2022年11月
2022年11月23日
『陰謀論 民主主義を揺るがすメカニズム』(秦正樹 中公新書)
という本が出たので読んでみました~。
本書の特徴は、ちゃんと実験をして統計を取っている点にあります。
しかも統計にバイアスが入り込みにくい様に巧みな実験デザインが行われていて面白いです。
まぁ世の中には↓こういう認識の人もいるので~。


本書をざっくり要約すると↓こんな感じ。
【冒頭】
◉日本人でも少なくない人が陰謀論的信念を持っている。
人は自分の「信念に沿う」陰謀論に弱いので、「陰謀論にハマるのは誰か」と問われれば、「誰もが」というのが答えである
◉「動機づけられた推論」により、人は持論に都合よく解釈する
◉そのため、支持政党によって受け入れやすい陰謀論とそうでない陰謀論がある。
自民支持者は自民に有利な陰謀論を、リベラル野党支持者はリベラル野党に有利な陰謀論を好む
【メディア・ネット・SNSと陰謀論】
◉NHKや新聞をよく見る人は、陰謀論的信念を持ちにくい
◉ヤフコメをよく見る人は陰謀論的信念を持ちやすい
◉Twitterをよく利用する人は意外にも陰謀論的思考に陥りにくい
◉特に若年層はTwitterを主にリア友との交流に使っているため、陰謀論と接触する場にはなりにくい。
◉にもかかわらずTwitter悪玉論があるのは「自分は大丈夫だけど多くの人は陰謀論に騙されやすい」と考える『第三者効果』のせい
【右派の陰謀論】
◉自分自身を「普通」だと考えている人々は韓国やリベラル政党に否定的でネット右翼やオンライン排外主義者の陰謀論を受け入れやすい。
◉「自分は普通の日本人」という認識を持つ人々こそが日本人の平均とは言えない意見を持ち、陰謀論の温床となっている
【左派の陰謀論】
◉一般的に陰謀論は右派の方が信じやすいが、左派も「動機づけられた推論」によって反政府・反自民的な陰謀論に飛びつきやすい
◉右派の陰謀論は倫理・規範を直撃しててわかりやすいが、左派の陰謀論は正当な政治的主張と区別しにくい
◉左派は野党が一本化されずに分裂しているため、国政選挙で敗北続き。
自分たちの意見が政治に反映されない状態が続いているため、選挙制度など「政府の正当性そのもの」に疑念を持ちがち
◉海外研究では、選挙に敗けた側は不正があったと考えたり陰謀論を唱えやすくなる
【政治知識は陰謀論の防波堤になるか?】
◉政治に詳しい方が怪しい情報をブロックできそうなものだが、実際には政治に関心や知識がある方が陰謀論に接触しやすくなるため、ハマっちゃう
◉政治に無関心で社会的・公的な話題よりプライベートな話題を好む人の方が陰謀論を信じにくい
【まとめ】
◉陰謀論は自分の信念や認識の正しさを肯定してくれる「良き友人」となり得る店こそ問題
◉陰謀論が人々に擦り寄ってくるというよりも、人々が好んで陰謀論にすり寄っていく
◉「自分の考えと同じ」噂話には要注意
◉政治家が陰謀論に陥って発信したりしないことが重要。
だが彼らの行動原理は「再選欲求」だと考えると、「政治家は再選のために常に陰謀論を発信するインセンティブを持つ」と言える
◉マスメディアはとりあえずは信頼できる。
問題点もあるが 、BPOや競合他社からの批判という自浄作用があるのが強み。
どこの誰かも分からない人の主張よりは信用できる
◉好奇心は大事だが、政治の話や自分の「正しさ」にはのめり込み過ぎず、「ほどほどのお付き合い」で〜
そして、本書で陰謀論・フェイクニュースとして取り上げられるものは↓こんな。
◉コロナウィルス・コロナワクチン陰謀論
◉Qアノン・大統領選不正選挙陰謀論
◉トランプ就任式に建国史上最多の聴衆が参加(オルタナ真実)
◉マケドニアのフェイクニュース工場が量産するデマ
◉左派による「日米合同委員会」陰謀論
◉福井県議の陰謀論がっちょり冊子
◉自民党元幹事長・甘利明が「中国の千人計画と学術会議がつながってる」という陰謀論を拡散
左右ともちゃんと批判している点も評価できます。
世界的に「右派の方が陰謀論に弱い」傾向がありますが…
一方で「トンデモに左右はない」ので、左派も引っかかる時は引っかかるのです。
いつぞやの日経サイエンス(サイエンティフィック・アメリカン日本版)の「アンチグラビティ―」というコラム欄でも
「保守は全方向の陰謀論に弱いが、リベラルも健康関係の陰謀論には弱い」
みたいなコトが書かれてたなぁ…。
日本だといわゆる『放射脳』がそうですね。
こういった自分たちの弱みを直視し、批判していく自浄作用…これだいじ!
(22:23)
2022年11月18日
※このエントリは性的な表現を含んでいます。
一般的な意味で「性的」かどうかは分かりませんが。
今回はサブカルチャー系の本を紹介する。
昨今はサブカル流行りであり、大型書店に行けば「サブカルチャー」という本棚まであって、「サブカルってナーニ?」という人でもうんざりする量のサブカル本を目にすることができる。
本来、サブカル本というのは「分類不能な本」であり、様々な本棚を渉猟して自分の手で探すものだったのだが、便利になったものだ。
一方で「これがサブカルでございます」とばかりにお仕着せで商品を並べられるのは味気なく、やや寂しいことでもありますな。
これが面白い本を意欲的に集めた店の個性が滲み出た本棚ならまだしも、大抵の書店では売れ筋の本を並べただけの、どこの店でも似たりよったりの金太郎飴状態になっていてなんともやるせない。
そういった店に並んでいるのはセンセーショナリズムにはしったSEXマニュアルや風俗嬢の告白手記ばかりで、一体これのどこがサブカルチャーなのかと問いたくなる。
サブカルチャーとはエロネタの便利な言い換え語ではない筈なのだ。
という訳で、今回取り上げるのは私が自分の足で捜し当てた、これぞ隠れた名作と言える一冊である。
その本とは…
『私がテレフォンセックスで出会った凄まじき性癖を持つ漢たち』
…すみません。
でもタイトルに反して内容はめちゃめちゃ感動的なんですよ!
少なくとも私にとっては。
著者は元ナンバーワンテレフォンセックス嬢・菊池美佳子。
テレフォンセックス嬢というのは要するに素人を装った、店のサクラである。
本書は著者――仕事では「ミカ」と名乗っていたそうなので、ミカさんと呼ばせていただく──が7年の勤務で(電話回線上で)出会った男性客の様々な、珍奇な性癖を紹介したものである。
なにしろテレフォンセックスなので、現実には叶えることが困難だったり不可能だったりする妙なプレイを希望する客もいるのだ。
それらの中には発想がぶっ飛びすぎてて全く理解できないものもある。
私が本書を購入したのも、そういった人類の想像力の限界に挑んだ性的ファンタジーのカタログとして面白いかもしれない、と思ったからだ。
だって1回のプレイでこんなこんな設定を山盛り要求してくるお客さんとかいるですよ?
【前半】
ミカさんはOLという設定。男性の睾丸を崇拝し、頬摺りしたりする。
【中盤】
男性の前で習いたての格闘技を披露し、その最中に事故で睾丸を蹴ってしまう。
睾丸は蹴られると落っこちる、という驚愕の世界観。
片方の睾丸を落っことした男性は悶絶、体のバランスが取れなくなる。
男性の体をよく知らないミカさんはバランスを取ろうともう片方の睾丸も蹴り落とす。
ていうかそんな男体の神秘、私も知りませんでしたよ!
【後半】
一旦電話が切れ、もう一度かかってくるとミカさんは「男性の睾丸は醜いと信じ、通り魔的に男性の睾丸を蹴り落としまくってる悪の女王」という設定にチェンジ。
しかし先ほど蹴り落とされた筈の彼の睾丸は驚異の再生を遂げ、狼狽した女王は成敗される(具体的にはレイプ)。
うわぁ、オリジナリティー溢れすぎ…
「世界は奇怪な蟲たちの棲む巨大な菌類の森・腐海に沈みつつある」とかいう有名作品の設定なんてメじゃありません。
常識を軽々と超越した驚異の世界観!
ちなみに最初に睾丸を蹴り落としたのは女王ではなくOLミカさんだった筈だが…いんだよ、細けぇことは。
本書にはこういった男性の個人的すぎる妄想が煮こごりになっている。
ところがそれを描写するミカさん、めちゃめちゃ良い人なんである。
どんなご無体な設定を要求されても、それがどんなに女性差別的な内容であっても…彼女は「それがこの人の性的嗜好なら」と、健気にそれを受けるのだ。
それはもはや「プロだから」とかいうレベルを越えている。
例えば完全に無言の客というのもいて、その人は電話口を「コンコン」とノックする以外、何の音も立てないのだという。
しかし彼女はその「コンコン」さえ、「無言でごめんね…」という彼の気持ちの表れかもしれない、なんて想像してみたりするのだ。
うわぁ、ええ人やぁ…
ちなみにお店はごく普通のスタッフによって運営されているそうで、「お客様は風俗に行くことができない障害をお持ちの方かもしれないから」と誠心誠意のサービスに努める様、アドバイスしてくれたりする。
どの業界もそうである様に、良い人もいればそうでない人もおり、それが人の営みである以上、そこには美談も多く存在するのだろう。
あ、ちなみにこの仕事をしてる女性たちは普通の水商売や風俗で働くのはちょっと無理めな、見た目の仕上がりがやや残念な方が多く、ミカさんもその例にもれないそうです。
本書には他にも様々な男性とその性癖が登場し、それぞれに驚嘆したり感心したりして楽しめるが、ここではこれ以上は扱わない。
唯一例外として、私が最も感動した話のみ紹介する。
「春川かおる」と名乗る男性客とのエピソードだ。
彼は40歳DTのM男性だ。
それもかなりの真正らしい。
【春川かおる ちょっとイイ話】
①
40歳DTというだけでいろんな女王様テレフォンセックス嬢から偏見の目で見られ、「この皮かぶり野郎が!」と罵倒されていたが、彼は包茎ではないので、そんな風に責められても興奮できない。
しかしミカさんだけは彼が包茎でないことを信じて「マゾ奴隷の癖に、ズル剥けチ◯ポだなんて生意気ね!」と逆転の発想で責めてくれ、それがいたくお気に召した模様で常連に。
②
SMクラブにも通っていたが、他の客もいる待合室からプレイを始める女王様に辟易。
しかしその様子を淡々と見ていた受付嬢の視線に興奮。
「受付の事務員さんを指名したい」と交渉するも店側は「あくまで事務員なので」とNG。
その話は本人にも伝わっているであろうに、それでも淡々と受け付け業務をこなす事務員に大興奮。
③
客は指名した女性が空くのを待つ間に指名した子と先客とのやりとりを盗聴できるシステム。
