2023年03月12日
ネトウヨさんが次々と繰り出してくる珍妙な主張のうち、よく見かけるものとそれへの反論をいろいろまとめ中。
今回はヘイトスピーチ関連のものを集めてみました。
「他にこんなのもあるぜ」とかあったら追加するのでお寄せ下さ~い(と言いつつ、対応は遅れ気味)。
●「表現の自由だ」
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・「差別する自由」などというものはない。
あなたには行動の自由があるが、だからといって自由に人を殴りつけて良い訳ではない。
『私の拳を素早く動かす自由はあなたの顎の近くでは制限されなければならない』 ーウィリアム・O・ダグラス最高裁判所判事
・ヘイトスピーチしておいて表現の自由に訴えるのは、市民プールで放尿しておきながら「私には自由を行使する権利がある、プールから追い出すのは人権侵害」と言い立てる様なもの。話はまず小便垂れ流すのをやめてから。
・基本的に何を書いてもOKな中、「差別はダメ」というたったひとつのルールを守るのがそんなに難しいの?
・本来は自由を求めるのは左翼的言説で、公序良俗や安寧秩序を乱す自由の履き違えを批判するのが右翼的言説。
「都合次第で左翼的言説に訴えるが使い方を間違える」というネトウヨさん平常運転。
●「『私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る』というヴォルテールの言葉を知らないのか?」
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・それは泥棒が「『罪を憎んで人を憎まず』って言うでしょ?」とか言ってる様なもの。
周囲が言うならともかく、ヘイトスピーチしてる側が自分で言う言葉ではない。
超絶おまゆう。
・自由とは「他者の自由を侵害しない」範囲でのもの。
「差別的な主張をする権利」などというものはない。
・寛容な社会を作りたいのなら、不寛容に対しては不寛容でなくてはならない。
・ついでに言えばその言葉はヴォルテール自身が言った訳ではない(名言の類にはありがち)。
●「『多様性を認めない』という意見も多様性のひとつ」「『差別する』という意見を差別するな」
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・矛盾を突いたつもりなのだろうが、「多様性を肯定する者が多様性を否定する意見を受け入れる」ことは矛盾しているし、「多様性を認めない者が多様性に訴える」のも矛盾している。
そちらの矛盾はどうするおつもりで?
・そもそも「多様性を認めない意見」を「多様性」の内側に入れるところがおかしい。両者は包摂関係ではなく対立関係にある。
●「ただの事実」「本当のことを言って何が悪い」
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・ネトウヨさんの主張はしばしばデマを含んでおり、まず「本当に事実か」の検証が必要。
・そもそもヘイトスピーチや政治的主張とは一種の価値命題であり、事実命題ではない。
●「差別されるのにはそれだけの理由がある」「自業自得」
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・なんですかその「いじめられる側にも問題がある」的な主張は。
・じゃあネトウヨさんが批判されるのにもそれだけの理由があるんですね?
●「差別ではなく区別 」
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・なんですかその「事故ではなく事象です」的な言い換えは。
・差別発言をしていながらコレを持ち出す人が大変多く、そういう人には「あなたの場合は区別ではなく差別ですよね?」ってなる。
『私は差別と黒人が嫌いだ』というアメリカンジョークを地でいく自己言及ギャグですか?
もしくは「唱えれば無罪になる便利な呪文」だと勘違いしてませんか?
●「差別差別言う奴こそが差別者」
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・ …という言説自体が「差別」と言ってる訳だから、これも差別なんよね?
なんですかその「アホって言うもんがアホ」とか言い出して「じゃあ『アホっていう言うもんがアホ』って言うもんがアホ」と切り返されて瞬殺される小学生みたいなやりとりは。
・そんなん言い出したらあらゆる「差別の指摘」自体が「差別」ということになり、差別せずに差別を指摘することは不可能になる。
こういう原理的に覆す方法のない、つまり「反証可能性のない」主張は議論の俎上には載せらず、ただ棄却されるだけ。
●「これが差別だと理解できるのは差別心があるから」
↓
・「差別だと認識する」ことと「差別する」ことは全く別。
・じゃあ「『バカ』と言われて怒るのは自分でもバカだと思ってるから。よってあらゆる罵倒はセーフ」っていうことになるよね?
