2022年05月13日


随分前からオカルト畑の人って、おどろおどろしいイメージの「オカルト」という言葉を捨てて「スピリチュアル」に言い換えてるよね…と思っていたのですが… 
近年ではそれがさらに「コンシャスネス」に変化したらしいです。 
霊的・魂の次元的に意識高い系なんかなー…。 

その人たちの間で6年くらい前から流行中の概念が私のツボにヒットしまくりなのでご紹介。 



言い出しっぺは作家にしてパラノーマルコンサルタントという怪しさ大爆発の肩書を持つフィオナ・ブルームさん。 
彼女は2005年にアメリカのコンベンション(おたくイベント)で作家仲間とくっちゃべってたそうです。 

それでですね、たまたま雑談の中で「ネルソン・マンデラって確か獄死したよな?」みたいな話が出たら、「うん、したした」という人たちと「ねーよ」という人たちに分かれちゃった、と。 
ちなみにマンデラさんは当時は実際には存命でした。 

普通なら 
「じゃあちょっとした勘違いやん…」 
と思うところですが、彼女はこう考えました。 

「もしかして、『マンデラが獄死した世界』と、『生きている世界』…別々のタイムラインから来た人達がいるのではないか…」 

で、この手の現象に『マンデラ・エフェクト』なる名前まで付いちゃいました。 


ええ~… 
「有名人の○○って何年か前に死んだよね?」 
「いや勝手に殺すな、生きてるよ!」 
みたいな会話って、ただの「あるある」やないですか… 

まぁこの人は冗談として言ってただけらしいのですが…信者さん達はガチです。 


でもコレって、「自分の記憶と世界にズレがある場合、正しいのは記憶の方で、世界の側が変化してるのだ」という主張じゃないですか。 
傲慢にも程があるやろ…。 



他に議論になったり、昔の確かな記憶と現在の証拠にズレがある、と主張されているのは例えばこんなの。 

・アメリカの州の数って、51だっけ? 52だっけ? 
・コロンバイン高校銃乱射事件は1996年? それとも1999年?
・キング牧師の暗殺は至近距離からの拳銃? 遠距離からライフルのライフル? 
・ケネディ暗殺の時、車に乗っていたのは4人? それとも6人? 
・映画や本のタイトルや台詞が微妙に変わっているよね?


ちなみにぐぐると「マンデラ・エフェクトを見つける方法」というのもあるのですが… 

(1) 記憶だけが、唯一の証明になる 
(2) 付随する現象は起きない 
(3) 二つの現実を経験することもある。 

…つまり物的証拠は何もないけど、記憶のごく一部だけが現実とズレたり、どっちだったか判らない曖昧な記憶があったりしたら、それがマンデラ・エフェクトってコトね…。 

それ、「ちょっとした記憶ちがい」と区別する方法がないんですけど。 


…これって初代『バイオハザード』に出てきた「飼育員の日記」【註】もそうよね。 
最後のページが『かゆい うま』で終わってるんだけど、多くの人が「いや、確かに『かゆ うま』だった、間違いない」と主張してるし。 
実は私も『かゆ うま』で記憶してるんだけど。 


複数のタイムラインが入り混じる…? 
どうやって? 

あるいは何者かが歴史を改竄…? 
そう主張する人もいる様です(後述の、私がマンデラ・エフェクトを知るきっかけになった方がソレの模様)。 
それこそどうやって? 
何のために? 

わざわざ改竄してまでやることが歴史の劇的変化でも何でもなく「絵本のタイトルの微妙な変更」? 
何だそりゃ。 
動機が全く説明できないのは陰謀論の特徴です。 



あと逆に、歴史が変わっているのにちょっとした記憶以外に影響が出ないのはおかしくないですか? 