ミカさんは他の客の前ではMを演じることもあるが、春川かおるはそれを聞いて「M女として扱われてるミカさんに苛められてる自分はMの中のMだ!」と興奮。
ミカさんも「私の悲鳴でチ◯ポおっ勃てるなんて許さないわよ!」と上手くその後のプレイに取り入れていたとか。
そんな彼が急に現れなくなる。
ところが1年後、ミカさんを指名し続けてきたS男性が突然「春川かおるでございます」と名乗る。
そう、彼は一年に渡ってSのフリをしていたことを明かせば、極上のお仕置きを受けられると期待していたのである。
ミカさんはとっさに「知ってたわよ!」とアドリブで返答。
「私が気づいてないとでも思っていたの? 本当に恥知らずなマゾ奴隷ね! お望み通りたっぷりお仕置きしてあげるわ! それに、春川かおるという名前! 本名だとばかり思ってたら杉村春也の『英語教師・景子』というSM小説に出てくるマゾ主人公の名前じゃないの! 調べたのよ! 本当にお前は恥知らずね!」
と罵倒されただけで絶頂に。
以降、主従関係再開。
そんなナイスガイな春川かおるくんだが、別れの時がやってくる。
ミカさんが引退を決心するのである。
一応、素人ということになっているテレフォンセックス嬢が引退する場合、それまでの常連にわざわざそれを告げることはない。
ただある日を境に姿を消すだけだ。
ところがミカさんは一人一人に「家庭の事情でもう来れなくなる」と告げ、きちんと別れの挨拶をするのである。
別れを告げられた春川かおるはミカさんを慰留する。
だがそれが叶わないと知った彼は、こう懇願するのだ。
「僕を、ほかの女王様に譲渡してからこのSM回線を去ってほしい」
と。
ミカさんはそれに応える。
決してハードすぎるプレイや営業優先のやたらに長引かせたプレイをしないであろう、適切な後任を選んで彼を譲渡するのだ。
そして最後の日。
二人のプレイはこんな風に進む。
「私がお前をいたぶるのは今夜で最後よ! 明日からは○○女王様の奴隷として、たっぷり可愛がってもらうがいいわ!」
「ミカ女王様の仰るとおりに致します」
「あら、お前ときたら、自分の意志とは関係なく、私が選んだ女王様に譲渡されてしまうのよ! よくもまぁ、そんな屈辱的で惨めなことが耐えられるわね!」
「ミカ女王様のご命令でしたらどのようなことにも従います」
「そう。随分と感心な心構えだこと。じゃあ、そうねぇ・・・最後にもう一つだけ、お前にとっておきの命令を下してあげるわ! 確かお前は、四十になってもまだ童貞の、恥ずかしいマゾ奴隷だったわね?」
「はい、かおるは四十にもなって一度も女性とセックスしたことのない、童貞マゾ奴隷でございます」
「そりゃ、そうよ! お前のようなマゾ奴隷に、世の女性たちが体を開くわけがないでしょう!」
「はい、ミカ女王様の仰るとおりでございます」
「いいわ、自分の立場をよくわきまえているようね。それじゃ、最後の命令よ! お前は、私がこのSM回線を去ったあとも、そしてお前自身がいずれこのSM回線を去ったあとも、一生童貞のままでいなさい! 一生涯、女性とセックスすることはこの私が禁止します!」
「ああっ・・・かおるは、ミカ女王様のご命令に従い、一生涯童貞でいることを誓います」
その後、彼はもう一度だけ電話をかけてきたという。
プレイのためではなく、本当に最後の挨拶のためだけに。
涙声で。
「もちろんプレイもお上手でしたが、それだけでなく、ミカ女王様のお優しいお人柄があったからこそ、こんなにも長くお仕えできたのだと思います」
応えるミカさんもいつの間にか泣いていた。
ミカさんは最後にこう言ったという。
「新しい女王様によく可愛がってもらうのよ! プレイだけじゃなくて、仕事のほうも体に気を付けて頑張りなさい。プレイにのめり込みすぎて借金などしてはダメよ! テレフォンセックスは、お小遣いの範囲で楽しむものよ」
…なんといういたわりと友愛じゃ。
王蟲が心を開いておる!
春川かおるは…
ミカさんの選んだ女王様に仕える限り。
童貞であり続ける限り。
常にミカさんの命令に忠実な奴隷であり続ける。
それが、ミカさんとの唯一の絆だから。
ミカさんの存在を感じ続ける、唯一の方法だから。
なんという愛。
ミカさんもそれを知っていたから、あえてそう命令したのだろう。
もしいつか春川かおるの前に素敵な女性が現れて二人が結ばれ、ミカさんを忘れていったとすれば、それはそれで幸せなことだ。
だが、そうならなかった時のために。
深い深い闇の中で誰にも救われることのない人間を照らし出す、一縷の光を彼女は与え、そして去っていったのだと思う。
ミカさんの春川かおるに対する気持ちは恋愛感情ではないだろう。
だがそれは確かに、一種の愛なのだ。
一般的には男女はお互いに強い恋愛感情によって精神的にも肉体的にも結ばれることが理想なのだろう。
だが世の中にはそれがかなわぬ人間もいる。
それが同情に基づく極めて希薄な精神的つながりだけであっても。
ただ一言の命令に、どんなにか彼が慰められるか計り知れない。
だって、彼は誰かとつながっていられるのだから。
狂おしいほど愛した女性と、確かにつながっているのだから。
それが彼の全て。
彼のアイデンティティーそのもの。
それは世間の人が思う愛とは少しばかり形が違うものかもしれない。
いわば愛が逆上がりしてしまった状態だ。【註1】
だが逆上がってしまった愛は、しばしば胸を打つ。
これこそがサブカル本だよ!!
…と、熱くなってしまったが、話は少し変わってもうちょっと続く。
清家新一という人物がいる。
随分前に亡くなったので、正確には「いた」か。
彼は学生時代、自分のノートに奇妙な落書があるのを見つけた。
それは(彼の弁によれば)火星人の女性からのメッセージで、「火星は素晴らしいところ。そこで待っています」という意味のことが記されていたという。
普通ならイタズラか何かだと思うところだが、彼は信じた。
そしてこの女性を勝手に恋人だと決め、さらにまたしても勝手に「ガートレットさん」と命名した。
そしていつの日か火星の恋人に会いに行くために、「空飛ぶ円盤」の開発に一生を捧げた。
彼の著書には70年代の時点で「円盤機関始動せり」「空飛ぶ円盤完成近し」といったタイトルが冠せられていたが、実際に円盤が浮上することは最後までなかった。
彼は東大理学部の大学院を出た秀才だったが、その理論は完全にトンデモだったのだ。
彼は「コイルをメビウスの輪にしたものに通電すると磁界内の時間が逆転する」という珍妙な理論を唱え、その磁界に置いた水を「ネゲントロピー水」と呼んで飲用していたが、本人によればおかげで七十歳を越えても夜も現役だったらしい。
仮にメビウスコイルで時間が逆転するとしても、「その影響下にあった水を飲めば若返る」という主張は呪術にしか見えないが。
さらに彼はどういう訳かNHKアナウンサー(当時)の桜井よし子ファンで、ガートレットさんの容姿は桜井女史に似ていると勝手に認定。
週に2回、女史にネゲントロピー水を送り付けるという迷惑行為にいそしんでいたらしい。
清家氏によれば、桜井よし子は「氏の好みの服を着てテレビに登場する」などの方法で秘密のメッセージを氏に送り、「早くあなたの赤ちゃんがほしいの」などとおねだりしてきたという。
それってただの統合・・・いえ、何でもありません。
ともかく、科学的には彼の生涯を賭した研究は全くの無意味だった。
それは間違いない。
では彼の一生は一体何だったのか?
全くの無意味だったのか?
UFOについて「ある・ないを越えたところにドラマがある」という独特のスタンスを取るロックミュージシャン・大槻ケンヂは清家新一の著書を読み、最初は笑い飛ばした。
だが2回目に読んだ時、「妄想上の火星の恋人に会うために何十年も研究を続けるという行為は普通の恋愛以上に人間的なのではないか?」と気付き、落涙したという。
この様に、人並み外れた情熱は時として人を感動させる。
例えその方向性が激しく間違っていたとしても。
まぁ大槻ケンヂは当時、自律神経失調でいろいろナーバスになっていたからなぁ・・・
そんな彼は後にトンデモ発明家を肯定的に取り上げた歌「機械」を作詞している。【註2】
こんな歌だ。
https://www.uta-net.com/song/146533/
…きっと春川かおるの目にも、くっきりと見えたのだ。
電話回線のその向こう、白く輝く、天使の翼が。
そう信じたい。
なお、最後に告白しておくと、ミカさんに教えられるまでもなく私には「春川かおる」なる名が『女教師・景子』から取られたものだということが判った。
だってこの本、高校生の時に授業中こっそり読んでたし。
しかも一度手放したものの「初期衝動には忠実でなければ!」と思い直し、古書店を探すも名作故に手放す人が少ないのかなかなか見つからず、15年がかりでやっと再入手した本なのだ。
まぁ私もどちらかと言えば「向こう側」の人だし。
【註1:愛が逆上がりした】
この表現は、私にサブカルチャーの面白さを教えてくれた、とり・みきの漫画『愛のさかあがり」へのリスペクトである。
【註2:『機械』】
こういった珍発明をするトンデモさんは世界中にいるが、この歌に影響を与えたのはこの清家新一のエピソードと、ケイト・ブッシュのPV「クラウドバスティング」だと思われる。
「クラウドバスティング」の元ネタは怪しげなトンデモ発明品「クラウドバスター」だ。
フロイトの高弟、ウィルヘルム・ライヒは性エネルギー「オルゴン」なるものを提唱(ちなみにオルゴンは性的絶頂を意味するオルガスムスから名付けられたという)。
これを放射することで雨雲を生成・消滅させるという気象兵器「クラウド・バスター」を開発した。
彼はガチで「これでUFOを撃墜するんじゃーい」と主張していたらしい。
それってただの統合・・・いえ、何でもありません。
「クラウドバスティング」はライヒとその発明品をロマンティックに、見事に映像化している。
なお、ウィルヘルム・ライヒの名は『機械』にも登場する(歌詞カードには載っていないが)。
(00:04)
2022年11月14日
さて前回、
◉ネトウヨさんの持ち出す『韓国起源説』は話盛りすぎ
◉無茶な『日本起源説』もいっぱいあるよ
…という話をしました。
『ネトウヨさん「韓国人は何でも韓国が起源だと主張する!」←は?』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/17493887.html
今回は『日本起源説』の極北とも言うべき書籍を紹介したいと思います。
それは↓コレ。
『実証 人類および全脊椎動物誕生の地──日本』
(岡村長之助/著 岡村化石研究所/発行 1983年)