●「『ヘイトスピーチ』は口封じのために左翼が貼り付けてくるレッテルに過ぎない」
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・ヘイトスピーチは世界的に規制が進んでおり、それにはそうされるだけの十分な理由がある。
・日本では永久機関による特許は通らない。
それはどれほど巧妙に作ろうが永久機関は必ず自然法則(熱力学第一法則)に反しており、まともに動かないことがわかっているから。
それと同じで、どれだけ奇妙な論理を持ち出して正当化しようと「自分では選べない属性」に基づいて差別を行い、「個人への批判」を「集団全体への故ない憎しみ」に拡大してしまっている時点でヘイトスピーチは必ず間違っている。
だから「何を言っても良いけど、自分で選べない属性に基づく差別だけはナシな!」となったんですが。
●「向こうもやってる」
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・相手もやってるからといって自分もして良いことにはならない。
「みんながやってたらやっていい」と子供に教えたりします?
「みんながしてるからといって自分だけ悪くないことにはなりません」って幼稚園で習わなかったの?
・「確かに我々が悪かった。だが向こうも同じことをしているのにあっちはお咎めなしなのはダブスタでは」と言うのならまだ理解できる。だがネトウヨさんの「向こうもやってる」は大抵の場合、「向こうもやってるんだからこっちもやって構わない」という自己正当化で、「相殺法」という誤謬なんだよなぁ…。
「こっちも悪かった、今後はやめる。でもそっちもやめろ」とか言ってるネトウヨさん見たことある?
・「相手がやってるならこっちもやって良い」とするなら、日本人へのヘイトスピーチも正当化されることになりますが?
・そもそも「向こうもしてる」という主張自体が誤解に基づいていることが多い。
例えば次の様な主張がそう。
「政権批判はヘイトスピーチだ」「米軍基地批判はヘイトスピーチだ」「『ネトウヨ』と呼ぶのはヘイトスピーチだ」「『日本死ね』はヘイトスピーチだ」
→これらについては後述。
・日本で目にする民族差別的なヘイトスピーチは殆どが日本人から外国人に対するものであって、その逆ではない(ネトウヨさんが曲解して勝手にヘイトスピーチ認定しているのはたまに見るけど)。
それらが国内で批判されたり規制されるのは当然のこと。
日本へのヘイトスピーチが行われているのはおおむね外国であり、それらを規制すべきなのは当地の社会。
それを批判するのは自由だが、憎しみの対象を無駄に広げておかしな批判の仕方をすればそりゃ問題視されて当然。
あ、でもネトウヨさんの論理では「海外から批判するのは内政干渉」なんじゃなかったっけ?
・外国で日本に対してヘイトスピーチしてる人は直接には法で裁けない。
だったら「ヘイトスピーチはダメ」という国際的な世論を育ててその国で禁止される様にするしかない。
率先してヘイトスピーチを行うことはその足を引っ張るだけ。
・そもそも何故「悪いのは韓国」とか「中国」という風に国を単位に考えたがるのか?