「北京で蝶が羽ばたくと(些細な影響が回りまわって)ニューヨークで嵐が起きる」というバタフライ効果が提唱される以前に書かれたレイ・ブラッドベリのSF小説『いかずちの音』でさえ、白亜紀の世界で蝶を1頭、踏みつけただけで大統領選挙の結果が変わってしまい、タイムトラベル出発前は穏健派の候補が当選してたのに、帰ってきたらスゲェ危険な候補が当選しててびっくり(まさに「バタフライ」効果!)。 

SFついでに言えば、山本弘の『神は沈黙せず』ではそれこそマンデラ効果なみにショボいものから「月が巨大な顔の形になる」レベルまで、あらゆる理解不能な超常現象が次々起こりますが、 
「この世界は巨大なコンピュータで我々はその素子に過ぎない。 
素子が演算内容を理解していない様に、超常現象の意味は我々には判らない」 
という壮大なオチ。 



ちなみに山本弘は「もしかして世界の真の仕組みはこうなのではあるまいかぁっ!?」といった嫌な想像力を働かせた「神経症SF」の名手ですが、一方で科学的思考をする人で、日本の懐疑主義を牽引し、トンデモさんや疑似科学と戦って(そして楽しんで)きた人です。 


私もこういった神経症的なネタ大好きです。
だからマンデラ・エフェクトも発想としては好みだし、だからこそ惹かれ、こうして言及している訳です。 
しかし神経症SFはあくまでも 
「もしかしたら世界はこんな仕組みかも…なーんてね…」 
という思考上の遊びであって、現実的な主張では全くありません。 

マンデラ・エフェクトは現実的には全くダメのダメダメ。 
証拠が何ひとつありません。 

なのに「世界が過去ごと変化する」という前提を受け入れるなら、もしマンデラエフェクトが単なる記憶違いだと証明できたとしても 
「いや、世界の方が変化して『私の記憶が間違いである』という証拠を後から捏造したのだ」 
とか、何とでも言い繕えるじゃないですか。 

しかしその様な主張には反証可能性がなく、そもそも科学の俎上に載りません。 

「証拠なし・方法不明・目的不明・反証可能性なし」。 
こんな箸にも棒にもひっかからんモン、どないせい、と…? 



しかしビリーバーの方たちは証拠がバッチリ残る他のタイプの現象の収集にも余念がありません。 
「この世界の不具合を見つけちゃった」…そんな現象を『グリッチ・イン・ザ・マトリックス』と呼ぶそうです。 

試しに『glitch in the matrix』で検索すると… 
「地下鉄のシートにそっくりの服を着た人が並んで座ってたので撮影してみた」みたいな画像ばかり… 

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服カブっただけやんけ! 

ただのペアルックや捏造の可能性かてあるし、偶然でも充分に説明できるしやん…。 
ドーキンス言うところのペトワック(PETWHAC:Population of Events That Would Have Appeared Coincidental 本来偶然にすぎないのに,なにか関係があるように見える事象の集合)というやつ。 
偶然の説明力を侮ってはなりません。 
我々ヒトは確率計算が恐ろしく苦手なのです。 

こんなモン、要するに笑える画像サイトとかのネタでしかなく、『glitch in the matrix』というフレーズも多くの場合ガチの主張というよりネタ的な意味の様です。 
まぁ海外サイトで信じられないくらい美しい画像が貼られると創造論者じゃない人も『無神論者にチェックメイト』とコメントする、的なコトでしょ…。 



あとこのマンデラ・エフェクト、日本ではバシャールと関連付けられることが多い様です。 
あ、バシャールっていうのはチャネリング、つまり宇宙イタコによって地球人の(ダメな)一部にアクセスしてくるといううちゅーじんの名前です…が別に知らなくていいです。 



ついでに告白しておくと、私が来たタイムラインでは岡本夏生とパンチ斎藤は既に亡くなっています。 

あと私にはしばしば「この話したっけ?」と尋ねる癖があります。 
これは「その話をこの人に話したことがあるかどうか」を思い出せないからなのですが… 
もしかしたら、思い出せないのは「どのタイムラインの私がどのタイムラインの相手にその話をしたか」が判らないからかも。 