岡村化石研究所の所在地は名古屋…竹内久美子生誕の地や!
本書の内容を思いっきり要約すると、
岩手県の長岩山で採った、3億年前の石灰岩を顕微鏡で観察したろ!
↓
いろんな化石が見えたやで!
そしたらびっくりや。
ワイは全長数㎜の、いろんな魚や鳥や獣のミニミニ化石を発見したんや。
恐竜や竜までおったで、もちろん数㎜や。
4㎜の人類も発見したし、「長岩ミニ人」て名付けたやで。
この岩は3億年より前の化石も出るから、ホンマは4億年は経ってるとワイはにらんどる。
全ての脊椎動物や人類は、4億年前の日本で誕生したんや!
ええ~…何やその壮大すぎる日本起源説。
では実際にこの本に載っている写真や図を見ていきましょう。
◉長岩ミニ人類第一号の頭骨化石

…言うほど頭骨か?
◉ミニ人

ほぼ心霊写真。
◉ミニ婦人のプロフィール

◉頭骨の比較

◉生き生きとしたミニ人のご様子

◉原ミニ人の成長変態の段階

なんか「首だけオタマジャクシ」みたいなのから変態するらしい。
発生様式が独特~!
◉狐竜・提灯竜・あざらし竜・細吻竜

オリジナリティー溢れるネーミングセンス。
◉日本始祖鴨の化石

岡村長之助にはこの様に見えたらしいです。
◉絶滅両生類マストドンザウルス(ミニ)の化石

「サウルス」をドイツ語風に「ザウルス」と表記するあたりがレトロ〜。
相当古い資料しか参照してないな長之助。
ちなみに科学ライターの故・金子隆一は岡村長之助のミニ化石群に対し、「それ有孔虫とか放散虫とかの石灰プランクトンやろ」的なツッコミを入れてます。
それらがランダムに入り乱れたトコを切片にして研磨してるので、断面にいろんな模様が見えてるだけ…
要するに多くの心霊写真と同じく、「たまたま顔に見えちゃった」というシミュラクラに過ぎません。
…それがこんないろいろなものに見えちゃうとは、ものすごい視力というか妄想力。
昔、精子を顕微鏡で見てたらうっかりミニ人間が出てくるのが見えちゃった人とかいましたが、それよりもヤバげ。
◉【参考】「精子の中にミニ人間がいる」という『前成説』に基づく精子の図

…その人はこんな感じのモンが見えちゃったんでしょうか?
もちろん、こんなんが学界から認められる筈もなく。
…が、岡村長之助は学会発表も行っていた模様。
「えっソレって凄いじゃん、認められたってコトやろ?」と思うかもしれませんが…
通常、学会は会費さえ払えば誰でも入れるし、学会員であれば誰でも発表はできるのです。
そして岡村長之助みたいなトンデモさんは最終日の朝イチとか、誰も来ない時間を割り当てられたりする模様。
あと岡村長之助は論文をあちこちの大学等に送り付けていたため、それを見つけた学生が話のネタにしている様です。
mixiに岡村長之助コミュがあって、「研究室で見た」という人が何人かいました。
私は昔、NTTの番号案内に聞いて岡村宅に直接電話し、通販でこの本を入手。
「岡村化石研究所」での登録はなかったのですが、「岡村長之助」だと見つかり、(自宅が研究所という、トンデモさんあるあるなのかも)、電話するとご家族らしき方が出て、
「もう本当にあと少しで認められるんです!」
的なことを熱心に語っておられました~。
家族から理解があるのは素敵なことですね。
私も岩石の断面にミニ人がいないか探してみました〜。
お分かりいただけただろうか…職場のトイレの花崗岩に…

アニメ風美少女が!

