなく、ただ道具として利用しているだけ」みたいに言うのはおかしいのでは?
そういう批判は、人権意識が希薄な癖に嫌中というだけの理由で「ウイグルガー!」とか言い出すネトウヨさんにぶつける方が相応しいと思うです。
小林
本来であればパートナーシップは必要ない制度。個別の案件として条例を改正するだけで充分対応できる。ところが、LGBT権利擁護派は、条例改正などを提示しても受け入れない。最終的に同性婚を認めさせたいというのが本音かつ目的。
杉並区長はパートナーシップの導入を目指そうと区民向けの勉強会まで開いている。
↓
パートナーシップ制度があるかどうか、あるいは同性婚可能かどうかって、公営住宅や病院だけじゃなくてあらゆるところに影響が出るよね。
それらも全部、個別に対応していくんですか…?
それもう同性婚アリにした方が手っ取り早くね?
なのに個別対応でお茶を濁すって、どうしてそんなに執拗に同性婚を認めたがらず、LGBTを無権利状態に置きたがるのか…
「最終的にLGBTを否定したいというのが目的かつ本音」なのでは…?
竹内
税金が左派の活動費としていいように使われている。
↓
なるほど、税金でウヨサヨの活動をしてはいけないんですね。
だったら自衛隊の講師に極右の歴史修正主義者を招くなんて言語道断ですよね。
なのに竹内久美子が皇族芸人と仲良しなの何で?
条例まで行かなくても、区長・市長の権限で「要綱」として通じている場合もある。
条例と異なり、議会の議決が必要ないので、いわば首長の「やりたい放題」。
↓
議決の必要のないことをやっただけで「やりたい放題」?
だったら、領収書の必要ない官房機密費を使いまくるのもダメだし、ましてや正当な手続きなしに勝手に口頭決済したり解釈変更したりする様な政党はそれ以上に「やりたい放題」ですよね。
なのにどうしてお2人とも自民を批判しないんですかね…?
同性愛者の友人が数人いるが、たまたま全員政治的保守で、高収入でおまけにイケメン・美女で、充実した毎日を送っており、日々の生活に特に不便を感じていない。
↓
「私には黒人の友人がいる」という、典型的な差別者しぐさ。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/黒人の友人を持つ私は、人種差別主義者ではない
あとそれ「たまたま」違うやろ…
こういう人たちは「マイノリティーを差別しない」と言いつつ、彼らが要求を叫ぶと途端に手のひらクルンクルン。
そらそういう人のそばに寄ってくるのは要求を持たない「わきまえた」マイノリティーだけでしょ…。
竹内
レッテル貼りはして欲しくない。
↓https://ja.m.wikipedia.org/wiki/黒人の友人を持つ私は、人種差別主義者ではない
こういう人たちは「マイノリティーを差別しない」と言いつつ、彼らが要求を叫ぶと途端に手のひらクルンクルン。
そらそういう人のそばに寄ってくるのは要求を持たない「わきまえた」マイノリティーだけでしょ…。
竹内
レッテル貼りはして欲しくない。
え、ついさっき妙な陰謀論を持ち出して左翼にレッテル貼りしてたの、この人ですよね…!?
小林
公明党系議員は「女性、高齢者、障がい者、LGBT、子供……こういった弱者のために努力します」を、枕詞のように使う。信用すると日本人の8割が弱者になってしまう(笑)。
↓
弱者が多いと何か不都合なことでもあるんですかね…?
弱者かどうかは事実の問題で、この人がどんな願望を持っていようがそれとは無関係ですよね。
竹内
女性は強者。負けたフリをして勝っている。
↓
だったらまずご自分が保守らしく男尊女卑的に振る舞い、「女の癖に表舞台で声を上げる」のではなく、負けたフリして裏で男性を操ることで自分の理想社会を追求してみては…?
小林
LGBTはいじめられやすく、自殺率が高いと言われるが、疑問。いじめ問題は一般の人たちにも降りかかる問題。LGBTの人たちだけクローズアップし、勝手に弱者扱いするのは論点がずれている。
↓
そんなん言い出したらどんな問題も
「あなただけじゃない、我慢はみんなしてるんだから」
で終わらすことができ、いかなる問題も解決の必要がなくなりますが…
じゃあ政治って何のためにあるんですかね?
大変な思いをして鬱になった人に
「大変なのはみんな同じだよ、誰にだって悩みはあるよ」
とか言っちゃうタイプ?
それ一番言うたらあかんやつや。
小林
科学的事実を知ることで、LGBTに対する認識が改める事は大きい。
↓
改まった結果が「権利を与える必要はない」ですか…
欧米で同性婚を法律上保護しなければならない理由は、同性愛を処罰対象にしていたことの裏返し。その反省・反動もあって、同性婚を認めようとする動きが活発化しているが、そもそも日本には関係のない話。
↓
日本の法律や道徳はキリスト教圏からの影響が大きいですよね。
もともと日本は性に奔放だったのが近代以降、欧米の影響でタブー視される様になってます。
じゃあそれも「そもそも日本には関係のない話」ですよね。
さて、現在「性の乱れ」を嘆いているのはウヨサヨで言うとどっちの方々ですかね?
あと竹内久美子の得意技、進化論だってもともとキリスト教の天敵として西洋で発展したもの。
宗教ゆるめの日本では抵抗勢力もほぼいません。
つまり竹内久美子のロジックで言うと
「西洋で進化論が重要視されるのは、『全知全能の神』で全てを説明してきたことの裏返し。そもそも日本には関係のない話」
というコトになる筈なんですが、その辺はどう整合性を取るおつもりなんでしょーか?
