2022年10月19日
近所のTSUTAYAがどんどんDVDレンタルをやめて書店に鞍替えしている。
観たい映画が加入しているサブスクにあるとは限らないので、ないとないでちょっぴり不便で淋しい。
アニメ『PSYCHO-PASS』も発売直後にレンタルで観ていた。
脚本が『魔法少女まどか☆マギカ』と同じ虚淵玄なので面白い。
こちらはハードボイルドで一見まどマギとはタッチが大きく異なるのだが、よく考えるとともに「自らの未来と引き換え、というファウスト的取引によって絶大な力を手に入れた者たち」の物語であり、「心にダメージを受けると精神を象徴するものが濁る」という点まで共通している。
違って見えてもわりと「同じ引き出しから取り出した話」なんだな〜…。
印象に残ったのは第12話『Devil's Crossroad』だ。
ジョセフ・コンラッドの本『闇の奥』が登場。

フランシス・コッポラが監督した映画『地獄の黙示録』の原作だ。
ちなみに『闇の奥』の原題は『Heart of Darkness』だが、このタイトルは『地獄の黙示録』のメイキングドキュメンタリー映画『ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録』(Hearts of Darkness: A Filmmaker's Apocalypse)に引用されている。
『闇の奥』は12話との深いつながりは特になく、単に象徴的な意味の様だ。
だが逆に言えばこの脚本家はそれだけ幅広い教養を身に着けているということだろう。
あ、私は当然読んでないので念のため。
『地獄の黙示録』『ハート・オブ・ダークネス』は観たけどあんまりわかんなかったし。
で、12話にちらりと登場するバンドの名前が『プロフェシー』でびっくり。
直訳すれば「予言」という意味なのだが…。
「モスマン」というUMAがいる。
UMA(未確認動物)と言ってもツチノコみたいに本当にいてもおかしくはない類のリアルなやつではなく、どちらかと言うとチュパカブラ(「山羊しゃぶり」と書くと何だか妖怪っぽい)みたいな、荒唐無稽な路線のやつ。
約2mで腕はなく、蛾人間の名が示す通り背中に大きな翼を持ち、おおむね蛾かフクロウと人間を混ぜた感じの想像図が多い。
自動車よりも速く飛行して追ってくることもあるという。
多くの目撃者はギラギラと赤く輝く目は左右の間隔が大きく開いていたと証言。
1966年からウェストバージニア州で目撃が繰り返されたが、1967年を最後に消えたとされる。
だが最後にシルバー・ブリッジ付近で目撃された直後に同橋が崩落、46人が亡くなるという大惨事に。
まぁこの辺の話はいろいろ胡散臭いのですが詳しくはここでも読んでいただくとして。
有名な3メートルの宇宙人(フラットウッズモンスター)もウェストバージニア州だし…

何かあの辺、変なやつが多いのか?(目撃者含め)
でもどっちも顔的に「フクロウの誤認」で説明できる気がする。
あと3メートルのやつは21世紀になってから「こっちの方が近い」という想像図が出てきてショッキング。

ところがコイツを真面目に研究(というか妄想)しちゃった人物がいた。
UFO研究家のジョン・A・キールである。
1976年、彼は『モスマンの黙示』(Mothman Prophecies)という著作を発表した。

キールの理論は実に奇妙だった。
彼はUFOは宇宙人の乗り物などではないと考えていた。
モスマンやUFO等、この世界に起こる奇妙な現象の数々は、超越的な知的存在が起こしているに違いない。
何のために?
彼らは人間がそれらに驚いた時の精神的エネルギーを利用しているのではないか?
それが彼の仮説だった。
『モスマンの黙示』は2002年にリチャード・ギア主演で映画化された。
すっげーつまんなかったけど。
その時の邦題は『プロフェシー』。
原作であるキールの本も同名で新訳が文庫で出た。

今でも「プロフェシー」でぐぐるとこの映画ばかりが上位に来る。
思うに、虚淵玄はキールの著作を読んでいたのではないか?
『斬魔大聖デモンベイン』でクトゥルーネタを放り込んできた人だし(思えば、現在のクトゥルフ神話ブームの引き金の一人はこの人か…デモンべインやってないけど)、オカルト関係に明るくても不思議はない。
そう考えると、妙に納得できることがひとつある。
モスマンの姿や行動についてもう一度思い起こしてほしい。
翼状の器官を生やし、左右の間隔が大きく開いたギラギラと赤く輝く目をした、人間の精神エネルギーを求めてやってくる超越的存在。
…心当たりがあるよね?

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