おちょぼ口やまつ毛までくっきりと保存。
なぜ火成岩に…!?
高温の星から来た宇宙人なのかもしれません。火成人。
【岡村長之助に言及のある資料集】
◉『別冊歴史読本 特別増刊《これ1冊で丸ごとわかる》シリーズ⑩ 禁断の超「歴史」「科学」』
(新人物往来社 1994年)
「現代日本スーパーセオリー① 当世恐竜ギョーカイ事情」科学ライター:金子隆一
志水一夫・原田実・山本弘・永瀬唯といった「と学会」系メンバーも多数寄稿。
◉『新恐竜伝説―最古恐竜エオラプトルから恐竜人類まで、恐竜学の最先端! 』
(金子隆一 早川書房 1993年)
こちらは該当部分が↓ココで読めます。
【地球資源論研究室】
《金子(1993)による〔『新恐竜伝説』(57-68p)から〕》
http://earthresources.sakura.ne.jp/er/ES_K_KK_S1.html
書店で普通に手に入った書籍で、岡村長之助について詳しく取り上げているのは、私の知る限りではこの2冊のみ…
あとは「と学会」系の本で藤倉珊だったが「この本を出版社から出そうと尽力したがかなわなかった」みたいな話をしていた程度かと。
上記で紹介した
【地球資源論研究室】
《金子(1993)による〔『新恐竜伝説』(57-68p)から〕》
より、リンク切れに備えて該当部分を以下に保存しておきます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●夢の「恐竜完全カタログ」
恐竜学の世界の奥深さを知り、自分のまだ知らない属名や種名が山のようにある、ということに気づいたとき、誰もが必ず一度は夢見るのが、恐竜の完全リストがどこかにないだろうか、ということである。
これまでに世に知られたすべての恐竜を、属名も種名も合わせて全部知りたい、そんなリストがあるものならぜひ入手したいと思うのは、まあマニアの本能のようなものだが、これがじつは意外と難しい。ある特定の時点(1988年)までに発表されたすべての公式な記載論文についてまとめたリスト、といったものなら「A Bibliography of Dinosauria」という本がアメリカで市販されているのだが、これはあくまでも記載論文およびその他の情報がいつ、何に発表されたかというリストであり、これ自体が恐竜そのもののリストというわけではない。貝や昆虫のように、標本を集めるコレクターや研究者が大勢いる分野なら、その種のリストはそれこそ各国、各州や県ごとにあるのだが、恐竜の場合、なかなかそういうことに手を染める奇特なご仁はこれまでいなかったのである。
だが、さすがにそこは恐竜研究の最先進国にして、カタログ文化の長い伝統を誇るアメリカである。ついに、1991年、長らく待ち望まれていた、夢の「恐竜完全カタログ」がアメリカで刊行された。「Mesozoic Meanderings #2」『中生代そぞろ歩き 第二版』と題されたこのカタログは、体裁こそコンピューターのプリントアウトをルーズリーフで綴じただけの簡単なものだが、1991年までに公式、非公式に発表された、ワニを除く祖竜上目、すなわち槽歯目、翼竜および恐竜のすべての名前を、そのつづり間違いまで含めて完璧に網羅した、労作などという生やさしい言葉で表現できるものではない前代未聞の刊行物である。これぞまさに恐竜研究史上の一大エポック・メーカー、奇跡の書、と呼んでもいいだろう。
著者のジョージ・オルシェフシキーは、現在サンディエゴで「パブリケーションズ・リクワイアリング・リサーチ」というデータ・サービス会社を経営しつつ、全世界の恐竜業界にネットワークを張りめぐらして、膨大な研究情報を収集することにその全情熱を傾けている人物である。1988年には、世界で初の恐竜情報のニューズ・レター「Archosaurian Articulations」を月刊で発足させたが、残念ながらこれは、諸般の事情により、第1巻を刊行し終えないうちに中断されている。
『中生代そぞろ歩き』は、1978年に第1版が刊行されたが、これは今では業界でも幻の本と化しており、むろん私も見たことはない。だが、それから13年の時を経て、新たに記載または命名された恐竜の属はおそらく50近くに達し、さらに多くの種が登場し、一方で多数の名前が抹消された。また、祖竜上目の系統発生の研究が進展するにつれ、これまで誰一人夢にも思わなかった新たな系統仮説が続々と登場し、新しいタクサ(分類群)の名称が洪水のようにあふれ出した。かくして、満を持したオルシェフスキーにより、この間の新たな研究成果のすべてをカバーする第2版が刊行の運びとなったのである。
さて、このカタログのなかにはどれだけの恐竜がリストアップされているのだろうか?
オルシェフスキー自身の系統仮説にもとづく「祖竜下綱・恐竜類(たぶん並列下綱)」のなかの3大グループをそれぞれ集計すると、
獣脚形態上目 162属 (うち不確実なもの46属) 224種
(うち不確実なもの85種)
竜脚形態上目 98属 ( 〃 19属) 154種
( 〃 41種)
鳥盤上目 188属 ( 〃 50属) 287種
( 〃 89種)
合計
448属 665種
これが、1991年の時点でともかくも名前のついた恐竜のすべてということになる。むろん、1993年現在、すでにこのリストの後ろにはもう何属、何種かの新しい名前が付け加えられているはずだ。
およそ恐竜好きな人間にとって、これほど読んで楽しい本などこの世にまたとあり得るものだろうか。全編びっしり活字で埋まった、無味乾燥な名前の羅列。どこにも、一点の図版も入ってはいない。にも関わらず、この本は読む者の魂をして、無窮の情報宇宙に解き放つ魔力を秘めている。文字どおりのトリップである。
その道に踏みこんだ以上は、対象のすべてをわが手のうちにおさめたい、知られているかぎりの全種類をリストアップし、整理し、分類し、体系化し、コレクションしてやりたいという、アマチュア生物学者なら対象がチョウであれ恐竜であれナンキンムシであれ、等しく抱き続けているはずのあの根源的衝動、真の「完璧」を指向する狂おしいまでの欲望を、オルシェフスキーは徹底的に具象化して見せた。身もフタもないとはこのことだ。ある意味で彼は、多くの人々の、「いつか自分こそ」という遥かなあこがれ、見果てぬ夢を完膚なきまでにぶっ潰してくれた、とも言えなくはない。
これが大げさに聞こえるだろうか?
だとしたら、それは単にあなたがこの本の真価を知らないからである。今、試みにこの本のページをランダムに開いてみると、奇しくもティラノサウルス科のリストのページが出てきた。ティラノサウルス科は10属(うち1つは不確実)、14種(うち2つが不確実)を含むと書いてある。
10属? そんなにあったっけ? と、思いつつページをたどると、「属名:マレーエフォサウルス・カーペンター 1992」などという名前が出てくる。
そんな属名を聞くのさえ初めてなのに、その後ろにはシノニム(別名)として、ゴルゴサウルス・ノヴォジロヴィ、アルバートサウルス・ノヴォジロヴィ、オーブリソドン・ノヴォジロヴィ、デイノドン・ノヴォジロヴィ、タルボサウルス・ノヴォジロヴィ、などといくつもの名が続き、最後にこんな注記がついている。曰く-「この属名は、その正式な記載の数年前、すでにカナダのロイヤル・ティレル博物館のスウェット・シャツに現われていた」
いったいこの人の情報網はどんな仕組みになっているのだろうか?
どんな分野のものであれ、情報という奴は、ある程度以上集まって、そのことが人に知られるようになると、雪だるまと同じく、加速度的に集積速度が上がってゆくものだ。誰もが、自分の耳にした最新情報を自発的に送ってくるようになるのである。おそらくオルシェフスキー氏の場合、個人としては世界でいちばん早くそのようなポジションを確立し、みんながその情報網の末端につながることを自ら望むような立場につくことができたのだろう。もっとも、なかには、本当にトンデモない情報も寄せられてくることもあるが。
たとえば、リストのいちばん終わり、「除外された分類群」のコーナーには、一度は祖竜下綱に分類されたものの、その後除外された動物たちの属や種がリストアップされている。そして、さらにそのいちばん最後には、「スペシャル・ノート」として短い付記がついている。
日本の研究者、オカムラ・チョーノスケは、日本の古生代の岩のなかに、より大型でわれわれにはおなじみの脊椎動物、すなわち?ドラゴン?、恐竜、鳥、哺乳類、さらには人間などの顕微鏡的同類を発見したと主張しており、そのなかには体長1ミリの?角竜?、体長2ミリの?カミナリ竜?が含まれる。(中略)私は、このリストが完璧であることを期すため、オカムラの新分類名をここにリストアップする-(中略)-カスモサウルス・ミニオリエンタリス、ケラトサウルス・ナシコルニス・ミニオリエンタリス、そしてブロントサウルス・エクセルスス・ミニオリエンタリス……
これを見たときには、正直絶句した。いくらオタク的に完璧なリストを目指すからって、こんなものまで-いやいや、この岡村長之助氏は、まがりなりにも日本の古生物学会で発表までしてしまったという話だからな。
名古屋で岡村化石研究所という個人研究所を主宰するこの人物は、岩手県大船渡市長岩山産の古生代の石灰岩-聞くところによると、試料そのものは畳一枚分の大きさもないというが-を細かく切って磨き、その表面を顕微鏡で観察することにより、そこに、体長数ミリ以下のハリモグラやツチブタやヘラジカやゾウやツチノコやトノサマガエル、はたまた無顎類ドレパナスピスや迷歯類ベントスクス、新設の「竜科」に属する提灯竜やグレーハウンド竜やあざらし竜、さらには「毛皮の帽子を被り衣服をまとい小走りに走行中のミニ女性」、「大地震に当たり、幼児を抱いて海中に転落し、安全地帯を求めて浅い処を徒渉中、追討の土砂に瞬時に埋没、そのまま死亡して後化石となったミニ父子」といった驚天動地の化石を続々と発見、すべての脊椎動物は古生代の日本に起源を持つとの説を唱える研究者である。(引用は、『実証 人類および全脊椎動物誕生の地-日本』〔岡村長之助著、岡村化石研究所〕より。ちなみにこの本も、渋谷の飲み屋の二階で密かに受け渡されたものである)
別に、私はその主張に対してどんな論評も加える意図はない。日本の古脊椎動物学の大御所、故鹿間時夫横浜国立大教授が、古生物学会の講演会になぜかまぎれこんで発表されてしまったこの新理論を聞いて激怒し、それが教授の死期を早めた、などといううわさも、単なるうわさであると思う。私はただ、このような情報までも収集し得るオルシェフスキーのすさまじい情報収集力、完璧なリストをめざすその執念に敬服するのみである。
ただ、このことを最後に書かねばならないのは非常に残念なのだが、『中生代そぞろ歩き 第2版』は、限定200部しか作られず、そのすべてはわずか2週間で売り切れてしまったということである。もちろん、今後注文が集まれば、オルシェフスキーが増刷に踏み切ってくれる可能性は小さくはない。しかしそれよりも、今は彼が約束する『中生代そぞろ歩き 第3版』の刊行を待つほうがおそらくは賢明であろう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(00:09)
2022年11月11日
ネトウヨさんはしばしば「韓国人は何でも韓国が起源だと主張する」と言います。
『韓国起源説』というやつですね。