反日活動をやってるのは「韓国人」や「中国人」全体ではなく、一部の人。
しかもそういう人は大抵 韓国の「クッポン」や中国の「憤青」などどこの国にもいる過激な国粋主義者でつまりは「向こう版のネトウヨさん」…いわばネトウヨさんのお仲間。
悪いのは特定の国ではなく、「どこの国にもいるヘイトスピーカー」。
どこの国にいようがヘイトスピーカーは批判されるべきであり、日本で目につくのはネトウヨさんだから批判されている。
ただそれだけのこと。
・例えばどこかの中学生が集団で他校の子をリンチしてたら止めるでしょ。
「いや、先に手を出したのはこいつらの学校なんすよ。隣町では俺らの仲間がこいつらにボコボコにされてて…」と言われて「だったら仕方ないよね、じゃあ続けて」という大人なんていないでしょ。
普通は止める筈。
そもそもこれは「A中学とB中学の抗争」ではないよね。
どっちの中学にも血の気の多いのがいて、似た者同士でやりあってるだけ。
で、両校の一般生徒から見れば「どっちの学校であれ暴力的な生徒は迷惑よね」という話でしかない。
同様に、ヘイトスピーチの問題は「日本と韓国・中国の罵り合い」ではないでしょ。
こんなん「どちらの国にも血の気の多い国粋主義的なのがいて、似た者同士でやりあってるだけ」で、両国の一般国民から見れば「どっちの国であれ、過激な自称愛国者は迷惑よね」という話でしかないやん…。
日本にヘイトスピーチしてくる人たちのことを批判したいなら、同じ土俵に乗って同じくらい汚れた手を振り上げても説得力に欠けるのでは?
・悪いのは「民族」など自分では選べない属性に基づく集団ではなく、やりたくてヘイトスピーチしてる個人やその集まり(クラスタ)。
似た者同士の内輪の揉め事を勝手に民族間の対立に昇格させて、どこの国にも多くいるヘイトスピーチなどしない人々を巻き込むのはやめてほしいんですけど。
●「政権批判はヘイトスピーチだ」
●「米軍基地批判はヘイトスピーチだ」
●「ネトウヨと呼ぶのはヘイトスピーチだ」
●「『日本死ね』はヘイトスピーチだ」
↓
・ヘイトスピーチとは自分で選べない属性による差別のこと。首相や米軍人やネトウヨさんは自分で選択してなっているので、ヘイトスピーチにはあたらない。
・批判=ヘイトスピーチだと思っているネトウヨさんが多い様だが、批判自体はヘイトスピーチではない。
・基地に関してはそもそも米国が差別する側・日本が差別される側。ヘイトスピーチとは差別する側がされる側に対して行うものであり、逆ではない。
ある白人が気軽に「黒人め!」と罵るのと、ある黒人が長年差別を受け続けた果てに「白人め!」と叫ぶのは同じではない。
・仮に『ネトウヨ』という言葉が差別だとしても、ネトウヨさんは自身が差別を行っているのだから自らも差別されることを容認すべきなのでは?
・「チョン滅びろ」は問題なくて「ネトウヨ」はヘイトスピーチ? 何だそりゃ?
・『日本死ね』は文脈から言えば「国内から上がった国政批判の声」であり、特定の集団なり個人なりの死を願っている訳ではない。
内集団への批判はヘイトスピーチではない。
黒人が自分たちを「ニガー」と呼ぶのは問題ないし、ダブスタでもない。
●「犯人はきっと外国人だ、日本人はそんなことはしない」
↓
・それは日本人の天使化・外国人の悪魔化。
日本人にも良い人もいれば悪い人もいるし、外国人にも良い人もいれば悪い人もいる。
世界は曖昧で複雑なのがデフォ。
自分が過度に単純化した世界観しか理解できないからといって、それを世界の方に押し付けるのはやめていただきたいものです。
・「犯人は日本人でない」の根拠が「何故なら日本人はそんなことしないからだ」というのはあらかじめ前提に結論を組み込んだ論点先取であり、「犯人は日本人ではないから日本人ではない」と言ってるだけの同義反復。
(23:58)
この記事へのコメント
1. Posted by ランパード 2024年02月15日 12:18
素晴らしいマニュアルですね
とてもわかりやすく端的にまとめられている
是非活用させていただきたいです
とてもわかりやすく端的にまとめられている
是非活用させていただきたいです
2. Posted by ブログ主 2024年02月16日 08:00
>>1
ありがとうございます!
このエントリは気合を入れて書いたので報われる思いです。
ありがとうございます!
このエントリは気合を入れて書いたので報われる思いです。
3. Posted by 新人読者 2024年03月17日 03:41
今更だけどヴォルテールのくだり、最後の説明が項目ひとつ分ズレてますよね








