件とは、人面牛身、もしくは牛面人身の妖怪である。


『件(クダン)の噂』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/16462705.html

『件(クダン)の噂:2 カタストロフの予言』

『件の噂:3 異聞』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/16462718.html

『件の噂:4 アペンディックス』
http://wsogmm.livedoor.blog/archives/16462747.html

かつて件は時おり看板のモチーフに使われたりもした様だ。
効能を「件の如し」と謳うのに便利だったのだろう。

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企業の看板にしては奇キャラに思えるが、昔は今のセンスで見ると妙な広告が溢れていた。

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すまう(相撲)印のミルク。
イマイチ飲む気になれないが、当時は赤子が力士の様に太ってくれることが人々の願いだったのだろう。


思えば現在でもマヨネーズの代名詞的キャラが20世紀初頭に創作されたちょっとキモい天使だったりするのも奇異と言えば奇異だし。



上記のエントリ『件の噂 アペンディックス』でも精肉店の看板を紹介しているが、牛肉を扱う店は必然的に牛キャラを起用することが多く、「件」出現ポイントとなりやすい。

例えば、地元に古くからある焼肉屋の看板にも「件」は現れている。

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…味ありすぎ。


だがそれらの牛キャラは──画像の店もそうだが──牛面人身タイプであることが多く、「件」の本来の姿である人面牛身タイプはごく少ない。
そりゃそうだ、人面牛身タイプは気持ち悪いもん。
ところが精肉店で貴重な人面牛身タイプの看板を発見した。

しかもその顔はおそらく店主なのであろうが、若干トミーズ雅似の妙にリアルなおっさんなのだ。
おっさんの頭には牛の角が生えており、体は大胆に省略されているとはいえ、首からほぼ水平に背中のラインが描かれていて、明らかに「件」である。
おっさんは毬の様なものをべろんべろんしゃぶっているが、これは何かよく判らない。
京都だから毬? それとも実は地球儀を舐めしゃぶっていて「ワールドワイドなビジネス展開を狙ってる」ことを示してるとか?

…しかし何故に?
何故に看板が本格的な「件」?
わからない。
さっぱりわからない。





あまりに珍妙な物件なので看板を写真を取り、知人に見せた。
それがこの画像だ。

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おっさんの顔、インパクトありすぎやろ。


だが、この画像を見た知人が衝撃発言。

「…これ、牛車の絵やで? ここの店は昔っからこの絵、使うてるで?」

…えええええええええ?
どゆことどゆこと!?





…うん、確かによく見たらフツーに牛車ですわ。


ゲシュタルト大崩壊。


なんでこんな二義性のあるデザインにするかねー…?