…こんな風に政治性のない場ですらネタにされるほど、ネット界に広まってたり。
しかし『韓国起源説』はしばしば話がかなり盛られています。
ネトウヨさんが当の韓国人も聞いたことのない様な珍説を持ち出し、さも韓国社会全体が『韓国起源説』を信じているかの様にふれまわったりしているので要注意。
ネトウヨさんが盛んに喧伝する「韓国人は糞酒トンスルを嗜む」というデマも、韓国の人はほぼ「トンスル? 聞いたことない」という反応でしたが…
それみたいなもん。【註1】
Wikipedia『韓国起源説の一覧』の項にも
『ただし、必ずしも韓国国内で信じられている訳ではないことに注意を要する』
という但し書きがあるほどです。
例えば↓ココでは…
【livedoor NEWS】
『【韓国BBS】韓国起源説は日本人が作ったデマ、日本の陰謀だ!』
https://news.livedoor.com/article/detail/7239954/
日本のネットに列挙された『韓国起源説』を見た韓国人は「なんじゃそりゃ!?」的な反応。
そしてそういうコト書いちゃう日本について
『独自の文化そのものがない国』
『歴史コンプレックス』
『コピー大国』
と言い出します…が、これネトウヨさんが韓国人にぶつけてる言葉と同じやん…
しかも「韓国起源説は、日本が作り出した陰謀」という陰謀論まで出てくるし。
相変わらず日本のネトウヨさんと、向こう版のネトウヨさんはやってることが同じだな~…【註2】
また↓ココを見ると…
【Record China】
『「剣道は日本のものでしょ」、大韓剣道会会長の発言に韓国ネット冷ややか』
https://www.recordchina.co.jp/b643987-s0-c50-d0144.html
大体どこの国にもおかしな主張するトンデモさんはいるものです。
そしてトンデモさんなんて滅多に世間の支持を集めることもなければ、よほどの好事家でもない限り存在すら知らないものです。
それを探して「あいつらはこんな無茶な主張をしている!」と叫べばどんな難癖だって付けられます。
「韓国だけそういうのが異常に多いんだよ!」という主張もありますが…
これには3つの理由がある様に思えます。
まず日本文化の多くは、朝鮮半島から入って来たものが原型になっていること。
なので日本でガラパゴス化したものも、大抵のものは「元々は韓国のもんや」と言って言えなくはない感じ。
まぁ日本の固有種も大半は半島から移入して分化したもの、みたいな。
「やや強引だけど、無根拠ではない」くらいの感じでしょうか。
もうひとつは、ネトウヨさんが鵜の目鷹の目で熱心に探すから多く見えちゃう、という点です。
例えばネトウヨさんはよく
「韓国人は『飛行機は韓国の発明だ』と主張している」
と言います。
その「飛行機」とは、400年ほど前の文献に『飛車』と呼ばれる飛行機械があったという記述が残っている、というもの。
【NEWSポストセブン】
『世界初の飛行機は秀吉朝鮮出兵時に城から脱出した「飛車」説』
https://www.news-postseven.com/archives/20131218_230949.html?DETAIL
航空機の発明に遡ることおよそ300年、もちろん航空力学的にはめちゃくちゃだし、実現可能な動力源のアテがある訳でもなく、実用性は皆無です。

そしてその復元がコレ。

全然似てねぇー!
でもコレがダメなら、レオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプターかてそうやん…。

コレだってヘリコプターの発明に遡ることおよそ400年、もちろん航空力学的にはめちゃくちゃだし、実現可能な動力源のアテがある訳でもなく、実用性は皆無です。
しかしその模型は各地の博物館に展示され、その姿は全日空の社章にまでなってますよね。
…めちゃめちゃ認められてるやん。
ネトウヨさんはそっちには噛みつかないのでしょうか?
あとコイツも実用に耐えるものが作られてるのですが…
タイトルの凄さに反して、実物はこんな。

【カラパイア】
『ダ・ヴィンチの530年前の発明品「空気スクリュー」は本当に空を飛ぶことが実証される』
https://karapaia.com/archives/52310244.html
一方、日本では明治期に模型飛行機を開発した二宮忠八が「飛行機の真の発明者」「世界で最初に模型飛行機を製作」などと持ち上げられ、喧伝されることがあります。
二宮忠八の『烏型飛行器』

二宮忠八の『玉虫型飛行器』

二宮忠八は時代の無理解に翻弄された、悲劇の偉人ではあります。
が、言ってみれば彼の発明は…
◉『烏型飛行器』は、海外の同様の発明から20年遅れで駄菓子屋のゴム動力竹ひご飛行機みたいなのを作っただけ
◉『玉虫型飛行器』はちょっと無理めな人力飛行機の模型を作っただけ
…とも言えちゃう訳です。
『玉虫型飛行器』は近年になって2回、実際に飛行する様に復元もされていますが…


ちゃんと飛ぶ様に尾翼が追加されたり、そもそも似てなかったり。
こういうのって「復元あるある」なんよね。
しかもその後、二宮忠八は何故か宗教に傾倒し、『飛行神社』なるギリシャ風の珍スポットを建設。
ここの祭神は饒速日命(ニギハヤヒノミコト)なのですが、コレはニギハヤヒが乗っていた空中を飛行する船「天磐船」(アメノイワフネ)を「飛行機」と解釈した結果だそうです。
日本神話のアメノイワフネ=飛行機!
韓国の「飛車=飛行機」どころとちゃうやろコレ。
しかし韓国の復元『飛車』は、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
チョ・ギュイル晋州市長は「私たちの先祖の優れた航空技術から作られた飛車の復元が、宇宙航空産業のメッカとして成長している晋州にぴったり合った事業だ」とし、「飛車を活用した教育・体験・観光産業が活性化されるよう、委員の識見と知恵、経験を集めてもらいたい」と述べた。
まだ拡散してんのかよ!
ネトウヨさんは
「韓国には誇るべき歴史がないというコンプレックスから、何でも起源説を唱えて自国の手柄にしようとするのだ」
と「説明」することが多いですが…
そもそも「誇るべき歴史がない」というのが醜悪なオリエンタリズム・エスノセントリズム丸出しの恥ずかしい発言やん…。
そして「コンプレックスの裏返しで起源説」は日本もさんざんやってるんだよなぁ…
特に明治・大正・昭和初期には国家への帰属意識が高まる一方、欧米への劣等感を感じていたため、トンデモな起源説が花盛り。
◉青森の『キリストの墓』
◉木村鷹太郎の『新史学』
◉日ユ同祖論
◉義経=ジンギスカン説
などのトンデモが吹き荒れます。
『キリストの墓』は村にあった地味な塚に竹内巨麿というオッサンが現れ、
「ゴルゴダの丘で死んだのはキリストの弟イスキリ。キリストは脱出して青森に辿り着いた。コレがその墓や!」
と後から勝手に認定。
ちなみに竹内巨麿認定物件としては、他に石川の『モーセの墓』や富山の『古代日本のピラミッド』があるよ!
このオッサンは天津教という宗教をおっぱじめ、
「ウチ(茨城)が世界の中心や」
「古代、天皇は『天の浮舟』(あめのうきふね)というUFOに乗って全世界を巡行してた」
「モーセやら釈迦やら世界のビッグな宗教人はみな来日し、天皇に仕えたんや」
「ウチに三種の神器あるで。あと十戒石・真十戒石・裏十戒石なんかも」
といったロマンと中二魂溢れる教義で当時のウヨちゃんを魅了。
なんか言ってることが「ファミコンソフト100本持ってる」とか言っちゃう虚言癖の小学生か、『ムー』の文通欄にいた前世戦士みたいなんだよなぁ…。
この頃の新興宗教は天皇♡ラブの神道系が多いのですが、国家神道の統一見解から激しくはみ出した解釈違いが横行したため、不敬罪で逮捕されたり弾圧されちゃったりが頻発します。
ココもそのひとつ。
まぁ二次創作が公式に逆らっちゃダメよね…。
なお、Wikipedia『竹内文書』には
『1935年(昭和10年)12月28日、神宝が秦真次の手により東京市・靖国神社の遊就館の松田常太館長に託された。』
とあります。
あの靖国神社・遊就館やんけ!
まぁ国家神道も天津教も
「近代以降に作られた神道系宗教で、『うちが日本の伝統と権威を引き継ぐ総本家です』と主張」
という点では共通してるので、仲良しだったんですかね…?
そしてこういうのは大体
「我が国の科学・歴史は世界一ィィィィ────ッ! できんことはないイイィ──────ッ!!」
という、「おらが里のお国自慢」になりがち。
コレが国家より小粒な地方レベルになると、「中央を離れた東北にもすごい文化があった!」という偽書『東日流外三郡誌』とかがあります。
ちなみに邪馬台国の位置については「九州だ」「いや畿内だ」と今も熱く揉めてる訳ですが…
先日、神戸で「邪馬台国は神戸にあった!」と唱える珍説のパンフを貰っちゃいました。
そんなのあるんだ!?(困惑)
【神戸トピックス】
『邪馬台国は神戸にある!』
https://kobeport.exblog.jp/12454320/
こういうのは大体、地元の郷土史家とかが唱えて、地元のメディアがたまに取り上げる程度にしか知られていなかったり。
『韓国起源説』も『日本起源説』も、しばしば言い出しっぺはそういったマイサイドバイアス塗れな珍説だったりするので、私は話半分に聞いてます。
事実ならいずれ定説化するし、気になるやつは自分でソースを深掘りすれば大体分かるやん。
木村鷹太郎の『新史学』も似たよーなものです。
Wikipediaによれば、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本を世界文明の起源と位置づけ、かつて日本民族が世界を支配していたとする「新史学」を熱烈に唱えた。他にも邪馬台国エジプト説(邪馬台国はエジプトにあったとする説)や、仏教・キリスト教批判などの独創的な主張で知られる。異論に対して徹底的に反撃・論破する過激な言論人でもあり、論壇において「キムタカ」と通称されて恐れられ、忌避された。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さらに
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その研究の多くは存命中から異端学説と見なされてきた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…だそうです。
日韓以外からもこの手のやつを紹介していくと…
例えば↓こんな本。
『ネイティブ・アメリカンが証明した 古代、アメリカは日本だった! 失われた旭日帝国の謎を解く』
(ドン・R・スミサナ/著 吉田信啓/訳 徳間書店 1992年)
コレはトンデモという概念を広めた元祖である『トンデモ本の世界』でも紹介されてた程の逸品。
ご宗旨はタイトルとは真逆で、「日本人の祖先はアメリカインディアンだ」といったもの。
もっとも、訳者は『超古代、日本語が地球共通語だった!』という本を出してる程の逸材…
逆の主張をしてる人なので、邦題を自説に寄せたのかも。
根拠は「bone」と「骨」は似てる、とか「オハイオ」は「おはよう」だ、とかのよくあるやつ。
大体、言語なんてせいぜい数十種類の音の組み合わせでしかないので、そらカブることかて普通にあるやろ…。
ちなみにこういう英語と日本語の共通点は先ほどの木村鷹太郎も持ち出してます。
言語の共通性に注目するのはトンデモさんしぐさなので大体スルーでOK。
あと
◉「数字をいじくって意味を見つける」
◉「文字を組み替えてアナグラムに興ずる」
◉「地図上に線を引きだす」
もトンデモさんしぐさ。
…さて、次回は『日本起源説』の極北をご覧に入れますのでお楽しみに!
【註1:「韓国人は糞酒トンスルを嗜む」というデマ】
トンスルについては以下のエントリを参照。
『糞喰い民族とは誰のことだったのか ートンスル伝説ー』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/2022-01-04.html
【註2:Wikipedia『韓国起源説の一覧』】
ちなみにWikipedia『韓国起源説』はネトウヨさんが編集に参加しちゃってるのか、日本第一党党首・元在特会会長の桜井誠が書いた『嫌韓流 実践ハンドブック 反日妄言撃退マニュアル』から延々と引用してたりするので要注意です。
ソースが桜井誠って…ラムザイヤー論文かよ。
でもコレがダメなら、レオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプターかてそうやん…。