小林
同性愛に法的保護を与える事は単に猿真似にとどまらず、議論が割れることでかえって国民の間に分断を生み出してしまっている。
↓
竹内
教育の場でもLGBT理解を強要されるかも。その結果、日本国内の分断を招く。
…と「分断」を持ち出してる訳ですが…
そもそも異なる意見が共存するのは民主主義にとってむしろ健全なことだと思うのですが、「分断」という流行りの言葉でそれを悪いことみたいに言うのってどうなの…?
そんなに単一の価値観しかない翼賛体制がお好きですかそうですか。
…が、しかし「異なる意見の共存」というのはあくまで原則。
この人たちのは「意見」というより「ヘイトスピーチ」なので、共存する必要はないですけどね。
LGBT理解は世界の趨勢となっており、最近のアンケートによれば国内でも多数派となっています。
一方でそれに反対する人々は、この対談にも明らかな様に確たる理由を持っていません。
「行き過ぎた権利を与える必要はない」と言いつつ、最低限の権利すら与える気がないご様子。
「分断を生み出してしまっている」のはどっちなんですかね…?
ウヨサヨの対立は昔からずっとありました。
でもそれは「国を良くする方法」についての不一致に過ぎず、路線は違えどお互いに良かれと思ってやってることだというコンセンサスがあったものです。
しかしSNSの発達でフェイクニュースや陰謀論が幅をきかせ、極右が「あいつらは国を破壊することが目的」などと論敵を悪魔化したことが「分断」の原因なのに何言っちゃってんの…?
そして「自分たちへの批判を使って自己弁護する」のがこういう人たちの得意技。
「ヘイトスピーチやめろ」→「日本人へのヘイトスピーチやめろ」みたいなやつですね。
この「分断を招く」式の詭弁は西田昌司参院議員がLGBT理解増進法案の「差別は許されない」という文言について
『かなり厳しい対立を生むような言葉遣いで日本の国柄に合わず、(LGBT当事者に)逆に不利益になるのではないか』
と発言して話題になりましたね。
活動家の中には、最近話題の某原宿系タレントのように、「自分らしく生きる権利をくれ」と叫ぶ一方で、他人の人生をめちゃくちゃにしながら平然としている人もいる。 LGBTとは関係なく人として身勝手な生き方だが、それを批判することもできない。過度なLGBT政策を容認する風潮に少しでも再考を促したい。
↓
え、あの人って「活動家」なんですか?
むしろ自分のジェンダーアイデンティティーとかも曖昧にしててマイルド派だと思ってましたが。
そして「他人の人生をめちゃくちゃに」て…それ離婚した人全員に言ってんの?
シス男性・シス女性の芸能人が離婚して「家族はどうなるんだ」「他人の人生をめちゃくちゃにしやがって」とか言われますかね…?
あと小林ゆみは「それを批判することもできない」と言いつつ、こうしてガンガン批判してますよね?
しかもこの件はこんな偏ったネトウヨさん雑誌だけじゃなくて、普通にネット炎上してたやん。
どこが「批判することもできない」んですかね…?
あと竹内久美子は「同性愛には進化的な意味があるから」という的外れな理由でLGBT擁護派だった筈なのに、急に塩対応に…どうした?
↑この辺については下記エントリを参照。
『竹内久美子さん、「7歳少女をレイプして妊娠させるのは繁殖戦略」と生産性を認定』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/17264747.html
…という訳でツッコみどころ満載でしたが、『WiLL』のこの号、LGBTについて扱っているのはこの記事だけではありません。
島田洋一「HEADLINE 天下の大道」では
『「LGBT理解増進法」の何が危険か』
と題してこの問題を扱っています。
内容的には
◉「左翼勢力に税金や資金ガー!」
◉「女性専用施設に自称トランスジェンダーガー!」
◉「女子スポーツ界ガー!」
という、同じ感じのやつ。
さらに「デマなら俺にまかせとけ」な門田隆将による
「HEADLINE 事件の現場から」では
『LGBT法のどこがいけないのか』。
これまた
◉「女湯や女性トイレに自称『私は女』ガー!」
◉「家族ガー! 戸籍制度の破壊ガー! 反日ガー!」
という、毎回同じことしか書いてない金太郎飴記事。
3つの記事を費やして、論拠として挙げられるのがコレだけなん?
薄い…ネトウヨさんの人権感覚くらいペラッペラですやん。
…という訳でツッコみどころ満載でしたが、『WiLL』のこの号、LGBTについて扱っているのはこの記事だけではありません。
島田洋一「HEADLINE 天下の大道」では
『「LGBT理解増進法」の何が危険か』
と題してこの問題を扱っています。
内容的には
◉「左翼勢力に税金や資金ガー!」
◉「女性専用施設に自称トランスジェンダーガー!」
◉「女子スポーツ界ガー!」
という、同じ感じのやつ。
さらに「デマなら俺にまかせとけ」な門田隆将による
「HEADLINE 事件の現場から」では
『LGBT法のどこがいけないのか』。
これまた
◉「女湯や女性トイレに自称『私は女』ガー!」
◉「家族ガー! 戸籍制度の破壊ガー! 反日ガー!」
という、毎回同じことしか書いてない金太郎飴記事。
3つの記事を費やして、論拠として挙げられるのがコレだけなん?
薄い…ネトウヨさんの人権感覚くらいペラッペラですやん。
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