もし私があなたに同じ話を2回したとしたら、それは別バージョンの私なのかもしれません…。 

…なーんてね…




ちなみに私がマンデラ・エフェクトのことを知ったのはたまたまmixiニュースからある方の日記を読んで、なのですが… 
この方が実に香ばしい! 
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=3543312 
(mixiへのログインが必要です)
2016年にマンデラエフェクト関係の日記をぽちぽち書いておられます。

そこで
「地図の形が変化してる!」 
「企業のロゴが変化してる!」 
みたいなコト主張してみたり、 
「『まどマギ』や『シュタゲ』はガチやで!」 
的に興奮してみたり。 
ちなみにシュタゲは『シュタインゲート』と表記しておられますが、この方が来られたタイムラインでは『シュタインゲート』が正式名称だったのでしょうか…。 

で、この人、自分でマンデラエフェクトの証拠をあれこれ探してるんですよ。 
「証拠は残らない」筈なのに…どうも「ネットにはまだ少し残っている」という謎理論の様です。 
で、C-3POの「右足が銀色のやつ」とか「左腕が赤いやつ」の画像を見つけて「記憶と違う」とマンデラ・エフェクト認定… 


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うわぁ… 

C-3POはエピソードによって微妙にパーツがすげかわっている設定なだけなんですが。 



で、この人、『爬虫類』による支配がどうたら、みたいな陰謀論にもハマっている模様。 
おそらくレプティリアンがどうとかいう類の話でしょう(多分)。 
ちなみに支配されてる割に「爬虫類は単純」みたいな発言もあったり。 

ネトウヨさんが「日本は朝鮮人に支配されている!」と言い立てる割に「朝鮮人は何ひとつまともにできない」とやけに矛盾した主張を行うのとソックリですね。 
ネットde真実に目覚めたネトウヨがやけに上から目線なのと同じで、この方も 
「わかる人にはわかると思います。ふふ」 
といった妙な選民思想の入った発言が目立ちます。 

で、そのへんの陰謀論やら何やらが入り混じった結果このお方、何故かトランプ推しのヒラリー嫌いなんですよ。 
ヒラリーをわざわざ「ヘラリー」と書いてますが、これは「屁ラリー」的な何かの嫌味なのか、それともこの方の来たタイムラインでは『へラリー』表記が正しいのか…。 

あ、もしかして私、同じ手のギャグ言ったコトあります? 
それ別のタイムラインの私です。 

…なーんてね…



まぁマンデラ・エフェクトも反証可能性がないだけで、たまたま事実である可能性はゼロではありません。 
さらに、記憶だけが書き換わるのは前述の様に無理があるので、何らかの影響がこの世界に及ぶ可能性も全くありえなくはないのです。 
何かの拍子に『いかずちの音』みたいに大統領選の結果が変わり、ヒラリー当選が「なかったこと」になって、トランプが当選した悪夢の世界になってたりして。

…なーんてね…









【註:「飼育員の日記」】 
段々知能が下がっていく、というシチュエーションは『アルジャーノンに花束を』にそっくり。 
あとホラーに「発見された日記」形式を取り入れるのってクトゥルーものでも定番の古典的手法だけど、これって今で言うファウンドフッテージもののはしりですよね。 
ちなみに発禁になった永井荷風の春本『四畳半襖の下張り』も
「主人公が古家の四畳半の襖の下張から見つけた春本を紹介する」 
という体裁になっていてモロにファウンドフッテージ。 




(00:08)

この記事へのコメント

1. Posted by 名無しさん   2022年05月13日 14:12
以前から感じていたことだが、何を主張したいのかいまいち分かりにくい。
冗長で、書き手本人にしか面白味が分からなくて薄ら寒いセルフツッコミやら間の手が多いので、ただただ読みづらい。
もう少し要約出来ないものか。
ただの日記帳のつもりならアンテナから出ていってもろて。

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