コレだってヘリコプターの発明に遡ることおよそ400年、もちろん航空力学的にはめちゃくちゃだし、実現可能な動力源のアテがある訳でもなく、実用性は皆無です。
しかしその模型は各地の博物館に展示され、その姿は全日空の社章にまでなってますよね。
…めちゃめちゃ認められてるやん。
ネトウヨさんはそっちには噛みつかないのでしょうか?
あとコイツも実用に耐えるものが作られてるのですが…
タイトルの凄さに反して、実物はこんな。

【カラパイア】
『ダ・ヴィンチの530年前の発明品「空気スクリュー」は本当に空を飛ぶことが実証される』
https://karapaia.com/archives/52310244.html
一方、日本では明治期に模型飛行機を開発した二宮忠八が「飛行機の真の発明者」「世界で最初に模型飛行機を製作」などと持ち上げられ、喧伝されることがあります。
二宮忠八の『烏型飛行器』

二宮忠八の『玉虫型飛行器』

二宮忠八は時代の無理解に翻弄された、悲劇の偉人ではあります。
が、言ってみれば彼の発明は…
◉『烏型飛行器』は、海外の同様の発明から20年遅れで駄菓子屋のゴム動力竹ひご飛行機みたいなのを作っただけ
◉『玉虫型飛行器』はちょっと無理めな人力飛行機の模型を作っただけ
…とも言えちゃう訳です。
『玉虫型飛行器』は近年になって2回、実際に飛行する様に復元もされていますが…


ちゃんと飛ぶ様に尾翼が追加されたり、そもそも似てなかったり。
こういうのって「復元あるある」なんよね。
しかもその後、二宮忠八は何故か宗教に傾倒し、『飛行神社』なるギリシャ風の珍スポットを建設。
ここの祭神は饒速日命(ニギハヤヒノミコト)なのですが、コレはニギハヤヒが乗っていた空中を飛行する船「天磐船」(アメノイワフネ)を「飛行機」と解釈した結果だそうです。
日本神話のアメノイワフネ=飛行機!
韓国の「飛車=飛行機」どころとちゃうやろコレ。
しかし韓国の復元『飛車』は、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
チョ・ギュイル晋州市長は「私たちの先祖の優れた航空技術から作られた飛車の復元が、宇宙航空産業のメッカとして成長している晋州にぴったり合った事業だ」とし、「飛車を活用した教育・体験・観光産業が活性化されるよう、委員の識見と知恵、経験を集めてもらいたい」と述べた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…市長が『私たちの先祖の優れた航空技術』とホルホル発言。
そらネトウヨさんも大喜びですわ。
ソースは↓ココ。(※ネトウヨさんサイトです)
【Don't Disturb This Groove】
『【韓国】 1592年に空を飛んだ『飛車(ピチャ)』、復元される』
https://ameblo.jp/mondo-n/entry-12513772501.html
…しかし、記事ではこの発言の直前にこうあるのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
市は、飛車復元を通じて歴史文化都市市民としての自負心を高めて、復元された飛車を活用して、飛車キャラクター製作、飛車公園造成、飛車飛ばし大会、飛車ミュージカル製作など、様々な観光商品として開発することで、今後の観光および地域経済の活性化に貢献できると期待している。…市長が『私たちの先祖の優れた航空技術』とホルホル発言。
そらネトウヨさんも大喜びですわ。
ソースは↓ココ。(※ネトウヨさんサイトです)
【Don't Disturb This Groove】
『【韓国】 1592年に空を飛んだ『飛車(ピチャ)』、復元される』
https://ameblo.jp/mondo-n/entry-12513772501.html
…しかし、記事ではこの発言の直前にこうあるのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…つまり商品化目的なんですね。
こういう時の政治家の発言は、あまり真面目に受け止めるべきではありません。
ブラジルでもUFOで町おこしを図ってる地域の市長が「UFOはもちろんいますよHAHAHA!」とか言ってました。
日本でもカッパで町おこししてる岩手県遠野の観光協会(市から補助金が出ている公益的な団体)が『カッパ捕獲許可証』を発行してるし。
もうちょっと生臭い話をすると、北海道ではティラノサウルスの仲間の化石が出土し、『エゾミカサリュウ』と命名されて観光資源化したのですが…
わりとすぐにティラノサウルスではなくモササウルス(恐竜ではなく巨大な海棲のトカゲ)の仲間だと判明。
しかし研究者が地元民に忖度して長らく黙ってた、なんていう事件も。
別に日本をディスりたい訳ではありません。
この様に事実だけを述べつつ特定の国を貶めるのは簡単なことなんですよ、そういうバイアスには気をつけましょうね、と注意を喚起したいだけです。
韓国起源説がやけに多く見える理由の3つめとして、デマが挙げられます。
これは悪意に満ちた捏造だけではありません。
韓国起源説がネタとして浸透した結果、「韓国ならこれくらいのこと言いそう!」というネタが作られちゃってるのです。
何しろWikipedia『韓国起源説』には「悪戯による韓国起源説のパロディ」という章まで存在するというありさま。
これは「ガチで言ってるアレな主張は、トンデモすぎてネタと区別がつかない」という『ポーの法則』の実例ですね。
有名な例だと、コレは北朝鮮ですが
「北朝鮮、太陽に着陸成功したと主張」
という話が拡散。
しかしソースはジョーク記事でした。
【ねとらぼ】
『北朝鮮、人類初の太陽着陸に成功したと発表→ジョーク記事でした』
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1403/03/news121.html
しかし、今でも信じてる人↓がいたり。
【劇バズ】
『【悲報】北朝鮮宇宙飛行士、太陽に着陸成功してしまうwww』
https://gekibuzz.com/archives/11118
…つまり商品化目的なんですね。
こういう時の政治家の発言は、あまり真面目に受け止めるべきではありません。
ブラジルでもUFOで町おこしを図ってる地域の市長が「UFOはもちろんいますよHAHAHA!」とか言ってました。
日本でもカッパで町おこししてる岩手県遠野の観光協会(市から補助金が出ている公益的な団体)が『カッパ捕獲許可証』を発行してるし。
もうちょっと生臭い話をすると、北海道ではティラノサウルスの仲間の化石が出土し、『エゾミカサリュウ』と命名されて観光資源化したのですが…
わりとすぐにティラノサウルスではなくモササウルス(恐竜ではなく巨大な海棲のトカゲ)の仲間だと判明。
しかし研究者が地元民に忖度して長らく黙ってた、なんていう事件も。
別に日本をディスりたい訳ではありません。
この様に事実だけを述べつつ特定の国を貶めるのは簡単なことなんですよ、そういうバイアスには気をつけましょうね、と注意を喚起したいだけです。
韓国起源説がやけに多く見える理由の3つめとして、デマが挙げられます。
これは悪意に満ちた捏造だけではありません。
韓国起源説がネタとして浸透した結果、「韓国ならこれくらいのこと言いそう!」というネタが作られちゃってるのです。
何しろWikipedia『韓国起源説』には「悪戯による韓国起源説のパロディ」という章まで存在するというありさま。
これは「ガチで言ってるアレな主張は、トンデモすぎてネタと区別がつかない」という『ポーの法則』の実例ですね。
有名な例だと、コレは北朝鮮ですが
「北朝鮮、太陽に着陸成功したと主張」
という話が拡散。
しかしソースはジョーク記事でした。
【ねとらぼ】
『北朝鮮、人類初の太陽着陸に成功したと発表→ジョーク記事でした』
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1403/03/news121.html
しかし、今でも信じてる人↓がいたり。
【劇バズ】
『【悲報】北朝鮮宇宙飛行士、太陽に着陸成功してしまうwww』
https://gekibuzz.com/archives/11118
まだ拡散してんのかよ!
ネトウヨさんは
「韓国には誇るべき歴史がないというコンプレックスから、何でも起源説を唱えて自国の手柄にしようとするのだ」
と「説明」することが多いですが…
そもそも「誇るべき歴史がない」というのが醜悪なオリエンタリズム・エスノセントリズム丸出しの恥ずかしい発言やん…。
そして「コンプレックスの裏返しで起源説」は日本もさんざんやってるんだよなぁ…
特に明治・大正・昭和初期には国家への帰属意識が高まる一方、欧米への劣等感を感じていたため、トンデモな起源説が花盛り。
◉青森の『キリストの墓』
◉木村鷹太郎の『新史学』
◉日ユ同祖論
◉義経=ジンギスカン説
などのトンデモが吹き荒れます。
『キリストの墓』は村にあった地味な塚に竹内巨麿というオッサンが現れ、
「ゴルゴダの丘で死んだのはキリストの弟イスキリ。キリストは脱出して青森に辿り着いた。コレがその墓や!」
と後から勝手に認定。
ちなみに竹内巨麿認定物件としては、他に石川の『モーセの墓』や富山の『古代日本のピラミッド』があるよ!
このオッサンは天津教という宗教をおっぱじめ、
「ウチ(茨城)が世界の中心や」
「古代、天皇は『天の浮舟』(あめのうきふね)というUFOに乗って全世界を巡行してた」
「モーセやら釈迦やら世界のビッグな宗教人はみな来日し、天皇に仕えたんや」
「ウチに三種の神器あるで。あと十戒石・真十戒石・裏十戒石なんかも」
といったロマンと中二魂溢れる教義で当時のウヨちゃんを魅了。
なんか言ってることが「ファミコンソフト100本持ってる」とか言っちゃう虚言癖の小学生か、『ムー』の文通欄にいた前世戦士みたいなんだよなぁ…。
この頃の新興宗教は天皇♡ラブの神道系が多いのですが、国家神道の統一見解から激しくはみ出した解釈違いが横行したため、不敬罪で逮捕されたり弾圧されちゃったりが頻発します。
ココもそのひとつ。
まぁ二次創作が公式に逆らっちゃダメよね…。
なお、Wikipedia『竹内文書』には
『1935年(昭和10年)12月28日、神宝が秦真次の手により東京市・靖国神社の遊就館の松田常太館長に託された。』
とあります。
あの靖国神社・遊就館やんけ!
まぁ国家神道も天津教も
「近代以降に作られた神道系宗教で、『うちが日本の伝統と権威を引き継ぐ総本家です』と主張」
という点では共通してるので、仲良しだったんですかね…?
そしてこういうのは大体
「我が国の科学・歴史は世界一ィィィィ────ッ! できんことはないイイィ──────ッ!!」
という、「おらが里のお国自慢」になりがち。
コレが国家より小粒な地方レベルになると、「中央を離れた東北にもすごい文化があった!」という偽書『東日流外三郡誌』とかがあります。
ちなみに邪馬台国の位置については「九州だ」「いや畿内だ」と今も熱く揉めてる訳ですが…
先日、神戸で「邪馬台国は神戸にあった!」と唱える珍説のパンフを貰っちゃいました。
そんなのあるんだ!?(困惑)
【神戸トピックス】
『邪馬台国は神戸にある!』
https://kobeport.exblog.jp/12454320/
こういうのは大体、地元の郷土史家とかが唱えて、地元のメディアがたまに取り上げる程度にしか知られていなかったり。
『韓国起源説』も『日本起源説』も、しばしば言い出しっぺはそういったマイサイドバイアス塗れな珍説だったりするので、私は話半分に聞いてます。
事実ならいずれ定説化するし、気になるやつは自分でソースを深掘りすれば大体分かるやん。
木村鷹太郎の『新史学』も似たよーなものです。
Wikipediaによれば、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本を世界文明の起源と位置づけ、かつて日本民族が世界を支配していたとする「新史学」を熱烈に唱えた。他にも邪馬台国エジプト説(邪馬台国はエジプトにあったとする説)や、仏教・キリスト教批判などの独創的な主張で知られる。異論に対して徹底的に反撃・論破する過激な言論人でもあり、論壇において「キムタカ」と通称されて恐れられ、忌避された。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さらに
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その研究の多くは存命中から異端学説と見なされてきた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…だそうです。
日韓以外からもこの手のやつを紹介していくと…
例えば↓こんな本。
『ネイティブ・アメリカンが証明した 古代、アメリカは日本だった! 失われた旭日帝国の謎を解く』
(ドン・R・スミサナ/著 吉田信啓/訳 徳間書店 1992年)
コレはトンデモという概念を広めた元祖である『トンデモ本の世界』でも紹介されてた程の逸品。
ご宗旨はタイトルとは真逆で、「日本人の祖先はアメリカインディアンだ」といったもの。
もっとも、訳者は『超古代、日本語が地球共通語だった!』という本を出してる程の逸材…
逆の主張をしてる人なので、邦題を自説に寄せたのかも。
根拠は「bone」と「骨」は似てる、とか「オハイオ」は「おはよう」だ、とかのよくあるやつ。
大体、言語なんてせいぜい数十種類の音の組み合わせでしかないので、そらカブることかて普通にあるやろ…。
ちなみにこういう英語と日本語の共通点は先ほどの木村鷹太郎も持ち出してます。
言語の共通性に注目するのはトンデモさんしぐさなので大体スルーでOK。
あと
◉「数字をいじくって意味を見つける」
◉「文字を組み替えてアナグラムに興ずる」
◉「地図上に線を引きだす」
もトンデモさんしぐさ。
…さて、次回は『日本起源説』の極北をご覧に入れますのでお楽しみに!
【註1:「韓国人は糞酒トンスルを嗜む」というデマ】
トンスルについては以下のエントリを参照。
『糞喰い民族とは誰のことだったのか ートンスル伝説ー』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/2022-01-04.html
【註2:Wikipedia『韓国起源説の一覧』】
ちなみにWikipedia『韓国起源説』はネトウヨさんが編集に参加しちゃってるのか、日本第一党党首・元在特会会長の桜井誠が書いた『嫌韓流 実践ハンドブック 反日妄言撃退マニュアル』から延々と引用してたりするので要注意です。
ソースが桜井誠って…ラムザイヤー論文かよ。
(00:03)
2022年11月08日
ワインボトルの様な、おおむね円筒形の瓶に水が満たされているとする。
特殊な器具を使わず、最も早く瓶を空にする方法をご存じだろうか。
瓶をただ逆さにしても水は出るが、大きな空気の泡がボコンボコンと断続的に入り、これが抵抗となって意外に時間がかかる。
これを例えば上下に振っても状況は殆ど変わらない。
正解は「瓶を回転させる様に揺すって渦を作る」である。
こうすることで排水しながら同時に空気が入る細い通路が確保され、スムーズに水が出ていく。
この渦は生命に似ている。
渦を作る水はどんどん入れ替わるが、「渦」そのものは維持される。
生物も新陳代謝によってその体を構成する物質はどんどん入れ替わるが、生命は維持される。
生命とは物質や存在ではなく、現象やパターンなのだ。
だが水なしには瓶の中に渦が出来ない様に、生命現象も物質を基盤にしている。
熱いコーヒーが入ったカップは、いずれ冷める。
これは熱エネルギーがカップに集中した「秩序」立った状態から、部屋全体に熱が拡散し、全てが同じ温度になるという「混沌」へと向かうからだ。
この世界は秩序から混沌へと向かう。
その流れは基本的には一方向で、逆はない。
これが「熱力学第二法則」、またの名を「エントロピー増大則」だ。
「エントロピー」とはものごとの乱雑さのこと。
つまり「秩序から混沌へと向かう」ということは「エントロピーは増大し続ける」ということと同じだ。
この宇宙全体もいずれはエントロピーが極大化し、全てのエネルギーが均等に分布した「熱的死」を迎えるだろう(他に勘案すべき要素がなければ。様々な理由でそうはならないという説もあるがここではさて置く)。
つまりいずれは宇宙はぼんやり&のっぺりしたものとなり、星や生命といった、複雑で見応えのあるものは消え去る。
「渦」という複雑なパターンは、一種の「秩序」だ。
それが出現するということは、混沌の中に秩序が生まれた、ということだ。
これは一見すると熱力学第二法則に反している様に思える。
だがそうではない。
渦が存在するおかげで水はより素早く流れ、高いところから低いところへと移動する。
これは位置エネルギーが高い状態から低い状態になったということであり、全体として見れば秩序から混沌への流れが加速しているのだ。
そして水が流れ切ると、もうそれ以上混沌へ向かうべきものはないので渦も消える。
生命も同じだ。
それは混沌の中に生じた秩序だ。
だが飼育ケースでネズミを飼えば、餌を熱エネルギーに変えてばら撒き、糞をし体毛を散らかしてケース全体としてはネズミがいないよりも急速にエントロピーを増大させている。
そもそも生物や渦は開放系、つまり外部と物質やエネルギーのやりとりがあるため、断熱系でのみ成り立つエントロピー増大則は適用できない。
だから飼育ケースや瓶と言った形で周囲の環境も含めて閉じ込めた断熱系で考える必要があるのだ。
ちなみに天文学者のフレッド・ホイルは、最も単純な単細胞生物がランダムな過程で発生する確率は「がらくた置き場の上を竜巻が通過し、その中の物質からボーイング747が組み立てられる」のと同じくらいだ、と述べた。
そんなことが起きる筈がない、と。
このアナロジーは進化論を否定しているので、聖書根本原理主義者がしきりに引用する。
それに対する反論はいろいろあるが、私のお気に入りは「竜巻自体が、自然に起きる秩序の例である」というものだ。【※註1】
この様な、エネルギーの流れを利用して自己組織化し、流れがある間だけ維持される束の間の構造を「散逸構造」と呼ぶ。
そして渦も生命も、それらがない時よりも効率的にエントロピーを増大させる。
それらは混沌へ向かうショートカットなのだ。
我々は混沌の中から現れ、混沌に還ることに抗う秩序であるが、存在することによってむしろ混沌を加速させるからこそ熱力学第二法則というこの世を統べる混沌の神にその存在を許容されているのだ。
そしていずれは混沌へと還る、束の間の存在でもある。
この宇宙でユニークなことが起きる時間はおそらく有限だろう。
それはやがては尽きる水の入った瓶であり、生命とはその水がつくる渦に過ぎない。
渦は水によって成り立つが水そのものではなく、水が作るパターンであり、渦を構成する水は絶えず入れ替わる。
渦ができることによって排水は加速されるが、水が尽きれば渦も消える。
シチュエーション・コメディ『ビッグバン★セオリーギークなボクらの恋愛法則』において、調子を尋ねられたエイミーはこう言う。
「いつも通りよ。皆と一緒でエントロピーが増大し、やがて死ぬ」
水は低きに流れ、川はより低い土地へと向かう。
もし既存のルートよりも効率的なショートカットがあれば川はルートを変える(そして古いルートは三日月湖として残ったりする)。
だがより効率的なショートカットであればいつでも勝手に作れる訳ではない。
我々がエントロピー増大に役に立つからと言って、すぐに存在できる様になる訳でもない。
3本目の腕が生えていれば便利かもしれないが、そう願えば即座に生えてくる訳ではないのと同じだ。
瓶の渦だって、ただ瓶をひっくり返せばすぐに生まれるものではない。
ショートカットを利用するには厳しい条件があり、それが守られる範囲でのみ利用可能なのだ。
瓶の渦であれば外部からのエネルギーが、生命においては適切な情報を持ち適切な環境に置かれることが必要だろう。
外部のエネルギーや物質を利用し、様々な法則に反しない形でより生存に有利なショートカットを見つけ続け、ここまで来るのに30億年かかっている。
そしてその間に我々はあまりにも高度に進化したため、我々の様な複雑な存在が渦の仲間だとは信じがたい、というレベルにまで発展した。
だがその原理は単純だ。
最初は誰も「生き残りたい」「存続したい」とすら思わなかった。
硬い岩は脆い岩に比べて長く存在する。
岩は別に「存続したい」などとは思わない。
岩は思考しないからだ。
だがそれでも硬い岩はそうでない岩よりも残りやすい。
脆い岩は崩れさり、辺りには硬い岩だけが残るだろう。
崩れ去った岩も消滅を特段悲しみもしなかった。
それと同じことが海中の分子にも起こる。
不安定な分子は消え、安定的な分子は存続しやすい。
それが何億年か続くうち、安定的な分子の中に、「渦」の様な、エントロピー増大則に反しない範囲で自然の織り成す、ちょっとした秩序を利用して、より複雑になるものが現れる。
それは例えば海岸の潮だまりで海水が蒸発・濃縮されることによって生じる生命のスープの様なものでも良い。
そんな分子の中にたまたま自己複製能力の片鱗を持つものがいたとしよう。
それは例えば泥の中のある種の結晶で、層状に積み重なって成長するのでおおむね上の層が下の層の形を型取る、といったものでも構わない。
原初的なものであっても、自己複製する分子が生まれれば後は簡単だ。
分子は岩と同様に意思を持たないが、それでも自己複製の速度や精度が高いものがあればそれらは優先的にコピーされていく。
やがてそれらはおよそ存続と自己複製に役立つ性質なら何でも備える様になる。
膜を作って自らを保護したり、動き回ったり、ライバルを襲ってその構成物質を奪ったり、他個体とコミュニケーションを取ったり、共同して大きな体を作ったり、より複雑な行動が取れる様に神経系を作ったり…。
そして神経系の発明はさらなるステージへ生命を押し上げる。
遺伝子が及ぼす影響はゆっくりなので、彼らはより素早く反応できる担体(エージェント)を用意した。
遺伝的プログラムに依らない柔軟で可塑性のある行動、間違いを繰り返さない学習能力、トライアル&エラーを脳内だけで済ますシミュレーション能力、他者の心を推しはかる能力…脳は個体の生存と複製のために行動を司る。
やがて複雑化した脳は、脳自身を上手く働かせるための仮想的な機能として、一種の幻想を生み出した。
それが我々―この体に宿る(かのように思える)意識だ。
我々は快楽という心理的な報酬を求め、苦痛を回避する。
それは大抵の場合、個体の生存と複製につながる。
我々はまがりくねった歴史の果てに登場した、かりそめの存在だ。
何の意味も目的もなく、ただたまたま存続しやすい性質を備えていたから存続するだけの物質。
そこから生まれた、果てしなく無目的な複製を続けるだけの自己複製子。
その自己複製子が次の世代までの間に使う乗り捨てのタクシーの様な乗り物、生物。
生物をより上手く生存・繁殖できる様にコントロールするための器官、脳。
その中を走る、おそらくは複雑な脳の働きをサポートするためのプログラムが「私」なのだ。
存続のための存続。
手段のための手段。
その連鎖の中から生まれた、おそろしく複雑な渦の様な現象、それが「私」。
この認識は虚無的に思えるかもしれないがそうでもない。
我々の究極的な存在理由が何もなかったとしても、そんな因果の最果ての理由が何になる?
そんなもん「父の弟の従妹の知り合いの近所の人の知り合い」くらいの距離感ですよ。
自分の人生の意義くらい自分で決められる。
我々はそれが出来る程度には複雑なのだから。
目的がないなら「目的を探すこと」を目的にすればいいじゃない。
(「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」くらいのノリで)【※註2】
というか、私的にはこうして自身の存在の究極要因を知れた時点で今この瞬間に死んでも『我が生涯に一片の悔いなし』ですよ!
来し方行く末という人類の気になる疑問ナンバーワンが解ったんだから『朝に道を聞かば夕に死すも可なり』ですよ!
そして生物は必ず死ぬ。
生物が生きているのは祖先が生き残るのが上手で、その性質を受け継いだからだ。
だがその性質というのは「何があっても生き残れる」とか「永遠に生き続ける」といったものではなく、「とりあえず複製するまでの間、運が良ければ死なずに済む」という程度のものでしかない。
だから生物は長く生きる様には作られていない。
死ぬまでに繁殖さえしてしまえば自己複製子は生き残るため、生物の個体は長生きする必要がないのだ。
だから個体は必ず死ぬ。
個体の行動を決める脳も、脳の生み出す意識も、個体と運命を共にする。
我々が何故存在するのかを考えれば、我々がうたかたの存在であることは否定し難い。
どれほど否定したくとも。
『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし』(方丈記)
…という様なことを、瓶を洗う度に考えている(考えんなよ…)。
これが現在の私の生命観なのだが(物理系の話はあまり得意でないので間違いがあったらごめん)、こんなポピュラリティーのない話、人にはしにくいよなぁ…
…と思ってたら、「生きものは水の中の渦と同じで、秩序をなくすための秩序」「生きているのは宇宙の秩序がなくなるのを助けるため」とか書いてある絵本を発見して驚愕。
児童書ですよ…!?
池谷裕二『いきているのはなぜだろう』がソレ。
まぁこの本、ラストで「生きているのは宇宙の秩序がなくなるのを助けるため」からの『そう。だから生きなくては』という結論が唐突でちょっと引きましたが…。
それって『だから』で結びつけられる話なんですかね…?
最後に急に「生きねば」って原作版ナウシカかよ。【※註3】
とはいえ、「おそろしく虚無っぽい話から突然、前向きに」という芸風は呆れるほど人様のことは言えないのでこの辺で。
なお、タイトルを『ペットボトルをふりふりしながら生の意味を考えてみる』としたが、1.5ℓのペットボトルで水の排出速度を実測してみたところ…
◉そのまま流れるに任せる ・・・ 約20秒
が一番速いのだった。
【※註1:フレッド・ホイル】
◉そのまま流れるに任せる ・・・ 約20秒
◉上下に振る ・・・ 約20秒
◉揺すって渦を作る ・・・ 約10〜12秒
…やはり渦を作ると速い。
しかしペットボトルの場合は、
◉容器を握りつぶして押し出す ・・・ 約5秒
が一番速いのだった。
【※註1:フレッド・ホイル】
ホイルについては以下のエントリを参照。
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/9352753.html
【※註2:「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」】
この言葉は実際にはマリーアントワネットではなく別の貴婦人の言葉だとか、いや元ネタは中国の「米がなければ肉を食べればいいじゃない」だとか、お菓子ではなくブリオシュだとか、ブリオシュはパンより安価だったからそれほど非常識ではないとか、いややはりブリオシュの方が高価だったとか、諸説ありすぎ。
【※註3:最後に急に「生きねば」って原作版ナウシカかよ】
ちなみに『もののけ姫』の『生きねば…』というコピーも原作版ナウシカのラストから採られたもの。
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/9352753.html
この言葉は実際にはマリーアントワネットではなく別の貴婦人の言葉だとか、いや元ネタは中国の「米がなければ肉を食べればいいじゃない」だとか、お菓子ではなくブリオシュだとか、ブリオシュはパンより安価だったからそれほど非常識ではないとか、いややはりブリオシュの方が高価だったとか、諸説ありすぎ。
【※註3:最後に急に「生きねば」って原作版ナウシカかよ】
ちなみに『もののけ姫』の『生きねば…』というコピーも原作版ナウシカのラストから採られたもの。
(00:39)